第四話『悪魔誕生 その④』
メインモニターに機械仕掛けの騎士が映る。長大な十文字槍を携え、横薙ぎに振り抜こうと振りかぶっている。センチネル・ソルジャー、鉄壁の守りと多彩な兵器で戦う尖兵だ。その先、低い高度まで降りてきてこちらに狙いを定めているのはセンチネル・スナイパー。装甲を焼き穿つ一撃必殺のプラズマ粒子加速砲を構え、冷徹に照準を合わせている。そして最奥に君臨するのがセンチネル・ヒーロー。身の丈程もある巨大な剣を携え、一刀のもとに斬り伏せようと仁王立ちする。
状況は芳しくない。ジャゴのシステムが必死にパイロットにもう限界だと警告する。バッテリー水素ハイブリッドエンジンの生命線である水素残量は既に十六・二パーセント。全身の各関節にとどまらず、内部フレームの駆動部までもが度重なる無理な戦い方で悲鳴を上げている。駆動部の損耗率が五割を上回るとGSは正常に動作できなくなるとされているが、アラートとともに表示されている損耗率は四十八・四パーセント。そして走る度に、衝撃が足裏から全身の関節へ伝播する度に、その数字は加速度的に深刻化する。
「あと三機・・・行けるか?いや、行くしかないか。」
ジョーは短い言葉で己を鼓舞する。ここからは一手たりとも無駄な動きは許されない。ジョーにとってはまだまだ道半ば。この三機はゴールではなく、その先の『本命』に辿り着く為の障害に過ぎないのだから。
障害は取り除く。ただ、それだけの事なのだから。
「行くぞポンコツ、保ってくれよッ・・・!」
遂にソルジャーとジャゴが間合いに入る。
武器は互いに同じストライククロス。正面からの打ち合いなら最新鋭機のソルジャーに軍配が上がる。槍を突き出すジョーのジャゴ、それを弾こうと一閃するソルジャー。二つの十字が交差する。
驚愕はソルジャーのものだった。交差したかに思えた槍は接触せず、ジョーのジャゴは再び宙を舞う。それはセンチネルのパイロットたちが想像だにしなかった奇策だった。ジャゴは十文字槍を棒高跳びのポールとして使い捨て、五十トンの巨体を今一度空に放ったのだ。
ジョーの動きが、ソルジャーの理解を超える。スナイパーの照準が狂う。空白の時間がスローモーションのように引き伸ばされる感覚を、三機の騎士が共有する。槍を振り抜いた前傾姿勢のソルジャーの背に、ジョーのジャゴが着地した。センチネル特有の絶大な瞬発力を実現する背部バックパックの大型ブースターは、見方を変えれば露出した大型爆弾だ。足場にしたそれを、ジョーのジャゴは容赦無く蹴り飛ばす。蹴撃は外装を大きく挫滅させ、内部のプロペラントタンクを勢いよく破裂させた。衝撃はコクピットまで貫通し、パイロットスーツでも備え付けのエアバッグでも殺しきれないエネルギーが小さなヒトの身体に襲いかかる。ソルジャーはそのまま力なく顔面から地面に激突し、段階的に細かい爆発を繰り返しながら砕け散った。
スナイパーのパイロットは、その光景を見て絶叫する。狙いを定める余裕はなく、接近するジャゴがサイトに入った瞬間に射撃スイッチを押し込んだ。狙いも何もあったものではない、本来なら無駄打ち。しかし動揺も恐怖も知らないAPSがパイロットの代わりに狙いを修正する。
―――寸分たがわぬ、コクピットへの一射。
だからこそ、ジョーは空中でも避けられる。
片腕がないというハンデを極限まで活かし、姿勢制御レバーを微妙な加減で引いて、ジャゴの身体を弓なりに引き伸ばしながら屈する。
死の光りがジャゴの装甲を照らし、高熱は触れずとも表層の塗料を蒸発させる。そして照らし出された鉄塊が真っ赤に赤熱しながら蒸気を上げて歪んだ。真紅の閃光を脇腹で抱き込むようにしてやり過ごすと、元から存在しない左腕の方へ流してプラズマ粒子砲の一撃がスレスレで通り過ぎる。
もはや逃げられる距離になく、また狙える位置関係にもなく。必殺の機を逃したスナイパーが、地を這うべき旧式機の逆襲に遭う。ジョーのジャゴはスナイパーの足首を掴むと、そのまま敵機を引きながら落下する。そして腕の振りと激しい姿勢の反転を利用し、鞭を打つようにしてスナイパーを地面に叩きつける。衝撃はセンチネルの外装を痛々しく破壊し、内供構造を粉砕し、その形を保ったまま二度と立ち上がらない鉄塊に変えた。
しかし、ジャゴも無傷ではいられなかった。スナイパーを叩きつけた時の衝撃が腕にも伝播し、ここまでの戦いで蓄積された各関節へのダメージが、起動した時限爆弾のように悲鳴を挙げた。マニピュレーターは砕け、肘から肩にかけてのフレームはバラバラに解け、各部のケーブルが一斉に千切れて火花を散らす。損耗率、六十八・五パーセント。危険域を大きくオーバー。腕を喪失した事を加味した数字ではあるが、全身のあらゆる稼働パーツが限界を迎えている証拠だ。もはや、いつ機能停止してもおかしくない。
センチネル・ヒーローのパイロットは戦慄していた。たった一機の旧式の為に、既に六機もの友軍機が破壊されてしまった。両腕を失ったジャゴとの一騎打ち、常識で考えれば負ける要素は一つもない。しかしこの敵を相手取る上では、戦いの常識など最も当てにしてはいけない事だとよく分かる。
ジョーのジャゴが一歩踏み出す度に、センチネル・ヒーローは一歩退く。それは相手を誘い込むように。第六ドックの正面は大型車両が難なく行き来出来るようにロータリーになっていて、周囲のビルに囲まれた地形とひらけた環状交差点は決戦のリングのように見える。ロータリーを挟んで片側にジョーのジャゴ、もう片方にセンチネル・ヒーロー。その先はセンチネルが退いてもジャゴは踏み込まない。
両腕が欠損し、後どれぐらい動けるかさえ定かではないコンディションのジャゴにとって、出来る攻撃は突進のみ。それを告白するように、ジョーのジャゴはクラウチングスタートのような前傾姿勢を取る。
