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機甲大戦記VOLT  作者: 無銘
悪魔誕生編
4/31

第四話『悪魔誕生 その④』









メインモニターに、機械仕掛けの騎士。


 長大な十文字槍を携え、横薙ぎに。その意思を隠すつもりさえなく、力の限り振り被る。それは、鉄壁の騎士。長槍と、グレネードランチャー、そしてシールド。攻防一体の、多彩な兵器で戦う尖兵だ。

 道を拓き、威光を示す。


空を舞う、———白銀。


 センチネル・スナイパーは、天空から敵を射抜く一矢必殺の狩人。旧時代の航空戦力が廃れて久しい現代において、輪廻を経て再誕した、新たなる空の支配者である。


シールドも、装甲を焼き穿つ必殺のプラズマ粒子加速砲。


冷徹な照準が睨めつける———。


そして、———最奥に君臨するセンチネル・ヒーロー。


身の丈程もある巨大な剣を携え、一刀のもとに斬り伏せようと仁王立ちする。

 人型兵器同士の戦いにおいて、最も撃墜頻度が高い局面は『近接戦闘』である。逃げも隠れも出来ない正面対決で、敵を一刀の元に斬り伏せる。


———『ヒーロー』の名を冠する兵種の誕生は、その為にこそ。


 ジャゴのシステムは必死に、もう限界だと警告している。バッテリー水素ハイブリッドエンジンの生命線は、水素残量。


既に、———十六・二パーセント未満。


全身の関節という関節、

内部フレームの駆動部、

酷使し続けた機体は、———電送系に至るまで。


 度重なる無理な戦いで、各部が死に始めている。畳み掛けるアラートは、ひっきりなしに。こんなパイロットにはついていけないと、ストライキでも起こすかのように。

 五割を上回るとGSは正常に動作出来ないとされる駆動部損耗率は、四十八・四パーセント。その数値もまた、一歩踏みしめる度に加速する。それはまるで、死に向かうように———。


———死に向かうように、我武者羅に。


「あと三機・・・行けるか?いや、行くしかないか。」


短い言葉で、己を鼓舞する———。


 ここからは一手たりとも無駄な動きは許されない。ジョーにとってはまだまだ道半ば。この三機はゴールではなく、その先の『本命』に辿り着く為の障害に過ぎないのだから。


———障害は取り除く。ただ、それだけの事なのだから。


「行くぞポンコツ、保ってくれよッ・・・!」


ソルジャーとジャゴ、———既に、間合い。


 長槍を突き出す、ソルジャーとジャゴ。武器は互いに、同じストライククロスだ。正面からの打ち合いであれば、当然軍配が上がるのはソルジャーの方。


設計の精度が、

構成材質が、

エンジン出力が、

何もかもが、センチネル・ソルジャーは桁違い。


突き刺そうと、振り抜く両者———、


———二つの十文字槍が、交差せんと振り抜かれた。




驚愕、———ソルジャーのものだ。


———槍は、交差しない。


 ジョーのジャゴは、宙を舞う。総重量五十トンにも及ぶ鉄塊の巨人が、軽業使いのように宙空へと身を投げ出したのだ。


脚部スプリングによる跳躍、———違う。

ブースターによる疑似飛行、———違う。


そうではないと、———ストライククロスが語っている。


 大地に突き立てられ、放棄されたジョーの十文字槍。それを掴み、踏みつけ、身を揺さぶって・・・巨人は上空に飛び上がっていた。ポールだ。陸上競技選手や軽業師が、アクロバットの補助として使う、ポール。ヒトの機能を持つ兵器———人型兵器———なら、こういう事も出来る。


しかし、腕を。

しかし、脚を。

しかし、その身を。


———その理論を、


『現実』で使うものなど———。



ソルジャーの理解は、追いつかない。

スナイパーの照準は、狙い定まらない。


 空白の時間は、スローモーションのように。時間が延々と引き伸ばされる感覚を、三機の騎士は一様に共有していた。


 放物線を描いて、空を舞うジャゴ。やがて、着地の時が訪れる。槍を振り抜いた前傾姿勢の、ソルジャーの背中。


———最高のポイントだ。


ジョーのジャゴは、そこに着地した。

 センチネル特有の絶大な瞬発力は、背部の大型ブースターによるものだ。ナイトシリーズより、更に大型化したメインブースター。十七メートルにまで引き伸ばされた等身に合わせて、大型化したプロペラントタンク。そして、空中戦をより広く戦術に組み込むための、複雑化した可動構造。


見方を変えれば、露出した大型爆弾だ———。


 そんな足場を、ジョーのジャゴは容赦無く蹴り飛ばした。蹴撃は外装を大きく挫滅させ、内部のプロペラントタンクを勢いよく破裂させる。その衝撃はコクピットまで貫通し、パイロットスーツでも備え付けのエアバッグでも殺しきれないエネルギーが、小さなヒトの身体に襲い掛かった。


ソルジャーは、———糸の切れたマリオネット。


顔面から地面に激突し、段階的に細かい爆発を繰り返しながら大地を滑る。


———そして、大爆発。


スナイパーのパイロットは、絶叫した———。


悪夢、

不条理、

非現実。


一体、何を見せられているのか。


痙攣する瞼、

焦点の定まらない眼球、


———狙いを定める余裕はない。


 接近するジャゴがサイトに入った瞬間、センチネル・スナイパーのパイロットは射撃スイッチを押し込んだ。狙いも何もあったものではない、本来なら無駄打ち。しかし動揺も恐怖も知らないAPSが、パイロットの代わりに狙いを修正する。


―――寸分たがわぬ、コクピットへの一射。


だからこそ、ジョーは空中でも避けられる。


片腕のハンデを極限まで活かす。


姿勢の角度は、屈み込むように。

腰の捻りは、絞り込むように。


僅かな加減を手首と指先の感覚で感じ取り、ジャゴの身体を弓なりに引き伸ばしながら屈する。


 死の光りがジャゴの装甲を照らした。高熱は触れずとも、表層の塗料を蒸発させる。そして照らし出された鉄塊が真っ赤に赤熱し、蒸気を上げてぐにゃりと歪んだ。そうして真紅の閃光を脇腹で抱き込み、やり過ごす。

 するとプラズマ粒子砲の一撃は、元から存在しない左腕の方へ、スレスレで流れて通り過ぎて行った。


必中———、

必殺———、


———共に、不発。


 もはや逃げられる距離になく、また狙える位置関係にもなく。必殺の機を逃したスナイパーに、死神の鎌が追いついた。


足首を捕まえる、ジャゴ———。


そのまま、敵機を引きながら落下する。

 フライトボードから引きずり降ろされたスナイパー。溺れるカナズチもかくやというほど、必死に虚空へ手を伸ばす。その間も、変わらずに落下する両機。かくして、ジョーのジャゴは腕の振りと激しい姿勢の反転を利用し、鞭を打つようにしてスナイパーを地面に叩きつけた。


