お披露目祭前日!(優しい気配り/優しい気遣い)
95「お披露目祭前日!(優しい気配り/優しい気遣い)」
その後俺たちはこのあとの予定、この国での過ごし方についてみんなで話し合っていた
大体は生活面の事で、どこの宿に泊まるだとか、部屋割りはどうするのだとかを話し合っていたのだが
話は変わってこのあとの予定について話し合うことになった
「それで、メリルの言っていた『図書館』について
聞きたいんだけど・・・
それってどこにあるんだ?それらしきものなんて
俺には見つけられなかったんだが・・・」
俺はガロス王国でメリルから聞いた情報である、
『図書館』の詳しい内容はについて、メリルに尋ねてみた
するとメリルはにへらっと笑って
「そうだねぇ、ボクもその時はカルラさんが
この国から逃れてきたってことは知らずに、提案した
ことなんだけどぉ・・・
まあ、今でもフード被ってたらわかんないし大丈夫かなぁ?」
と、なんだか不安な事を呟いている
俺は少し不安になりながら、「それでなんなんだよ?」と尋ねてみると
「うーんとねぇ・・・、ボクの言っている『図書館』
っていうのは・・・
まあ簡単に言うと、ユリヤス王国の中心、つまりは
王城の中に存在する『王立総合図書館』ということだよぉ」
メリルは少し面白そうな顔をしてそう言ってきた
メリルからすれば潜入捜査みたいでドキドキとか
思っているのかもしれないが
俺とエイダは顔を見合わせて
「「いやいや!無理無理!バレたどうするんだ(のよ)!?」」
2人して悲鳴のような講義をあげたのだが・・・
メリルはどこ吹く風とでも言うように、
「えぇ?だってカルラさんなら別に見つかっても
逃げきれるでしょぉ?
それにボクの従者としてフード被っていれば、別に
見つかる心配もないと思うんだけどなぁ?」
メリルは心配ないよ?といった顔で、俺とエイダのほうを見てくる
ま、まあ従者としてならバレないかな?
フードも何だかんだ理由をつければ外さなくても
済みそうだし・・・
俺がエイダにも大丈夫なんじゃないか?と
そちらの方を見ると
「で、でも!もし見つかったらカルラが捕まっちゃう
かもしれないのよ!?
いくらカルラが強くても、大勢に囲まれたりしたら・・・」
エイダはそう言うと、とても不安そうな顔をして、俺のことを心配してくれる
やはりエイダは俺のことを第一に考えてくれている
みたいだ
俺はエイダのそういう細やかな気配りの出来るところが、たまらなく好きだ
そんな何気ない気持ちが嬉しくて、俺はエイダの手
をそっととり、両手で優しく包み込む
「ありがとなエイダ、確かにちょっと不安なところ
もあるかもしれないが・・・
ヘマしなけりゃ大丈夫だ、何たって俺の隣には
エイダ、お前がいてくれるんだろ?」
俺は「だから安心だ」とそう言うと・・・
「そ、そうよね!私がついてないとカルラはダメよね!
ま、まあそういうことなら、『図書館』にも行っても大丈夫だと思うわ」
と言って少し照れた様子ではあったが、最終的には
自身の同行を条件に、『王立総合図書館』への出発予定を許可してくれるのだった
ちなみにメリルが「これじゃあボクが悪者みたいじゃないかぁ」と拗ねていたので、よしよしと撫でておいた
そうしたら「むふぅ」と目を細めて、気持ち良さげにしていたので、結果オーライだ
そうして俺たちは犬子ちゃんに「ごちそうさま」と
言って、月下亭を後にするのだった・・・
ーーーー王城にて・立木まゆ、神木りさ視点ーーーー
「いよいよ、お二人は初めてのお披露目ですね
マユさん、リサさん大丈夫ですか?」
あたし、立木まゆと、その隣の神木りさは、ユリヤス王国の第一王女ミラさまに、そう声をかけられていた
「そうだねー、ちょっと緊張してるけど・・・
まあ、これで外に出れるのかと思うと・・・、案外
悪くない?って思ってるよ」
隣に座るりさちゃんは、そうあっけからんと答え
「ようやくだぁ〜」と嬉しそうな表情を浮かべている
あたしは王女さまに、よくそんな軽口が言えるよ
と、少し苦笑しながらりさちゃんを窘めた
「こらこら、りさちゃん、王女さまにその答え方はないでしょ?もっと王女さまを敬う言い方を・・・
すいません王女さま・・・、ちょっとりさちゃんは
態度が大きい子なんです」
あたしがりさちゃんに代わって王女さまに謝ると
王女さまは、「大丈夫ですよ、気にしていませんから」と、優しくそう答えてくれる
あたしはそれに感謝してから、王女さまからの質問について答えた
「あたしはちょっと怖いような気がします・・・
こっちに来てから王女さまたちに保護されていましたから、外の世界に出て行くことになるのが少しだけ
不安に思います」
あたしは王女さまに正直な気持ちを伝えた
こちらの世界に訳がわからないままに、送られてきた時には、あたしたち2人は、特にあたしは混乱していた
皆が言うには勇者召喚と言うものによって、こちらに来てしまったようだ
しかし理由がわかったとしても、色んなことに不安だらけだった
そんな風に戸惑っていたあたしたちに、優しく声を掛けてくれたのがミラさまだった
「大丈夫ですか?」「不自由してませんか?」
「一緒にご飯を食べましょう?」「少しお茶をしませんか?」
そんな風に、日常の何気ない場面でも、多く声を掛けていただいて、あたしたちは日に日にそれまでの不安だった気持ちが和らいでいったのだ
そんなこともあって、あたしはこの姫さまのために
頑張りたいと、この国を救いたいと思ったのだ
だからこんな風な弱音は、ミラさまを不安にさせる
かもしれないので、あまり言いたくはなかったが・・・
それでも、姫さまには真剣に向き合いたいと思い
そう答えたのだ
すると姫さまは優しく微笑んで
「そうでしょうね、お二人は特に緊張されている
と思います
でも安心してください、私も微力ながらもお二人
のお手伝いさせていただきます
具体的には明日のお祭りに、私もお二人と一緒に
参加致します
私も少し緊張しますが・・・、一緒に頑張りましょうね?」
そう言うと、大丈夫ですよと微笑んでくれるのだった・・・
まだまだこの世界のことはわからないことや、知らないことばかりだけれど、この笑顔だけはあたしとあたしの相方で守っていきたいと思うのだった・・・
そうして3人で、その後も楽しくお話しをしていたのだが・・・
「あっ!そういえば、お2人のための『冒険者の心得』という本を、『図書館』で見つけるのを忘れていました!
あの本は旅に出るなら必見と言われていますので、
今からでも見つけて来ないといけません!
でも、今から見つけるとなると・・・」
姫さまはそう言われると、「どうしましょう」と言って、困り顔である
私たちのためにここまで考えてくれているなんて、
やはりいい人だ
あたしはそう思い、りさちゃんの方に目を向ける
すると、りさちゃんも大丈夫だと、目だけで伝えてくれる
あたしはそれに頷き、王女さまにこちらから提案してみる
「それでは王女さま、あたしたちもその本を探すのを
お手伝いします!いえ、させてください!
あたしたちも微力ながらもお手伝いいたいですから・・・ね?」
あたしが先ほどの姫さまの言葉を真似て、そう言うと、「はい!お願いします!」と笑顔で了承してくれるのだった
そうしてあたしたちは、お昼から図書館でその本を捜索する事になったのだった・・・
お祭り前日の前半です!
次は後半に続きます!