「見事。」
センチネルのパイロットが思わず呟く。そして巨大な剣を大上段に構える。
通常の剣術は剣を振り上げる動作と振り下ろす動作のツーステップで構成されている。そこに足捌きや間合いの管理、場合によっては盾の有効活用も追加される。センチネルのパイロットは目の前のジャゴの動きを見て、瞬時にツーステップでは食われると直感した。故に構えは大上段。構えの時点で剣を振り上げる動作を完了した、ワンステップの構えを選択する。
防御手段を一切持たないジャゴと、防御を完全に捨てたセンチネル。勝敗は一瞬で決まる。それが分かっているからこそ、二機は時間が止まったように動かない。両者のコクピットではシステムが、様々な信号をけたたましく送り続ける。接敵反応、警告表示、推奨戦闘プラン、機体損耗率表記、エネルギー残量アラートなど・・・二人のパイロットはその悉くを完全に無視する。見ているのはただ一点、すなわち敵。モニターに表示された像では無く、よりリアルな、手触りのある相手の『命』。
二機のGSの時が止まっても、戦場の時間は止まらない。動かない二人の周りの景色は否応なしに変貌を遂げる。
街の外周のめぼしい建物を破壊し尽くした五隻の地上戦艦が、遂に艦載砲で瓦礫さえも粉砕して進路を切り開きながら中心部へと侵攻を始めたのだ。それは、めぼしいドックがやもはや中心街の第五ドック、第六ドック、第七ドックしか残っておらず、より外周に近い第一から第三ドック、第八から第十ドックはレジスタンスと自警団の奮戦虚しくも壊滅させられた事を意味している。同時にこれは、同盟軍側のGS部隊への撤退命令でもあった。ドックを虱潰しに探すフェーズは終了し、街を完全に更地に返す『掃討作戦・無差別砲撃』のフェーズがはじまったのだ。
『ジョー!応答して!』
ジャゴのコクピット内に少女の声が響く。通信越しでもその慌てようが想像出来るほど、語気は強かった。叫びとさえ言えるだろう。
『タイムアウトだよ、もうジャゴでどうにか出来る段階じゃない!』
ニナは戦場になった街から離れて、状況を一望出来る廃墟都市のビルに隠れていた。同じような掃討作戦で壊滅した街だ。そこから、地上を這うクジラのように何もかも粉砕しながら進撃する戦艦を望遠スコープで見ているのだ。
『ねぇ、ジョー!聞こえてるの、分かってんだからね!』
苛立ちながら叫ぶニナ。コンクリートの壁を蹴る。
しかしジョーはそれさえ無視。通信を切る事さえしない。崩れ行く街、鳴り止まないアラート、叫び続けるニナ・・・その全てを悉く置き去りにして、極限の集中力で目標を見据える。
モニターの向こうの、
コクピットハッチの向こうの、
ロータリーの向こうの、
増加装甲の向こうの、
コクピットハッチの向こうの、
モニターの向こうの、
まだ見ぬパイロットの、首。
―――崩れ行く世界の中で、ただそれだけを見据える
二人の視線が一致した時―――
地を蹴るジャゴ。爆裂した地面から粉塵が吹き上がり、機体はそれをも置き去りにする。この衝撃で脚部関節を守っていた外装はバラバラと剥がれ、役目を全うして地面に転がる。
センチネルのパイロットはまだ反応しない。相手の動きに釣られそうな自身の反射神経を根性で抑え、APSの勝手な自動反応を許すまいと力強く手動ブレーキを握る。まだ間合いではない。コンマ数秒にも満たない時間が、極限の集中力の世界では何十秒にも引き伸ばされる。『その』タイミングを待つ。長く苦しい、我慢の世界。
そして、音速を超えた攻防が遂に結実する。剣の間合いに入ったジャゴに、センチネルが重く鋭い鉄槌を下した。弧を描く剣閃がジャゴの頭を潰し、その直下のコクピットを潰し、同時にその背後のバッテリー水素ハイブリッドエンジンを潰し、縦真っ二つに切り裂いて絶命させるコースを行く。
『瞬間』を狙っていたのはジョーも同じだった。それは、あと少しで剣が機体に接触するかどうかの『瞬間』だった。その瞬間、ジョーは勢いよく姿勢制御レバーを引く。ジャゴの前傾姿勢は反転し、振り下ろされる剣と同じ速度でジャゴの身体も地面の方へ動く。頭部と脚部の位置が逆転し、突き出された足が正確にセンチネルの胸部を射抜いた。この姿勢では何度もバックパックを地面に叩きつける事になり、ジャゴのエンジンは見るも無残に破壊されて全機能が停止した。しかしそれでも、慣性だけは止まらない。ジャゴの質量に押されてセンチネルは背後のビルに突っ込んだ。何の抵抗もないまま、勢いを殺す事もないまま。その事実が、敵パイロットの安否について雄弁に語る。
ジャゴの足はやがて完全に折れ、バラバラに砕け散りながら鋭利な大腿部のフレームがセンチネルの装甲を突き破って突き刺さる。潰れて抱き合う二機は押し花のよう。センチネルの剣は最後までジャゴのコクピットに触れる事はなく、手動レバーで開いたコクピットハッチからはジョーが耳元に通信デバイスを宛てながら出てきていた。
「ニナ、聞こえるか?」
地上数階程度の高さから難なく飛び降りると、足早に二機から離れながら通信を続ける。
『聞こえるか?じゃないでしょ!何やってたの!』
「・・・機体はロスト。作戦通り第二フェーズに移行する。」
ニナの叱責に、一瞬黙るジョー。ニナの口調を聞いて、これは何を言っても納得されない空気だと見抜く。ならばしょうがないと、状況説明だけを簡単に済ませる。
『作戦?そんなの良いよ、もう作戦失敗だよ!軍艦が無差別攻撃に乗り出したの。どうにか出来る段階は終わったんだから、素直に合流ポイントまで帰ってきて!』
「そうでもない。第七ドックはもう目と鼻の先だ。行ってくる。」
『待って!ねぇ・・・!』
ニナの通信を強引に切ると、そのまま第七ドックの方へ走り出す。