衝撃は、———センチネルの総身を駆け巡る。


外装を痛々しく破壊し、

内供構造を粉砕し、

パイロットを叩き潰し。


その形を保ったまま、二度と立ち上がらない鉄塊に変えてしまった。


しかし、ジャゴも無傷ではいられない。

 スナイパーを叩きつけた時の衝撃が腕にも伝播した。ここまでの戦いで蓄積された各関節へのダメージが、起動した時限爆弾のように一斉に悲鳴を挙げる。


マニピュレーターは砕け、

フレームはバラバラに解け、

各部のケーブルが、一斉に千切れて火花を散らす。


———損耗率、六十八・五パーセント。


危険域を大きくオーバー。

 腕を喪失した事を加味した数字ではあるが、全身のあらゆる稼働パーツが限界を迎えている証拠だ。もはや、いつ機能停止してもおかしくない。


センチネル・ヒーローのパイロットは戦慄していた。

 たった一機の旧式の為に、既に六機もの友軍機が破壊されてしまった。


 両腕を失ったジャゴとの一騎打ち、常識で考えれば負ける要素は一つもない。しかし、流石に分かる。


———戦いの常識など、最も当てにならない。


ジョーのジャゴが一歩踏み出す度に、センチネル・ヒーローは一歩退く。


誘い込んでいる———。


 第六ドックの正面は、大型車両が難なく行き来出来るようにロータリーになっていた。周囲のビルに囲まれた地形とひらけた環状交差点は、あたかも決戦のリングのよう。ロータリーを挟んで片側に、ジョーのジャゴ。もう片方には、センチネル・ヒーロー。

 そこから先は、センチネルが退いてもジャゴは踏み込まない。


両腕が欠損し、後どれぐらい動けるかさえ定かではないコンディションのジャゴ。


出来る攻撃は、———突進のみ。


それを告白するように、ジョーのジャゴはクラウチングスタートのような前傾姿勢を取った。


———「見事。」


センチネルのパイロットは、思わずつぶやいていた。


巨大な剣を、———上段に。


 通常の剣術は、剣を振り上げる動作と振り下ろす動作のツーステップ。そこに足捌きや間合いの管理、場合によっては盾の有効活用も追加される。


ツーステップでは、食われる———。


防御も、

戦略も、

駆け引きも、一切無用。


———そんなものに、出る幕はない。


その全てが、『隙』なのだから———。


故に構えは大上段。

 構えの時点で剣を振り上げる動作を完了した、ワンステップの構えを選択する。


———防御手段を持たないジャゴ。

———防御手段を捨てたセンチネル。


勝負は、一瞬。


だからこそ、二機の時は止まっていた。

 両者のコクピットでは、システムが様々な信号をけたたましく送り続ける。


接敵反応、

警告表示、

推奨戦闘プラン、

機体損耗率表記、

エネルギー残量アラート・・・


二人は、その悉くを完全に無視していた。


見ているのはただ一点、すなわち敵。

 モニターに表示された像では無く、よりリアルな、手触りのある相手の『命』。


 二機のGSの時が止まっても、戦場の時間は止まらない。動かない二人の周りの景色は否応なしに変貌を遂げる。


街の外周のめぼしい建物を破壊し尽くした、五隻の地上戦艦。


 艦載砲は、瓦礫さえも粉砕して。進路を切り拓きながら中心部の奥へ。奥へ。それはめぼしい建物が、もはや中心街の僅か数件にまで絞り込まれた事をも意味している。


第五ドック、

第六ドック、

第七ドック。


———未だ、健在。


逆に、外周から順に———、


第一ドック、

第二ドック、

第三ドック、


第八ドック、

第九ドック、

第十ドック、


———既に、壊滅。


 レジスタンスと自警団の奮戦虚しくも、死体の山は瓦礫とともに、刻一刻と積み上がるばかりだ。

 同時にこれは、同盟軍側のGS部隊への撤退命令でもある。ドックを虱潰しに探すフェーズは、この時を以て終了。ここから先は、街を完全に更地に返す『掃討作戦・無差別砲撃』のフェーズがはじまったのだ。


