突然の婚約者(いや、メリルのことは好きになったけども・・・)
87「突然の婚約者(いや、メリルのことは好きになったけども・・・)」
その後俺たちは、みんなが待つ部屋、「華の間」に
2人で戻っていた
その道中、メリルとの距離が妙に近かった気がするが・・・、まあ気のせいだろう
だが、最後にメリルと一旦離れるタイミングで
おかしなことを言われたのだ
「それじゃあカルマさん、少し待っててねぇ
お父さんとお母さんに連絡しとくからぁ
(婚約交渉の話で)お父さんに会って行ってねぇ
ボクも、後から(話し合いに)合流するからね」
なぜか、護衛の報酬を貰うだけなのに
メリルのお父さんと会う必要があるようだ
まあ、別に俺も急いでないしそんなに気にする
必要はないか
そんな風に俺はそのとき考えていたのだ
それがあんな面倒ごとに巻き込まれるなんて
その時の俺は知りもしないで・・・
ーーーーガロス王国・王城「王の間」ーーーー
「陛下!メリルさまよりお手紙が届いております!」
ここはガロス王国、王城の「王の間」、そのとき
俺は部下からの報告を聞いていたんだが・・・
何やらメリルから急ぎの手紙が送られてきたようだ
メリルは俺の娘、それも姉妹のうちの長女だ
俺の嫁、カレンに似て、とても美人に育った
しかし幼い時にうさぎ病を患ってしまい
他の者たち(特に男)が構うと、ストレスで体に不調をきたすようになってしまったのだ
その事もあり、俺もあまりメリルとは会う機会
が多くなかったとは思う、でもメリルの事もその妹
メラルの事も大切に思っていたから
俺たちの家族としての絆はしっかりしていると思う
それ故に、会えなくても手紙という形でコミュニケーションを取っていた訳だが、急ぎの手紙とは珍しい
俺はとりあえずその手紙に目を通し、軽く読んで
みると・・・
「えーと、お父さま、いや、お父さんと言った方が
いいかな?
まあ、とりあえず・・・、ご無沙汰しております、メリルです
実は会ってもらいたい人が近く、下手すると今日
の午後にでもそちらに訪ねてもらうかもしれません
ボクはその人の事が、本当に好きになりました
そしてその人もボクにプロポーズをしてくれて、今回
その報告をお父さんにしたというわけです
ボクは本当にホンキなのでよろしくお願いします
良い返事をお待ちしております、メリルより・・・だと?」
俺は一瞬何かの見間違いかと思った
あのメンドくさがりで、うさぎ病なメリルが
好きな人?
俺は最初は全く信じて読んでいなかった、しかし
後半になるにつれ、メリルは「ホンキ」という言葉
を使ったのだ
獣人の中で、「ホンキの勝負」や「ホンキの誓い」
というものは、その約束を破ると死を意味するほどの
思い言葉なのだ
それをメリルが使っていると考えると・・・
「ホントに、メリルに好きな人
それもメリルに求婚している奴が出来たっていうの
かよ!?」
その事実に、俺はかつてないほどの動揺と戸惑い
が心の中でごった返したのだった
しかし、メリルが好きになった男・・・
娘にかって近づいたことは気に入らないが、日和って
駆け落ちなどせず、真っ直ぐと求婚を
したというのは好感が持てる
「早くて、今日の午後か・・・」
俺はその不思議な男に、簡単には娘をやらない
という使命感と、どんな人物なのだろうという疑問
が交互に、頭に浮かんだこのだった
そうしてガロス王国、国王ガルムこと俺は、その手紙の男と会うための準備を着実に整え始めたのだった・・・
ーーーーガロス王国離宮「華の間」にてーーーー
「それで何をしに行ってたの?カルラは?」
エイダたちの待つ部屋に帰ってきていた俺は、
ちょっと疲れたので端の方の椅子で休憩していたのだが・・・
スタスタとエイダが近寄って、俺に話しかけてきたのだ
「あー、まあメリルたちの護衛をしてきたっていう
のと、ルーの父さん、というかドラゴンの情報について書きに行った感じかなぁ」
実際には護衛自体はしてたと思うが、情報の方は
というと・・・
「でも、ドラゴンの情報の方は全く得られなかった・・・
というよりも、話にすらならなかったわ・・・」
理想は何かしらの情報を得てエイダたちとの
次の旅の目的地につなげたいと言ったところだったのだが・・・
まあ、護衛の方の目的は果たしたから報酬の方は
貰えるからいいか
しかしエイダの方はというと、何かを聞き出したい
ような様子で・・・
「そうなの?何か他にもあったんじゃない?
アイナさまが、少しおかしな様子だったから
あなたが何かやらかしたのかと思ったのだけれど・・・本当に何も無かったの?」
ほら、白状しなさい!とでもいうかのような
迫ってき方である
俺もずいっと近寄ってきたエイダの迫力に負け
ゴニョゴニョと言い訳のようなものをしてしまう
「い、いや・・・別に何もいてないよ?
ちょっとギルドの奴らと揉めただけで・・・
それ以外は特に何も・・・ないよ?」
俺は唯一やましい気持ちのあった、ギルドでの騒動
について話したのだが・・・
そしてそれを聞いてエイダはというと
「それを詳しく話して頂戴!」
それを待ってました!とばかりに食いついてきた
ので、エイダにこれまでの経緯について、メリルへの
アドバイスとかも含めて伝えたのだった・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「・・・って感じかな?まあギルドの奴らと
喧嘩したのは悪かったけど・・・
ちゃんと傷ついたメリルのケアもしたし
何も問題ないとおも『それが問題なの!』えぇ!?」
俺の話に割り込んでエイダが突っ込んできた
ていうか、心のケアしたら問題なのか!?
俺は流石にそれは理不尽だと、抗議の声を
あげてみたのだが・・・
「だって、カルラがそんなことすれば絶対に女の子
が恋に落ちちゃうじゃない!
マリーダの事がいい例よ!って、かく言う私
もあなたのそういうところに・・・」
後半はゴニョゴニョ言っていて聞き取れなかったが
大概は、俺が女の子をたらし込むみたいな話だった・・・
そんな事はない!と言いたいところだが
マリーダの前科があるというのは事実なので
何も言うことができない
でも、とりあえずの抵抗として
「で、でも!メリルが俺に惚れるかなんて
わかんないし!
そうだよ!帰るときなぜか俺の後ろをぴったり
くっつくようにしてたから、好かれているかも
知らないけど、そこまでのものじゃ・・・」
俺が特に考えずにそう言ったのだが
エイダにとっては別のことが問題のようで・・・
「えっ!?メリルさまが後ろを歩かれたの!?
しかも、カルラにぴったりくっついて?
それって、獣人の中じゃ婚約者の立ち位置に
なるじゃない!
ホントにカルラは何を言ったの!?」
なんかもうエイダのいつものクールなキャラとは
違い、逆に面白いぐらいの反応を、俺に示してくれるのだった・・・
何だかんだ言って、また仲間増えるんでしょう?
みたいな声が聞こえてきそうですが、婚約者騒動編です!
次話、獣の王ガルムとの対面です!