地上戦艦の砲撃は更に激しさを増し、生き残った同盟軍のGSは既に戦艦の周囲まで退却し、逆に戦艦は何もかも薙ぎ払いながら街の奥へ奥へと侵攻する。生き残ったレジスタンスのジャゴたちは戦艦を止めようとするが、その護衛に回った遠距離狙撃タイプのセンチネル・スナイパーやナイト・アーチャーたちが戦艦の甲板から次々に狙い撃ちしていく。艦載砲が悉く全ての遮蔽物を粉砕し、平地に引きずり出された歩兵を狙撃手が撃ち抜いていく。その様はもはや戦いとは呼べなかった。作業、あるいは掃除と呼ぶべき行為だった。
「今度はなんだ?」
通信デバイスを持ったまま走るジョーだったが、再びデバイスが通信を受け取って鳴り出した。少々苛立ちながら画面を見ると、それはオープン回線で救難信号を出していた、アドレスコードはレジスタンス末尾だが大部分が文字化けした怪しい発信源からの通信だった。
「第六ドックの奴らか。」
通信を受け取ったジョーがぶっきらぼうに言う。すると、先程と同じ声が否定した。
『否。我々は第七ドック所属の研究チームだ。だが、そうか・・・お前が例のパイロットか。』
意味ありげに声が言うと、その先を続ける。
『九五◯◯(きゅうごまるまる)までに、第七ドック第二ハッチへ急行せよ。繰り返す、九五◯◯までに、第七ドック第二ハッチへ急行せよ。繰り返す・・・』
「・・・了解。」
機械音声のように命令を繰り返す、肉声。短く返事をすると、その通信を強引に切ってジョーは全力疾走する。
九五◯◯、つまりおよそ1分半。そのタイムリミットの中で、本来なら十分以上はかかる距離を走破しなければならない。空から砲弾が降り注ぎ、このあたりの建物も次々に破裂しては崩れていく。瓦礫、崩れたビル、いくつもの行き止まり・・・そういった物を飛び越えながら建物の屋根に登り、屋根から屋根へとジャンプを繰り返す。
走るスピードは既に時速六十キロメートルをオーバーしていて、段階的に七十キロメートルに到達しつつある。明らかに人間離れした身体能力だが、それもそのはず。彼はただの人間ではなく、アインハルト博士による人体改造を受けた改造人間なのだから。広い視野、卓越した空間把握能力、鋭敏すぎる超感覚、怪物的な身体能力を殺し合いの中で極限まで磨き上げた、最強の兵士がすなわち『ジョー・ザ・スクラッパー』なのだ。
そんなジョーでもギリギリだった。目線の先には第七ドック。閉まりつつある第二ハッチに飛び込み、大口が彼を飲み込むようにして封鎖される。
「コードネーム『スクラッパー・ジョー』、呼び出しに応じて参上した。次の指示を乞う。」
身体の砂埃を叩いて払いながら言うと、一人、また一人と薄暗いドックの奥から白衣の研究員達がやってくる。そして、無言で拍手をしながら彼を取り囲んだ。
その中でも特徴的なのは、老齢ながらガッチリした体格の研究員。目を凝らすと、彼の身体の大部分は機械化されていて、顔面の半分もマスクのように鋼鉄が覆っている。眼鏡に見えたものは頭部に埋め込まれたカメラで、機械化された手の中には真新しいパイロットスーツが大事そうに抱えられていた。
「私だ。声で分かるな?よくぞここへたどり着いた。話に聞いていた通りだ。」
それは通信を送っていた研究員の声だった。ジョーはパイロットスーツを受け取りながら誘導されると、ドックの奥へ研究員たちと歩いていく。
「我々は半年ほど前にアインハルト博士に『VOLT3』の設計図を送りつけられたものでな、まあ、なんとか今日までに仕上げたというわけだ。」
「VOLT・・・?」
研究員の言葉にジョーが問いで返すと、研究員は驚いた顔をする。鉄仮面からはみ出たしわくちゃの皮膚を見るだけで、その驚愕が見て取れるほど。
「すごいですよ、VOLTは。アインハルト博士の最高傑作、戦いの歴史を終わらせる兵器ですよ。誰にも使えないですけどね~。」
気さくな口調で若い女性研究員が言う。そんなジョー達の視線の先には、既存のどんなGSのとも違う巨人が立っていた。
全高、目算で十五メートルほど。くすんだ赤色と黒銀色の装甲は。そのシルエットはどこか、鍛え抜かれた戦士のような、生物的な生々しさを醸し出していた。しかし目を凝らせば、やはり人間とは違う関節、違う身体。その、ヒトとヒトならざる者の境界に立つ有り様が内なる不快感を湧き上げる。
「これが、VOLT・・・?」
ジョーの質問に、その場にいた研究員は皆静かに頷いた。
第七ドックが大きく揺れる。次いで小刻みな揺れと、立て続けの破裂音。戦艦の魔の手が遂にここにも及んだ証拠だろう。車両による砲撃か。歩兵によるジャベリンやマシンガンの攻撃も迫りくる。
「さあ、そのスーツを着てVOLTのコクピットに急ぎたまえ。」
鉄仮面の研究員が急かす。
「スーツって、そんな時間は・・・」
「必要不可欠だ。急ぎたまえ。」
研究員は強引に遮ると、語気を強めて言った。他の研究員達も同意見だと目つきで同調するので、ジョーは仕方なくスーツを着替える。
その間に研究員達は思い思いの武器を持って、VOLTを足元から螺旋状に覆っているタラップの手すり付近に整列する。壁が崩れはじめ、火の手が上がる中、見るも悍ましい光景がジョーの眼前に広がっていく。研究員達は自分自身の身体をハーネスで手すりに固定し、隙間無く身を寄せて武器を構えた。それが何を意味するのか、分からないジョーではなかった。マシンガンを構えるもの、拳銃を構える者、巨大なバズーカを構える者、両手に手榴弾を持つ者、それ以外にも実に様々な武器を研究員達は構えている。
最後に鉄仮面の研究員がその行列に加わると、外部ハッチからVOLTの足元まで、隙間無く真っ赤なレーザー網が展開されて鉄壁の防御を展開する。