「ジョー!応答して!」



 ジャゴのコクピット内に、少女の声が響く。通信越しでも、慌てようがよく分かる。語気は強く、叫び声はいつになく必死だ。


「タイムアウトだよ、もうジャゴでどうにか出来る段階じゃない!」


 ジョーのバディ、ニナ・ゲッペル。戦場になった工業都市から離れて、状況を一望出来る廃墟都市のビル郡に隠れている。似たような掃討作戦で壊滅した街だ。

 そこから彼女は戦場を一望し、望遠スコープで状況を俯瞰する。現場の『目』と、俯瞰の『目』。二つの視界が、この作戦を成り立たせている。

 地上を這うクジラ。そうとでも形容すべき漆黒の巨獣が、何もかも粉砕しながら進撃していた。


「ねぇ、ジョー!聞こえてるの、分かってんだからね!」


苛立ちながら叫ぶニナ。コンクリートの壁を蹴る。

 しかし、ジョーはそれさえ無視。通信を切る事すらしない。


 崩れ行く街、鳴り止まないアラート、叫び続けるニナ・・・その全てを悉く置き去りにして、極限の集中力で目標を見据える。


モニターの向こうの、

コクピットハッチの向こうの、

ロータリーの向こうの、

増加装甲の向こうの、

コクピットハッチの向こうの、

モニターの向こうの、

まだ見ぬパイロットの、


———首。


―――崩れ行く世界の中で、ただそれだけを見据える。


二人の視線が一致した時―――、


地を蹴る、ジャゴ。


爆裂した地面から粉塵が吹き上がり、機体はそれをも置き去りにする。

 衝撃が、脚部関節を守っていた外装を引き剥がした。役目を全うして、バラバラと地面に転がる。


———センチネルのパイロットは、まだ反応しない。


釣られそうな自身の反射神経、———根性で抑える。

APSの勝手な自動反応、———手動ブレーキを強く握る。


———まだ、間合いではない。


コンマ数秒にも満たない時間が、極限の集中力の世界では何十秒にも引き伸ばされる。


その『瞬間』を待つ。長く苦しい、我慢の世界。


入った、———剣の間合いに、ジャゴ。

 センチネルが、重く鋭い鉄槌を下す。


剣閃がジャゴの頭を潰し、

その直下のコクピットを潰し、

同時にその背後のバッテリー水素ハイブリッドエンジンを潰し、

縦真っ二つに切り裂いて絶命させる。


そんなコースを、弧月の剣閃が行く———。


———『瞬間』を狙っているのはジョーも同じ。


剣が機体に接触するかどうかの、———『瞬間』。


 その瞬間、ジョーは勢いよく姿勢制御レバーを引いた。ジャゴの前傾姿勢も、その動きに呼応してくるりと反転する。


振り下ろされる剣———、

傾く、———ジャゴの身体。


———それは、同時に。

 同じ距離を、保ちながら———。


 頭部と脚部の位置が逆転する。飛び蹴りの要領で突き出された足が、正確にセンチネルの胸部を射抜いた。

 何度もバックパックを地面に叩きつけ、ジャゴのエンジンは見るも無残に砕け散る。それは、全機能の一斉停止を意味した。


しかし、———それでも慣性だけは止まらない。


ジャゴの質量に押されて、センチネルは背後のビルに突っ込んだ。


何の抵抗もないまま———、

その勢いを、———殺す事さえないままに。


その事実が、敵パイロットの安否について雄弁に語る。


 ジャゴの脚はやがて完全に折れ、バラバラに砕け散る。そして鋭利な大腿部のフレームが、センチネルの装甲を突き破った。


———コクピットは、串刺しだ。


潰れて抱き合う二機は押し花のよう。

 センチネルの剣がジャゴのコクピットに触れる事、ついぞはなく。手動レバーで開いたコクピットハッチからは、ジョーが現れた。男は当然のように耳元に通信デバイスを宛て、周囲を確認しながら身を乗り出していた。


「ニナ、聞こえるか?」


地上数階程度の高さから難なく飛び降りると、足早に二機から離れながら通信を続ける。


「聞こえるか?じゃないでしょ!何やってたの!」


「・・・」


ニナに叱責されて、黙るジョー。

 この感じでは、何を言っても無駄だろう。説明したところで、聞き入れられる雰囲気ではない。ならばしょうがないと、状況説明だけを簡単に済ませる。


「・・・機体はロスト。作戦通り第二フェーズに移行する。」


「作戦?そんなの良いよ、もう作戦失敗だよ!軍艦が無差別攻撃に乗り出したの。どうにか出来る段階は終わったんだから、素直に合流ポイントまで帰ってきて!」


畳み掛けるニナ。


———当然だ。


少女は、ジョーの性質をよく知っている。


「そうでもない。第七ドックはもう目と鼻の先だ。行ってくる。」


それだけ言うと、ジョーはデバイスを耳から離してしまった。


「待って!ねぇ・・・!」


ニナの声は、もう届かない。

 通信を強引に切ると、ジョーはそのまま第七ドックの方へ走り出してしまった。


地上戦艦の砲撃、———更に激しさを増していく。


 生き残った同盟軍のGSは、既に戦艦の周囲まで退却していた。入れ違いに、戦艦は何もかも薙ぎ払いながら街の奥へ奥へと侵攻する。生き残ったレジスタンスの自警団はなんとか戦艦を止めようとするが、その奮戦ももう無意味。護衛に回ったセンチネル・スナイパーやナイト・アーチャーたちが、戦艦の甲板から次々に狙い撃ちしていく。

 艦載砲が遮蔽物の悉くを粉砕し、引きずり出された歩兵を狙撃手が始末する。その様は、もはや戦いとは呼べなかった。作業、あるいは掃除と呼ぶべき有様だ。


「今度はなんだ?」


 通信デバイスを持ったまま走るジョー。再び、通信を受け取ったデバイスが鳴り出した。少々苛立ちながら画面を見ると、それは例の、オープン回線で救難信号を出していた発信者のものだった。

 アドレスコードはレジスタンス末尾だが、大部分が文字化けした謎の人物。怪しい発信源ではあるが、無視出来るものでもない。


「第六ドックの奴らか。」


通信を受け取ったジョーがぶっきらぼうに言う。すると、先程と同じ声が否定した。


「否。我々は第七ドック所属の研究チームだ。だが、そうか・・・お前が例のパイロットか。」


声が少しだけ人間味を帯びる。

 しかし、その一言のみ。すぐに調子を戻して、その先を続けた。


「九五〇〇(きゅうごまるまる)までに、第七ドック第二ハッチへ急行せよ。繰り返す、九五〇〇までに、第七ドック第二ハッチへ急行せよ。繰り返す・・・」


「・・・了解。」


機械音声のように命令を繰り返す、———肉声。


短く返事をすると、速やかに通信を切る。


———そしてジョーは、疾走した。


九五〇〇、———およそ1分半。


そのタイムリミットの中で、本来なら十分以上はかかる距離を走破しなければならない。

 空から砲弾が降り注ぎ、このあたりの建物も次々に破裂しては崩れていく。


瓦礫、

崩れたビル、

いくつもの行き止まり・・・


飛び越え、

屋根に登り、

屋根から屋根、———跳躍する。



 走る速度は既に、時速六十キロメートルをオーバー。行き止まりも、瓦礫も、砲撃さえも関係ない。加速度的に走力は膨れ上がり、数秒後には七十キロメートルをも超越して・・・なおも加速していた。


明らかな、———人間離れ。


———当然だ。


男は、———ただの人間じゃない。

 『ジョー』とは、アインハルト博士による改造を受けた、改造人間なのだ。


広い視野、

卓越した空間把握能力、

鋭敏すぎる超感覚、

怪物的な身体能力、


それらを、———殺し合いの中で極限まで磨き上げた怪物なのだ。


そんなジョーでもギリギリだった。

 目線の先には第七ドック。閉まりつつあるのは第二ハッチ。吸い込まれるようにしてそこに飛び込むと、大口が彼を飲み込むようにして封鎖された。


「コードネーム『スクラッパー・ジョー』、呼び出しに応じて参上した。次の指示を乞う。」


身体の砂埃を叩いて払いながら言う。


すると、一人。

また一人。


薄暗いドックの奥から白衣の研究員達がやってくる。

 そして無言で拍手をしながら、彼らはジョーを取り囲んでいた。


 その中でも特徴的なのは、老齢ながらガッチリした体格の研究員。目を凝らすと、彼の身体の大部分は機械化されていた。しかし、ジョーが受けた改造とは技術が違う。そんな研究員は、顔面の半分もマスクのように鋼鉄が覆っている。眼鏡に見えたものは頭部に埋め込まれたカメラ。

