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頭脳と異能に筋肉で勝利するデスゲーム<Ⅱ>  作者: もちもち物質
第六章:覆水を盆に返すバカ
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ゲームフェイズ1:ぎゅうぎゅう詰めエレベーター

 そうして、ぎゅうぎゅうぎゅう、とエレベーターの中でやっていると……ふと、海斗がため息を吐いて、バカの肩をぽふぽふ、と叩いた。

「……樺島。肩に乗せてくれ」

「あっ!すげえ!海斗頭いい!よっこいしょ!」

 バカは大喜びで、海斗をひょいと担ぎ上げた。海斗も『よっこいしょ』とバカによじ登ったので、非常にスムーズである。

「あっ!あっ!私も!私も乗せてくださーい!」

「おう!タヌキもこっちこっち!」

「よかった!潰れずに済んだ!ありがとうございます!」

 そしてタヌキはバカの頭の上にひょこっと乗せられた!ふわふわの帽子のようである!

「デュオも乗るか!?」

「え?あ、うん、そうだね。お願いしようかな……よいしょ、と」

 更に、海斗と反対の肩にデュオを乗せて、バカは過積載バカと化した。が、こうしておくと多少、狭さが解消されるので……これでヨシ!

「わあー……すごいねえ、樺島さん」

「うん……すごい……」

 人間2人とタヌキ1匹が乗っても大丈夫。安心と信頼のバカ達と愉快な仲間達を乗せて、エレベーターはのんびりと下降していった!




 そうして、全員でぎゅうぎゅうエレベーターの中であるが……はあ、と五右衛門がため息を吐いた。

「なーんか、色々と考えることが多くなっちゃったんだけど……考えるのがバカらしくなってもきちゃったわねえー……」

 五右衛門は呆れ半分、憂い半分の表情である。……五右衛門に、ヤエの話はしていない。だが、五右衛門自身はヤエのことを知っているし、ヤエも、『あの人、私の名前、知ってた……』と、ちょっと五右衛門を気にしている様子である。

 まあ、この2人については、バカが何か説明してどうなるものでもない。2人でゆっくり話す時間を設けてもらうのが一番だろう。

「そうですねえー、考えなきゃいけないこと……私も、なんかもう、頭いっぱいお腹いっぱい、ってかんじです。七香さんが元々の知り合いだったことは分かりましたし、デュオさんに何か事情がありそうなのも分かったんですけれどぉ……もう、何が何だかぁ……」

「そうだね……。あー、ということは、俺達、ちょっと話す時間を貰った方がいい、かな……?樺島君、どう?」

「うん!いいと思う!話したい人、いっぱい居ると思うから!時間取ろうぜ!」

 バカはにこにこ笑って頷いた。デュオとタヌキと七香の3人組も、ゆっくり話す時間が必要だろう。まあ、ここはあまり心配要らないだろうが。何せ、タヌキが居るので……。


「私も、燕に色々と話したいこと、あるんだけれど……私達は、後でもいいかなあ。カード?っていうの、集めなきゃいけないんじゃ、忙しいもんねえ」

 一方、真理奈はにこにこしながら燕の顔を見て、『どうする?』と首を傾げる。……すると。

「……危ないから、真理奈は大広間で待ってて」

「えっ!」

 燕の返答に、真理奈は愕然とした!

「……そんな、気にしなくていいのに!」

「気にする」

「なんでぇ!」

「なんでも」

 真理奈が『そんなに私、頼りない!?』と嘆いているが、まあ、燕からしてみたら、人間の女の子は皆、頼りないのであろう……。

 だが。

「じゃあいいもん!私、樺島さんと行く!」

「えっ……」

 ……真理奈がバカにくっついてしまったから、燕は固まるしかない。

「ん?真理奈、一緒に行くのか?いいぞ!がんばろうな!」

 更に、バカはバカなので、あっさりと真理奈を受け入れてしまい、燕は逃げ場を失った。

「あっ!?燕も一緒に来るか!?いいぞ!嬉しいなあ!」

「……ええと」

 そしてバカは更に、燕まで受け入れようとしてしまうので、燕はおろおろしながら視線を彷徨わせるしかない。タヌキが『あー、いいですねえ、男子高校生ってかんじですねえ』となんとも言えない感想を漏らしている!

「じゃあ、燕も一緒に行こ!それで、ゲームの部屋、攻略しながら話そうよ。ね?」

 ……そうして、真理奈が笑いかけてしまうものだから……燕は遂に、ため息を吐きつつ、頷いた。

「……そうする」

 バカは、『仲間が4人になった!』とにこにこしている!海斗は、『僕は当たり前のように勘定に入れられているんだな……』と、呆れ半分、安堵半分の顔をしていた!




 が、そんな折、バカは思い出した。そう。バカなのに、ちゃんと思い出したのだ!

「あっ、でも真理奈ぁ!『3』の部屋だけは入っちゃ駄目だぞ!」

「へ?」

 ……『3』の部屋は、ちょっとえっちな部屋だ、ということを!