「ジョー君。我々の希望、我々の意地、我々の命、君に託そう。アハト・ゼムに栄光あれ!」
そう言って鉄仮面の研究員も、他の仲間たちと同じようにマシンガンを構える。機械仕掛けで強化された肉体の恩恵か、彼は二挺同時に構えていた。
「アハト・ゼムに・・・栄光あれ。」
研究員たちの行動に少々気圧されながらも、ジョーはこの時全てを察した。研究員たちの覚悟、このあとの運命。ここへ来た意味。ここまでの道のり。その全てが、奴の筋書き通りだったという事も。
ジョーは全ての研究員たちに敬礼すると、一心不乱に鉄の階段を駆け上がる。研究員たちの表情は実に晴れやかだった。己の運命を知りながら、それは一切の曇り無く『やり遂げた』者の顔だった。それこそ、マラソンを駆け抜けるアスリートがラストスパートで見せるような。
遂に外壁が破裂し、粉塵とともに同盟軍の兵士たちがなだれ込む。
「ここです!当たりです!奴らここに籠城してやがります!」
若い兵士が無線機に怒鳴り込むように報告する。
すると彼を追い越すようにして何人もの兵士が戦闘態勢で突撃するが、すぐにレーザー網に阻まれる。
「先輩、レーザーガードが濃すぎて進めません!」
「馬鹿野郎!何のためのハジキだ!構えろ、撃て!」
兵士たちは混乱の中で、ほとんどその場の判断で研究員たちを撃つ。
ハーネスで身を手すりに縛り付けた研究員たちもまた、各々の判断で兵士たちを迎え撃つ。しかし正規軍の兵士たちは防弾装備を整えている事に加え、白兵戦のいろはも心得ている。研究員たちの攻撃はほとんど有効打にならず、逆に同盟軍兵士たちは次々に凶弾を命中させていく。
駆け抜けるジョーを、研究員達は銃撃を一心に受けながら見送った。純白の白衣は見るも無残に赤く染まり、ハーネスで固定された身体が銃声のリズムに合わせてダンスを踊る。
タラップを駆け上がる音がドックの中に鳴り響く。男は前だけを見て駆け上がり、無機質な銃声とすれ違う。外側には、男を守るようにズラリと人が並んでいた。白衣を着たまま、施設の研究員たちが肉の壁になっている。
容赦なく降り注ぐ鉛の雨が、頭蓋を砕く。
腹を食い破る。
胸に風穴を開ける。
肉を散らす。
―――それでも彼らは倒れない。
意識も、命もないのに、倒れる事だけは決してしない。
それは『レジスタンス』と呼ばれる狂気の徒、無声の激励を受けて駆け抜ける男もまたその一人。真新しいパイロットスーツに身を包み、撃ち抜かれる同志たちを背にコクピットを目指す。
「クソッタレ!何なんだよ、こいつら!」
若い兵士が悪態をつく。
「喚くな!何が何でもコクピットに行かせるな!」
中年の兵士が声を上げる。銃声にも負けない声を。それはむしろ、己を鼓舞するように。
―――
―――――
―――――――
『ダメです!パイロットがもうコクピットに・・・!』
通信機越しのくぐもった声が地上戦艦の艦橋に響く。メインモニターに映し出された整備ドックからは黒煙が上がり、合わせて五隻もの戦艦がその死に体の建物を囲んでいる。各艦にはそれぞれ、複数の同盟軍正式量産機ナイトと、そのさらなる発展型の高級機センチネルが随行していた。それはGSと呼ばれる巨大な人型兵器。誰もが寝物語に聞いた巨人を幻視するだろう。
民間のドック一つを相手にするにしては明らかな過剰戦力。それは同盟軍の誰もが分かっていた事だ。だからこそ、不気味。
「やむを得んな。全艦に通達、総員打ち方用意!」
額に溜まった脂汗を拭うと、艦長は部下たちに冷徹な指示を下す。
「しかし艦長、友軍がまだあの場所にっ!」
「構わん。何が何でも破壊せよ、というのが上からの命令だ。」
振り返りざまに声を上げる部下に、艦長は精一杯の冷酷さを演じて見せる。眉間に青筋を浮き上がらせ、握った拳は僅かに震えていた。
戦艦の主砲がぐるりと半転して一点を見つめる。崩れかけの、炎上して黒煙を上げる整備ドックである。
「納得いきません!『VOLT』とはいったい何なんですか!何故ここまでして・・・」
「うるさいっ!命令だと言っている!全艦に告ぐ、―――撃てっ!」
若き部下の訴えをかき消し、艦長の命令が通信機越しに全艦の艦橋を駆け巡る。総勢三十一機にも及ぶGSの軍勢が作戦状況を見守る中、戦艦の主砲が容赦なく火を吹いた。雷鳴のような轟音が幾重にも重なって響き渡り、ドックのみならず、建物を中心とした一帯が地表から消し飛ばされた。攻撃は執拗で、無慈悲だった。
誰も生かしておかない。
何も残してはならない。
『ソレ』の痕跡さえ継承させない。
そんな執念を感じずにはいられない程、攻撃は残忍で、執拗で、徹底的だった。
若き兵士にはもくもくと広がり膨れ上がる赤黒い雲が、全てを飲み込む巨大な髑髏、あるいは無感情に肥大化する怪物の首のように思えてならなかった。
―――――――
―――――
―――
VOLTと呼ばれていた巨人のコクピットは、これまでのGSとは違って項の位置にあった。飛び込んだ瞬間、複数のハッチが閉じてジョーは操縦席に誘導される。内装は機械的なのに、その手触りはむしろ生物的だった。コクピット内には僅かに景気やコントロールパネルの明かりが灯るだけで、その薄暗さも相まって、ジョーは怪物の腹の中に居るような気がした。
「モニターはないのか。」
戸惑いながらも周りを見渡すと、意味ありげに後ろ髪のような太いケーブルの束に接続されたヘルメットがあった。思い切ってそれをかぶってみると、瞬間、凄まじい轟音と浮遊感が襲いかかる。
外では正にこの瞬間、地上戦艦五隻による同時砲撃が決行されたのだ。しかしそれだけではない。何かとてつもない力がジョーとVOLTを空の彼方に突き上げた。それは、第七ドックの地下に敷き詰められた大型爆弾だった。もしドックが完全に陥落するような事があれば、その爆弾が敵も味方も巻き込んで周囲を吹き飛ばす事になっていたのだ。