 やはり機械化された手の中には真新しいパイロットスーツが大事そうに抱えられていた。


「私だ。声で分かるな?よくぞここへたどり着いた。———話に聞いていた通りだ。」


それは、通信を送っていた男の声だった。

 ジョーはパイロットスーツを受け取りながら誘導されると、ドックの奥へ研究員たちと歩いていく。


「我々は半年ほど前に、アインハルト博士に『VOLT3』の設計図を送りつけられたものでな。まあ、なんとか今日までに仕上げたというわけだ。」


「VOLT・・・?」


研究員の言葉にジョーが『問い』で返すと、研究員は驚いた顔をする。

 鉄仮面からはみ出たしわくちゃの皮膚を見るだけで、その驚愕が見て取れるほどに。


「すごいですよ、VOLTは。アインハルト博士の最高傑作、戦いの歴史を終わらせる兵器ですよ。誰にも使えないですけどね~。」


気さくな口調で、若い女性研究員が言う。

 そんなジョー達の視線の先には、既存のどんなGSのとも違う巨人が立っていた。


 全高、目算で十五メートルほど。くすんだ赤色と黒銀色の装甲は。そのシルエットはどこか、鍛え抜かれた戦士のような、生物的な生々しさを醸し出していた。しかし目を凝らせば、やはり人間とは違う関節、違う身体。

 その、ヒトとヒトならざる者の境界に立つ有り様が内なる不快感を湧き上げる。


「これが、VOLT・・・?」


ジョーの質問に、その場にいた研究員たちは静かに頷いた。


第七ドックが大きく揺れる———。


 小刻みな揺れと、立て続けの破裂音。戦艦の魔の手が遂にここにも及んだ証拠だろう。車両による砲撃か。歩兵によるジャベリンやマシンガンの攻撃も迫りくる。


———ここは戦場。

 戸惑う暇さえ、与えられなしなかった。


「さあ、そのスーツを着てVOLTのコクピットに急ぎたまえ。」


鉄仮面の研究員が急かす。


「スーツって、そんな時間は・・・」


「必要不可欠だ。急ぎたまえ。」


研究員は強引に遮ると、語気を強めて言った。

 他の研究員達も同意見だ、と目つきを見れば理解出来る。ジョーは仕方なく、急いでスーツに着替え始めた。


 その間に研究員達は思い思いの武器を持って、VOLTを足元から螺旋状に覆っているタラップの手すり付近に整列する。

 

壁が崩れはじめ、

火の手が上がる中、

見るも悍ましい光景が、ジョーの眼前に広がっていく。


 研究員達は自分自身の身体をハーネスで手すりに固定し、隙間無く身を寄せて武器を構えた。


それが何を意味するのか———、

———分からないジョーではない。


マシンガンを構えるもの、

拳銃を構える者、

巨大なバズーカを構える者、両

手に手榴弾を持つ者、


それ以外にも、———実に様々な武器を研究員達は構えている。


 最後に鉄仮面の研究員がその行列に加わると、外部ハッチからVOLTの足元まで、隙間無く真っ赤なレーザー網が展開されて鉄壁の防御を展開した。


「ジョー君。我々の希望、我々の意地、我々の命、君に託そう。アハト・ゼムに栄光あれ!」


そう言って鉄仮面の研究員も、他の仲間たちと同じようにマシンガンを構える。

 機械仕掛けで強化された肉体の恩恵か、彼は二挺同時に構えていた。


「アハト・ゼムに・・・栄光あれ。」


研究員たちの行動に、流石のジョーも気圧される。


青年は、———この時全てを察した。


研究員たちの覚悟、

このあとの運命。


ここへ来た意味。

ここまでの道のり。


その全てが、———奴の筋書き通りだったという事も。


———ジョーは、全ての研究員たちに敬礼する。

 そして一心不乱に、鉄の階段を駆け上がった。


 研究員たちの表情は実に晴れやかだった。己の運命を知りながら。それは一切の曇り無く、『やり遂げた者』の顔だった。それこそ、マラソンを駆け抜けるアスリートがラストスパートで見せるような。


遂に外壁が破裂し、粉塵とともに同盟軍の兵士たちがなだれ込む———。


「ここです!当たりです!奴らここに籠城してやがります!」


若い兵士が無線機に怒鳴り込むように報告する。

 すると彼を追い越すようにして何人もの兵士が戦闘態勢で突撃するが、すぐにレーザー網に阻まれる。


「先輩、レーザーガードが濃すぎて進めません!」


「馬鹿野郎!何のためのハジキだ!構えろ、撃て!」


兵士たちは混乱の中で、ほとんどその場の判断で研究員たちを撃つ。

 ハーネスで身を手すりに縛り付けた研究員たちもまた、各々の判断で兵士たちを迎え撃つ。しかし正規軍の兵士たちは防弾装備を整えている事に加え、白兵戦のいろはも心得ている。研究員たちの攻撃はほとんど有効打にならず、逆に同盟軍兵士たちは次々に凶弾を命中させていく。

 駆け抜けるジョーを、研究員達は銃撃を一心に受けながら見送った。純白の白衣は見るも無残に赤く染まり、ハーネスで固定された身体が銃声のリズムに合わせてダンスを踊る。




 タラップを駆け上がる音がドックの中に鳴り響く。男は前だけを見て駆け上がり、無機質な銃声とすれ違う。外側には、男を守るようにズラリと人が並んでいた。白衣を着たまま、施設の研究員たちが肉の壁になっている。


容赦なく降り注ぐ鉛の雨が、頭蓋を砕く。

腹を食い破る。

胸に風穴を開ける。

肉を散らす。


―――それでも彼らは倒れない。

意識も、命もないのに、倒れる事だけは決してしない。


 それは『レジスタンス』と呼ばれる狂気の徒、無声の激励を受けて駆け抜ける男もまたその一人。真新しいパイロットスーツに身を包み、撃ち抜かれる同志たちを背にコクピットを目指す。


「クソッタレ!何なんだよ、こいつら!」


若い兵士が悪態をつく。


「喚くな!何が何でもコクピットに行かせるな!」


中年の兵士が声を上げる。銃声にも負けない声を。それはむしろ、己を鼓舞するように。


―――

―――――


―――――――





『ダメです!パイロットがもうコクピットに・・・!』


 通信機越しのくぐもった声が地上戦艦の艦橋に響く。メインモニターに映し出された整備ドックからは黒煙が上がり、合わせて五隻もの戦艦がその死に体の建物を囲んでいる。各艦にはそれぞれ、複数の同盟軍正式量産機ナイトと、そのさらなる発展型の高級機センチネルが随行していた。それはGSギガント・ソルジャーと呼ばれる巨大な人型兵器。誰もが寝物語に聞いた巨人を幻視するだろう。

