お披露目祭前日!(ウサミミツンデレは最狂?)
96「お披露目祭前日!(ウサミミツンデレは最狂?)」
その後俺たち、俺、エイダ、メリルは王城の『王立総合図書館』に向けて足を進めていた
従者と言っても、流石に全員で行くわけにはいかなかったので、マリーダとヒメルは宿でお留守番だ
というか、ヒメルを野放しにするのは怖かったので、真面目なマリーダを付けることにしたというのが本音である
それで久し振りに王城に戻ってきたのだが・・・
「なぁ、これ本当につけるのか?
男のウサミミとかマジで誰得なんだが・・・」
俺は自身のハードの下に付けている、片方だけ
フードの穴から飛び出している右耳を触りながら、
そう問いかけた
流石にメリルの従者が獣人でないのは、色々疑われるという事から、俺はメリルと同じ兎人族で、片耳が戦いで千切れて、それを隠すためにフードをしているという設定なのだが・・・
野郎のウサミミという響きだけで、聞くに耐えない感じである
俺はなんだか落ち着かない気持ちになり、エイダとメリルに大丈夫かと尋ねると
「だ、大丈夫よ!ちょっとやさぐれちゃった兎人族
の男みたいで・・・
なんて言うか、逆に可愛い感じよ!」
エイダがフォローとも呼べないフォローをしてくれる
ていうか、俺の目つきの悪さと相まって、やさぐれてるように見えるのかよ・・・
なんだか、始まる前から若干テンションが下がった
俺はどうなんだこれ?と思い、メリルの方を見てみると・・・
「・・・、なんでそんなに・・・いいのぉ?
これは予想外の・・・で、ドキドキしちゃうよぉ・・・」
メリルはというと、何やらうわ言のように、何かをぶつぶつ呟いていたが、俺に見られてると気づくと
「みぃっ!?」と変な声を上げている
なんだか可愛いなメリル
俺は特に気にせず、可愛く感じたメリルをよしよしと
撫でていたのだが、そうしているうちに、ようやく王城に到着したのだった・・・
もちろん、王城に入ろうとするが、顔が真っ赤なメリルと、その隣に平然として立つ俺、それを横目で睨むエイダの3人が、色んな意味で門番から変な目で見られたことは言うまでもない
「ようこそ王立総合図書館へ
ガロス王国の姫さま、メリルさま、そしてそれに
付き従う従者の方々、存分に我が国が誇る文献の数々を、お楽しみくださいませ」
俺たちは衛兵に案内され、図書館の入り口に来たのだが、そこに立っていた司書と思われる女性に、そう言われたのだった
そして、メリルも気品のある態度でそれに答える
「うん、そうさせてもらうよぉ
ボクたちは、色々調べさせてもらうけど、一般の人は入らせないようにお願いねぇ
ただの一般人に、ボクたちの邪魔をされたりなんて
いやだからねぇ?」
メリルがいつもとは違い、少しだけ鋭く目を細めて、司書に念を押すと
「かしこまりました、上級貴族以下の立ち入りを
禁止しておきます
それでは、お時間の許す限りお楽しみください」
司書さんは恭しく一礼をして、メリルとその従者の
設定である、俺とエイダを『王立総合図書館』に通してくれるのだった
そうして図書館に入った俺たちは、ドラゴンに関する情報、それも特に最近の情報誌を中心に探していた
最初はみんなで探していたのだが、途中から別々に探した方がよくね?ってことになり、当初の予定を変更して、一人一人で情報を集めることになった
「やっぱ王立なだけあって、いっぱい本があるんだなぁ
ここまで多いって知っていれば、ギルドなんかに行かずに、こっちに忍び込めばよかったな・・・」
そんな独り言を言いたくなるぐらいには、沢山の本
多くの情報が存在していたのだ
俺は何か面白い本とかないかなぁと思い、ドラゴンに関する本以外の本も手にとっていた
「へー、色んなもんがあるんだなぁ・・・
『冒険者になる12の方法』、『なぜ冒険者になるのか?そこに冒険者があるからだ』、『冒険者の心得』って、これ冒険者についての本か?」
俺はとりあえず目に付いた本の数々を眺めていたのだが、『冒険者の心得』と言う本が、俺も冒険者もどきだから参考になるか?と思い手に取ろうとした
そのとき・・・
サッ
俺と誰かが同時にその本に手を伸ばし、その手と手がピタッと重なりあったのだった
えっ?だれ?とそちらを見ると
「あれ?ここには人が来ないんじゃなかったの?
君なんでここにいるの?上級貴族以下は入れない
って姫さん言ってたよ?」
何やらボーイッシュな喋り方をする、ショートカットの女の子、というか俺と同じか、少し下ぐらいの女性に話しかけられる
俺は突然の遭遇に一瞬思考が止まってしまったが、気を取り直して、そのショートカットちゃんの質問に答える
「そうだな、俺自体は貴族とかではないが、俺の使える主人が、その階級のお方に当てはまるな
だから今は、その主人のお手伝いをしているところってところだ」
俺は、彼女が未だに押さえつけてきている右手を不思議に思いながらそう答えると
彼女は「へーそうなんだー」とあんまり興味なさそうに返したが、やはり俺の本を手に取ろうとする手を押さえつけたままである
俺はずっと俺の手を押さえつけている彼女に、「その手を離そうか?」と言ってみたところ
「じゃあ、その本を私に頂戴?
そしたら離してあげるよ?」
と言って、俺の手の中にある『冒険者の心得』を指差してくるのだった
そこで俺は考えてみた
まあここは、別にこの本は俺が必要なドラゴンの本じゃないこの本は、この本を求めているこの子に譲った方がいいだろう
そもそも『冒険者の心得』って本なのに、俺は冒険者じゃない
だから心得を知ったところであんまり気にしないし、気にする気がしない
そこまで考えた俺は、彼女にこの本を譲ろうと思い、笑顔で返そうと一言
「だが断る!」
そんな真反対の一言を平然と彼女に向かって言っていたのだった
流石の返しに、彼女は一瞬何を言われたのかわからない顔をしていた
だけど、一度言った言葉を取り消さないことを知っている俺は、自分のやったことではあるが、この後の展開を想像し、少しため息をつきたくなるのだった・・・
はじめての遭遇!最初はりさちゃんとの遭遇です!
次はお披露目祭前日の続きです!