無重力のような浮遊感の中で、ジョーの視界には『VOLT3 ACTIVE』の文字が映る。そして、真っ暗な視界がクリーンになっていく。
「なんだ、これは!?」
驚愕は無理もない。全周囲360度の視界、死角はゼロ。正面を示す照準表示以外は方向を定義するものさえ何も無い。全周囲炎と黒煙の世界が上下左右に、無限に広がっていく。
無感情に意識が崩れていく。
大海に落ちたインクのように、自己が指数関数的に希釈されていく。
広すぎる視界がそうさせるのか、それ以外にも要因はあるのか。
考える事さえ成立しないまま、時間だけが流れていく。
この間、コンマ数秒にも満たず。
極限状態の中で、回路がつながる感覚があった。
ズレた視界が一致する。
脊椎から伸びて全身へと広がる神経が、皮膚を突き破ってもう一つの網に接続される幻覚。
宇宙の構造が脳の構造と重なるように、極小と極大が重なって開眼する。
その瞬間、二つの身体が一致する―――
髑髏のような黒雲を抜けて、真っ赤な巨人が自由落下する。これほどの衝撃を受けて、なお無傷。直下には、黒煙を上げる街。それを蹂躙する地上戦艦、五隻。護衛のGS、多数。意識が現実に引き戻される。戦いはまだ終わっていない。
死にゆく全てのレジスタンスの思いを受けて、赤銀の死神が今、降臨する。
悪魔誕生編 終
おまけ
GSの性能設定について:
機体解説:G-JG-0 ジャゴ(JAGO)
・モダンビルド社が開発した人型兵器の始祖であり、高機動力と多用途性を両立させた傑作機。
型式番号: G-JG-0
全高: 13.0m
本体重量: 50.0t / 全備重量: 55.0t
主機関: バッテリー・水素ハイブリッドエンジン
出力: 18,388kW
製造元: モダンビルド社
武装(WEAPONS SYSTEM)
・J-マシンガン
90mm徹甲弾を射出する主兵装。高い連射性能と信頼性を誇り、中距離戦闘における主軸となる。
・J-アックス
取り回しに優れた近接戦闘用兵器。白兵戦のみならず、障害物の撤去や破壊工作など、工兵的な用途でも真価を発揮する。
・グレネード / グレネードランチャー
マニピュレーターによる直接投擲のほか、全身のハードポイントに設置したランチャーから射出可能。対GSや対地上戦艦を想定した重要装備である。
・胸部ガトリング砲
胸部装甲内に隠蔽された200mm徹甲弾連射砲。リロード不可の使い切り兵装だが、その火力は絶大。発射時は装甲を展開して内部機構を露出させるため、防御力が著しく低下する「諸刃の剣」である。
・J-バズーカ
対地上戦艦用の重火器。グレネードを凌駕する射程と破壊力を有するが、大型ゆえの取り回しの悪さと発射時の強烈な反動により、戦術の高速化が進む中で旧式化しつつある。
機体特性と機構(DETAILS)
・頭部センサーユニット
胴体からアームを介して接続された円筒形ユニット。前面に大型レンズ、背面にサブカメラ、側面にアンテナを配備。映像、ソナー、通信機能を統合しており、360度の独立旋回によって死角のない索敵能力を実現している。
・多機能マニピュレーター
精密外科手術ロボットの技術を転用。5本指による極めて繊細な作業を可能とする一方、格闘時には手首のオートロック機構と指部保護用のバイザーガードが展開し、駆動系を確実に防護する。
・モジュラー・ハードポイント
背部、肩部、腰部、腕部、脚部の装甲をハードポイント仕様に換装可能。パイロットのスタイルに合わせた予備兵装の自由な懸架が可能だが、接続部の装甲強度が低下するため、運用の際はそのリスクを考慮する必要がある。
・高機動脚部ユニット
ヤギ等の蹄行性動物を参考にした逆関節構造と、蹄を模した接地部を採用。この特殊構造がもたらす瞬発力により、自機全高を超える大ジャンプや高速走行を可能とした。特に山岳地帯や瓦礫が散在する市街地において、驚異的な踏破能力を誇る。
操縦システム(COCKPIT & INTERFACE)
・機体の核心部である胸部コックピットは、人形兵器のスタンダードを確立した設計となっている。
・モニターレイアウト: 正面と側面に大型モニターを配置。背面映像はメインモニターの一角に集約されている。マップや機体状況は独立した小型モニターで一括管理される。
・操作体系: 基本操作はT字型ハンドルとフットペダルで行う。ハンドルの左右ボタンにより「攻撃・防御・蹴り・保持・放棄」といった基本アクションを瞬時に切り替え可能。また、姿勢角度レバーを用いることで、片膝立ちや上体反らしといった複雑な挙動も自在に制御できる。
・ガトリング砲運用: 専用ハッチ開放ボタンで展開。コックピットの左右から挟み込む形で発射されるため、パイロットには極めて深刻な騒音被害が及ぶ。これを防ぐため、全搭乗員には専用の耳栓着用が義務付けられている。
・通信・法規: 信号送出(戦時国際法準拠)はモニター側面の専用ボタンで操作。友軍通信は秘匿性の高い音声のみの仕様となっている。
機体解説:G-KT-W ナイト・ウォーリアー(Knight Warrior)
・SS社とマックナイト社が共同開発した「ナイトシリーズ」の主力兵装。「打倒ジャゴ」を掲げ、専門性と人型としての運動能力を極限まで追求した対個体戦闘特化型機体。
型式番号: G-KT-W
全高: 15.0m
本体重量: 60.0t / 全備重量: 65.0t
主機関: マイクロ原子炉
出力: 110,325kW
製造元: SS社、マックナイト社共同開発
武装(WEAPONS SYSTEM)
・ナイトシールド