 民間のドック一つを相手にするにしては明らかな過剰戦力。それは同盟軍の誰もが分かっていた事だ。だからこそ、不気味。


「やむを得んな。全艦に通達、総員打ち方用意!」


額に溜まった脂汗を拭うと、艦長は部下たちに冷徹な指示を下す。


「しかし艦長、友軍がまだあの場所にっ!」


「構わん。何が何でも破壊せよ、というのが上からの命令だ。」


振り返りざまに声を上げる部下に、艦長は精一杯の冷酷さを演じて見せる。眉間に青筋を浮き上がらせ、握った拳は僅かに震えていた。

 戦艦の主砲がぐるりと半転して一点を見つめる。崩れかけの、炎上して黒煙を上げる整備ドックである。


「納得いきません!『VOLT』とはいったい何なんですか!何故ここまでして・・・」


「うるさいっ!命令だと言っている!全艦に告ぐ、―――撃てっ!」


 若き部下の訴えをかき消し、艦長の命令が通信機越しに全艦の艦橋を駆け巡る。総勢三十一機にも及ぶGSの軍勢が作戦状況を見守る中、戦艦の主砲が容赦なく火を吹いた。雷鳴のような轟音が幾重にも重なって響き渡り、ドックのみならず、建物を中心とした一帯が地表から消し飛ばされた。攻撃は執拗で、無慈悲だった。


誰も生かしておかない。

何も残してはならない。

『ソレ』の痕跡さえ継承させない。


そんな執念を感じずにはいられない程、攻撃は残忍で、執拗で、徹底的だった。

 若き兵士にはもくもくと広がり膨れ上がる赤黒い雲が、全てを飲み込む巨大な髑髏、あるいは無感情に肥大化する怪物の首のように思えてならなかった。



―――――――


―――――

―――




VOLTと呼ばれていた巨人のコクピットは、これまでのGSとは違って項の位置にあった。


 飛び込んだ瞬間、複数のハッチが連続して閉鎖される。そして生き物が嚥下するかのように、ジョーは操縦席に誘導された。

 内装は、機械的。しかしその手触りは、むしろ生物的だった。コクピット内には僅かに計器やコントロールパネルの明かりが灯るだけで、その薄暗さも相まって、ジョーは怪物の腹の中に居るような気がした。


「モニターはないのか。」


戸惑いながらも周りを見渡す。

 意味ありげに、後ろ髪のような太いケーブルの束に接続されたヘルメット。思い切って、それをかぶってみる。


瞬間、———凄まじい轟音と浮遊感に襲われた。


 正にこの瞬間、地上戦艦五隻による同時砲撃が決行されたのだ。


———しかしそれだけではない。


何かとてつもない力が、ジョーとVOLTを突き上げた。

 それは、第七ドックの地下に敷き詰められた大型爆弾。ドックが完全に陥落するような事があれば、その爆弾が敵も味方も巻き込んで周囲を吹き飛ばす事になっていたのだ。無重力のような浮遊感が、ジョー総身を駆け抜けた。


視界に、———『VOLT3 ACTIVE』の文字が映る。


それが、真っ暗な視界がクリーンに開けていく為の合図だった。


「なんだ、これは!?」


驚愕、———無理もない。


全周囲360度の視界、死角はゼロ。

 正面を示す照準表示以外は、方向を定義するものさえ何も無い。炎と黒煙の世界が上下左右に、無限に広がっていた。


無感情に意識が崩れていく———。


大海に落ちたインクのように、

指数関数的に、———希釈される『自己』。


広すぎる視界がそうさせるのか、それ以外にも要因はあるのか。

考える事さえ成立しないまま、時間だけが流れていく。


この間、コンマ数秒にも満たず。


極限状態の中で、———回路が繋がる。


ズレた視界が一致する。

 脊椎から伸びて全身へと広がる神経が、皮膚を突き破ってもう一つの網に接続される幻覚。


宇宙の構造が脳の構造と重なるように———、


極小と極大が重なって、———開眼する。


その瞬間、———二つの身体が一致した。


髑髏のような黒雲を抜けて、真っ赤な巨人が真っ逆さまに。

 これほどの衝撃を受けて、なお無傷。


直下には、黒煙を上げる街。

それを蹂躙する地上戦艦、五隻。

護衛のGS、多数。


意識が、———現実に引き戻される。


戦いはまだ終わっていない。

 死にゆく全てのレジスタンスの思いを受けて、赤銀の死神が今、———降臨する。




悪魔誕生編 終


おまけ

GSの性能設定について:





機体解説:G-JG-0 ジャゴ(JAGO)

・モダンビルド社が開発した人型兵器の始祖であり、高機動力と多用途性を両立させた傑作機。


型式番号: G-JG-0

全高: 13.0m

本体重量: 50.0t / 全備重量: 55.0t

主機関: バッテリー・水素ハイブリッドエンジン

出力: 18,388kW

製造元: モダンビルド社


武装(WEAPONS SYSTEM)

・J-マシンガン

90mm徹甲弾を射出する主兵装。高い連射性能と信頼性を誇り、中距離戦闘における主軸となる。

・J-アックス

取り回しに優れた近接戦闘用兵器。白兵戦のみならず、障害物の撤去や破壊工作など、工兵的な用途でも真価を発揮する。

・グレネード / グレネードランチャー

マニピュレーターによる直接投擲のほか、全身のハードポイントに設置したランチャーから射出可能。対GSジャイアント・サーヴァントや対地上戦艦を想定した重要装備である。

・胸部ガトリング砲

胸部装甲内に隠蔽された200mm徹甲弾連射砲。リロード不可の使い切り兵装だが、その火力は絶大。発射時は装甲を展開して内部機構を露出させるため、防御力が著しく低下する「諸刃の剣」である。

・J-バズーカ

対地上戦艦用の重火器。グレネードを凌駕する射程と破壊力を有するが、大型ゆえの取り回しの悪さと発射時の強烈な反動により、戦術の高速化が進む中で旧式化しつつある。


機体特性と機構(DETAILS)

・頭部センサーユニット

胴体からアームを介して接続された円筒形ユニット。前面に大型レンズ、背面にサブカメラ、側面にアンテナを配備。映像、ソナー、通信機能を統合しており、360度の独立旋回によって死角のない索敵能力を実現している。

・多機能マニピュレーター

精密外科手術ロボットの技術を転用。5本指による極めて繊細な作業を可能とする一方、格闘時には手首のオートロック機構と指部保護用のバイザーガードが展開し、駆動系を確実に防護する。