「……そうだな。真理奈。絶対に『3』にだけは入るな」

 更に、燕も知っているらしく、神妙な顔でそう言った。

「えっ、その部屋、どういう部屋なの……?」

 真理奈はひたすら頭の上に『?』マークを浮かべていたし、バカの頭の上のタヌキは、『えっ……?私の部屋、ってことですか……?その、真理奈さんが入っちゃいけない部屋に、私、1人で入ることになったり……!?』と慄いている!

「あの部屋は……俺が、いや、うー……」

 ……が、燕としても、『3』の部屋を攻略するのは嫌であるらしい。海斗も『二度と入らない!』と言っていたことだし、きっと頭脳派にも辛い部屋なのだろうが……。

「大丈夫だ!あの部屋には、七香が強い!」

「……何かしら」

 バカは知っている!

 七香は、女帝の尻を叩くのが!上手!


「えーと、それから、『1』の部屋は、海斗が1人でいけるんだって言ってたぞ」

「そうか。まあ、お前の『やり直し』の中で1回くらいは試しているだろうからな……まあ、『過去』の僕に感謝、といったところか」

 バカは、『えーとえーと』と思い出しつつ、一生懸命、他の部屋の情報も喋る。

「あと、俺、『8』には入るなって海斗に言われたんだ。なんでだろ……」

「……あの部屋、ミラーマッチ部屋だからだろ」

「みらーま……?」

「……『模写』してくる悪魔が居る。だから、下手に『やり直し』なんて模写されたら、大変だろ」

 燕が居れば、部屋のネタバレもしてもらえる。とっても便利であった!

「えっ、なんでそんな部屋があるんですかぁ!?」

「……俺が悪魔だっていうことのヒントなんじゃないか」

「ひえー、悪魔同士って仲悪いんですかねえ……」

「あっ、人によるぞ!うちの職場でバイトしてる悪魔達は全員、なかよしだぞ!」

 バカは、『はやく、双子のねーちゃん達に四郎のおっさん、会わせてやりてえなあ……』とにこにこした!四郎もちょっぴり、そわそわしている!

「とにかく、その『8』の部屋とやらには樺島は入らない方が良さそうだな……」

「いや、コピーができるまでに100秒ある。それまでに片付けられる異能持ちで固めればいい」

「……そうか。樺島。やっぱり『8』はお前の出番らしいぞ。タックルでいけ。タックルで」

「タックルで!?俺のタックル、役に立つんだな!?やったあー!」

 ……そうして『あの部屋はこうだった!』『その部屋は実はこうだ』『ならこうしようか』『いや、樺島ならこういうやり方でいける』などと話がどんどん進んでいき……。




 エレベーターが、無事に大広間に到着する。

 全員、『狭かった!』とすぐにエレベーターを出て……さて。

「じゃ、デュオとタヌキと七香はお喋りだよな?で、五右衛門とヤエもここでお喋り、海斗を添えて……ってことでいいのか?」

「僕はいいんだが、その、何故、僕なんだ……?」

「……アタシと2人きりじゃ、ヤエちゃん、怖いでしょお?でも、七香ちゃんは話すことあるみたいだし、真理奈ちゃんは燕と一緒に居たいみたいだしぃ……?」

「……余計に僕でいいのか分からないが、まあ、ヤエさんがいいなら……」

「あ、はい……その、よろしくお願い、します……」

 ……ということで、メンバーが決まった。

 デュオとタヌキと七香がお喋り。そして、五右衛門とヤエと海斗もお喋り。……バカと真理奈と燕が、ゲーム攻略!こういう運びとなる!


 ……ただし。

「じゃ、行くかぁー!」

 バキィ!バキィ!と、バカはすぐさま全員の腕輪を引き千切った。

『やり直し』の中で何度も腕輪を引き千切った経験が、バカの技術を向上させている!精度もスピードも抜群の腕輪千切りである!

「で、こっちこっち!」

 そして、バカ達は海斗の個室へ赴き……ちょっとぎゅうぎゅうになりながらも個室に詰まって、そして、『2』のボタンを押す。




「こんにちはー!部屋、借りに来たー!」

「いやあああああああああああああ!」

 ……なんか、話すのに丁度いい部屋を知っていたバカは、そこへ皆を案内するのだった!

 尚、『女教皇』はドアをタックルで破られたショックと、そこからぞろぞろとやってきたありえない数の人間達を見て……気絶した!


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― 新着の感想 ―
女教皇さんを誰か優しく慰めてあげて…(全部見てきた読者視点 それにしてもハッピーエンドに向かって進んでサクサク進む姿を見てると何でもニコニコしながら見れちゃう ぎゅうぎゅうエレベーターのタイトルの時…
>海斗は、『僕は当たり前のように勘定に入れられているんだな……』と、呆れ半分、安堵半分 も〜勘定に入ってないわけないじゃないですか〜!ちょっとほっとしてる海斗可愛いです(*´꒳`*)
海斗、ヤエ、五右衛門のグループ! 樺島君はあのときの海斗を大事にしたいってことかな。 私も海斗に春が来てほしい!わくわく!
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