全身をほぼ覆匿可能な大型実体盾。船底のような湾曲形状は避弾経始に優れ、ジャゴシリーズの「200mm胸部ガトリング砲」の直撃にも耐えうる堅牢さを誇る。裏面には多目的ラックを備え、予備マガジンやグレネードを積載する母艦的機能も有する。
・スパイクメイス
敵GSの装甲を粉砕することに特化した、棘付きの重量打撃兵器。通常は取り回しに優れた短柄だが、シールド裏に格納された延長用ポールを連結することで、長柄のメイスとしての運用も可能。
・ナイトマシンガン
片手での運用を前提とした90mm口径マシンガン。シールド裏の予備マガジンへ即座にアクセス可能な設計となっており、武装を持ち替えることなくシームレスなリロードが行える。
機体特性と機構(DETAILS)
・頭部ユニット
中世騎士の兜を模した装甲カバー内に、高精度のカメラ、センサー、ソナー、通信機を凝縮。各デバイスを徹底して小型化することで頭部全体の被弾面積を縮小し、戦闘継続能力を高めている。
・オートマチックパイロットシステム(APS)
操縦の大部分を自動化した新世代システム。戦闘データの収集・解析を常時行い、回避行動や姿勢制御、複雑な戦闘モーションを自動実行する。蓄積されたデータはネットワークを通じて友軍機へ即座に共有されるため、戦場全体で戦術レベルが向上し続ける特性を持つ。
・腕部ユニット
両腕に標準化されたハードポイントを設置。ナイトシールドを筆頭に、作戦目的やパイロットの特性に合わせた多彩なオプション装備をダイレクトにマウント可能。
・高機動推進システム
背部メインブースターは、自機の全高を大きく上回る跳躍や長距離滑空を実現。さらに膝、ふくらはぎ、足裏、爪先に配置された「脚部補助スラスター」により、白兵戦における爆発的な加速性能と空中での姿勢保持能力を確保している。
操縦システム(COCKPIT & INTERFACE)
・オートマチックパイロットシステム(APS)
高度な自動化により、従来の操縦桿から左右の多機能ハンドルへとインターフェースが刷新された。
・モニターレイアウト: 半円型モニターを採用し、死角の少ない視界を確保。背面映像は、各種情報が集約された大型コントロールパネルの一角に表示される。
・操作体系: 左ハンドルで移動と加速(トリガー1:前進 / トリガー2:加速)、回避ボタンによる自動緊急離脱機能も備える。右ハンドルでアクション(攻撃、防御、保持・放棄、射撃トリガー)を分担。左ハンドルの傾きによる直感的な移動制御が可能だが、初心者は「上体を屈める」操作と「前進」を誤認しやすい。
・コントロールパネル: タッチパネル式の統合制御盤。マップ、通信、火器管制を司る。高級機仕様では指差し操作(非接触ジェスチャー制御)にも対応。
・ブレーンチップ: コックピット中央には、カメラ映像や操作履歴、パネル表示情報などの重要ログを記録する専用チップを搭載。機体放棄や緊急脱出の際は、このチップの回収が最優先事項とされる。
機体解説:G-KT-A ナイト・アーチャー(Knight Archer)
・SS社とマックナイト社が共同開発した「ナイトシリーズ」の後方支援・狙撃特化型機体。ウォーリアーと小隊を組むことを前提に、特定の戦域において絶対的な破壊力を発揮する専門性を追求した。
型式番号: G-KT-A
全高: 15.0m
本体重量: 45.0t / 全備重量: 60.0t
主機関: マイクロ原子炉
出力: 110,325kW
製造元: SS社、マックナイト社共同開発
武装(WEAPONS SYSTEM)
・ナイトシールド(アーチャー仕様)
ウォーリアー用より小型化され、主兵装「ネメシスボウ」とのドッキング機能を備えた防護装備。合体時は弓盾一体型の攻防ユニットとして機能する。裏面には近接戦闘用のショートバレル型ナイトマシンガンと予備マガジンを格納している。
・ネメシスボウ
ロングボウの形態をとるボウガン式の特殊狙撃兵器。螺旋状の独特な矢を射出し、着弾地点をドリルのように掘削・貫通する。その威力は装甲や盾のみならず、建造物の壁や戦艦の甲板、防空壕すらも打破する。標準携行弾数は30発。
・ホバリングボード
脚部からのエネルギー供給により高速浮上移動を可能にする、アーチャー用の高機動オプション。腰部の専用保持ラックに積載され、地形に左右されない狙撃ポジションの確保や迅速な陣地転換を支援する。
機体特性と機構(DETAILS)
・頭部ユニット
中世騎士の兜を模した装甲カバー内に、高精度のカメラ、センサー、ソナー、通信機を凝縮。各デバイスを徹底して小型化することで頭部全体の被弾面積を縮小し、戦闘継続能力を高めている。
・腕部ユニット
両腕に標準化されたハードポイントを設置。ナイトシールドやネメシスボウをはじめとした各種オプションを、作戦目的やパイロットの特性に合わせて自在にマウント可能。
・高機動推進システム
背部メインブースターは、自機の全高を大きく上回る跳躍や長距離滑空を実現。さらに膝、ふくらはぎ、足裏、爪先に配置された「脚部補助スラスター」により、白兵戦における爆発的な加速性能と空中での姿勢保持能力を確保している。
操縦システム(COCKPIT & INTERFACE)
・オートマチックパイロットシステム(APS)
高度な自動化により、従来の操縦桿から左右の多機能ハンドルへとインターフェースが刷新された。
・モニターレイアウト: 半円型モニターを採用し、死角の少ない視界を確保。背面映像は、各種情報が集約された大型コントロールパネルの一角に表示される。