・モジュラー・ハードポイント

背部、肩部、腰部、腕部、脚部の装甲をハードポイント仕様に換装可能。パイロットのスタイルに合わせた予備兵装の自由な懸架が可能だが、接続部の装甲強度が低下するため、運用の際はそのリスクを考慮する必要がある。

・高機動脚部ユニット

ヤギ等の蹄行性動物を参考にした逆関節構造と、ひづめを模した接地部を採用。この特殊構造がもたらす瞬発力により、自機全高を超える大ジャンプや高速走行を可能とした。特に山岳地帯や瓦礫が散在する市街地において、驚異的な踏破能力を誇る。


操縦システム(COCKPIT & INTERFACE)

・機体の核心部である胸部コックピットは、人形兵器のスタンダードを確立した設計となっている。

・モニターレイアウト: 正面と側面に大型モニターを配置。背面映像はメインモニターの一角に集約されている。マップや機体状況は独立した小型モニターで一括管理される。

・操作体系: 基本操作はT字型ハンドルとフットペダルで行う。ハンドルの左右ボタンにより「攻撃・防御・蹴り・保持・放棄」といった基本アクションを瞬時に切り替え可能。また、姿勢角度レバーを用いることで、片膝立ちや上体反らしといった複雑な挙動も自在に制御できる。

・ガトリング砲運用: 専用ハッチ開放ボタンで展開。コックピットの左右から挟み込む形で発射されるため、パイロットには極めて深刻な騒音被害が及ぶ。これを防ぐため、全搭乗員には専用の耳栓着用が義務付けられている。

・通信・法規: 信号送出(戦時国際法準拠)はモニター側面の専用ボタンで操作。友軍通信は秘匿性の高い音声のみの仕様となっている。




機体解説:G-KT-W ナイト・ウォーリアー(Knight Warrior)

・SS社とマックナイト社が共同開発した「ナイトシリーズ」の主力兵装。「打倒ジャゴ」を掲げ、専門性と人型としての運動能力を極限まで追求した対個体戦闘特化型機体。


型式番号: G-KT-W

全高: 15.0m

本体重量: 60.0t / 全備重量: 65.0t

主機関: マイクロ原子炉

出力: 110,325kW

製造元: SS社、マックナイト社共同開発


武装(WEAPONS SYSTEM)

・ナイトシールド

全身をほぼ覆匿可能な大型実体盾。船底のような湾曲形状は避弾経始に優れ、ジャゴシリーズの「200mm胸部ガトリング砲」の直撃にも耐えうる堅牢さを誇る。裏面には多目的ラックを備え、予備マガジンやグレネードを積載する母艦的機能も有する。

・スパイクメイス

敵GSの装甲を粉砕することに特化した、棘付きの重量打撃兵器。通常は取り回しに優れた短柄だが、シールド裏に格納された延長用ポールを連結することで、長柄のメイスとしての運用も可能。

・ナイトマシンガン

片手での運用を前提とした90mm口径マシンガン。シールド裏の予備マガジンへ即座にアクセス可能な設計となっており、武装を持ち替えることなくシームレスなリロードが行える。


機体特性と機構(DETAILS)

・頭部ユニット

中世騎士の兜を模した装甲カバー内に、高精度のカメラ、センサー、ソナー、通信機を凝縮。各デバイスを徹底して小型化することで頭部全体の被弾面積を縮小し、戦闘継続能力を高めている。

・オートマチックパイロットシステム(APS)

操縦の大部分を自動化した新世代システム。戦闘データの収集・解析を常時行い、回避行動や姿勢制御、複雑な戦闘モーションを自動実行する。蓄積されたデータはネットワークを通じて友軍機へ即座に共有されるため、戦場全体で戦術レベルが向上し続ける特性を持つ。

・腕部ユニット

両腕に標準化されたハードポイントを設置。ナイトシールドを筆頭に、作戦目的やパイロットの特性に合わせた多彩なオプション装備をダイレクトにマウント可能。

・高機動推進システム

背部メインブースターは、自機の全高を大きく上回る跳躍や長距離滑空を実現。さらに膝、ふくらはぎ、足裏、爪先に配置された「脚部補助スラスター」により、白兵戦における爆発的な加速性能と空中での姿勢保持能力を確保している。


操縦システム(COCKPIT & INTERFACE)

・オートマチックパイロットシステム(APS)

高度な自動化により、従来の操縦桿から左右の多機能ハンドルへとインターフェースが刷新された。

・モニターレイアウト: 半円型モニターを採用し、死角の少ない視界を確保。背面映像は、各種情報が集約された大型コントロールパネルの一角に表示される。

・操作体系: 左ハンドルで移動と加速(トリガー1:前進 / トリガー2:加速)、回避ボタンによる自動緊急離脱機能も備える。右ハンドルでアクション(攻撃、防御、保持・放棄、射撃トリガー)を分担。左ハンドルの傾きによる直感的な移動制御が可能だが、初心者は「上体を屈める」操作と「前進」を誤認しやすい。

・コントロールパネル: タッチパネル式の統合制御盤。マップ、通信、火器管制を司る。高級機仕様では指差し操作(非接触ジェスチャー制御)にも対応。

・ブレーンチップ: コックピット中央には、カメラ映像や操作履歴、パネル表示情報などの重要ログを記録する専用チップを搭載。機体放棄や緊急脱出の際は、このチップの回収が最優先事項とされる。




機体解説:G-KT-A ナイト・アーチャー(Knight Archer)

・SS社とマックナイト社が共同開発した「ナイトシリーズ」の後方支援・狙撃特化型機体。ウォーリアーと小隊を組むことを前提に、特定の戦域において絶対的な破壊力を発揮する専門性を追求した。


型式番号: G-KT-A

全高: 15.0m

本体重量: 45.0t / 全備重量: 60.0t

主機関: マイクロ原子炉

出力: 110,325kW

製造元: SS社、マックナイト社共同開発


武装(WEAPONS SYSTEM)

・ナイトシールド(アーチャー仕様)

ウォーリアー用より小型化され、主兵装「ネメシスボウ」とのドッキング機能を備えた防護装備。合体時は弓盾一体型の攻防ユニットとして機能する。裏面には近接戦闘用のショートバレル型ナイトマシンガンと予備マガジンを格納している。

・ネメシスボウ

ロングボウの形態をとるボウガン式の特殊狙撃兵器。螺旋状の独特な矢を射出し、着弾地点をドリルのように掘削・貫通する。その威力は装甲や盾のみならず、建造物の壁や戦艦の甲板、防空壕すらも打破する。標準携行弾数は30発。

・ホバリングボード

脚部からのエネルギー供給により高速浮上移動を可能にする、アーチャー用の高機動オプション。腰部の専用保持ラックに積載され、地形に左右されない狙撃ポジションの確保や迅速な陣地転換を支援する。


