ギルド長とその他冒険者たち
86「ギルド長とその他冒険者たち」
ーーーーガロス王国・冒険者ギルドにてーーーー
「この度はうちのバカ息子がご迷惑をおかけしまして・・・
本当に申し訳ありませんでした!」
現在俺たち、俺、メリル、アイナはギルドの
接待部屋に呼ばれており、おそらく先程のギルド長
の父親と思われる人物から土下座(謝罪)を受けていた
先程メリルをバカにした奴らをまとめてボコボコにしたわけだが、そいつらをまとめて説教していたら
突然後ろから、目の前の男が現れて、3人とも接待室に呼ばれたというわけだ
「冒険者さまに失礼しただけに飽き足らず
姫さまにまで失礼な事を!
息子には強く言いって二度とこんなこと
をしないよう言い聞かせますから!どうかご慈悲を!」
そして再び何も言わない俺たちに謝り続けるの
だった・・・
だが、この謝罪を受けるかはメリルの問題だ
俺は黙って事の成り行きを見守るつもりだ
するとメリルもその意図を汲んでギルド長の
父親に向けて話し出す
「そうだねぇ・・・、ギルド長の暴言には、
正直ボクも傷ついたよぉ」
メリルは少しだけ柔らかく、ちょっと冗談混じりに、この場の雰囲気を変えるためにそう切り出した
しかし、その冗談を本気と受け取ってしまった
ギルド長の父親はというと・・・
「そっ、その!本当に申し訳ないと言いますか!
あの!どうか命だけは!私共なんでも致しますので
お願い致します!」
もうなんかこのまま誤解を解かないままだと
死ぬとか言い出しかねないレベルだ
そしてメリルもそう思ったのだろう、苦笑気味で
語りかける
「まあ、それでもね
色んな人から、そういう事を言われ慣れてるから
今回がどうこうとは考えてないよぉ
またでも、流石に死刑以外の罰は受けてもらうけど
でも、次は承知しないよぉ?今回カルマさんにも
迷惑がかかってるからね」
メリルはギルド長の父親の顔を上げさせ、ギルド長
を殺したりはしないと約束した
普通であれば不敬罪で死刑は免れなかったことから
考えて、かなり寛大な対応だと言える
それを聞いて、ギルド長の父親は「ありがとうございます!」と涙を流し
「寛大な処置、本当にありがとうございます!
次が無いようギルド職員一同、再発防止に努めますのでよろしくお願い致します
改めてこの度は本当に申し訳ありませんでした!」
それにメリルは頷き、今回の騒動はこれで幕を下ろしたのだった・・・
ーーーーガロス王国離宮「華の間」ーーーー
その後俺たちは、ギルド職員一同の見送りを
受けながら冒険者ギルドを出て、再びメリルの
屋敷に戻ってきていた
そして戻ってきたはいいのだが・・・
「私たちは少し先を外していますね?
カルマさま、メリルさまのこと少しの間よろしく
お願いしますね」
何を思ったのか、アイナは帰ってきてすぐに
エイダたちがいる部屋に引っ込んでいき、俺と
メリルの2人きりの状態を作り出したのだった
そのとき「将来についてはお2人で」などと言って
いたがいったい?
まあとりあえず、俺からメリルに話そうと思っていた事もあったので、ある意味好都合だ
「今日の騒動だけど・・・、ある意味巻き込む形
になっちゃって悪かったな
まさかあいつらがあんなに愚かな奴らだとは思ってなかった」
今日の騒動、メリルは完全に巻き込まれた形だ
それも、止めに入ってくれたのにもかかわらずなのにだ
メリルはそれを聞いて、ううんと首を振って
「カルマさんが悪いわけじゃないよぉ
ボクに力がないから、みんなからああ言われ
ちゃったんだよ
それにさっきも言ったみたいに、色々言われ
慣れてるからねぇ
だから、こちらこそごめんね・・・
カルマさんに迷惑かけちゃったぁ」
と、言って逆に俺にぺこりと頭を下げるのだった
メリルの感情からなのか、いつもはピンッとしている
両耳も、今はペタッと垂れている
だが俺はそんなメリルのことを少し悲しく思えた
環境からか、そういう種族なのかは知らない
でも、こんな風に周りを思いやることの出来る子が
全く評価されない世界だなんて、俺は理解も出来ないし納得できない
だから、俺はメリルに「それは違う」と言う
「違う、それは間違っているぞメリル
言われ慣れているから、何を言われても構わない訳なんかじゃない
言われ慣れていても、それで傷つかない訳なんかじゃないんだ」
俺は彼女に、傷つくことが当たり前だと思って
欲しくはないと思って
「痛みの受け止め方は、人それぞれ違ってくる
もんだ
痛みに強い人や逆に痛みに弱い人、他にも痛み
なんてと耐える事が出来る奴なんてのもたまにはいる
でもな、どんな奴にでもその痛みに平気な奴なんて
1人もいないもんなんだ
耐えていてもどこかで絶対にダメになるときが
必ず来る」
メリルも俺の言葉を一言一句聞き逃さないと
真剣な顔で話を聞いてくれている
俺はそんな真面目で真っ直ぐな彼女の味方で
ありたいと強く思って
「だから、辛かったり、苦しかったりするなら
俺になんでも言ってくれ
全てを叶えることは出来ないかも知れないけど
話は聞いてやれるし、出来る事なら、辛い時は側にいてやる
なんたって俺はメリルの盾(護衛)だからな!」
最初は真剣に、だけど最後は少し照れくさくなって
冗談混じりに今の俺の思いを伝えた
そしてそれを聞いたメリルの反応はというと
「うん!ありがとぉ!カルマさん!
(婚約者として)ちゃんとカルマさんに相談するよぉ
なんたって、カルマさんはボクのうさぎ病が
反応しない特別な人(婚約者としても)だからね!」
と、言って頬を赤らめながらも、とても素敵な笑顔で俺に微笑むのだった・・・
だが、このときカルラは知らなかった
獣人の女性にその人の盾になると伝えることが
この国ではそれがプロポーズの言葉になるということを・・・
とりあえず騒動は終結です!
次話、婚約者騒動編です!