・操作体系: 左ハンドルで移動と加速(トリガー1:前進 / トリガー2:加速)、回避ボタンによる自動緊急離脱機能も備える。右ハンドルでアクション(攻撃、防御、保持・放棄、射撃トリガー)を分担。左ハンドルの傾きによる直感的な移動制御が可能だが、初心者は「上体を屈める」操作と「前進」を誤認しやすい。
・コントロールパネル: タッチパネル式の統合制御盤。マップ、通信、火器管制を司る。高級機仕様では指差し操作(非接触ジェスチャー制御)にも対応。
・ブレーンチップ: コックピット中央には、カメラ映像や操作履歴、パネル表示情報などの重要ログを記録する専用チップを搭載。機体放棄や緊急脱出の際は、このチップの回収が最優先事項とされる。
機体解説:G-SN-H センチネル・ヒーロー(Sentinel Hero)
・スマートシステム社(SS社)がナイトシリーズのさらなる発展型として開発した「センチネルシリーズ」の近接白兵戦特化モデル。対GSとの1対1における絶対的な優位性と、鉄壁の防御力による強襲突破をコンセプトとしている。
型式番号: G-SN-H
全高: 17.0m
本体重量: 70.0t / 全備重量: 90.0t
主機関: マイクロ原子炉S型
出力: 220,650kW
製造元: スマートシステム社(SS社)
武装(WEAPONS SYSTEM)
・シールドソード
巨大な盾と、その内部に格納された大剣で構成される複合兵装。格納状態ではその圧倒的な質量を利用した「超大剣」として運用され、鋭利な切断よりも対象を叩き潰す破砕攻撃に主眼が置かれている。
・センチネルシールド
センチネルソードを完全に内包する大型防護装備。特殊な積層波状構造を採用しており、着弾時の衝撃を減衰させつつ盾全体へ分散・受け流すことで、極めて高い防御効率を実現している。内面にはソード保持用のハードポイントと専用の鞘を備える。
・センチネルソード
対GS用の大型斬撃兵装。鍔と柄頭に小型スラスターを内蔵し、分厚い刀身の一部を燃料タンクとして利用することで、大質量からは想像できないほどの高速・軽快な剣振りを可能にしている。
・マンハンターシステム
脚部に統合された対人・対車両用自律兵装群。光学・熱源・超音波センサーにより、歩兵や車両、対GS用トラップを自動検知し、10mm〜20mm連射砲やグレネード、ガス兵器等を用いて効率的に排除する。
機体特性と機構(DETAILS)
・プレートアーマー(増加装甲)
中世騎士を彷彿とさせる外装方式。基本フレーム自体が装甲材と同等の耐久性を持ち、デリケートな関節部やコックピット周辺を中心にこのアーマーで補強する構造を採る。パイロットの裁量で装甲厚を調整できる高いパーソナライズ性を持ち、前線での容易な換装・補修が可能となっている。
・背部大出力ブースター
脚部スラスターを廃した代わりに、背部へ極めて強力な推進ユニットを搭載。マンハンターシステムの重量増加を補って余りある推力を生み出し、重装甲機ながらも瞬発的な突撃能力を確保している。
・高剛性基本フレーム
センチネルシリーズ特有の堅牢な骨格構造。ケーブルやパイプ等の露出を最小限に抑え、素体の状態でも高い対弾性・対衝撃性・耐熱性を発揮する。
操縦システム(COCKPIT & INTERFACE)
・オートマチックパイロットシステム(APS)
ナイトシリーズで確立された自動操縦システムをセンチネル仕様へとブラッシュアップ。UIの視認性と直感的な操作性が向上している。
・コックピット内装
シリーズのフラッグシップ機として「高級感」を意識したデザインで統一。最高位の近接戦闘モデルに相応しく、パイロットの疲労軽減と居住性、そして生存性の確保が最優先されている。
・モニター・操作系
基本レイアウトはナイトシリーズを踏襲しつつ、センサー感度の向上に伴い情報の整理能力を強化。コントロールパネルによる火器管制やマップ管理も、より洗練された操作感へと進化を遂げた。
・ブレーンチップ
カメラ映像や操作履歴等の重要機密を記録するチップ。機体が大破・放棄される際も、蓄積された戦闘データとパイロットの活動記録を守るための最終防衛ラインとして機能する。
機体解説:G-SN-SL センチネル・ソルジャー(Sentinel Soldier)
・スマートシステム社(SS社)が開発した「センチネルシリーズ」の中・近距離制圧型モデル。長大なリーチと盾による鉄壁の陣形で戦域を支配、後続の「ヒーロー」のために道を切り拓くことを主任務とする。
型式番号: G-SN-SL
全高: 17.0m
本体重量: 70.0t / 全備重量: 90.0t
主機関: マイクロ原子炉S型
出力: 220,650kW
製造元: スマートシステム社(SS社)
武装(WEAPONS SYSTEM)
・ストライククロス
全長20mに及ぶ十文字槍形状の超大型複合兵装。全体の3分の2を占める十字の刃と、反対側に位置する150mm単射砲で構成される。砲身には歪みに強い肉厚な交換式バレルを採用。外付け弾倉方式と合わせ、過酷な連戦下での暴発防止と信頼性を徹底している。長大なリーチを活かした中距離戦と、アウトレンジからの射撃を両立させた本機の象徴的武装である。
・ランチャーシールド
「ヒーロー」用を小型化した積層波状構造の多機能盾。中央上部からスリットが設けられており、ストライククロスを固定した状態での突撃や精密射撃が可能。また、シールド裏面下部には3基のグレネードランチャーを内蔵しており、防御と同時に制圧火力を提供する「射撃兵装」としての側面も持つ。
・マンハンターシステム
脚部に統合された対人・対車両用自律兵装群。光学・熱源・超音波センサーにより、歩兵や車両、対GS用トラップを自動検知し、10mmから20mm連射砲やグレネード、ガス兵器等を用いて効率的に排除する。