機体特性と機構(DETAILS)

・頭部ユニット

中世騎士の兜を模した装甲カバー内に、高精度のカメラ、センサー、ソナー、通信機を凝縮。各デバイスを徹底して小型化することで頭部全体の被弾面積を縮小し、戦闘継続能力を高めている。

・腕部ユニット

両腕に標準化されたハードポイントを設置。ナイトシールドやネメシスボウをはじめとした各種オプションを、作戦目的やパイロットの特性に合わせて自在にマウント可能。

・高機動推進システム

背部メインブースターは、自機の全高を大きく上回る跳躍や長距離滑空を実現。さらに膝、ふくらはぎ、足裏、爪先に配置された「脚部補助スラスター」により、白兵戦における爆発的な加速性能と空中での姿勢保持能力を確保している。


操縦システム(COCKPIT & INTERFACE)

・オートマチックパイロットシステム(APS)

高度な自動化により、従来の操縦桿から左右の多機能ハンドルへとインターフェースが刷新された。

・モニターレイアウト: 半円型モニターを採用し、死角の少ない視界を確保。背面映像は、各種情報が集約された大型コントロールパネルの一角に表示される。

・操作体系: 左ハンドルで移動と加速(トリガー1:前進 / トリガー2:加速)、回避ボタンによる自動緊急離脱機能も備える。右ハンドルでアクション(攻撃、防御、保持・放棄、射撃トリガー)を分担。左ハンドルの傾きによる直感的な移動制御が可能だが、初心者は「上体を屈める」操作と「前進」を誤認しやすい。

・コントロールパネル: タッチパネル式の統合制御盤。マップ、通信、火器管制を司る。高級機仕様では指差し操作(非接触ジェスチャー制御)にも対応。

・ブレーンチップ: コックピット中央には、カメラ映像や操作履歴、パネル表示情報などの重要ログを記録する専用チップを搭載。機体放棄や緊急脱出の際は、このチップの回収が最優先事項とされる。





機体解説:G-SN-H センチネル・ヒーロー(Sentinel Hero)

・スマートシステム社(SS社)がナイトシリーズのさらなる発展型として開発した「センチネルシリーズ」の近接白兵戦特化モデル。対GSとの1対1における絶対的な優位性と、鉄壁の防御力による強襲突破をコンセプトとしている。


型式番号: G-SN-H

全高: 17.0m

本体重量: 70.0t / 全備重量: 90.0t

主機関: マイクロ原子炉S型

出力: 220,650kW

製造元: スマートシステム社(SS社)


武装(WEAPONS SYSTEM)

・シールドソード

巨大な盾と、その内部に格納された大剣で構成される複合兵装。格納状態ではその圧倒的な質量を利用した「超大剣」として運用され、鋭利な切断よりも対象を叩き潰す破砕攻撃に主眼が置かれている。

・センチネルシールド

センチネルソードを完全に内包する大型防護装備。特殊な積層波状構造を採用しており、着弾時の衝撃を減衰させつつ盾全体へ分散・受け流すことで、極めて高い防御効率を実現している。内面にはソード保持用のハードポイントと専用の鞘を備える。

・センチネルソード

対GS用の大型斬撃兵装。鍔と柄頭に小型スラスターを内蔵し、分厚い刀身の一部を燃料タンクとして利用することで、大質量からは想像できないほどの高速・軽快な剣振りを可能にしている。

・マンハンターシステム

脚部に統合された対人・対車両用自律兵装群。光学・熱源・超音波センサーにより、歩兵や車両、対GS用トラップを自動検知し、10mm〜20mm連射砲やグレネード、ガス兵器等を用いて効率的に排除する。


機体特性と機構(DETAILS)

・プレートアーマー(増加装甲)

中世騎士を彷彿とさせる外装方式。基本フレーム自体が装甲材と同等の耐久性を持ち、デリケートな関節部やコックピット周辺を中心にこのアーマーで補強する構造を採る。パイロットの裁量で装甲厚を調整できる高いパーソナライズ性を持ち、前線での容易な換装・補修が可能となっている。

・背部大出力ブースター

脚部スラスターを廃した代わりに、背部へ極めて強力な推進ユニットを搭載。マンハンターシステムの重量増加を補って余りある推力を生み出し、重装甲機ながらも瞬発的な突撃能力を確保している。

・高剛性基本フレーム

センチネルシリーズ特有の堅牢な骨格構造。ケーブルやパイプ等の露出を最小限に抑え、素体の状態でも高い対弾性・対衝撃性・耐熱性を発揮する。


操縦システム(COCKPIT & INTERFACE)

・オートマチックパイロットシステム(APS)

ナイトシリーズで確立された自動操縦システムをセンチネル仕様へとブラッシュアップ。UIユーザーインターフェースの視認性と直感的な操作性が向上している。

・コックピット内装

シリーズのフラッグシップ機として「高級感」を意識したデザインで統一。最高位の近接戦闘モデルに相応しく、パイロットの疲労軽減と居住性、そして生存性の確保が最優先されている。

・モニター・操作系

基本レイアウトはナイトシリーズを踏襲しつつ、センサー感度の向上に伴い情報の整理能力を強化。コントロールパネルによる火器管制やマップ管理も、より洗練された操作感へと進化を遂げた。

・ブレーンチップ

カメラ映像や操作履歴等の重要機密を記録するチップ。機体が大破・放棄される際も、蓄積された戦闘データとパイロットの活動記録を守るための最終防衛ラインとして機能する。




機体解説:G-SN-SL センチネル・ソルジャー(Sentinel Soldier)

・スマートシステム社(SS社)が開発した「センチネルシリーズ」の中・近距離制圧型モデル。長大なリーチと盾による鉄壁の陣形ファランクスで戦域を支配、後続の「ヒーロー」のために道を切り拓くことを主任務とする。


型式番号: G-SN-SL

全高: 17.0m

本体重量: 70.0t / 全備重量: 90.0t

主機関: マイクロ原子炉S型

出力: 220,650kW

製造元: スマートシステム社(SS社)


武装(WEAPONS SYSTEM)

・ストライククロス

全長20mに及ぶ十文字槍形状の超大型複合兵装。全体の3分の2を占める十字の刃と、反対側に位置する150mm単射砲で構成される。砲身には歪みに強い肉厚な交換式バレルを採用。外付け弾倉方式と合わせ、過酷な連戦下での暴発防止と信頼性を徹底している。長大なリーチを活かした中距離戦と、アウトレンジからの射撃を両立させた本機の象徴的武装である。

