ポンコツ元女神、ヒメルの意外な特技(なぜそれが出来ると早く言わない!)
93「ポンコツ元女神、ヒメルの意外な特技(なぜそれが出来ると早く言わない!)」
俺たちは現在、行きも歩いたサンピア街道を
ヒメル、マリーダ、俺、エイダ、メリルの並びで
テクテクと歩いていた
行きも思ったが、うちのメンバーはみんな違った
形ではあるが、美人や可愛い子が多いので、周りの
特に男たちからかなりの視線を集めていた
しかし、メリルがガロス王国の姫であることは
みな理解しているのか、声をかけてくるような奴は
今の所いない
そしてその事を自覚しているのか、メリルが
ポヤ〜とした顔で俺に話しかけてくる
「やっぱりボクがいるから、目立ってるけど
誰も声をかけて来ないねぇ
冒険の醍醐味として、変な人たちに絡まれる
ってのも経験してみたいんだけどねぇ」
と、警戒心が低い、中々不安になるセリフを
言っている
まあ、あんまり本気の発言ではないだろうが
もう仲間になったこともあり、少しだけ注意させて
もらう
「おいおい、冗談でも勘弁してくれ
大切な仲間たちが変な奴らに、言い寄られてる所なんて正直見たくないんだ
メリルのことは、ちゃんと守るつもりだが、
出来る限り、そういう場面にならない選択をして欲しい」
少しだけ俺は真面目な顔でメリルにそう言うと
メリルは少し焦った顔で、「ご、ごめんねぇ!」
と言って、反省した様子を見せてくる
俺はその様子を確認して、これで大丈夫だなと
心の中で少し安堵する
このままだとメリルの後味が悪いと思うので、
軽くフォローを入れておく
「まあ、これから色んな人に会うことになるんだ
それまで楽しみにしておけよ
これまで他の奴らと関わらなかった分、これから
色んなことを経験していこうな」
ポンポンとメリルの頭を撫でて、そう慰めると
「うん!ありがとぉ!」と、申し訳なさそうな顔から
一転して、嬉しそうな微笑みを浮かべたのだった
そうして俺たちはサンピア街道を抜けて、ユリヤス
王国までで、一番長い距離のある、深い森を歩いていくのだった・・・
ああ!あとだいぶ今更の話だけど、カルマっていうのが偽名である事を、パーティーメンバーになった
メリルにはちゃんと伝えといた
メチャクチャ驚いていたが、俺の力の一端を伝えると、本名を知られると色々危ないと理解してくれて
メリルもちゃんと「カルラさん」と呼んでくれるようになったのだった・・・
まあ、後からメリルに聞いてみると、他の仲間たちが俺のことを『カルラ』って呼んでたことで、少し違和感は感じてたみたいだけどね
そして、現在俺たちは深い森を歩いていた
行きも歩いたこの森、世界樹の近くの森ほどでは
ないが、無駄な雑魚敵も多く、かなり長い距離のある
場所だ
「流石にこれだけの人数になると、魔物にすぐ
見つかってしまうわね・・・」
「うぅ、いくらエルフの里で修行したと言っても
これほどの数が相手ですと、魔力が足りないです・・・」
エイダとマリーダは、行きの時と同じような不満
を口にしている
そういえば行きも、「敵が多い・魔力がなくなる」と2人で恨めしそうに俺を見ていた気がする
まあ俺は女神さまの力が大部分なので、魔力不足
とかいう概念が存在しないのだ
この頃は女神さまの力なしでショートソード振り回す練習もしてるしな
まあそんなこんなで、森を突き進んでいると
「ねぇカルラ?なんで私たちってこの森を
歩いているのかしら?
敵も多いし、木が邪魔だからかなり疲れちゃったわ!」
突然、俺の少し後ろを歩いていたヒメルが
そんなアホなことを、今更ながらに言ってきたのだった
俺はついにヒメルの頭が残念になってしまったかと
可哀想な目で見たのだが、仮にも俺の仲間の1人だ
俺は出来るだけ優しく、改めて目指す場所について
メリルに伝えるのだった
「あのなヒメル?俺たちはユリヤス王国に
今向かっているんだ
だから、その道の途中のこの森は歩かないと
ダメだよな?
じゃないとユリヤス王国にたどり着かないから
だから、俺たちは今歩いてるんだ・・・わかったよな?」
俺は流石にこれでわかるだろう?と出来るだけ優しく、そう返したのだが
「そんなこと知ってるわよ?
私が言いたいのは、なんでわざわざ歩く必要
があるのか?ってことよ?」
と、そんな当たり前なことを言うなよ的な顔で
俺に言ってくるのだった
俺はヒメルの頭にゲンコツを落としてやりたい衝動に駆られたが、今は浮かんだ疑問を尋ねることにしよう
「・・・、えっと、何か歩かないで済む
方法でも存在するのか?」
俺はこめかみをピクピクとヒクつかせながらも
平静を装って、ヒメルに聞いてみると
「そりゃそうよ!私女神ですから!
テレポートの1つや2つ出来るわよ?
まあ今の所、私が見たことあるユリヤス王国と
ガロス王国ぐらいしか行けないけどね?」
と、当然のような顔をして、俺に返答するのだった・・・、その後、俺のコブシがヒメルの頭に落ちたことは言うまでもないだろう
そうして俺たちは、ゲンコツによって半泣きになっているヒメルの力で、一瞬でユリヤス王国の目の前
まで瞬間移動したのだった・・・
これで、ユリヤス王国に到着です!
次話、ユリヤス王国内の視点かも?