機体特性と機構(DETAILS)
・プレートアーマー(増加装甲)
中世騎士を彷彿とさせる外装方式。基本フレーム自体が装甲材と同等の耐久性を持ち、デリケートな関節部やコックピット周辺を中心にこのアーマーで補強する構造を採る。パイロットの裁量で装甲厚を調整できる高いパーソナライズ性を持ち、前線での容易な換装・補修が可能となっている。
・背部大出力ブースター
脚部スラスターを廃した代わりに、背部へ極めて強力な推進ユニットを搭載。マンハンターシステムの重量増加を補って余りある推力を生み出し、重装甲機ながらも瞬発的な突撃能力を確保している。
・高剛性基本フレーム
センチネルシリーズ特有の堅牢な骨格構造。ケーブルやパイプ等の露出を最小限に抑え、素体の状態でも高い対弾性・対衝撃性・耐熱性を発揮する。
操縦システム(COCKPIT & INTERFACE)
・オートマチックパイロットシステム(APS)
ナイトシリーズで確立された自動操縦システムをセンチネル仕様へとブラッシュアップ。視界内での中・近距離射撃や長尺物の扱いをサポートするため、UIの精度がさらに向上している。
・コックピット内装
シリーズのフラッグシップ機として「高級感」を意識したデザインで統一。後方支援から前線維持まで多岐にわたる任務に対応するため、パイロットの疲労軽減と居住性、そして生存性の確保が最優先されている。
・モニター・操作系
基本レイアウトはナイトシリーズを踏襲しつつ、センサー感度の向上に伴い情報の整理能力を強化。コントロールパネルによる火器管制やマップ管理も、より洗練された操作感へと進化を遂げた。
・ブレーンチップ
カメラ映像や操作履歴等の重要機密を記録するチップ。機体が大破・放棄される際も、蓄積された戦闘データとパイロットの活動記録を守るための最終防衛ラインとして機能する。
機体解説:G/F-SN-SN センチネル・スナイパー(Sentinel Sniper)
・スマートシステム社(SS社)が開発した「センチネルシリーズ」の遠距離アウトレンジ制圧型モデル。量産型GSとしては初となるビーム兵器を主兵装に冠し、圧倒的な高機動と長射程をもって、敵を間合いに入らせることなく一方的に蹂躙する戦域の支配者である。
型式番号: G/F-SN-SN
全高: 17.0m
本体重量: 70.0t / 全備重量: 90.0t
主機関: マイクロ原子炉S型
出力: 220,650kW
製造元: スマートシステム社(SS社)
武装(WEAPONS SYSTEM)
・プラズマ粒子加速砲
ボウガン状のフレームを持つ、次世代の主力ビーム兵器。強力な力場によって圧縮された金属粒子を、力場の瞬時解放に伴う反発力で音速を超えて射出し、空気摩擦によってプラズマ化させる。現用量産機の携行兵装としては最大級の火力を誇るが、有効射程は有視界範囲に限られ、それ以降は急速に威力が減衰する特性を持つ。
・シールドガトリング砲
「ソルジャー」用のシールドと同等の積層波状構造を持つ防盾に、300mm口径の大型ガトリング砲を統合した重武装ユニット。精密狙撃時の防御姿勢を維持しつつ、接近を試みる敵機を圧倒的な面制圧火力で迎撃する。極めて大型の兵器のため、「プラズマ粒子加速砲」を装備している場合はこちらは装備できない。
・フライトボード
ホバリングボードの技術をさらに発展させた空中機動兵装。単機での高速巡航・高高度狙撃を可能にするだけでなく、出力向上によりボード側面にもう1機の機体を懸架・搬送する高い運送能力も備える。
・マンハンターシステム
脚部に統合された対人・対車両用自律兵装群 optical・熱源・超音波センサーにより、歩兵や車両、対GS用トラップを自動検知し、10mmから20mm連射砲やグレネード、ガス兵器等を用いて効率的に排除する。
機体特性と機構(DETAILS)
・プレートアーマー(増加装甲)
中世騎士を彷彿とさせる外装方式。基本フレーム自体が装甲材と同等の耐久性を持ち、デリケートな関節部やコックピット周辺を中心にこのアーマーで補強する構造を採る。パイロットの裁量で装甲厚を調整できる高いパーソナライズ性を持ち、前線での容易な換装・補修が可能となっている。
・背部大出力ブースター
脚部スラスターを廃した代わりに、背部へ極めて強力な推進ユニットを搭載。マンハンターシステムの重量増加を補って余りある推力を生み出し、重装甲機ながらも瞬発的な突撃能力を確保している。
・高剛性基本フレーム
センチネルシリーズ特有の堅牢な骨格構造。ケーブルやパイプ等の露出を最小限に抑え、素体の状態でも高い対弾性・対衝撃性・耐熱性を発揮する。
操縦システム(COCKPIT & INTERFACE)
・オートマチックパイロットシステム(APS)
ナイトシリーズで確立された自動操縦システムをセンチネル仕様へとブラッシュアップ。フライトボードによる高機動飛行と、プラズマ粒子加速砲による精密狙撃を高度にリンクさせるため、UIの最適化が図られている。
・コックピット内装
シリーズのフラッグシップ機として「高級感」を意識したデザインで統一。超長距離からの狙撃任務に集中できるよう、パイロットの疲労軽減と居住性、そして生存性の確保が最優先されている。
・モニター・操作系
基本レイアウトはナイトシリーズを踏襲しつつ、センサー感度の向上に伴い情報の整理能力を強化。コントロールパネルによる火器管制やマップ管理も、より洗練された操作感へと進化を遂げた。
・ブレーンチップ
カメラ映像や操作履歴等の重要機密を記録するチップ。機体が大破・放棄される際も、蓄積された戦闘データとパイロットの活動記録を守るための最終防衛ラインとして機能する。