・ランチャーシールド

「ヒーロー」用を小型化した積層波状構造の多機能盾。中央上部からスリットが設けられており、ストライククロスを固定した状態での突撃や精密射撃が可能。また、シールド裏面下部には3基のグレネードランチャーを内蔵しており、防御と同時に制圧火力を提供する「射撃兵装」としての側面も持つ。

・マンハンターシステム

脚部に統合された対人・対車両用自律兵装群。光学・熱源・超音波センサーにより、歩兵や車両、対GS用トラップを自動検知し、10mmから20mm連射砲やグレネード、ガス兵器等を用いて効率的に排除する。


機体特性と機構(DETAILS)

・プレートアーマー(増加装甲)

中世騎士を彷彿とさせる外装方式。基本フレーム自体が装甲材と同等の耐久性を持ち、デリケートな関節部やコックピット周辺を中心にこのアーマーで補強する構造を採る。パイロットの裁量で装甲厚を調整できる高いパーソナライズ性を持ち、前線での容易な換装・補修が可能となっている。

・背部大出力ブースター

脚部スラスターを廃した代わりに、背部へ極めて強力な推進ユニットを搭載。マンハンターシステムの重量増加を補って余りある推力を生み出し、重装甲機ながらも瞬発的な突撃能力を確保している。

・高剛性基本フレーム

センチネルシリーズ特有の堅牢な骨格構造。ケーブルやパイプ等の露出を最小限に抑え、素体の状態でも高い対弾性・対衝撃性・耐熱性を発揮する。


操縦システム(COCKPIT & INTERFACE)

・オートマチックパイロットシステム(APS)

ナイトシリーズで確立された自動操縦システムをセンチネル仕様へとブラッシュアップ。視界内での中・近距離射撃や長尺物の扱いをサポートするため、UIユーザーインターフェースの精度がさらに向上している。

・コックピット内装

シリーズのフラッグシップ機として「高級感」を意識したデザインで統一。後方支援から前線維持まで多岐にわたる任務に対応するため、パイロットの疲労軽減と居住性、そして生存性の確保が最優先されている。

・モニター・操作系

基本レイアウトはナイトシリーズを踏襲しつつ、センサー感度の向上に伴い情報の整理能力を強化。コントロールパネルによる火器管制やマップ管理も、より洗練された操作感へと進化を遂げた。

・ブレーンチップ

カメラ映像や操作履歴等の重要機密を記録するチップ。機体が大破・放棄される際も、蓄積された戦闘データとパイロットの活動記録を守るための最終防衛ラインとして機能する。




機体解説:G/F-SN-SN センチネル・スナイパー(Sentinel Sniper)

・スマートシステム社(SS社)が開発した「センチネルシリーズ」の遠距離アウトレンジ制圧型モデル。量産型GSとしては初となるビーム兵器を主兵装に冠し、圧倒的な高機動と長射程をもって、敵を間合いに入らせることなく一方的に蹂躙する戦域の支配者である。


型式番号: G/F-SN-SN

全高: 17.0m

本体重量: 70.0t / 全備重量: 90.0t

主機関: マイクロ原子炉S型

出力: 220,650kW

製造元: スマートシステム社(SS社)


武装(WEAPONS SYSTEM)

・プラズマ粒子加速砲

ボウガン状のフレームを持つ、次世代の主力ビーム兵器。強力な力場によって圧縮された金属粒子を、力場の瞬時解放に伴う反発力で音速を超えて射出し、空気摩擦によってプラズマ化させる。現用量産機の携行兵装としては最大級の火力を誇るが、有効射程は有視界範囲に限られ、それ以降は急速に威力が減衰する特性を持つ。

・シールドガトリング砲

「ソルジャー」用のシールドと同等の積層波状構造を持つ防盾に、300mm口径の大型ガトリング砲を統合した重武装ユニット。精密狙撃時の防御姿勢を維持しつつ、接近を試みる敵機を圧倒的な面制圧火力で迎撃する。極めて大型の兵器のため、「プラズマ粒子加速砲」を装備している場合はこちらは装備できない。

・フライトボード

ホバリングボードの技術をさらに発展させた空中機動兵装。単機での高速巡航・高高度狙撃を可能にするだけでなく、出力向上によりボード側面にもう1機の機体を懸架・搬送する高い運送能力も備える。

・マンハンターシステム

脚部に統合された対人・対車両用自律兵装群 optical・熱源・超音波センサーにより、歩兵や車両、対GS用トラップを自動検知し、10mmから20mm連射砲やグレネード、ガス兵器等を用いて効率的に排除する。


機体特性と機構(DETAILS)

・プレートアーマー(増加装甲)

中世騎士を彷彿とさせる外装方式。基本フレーム自体が装甲材と同等の耐久性を持ち、デリケートな関節部やコックピット周辺を中心にこのアーマーで補強する構造を採る。パイロットの裁量で装甲厚を調整できる高いパーソナライズ性を持ち、前線での容易な換装・補修が可能となっている。

・背部大出力ブースター

脚部スラスターを廃した代わりに、背部へ極めて強力な推進ユニットを搭載。マンハンターシステムの重量増加を補って余りある推力を生み出し、重装甲機ながらも瞬発的な突撃能力を確保している。

・高剛性基本フレーム

センチネルシリーズ特有の堅牢な骨格構造。ケーブルやパイプ等の露出を最小限に抑え、素体の状態でも高い対弾性・対衝撃性・耐熱性を発揮する。


操縦システム(COCKPIT & INTERFACE)

・オートマチックパイロットシステム(APS)

ナイトシリーズで確立された自動操縦システムをセンチネル仕様へとブラッシュアップ。フライトボードによる高機動飛行と、プラズマ粒子加速砲による精密狙撃を高度にリンクさせるため、UIユーザーインターフェースの最適化が図られている。

・コックピット内装

シリーズのフラッグシップ機として「高級感」を意識したデザインで統一。超長距離からの狙撃任務に集中できるよう、パイロットの疲労軽減と居住性、そして生存性の確保が最優先されている。

・モニター・操作系

基本レイアウトはナイトシリーズを踏襲しつつ、センサー感度の向上に伴い情報の整理能力を強化。コントロールパネルによる火器管制やマップ管理も、より洗練された操作感へと進化を遂げた。

・ブレーンチップ

カメラ映像や操作履歴等の重要機密を記録するチップ。機体が大破・放棄される際も、蓄積された戦闘データとパイロットの活動記録を守るための最終防衛ラインとして機能する。






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― 新着の感想 ―
武器・装備の設定にも凄く力を入れてますね。 ロボットものを書く上では必要なスキルですね!
武器・装備の設定がかなり細かく練りこまれているのが伝わってきました。 今後の展開も期待。
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