メリルとメラル
81「メリルとメラル」
その後俺は腕の中で眠る、子ウサギのメラルちゃんをそのまま、再びエイダたちの待つ部屋にバローナ
と一緒に戻っていた
その道中もバローナは、「ありえない」とか
「メラルさま可愛い」とか言いながら俺について
来ていた
たしかにバローナの言う通り、腕の中の子ウサギ
ちゃんはとても可愛かった
まあ可愛いと言っても愛玩動物的なものだが
そんなこんなで再び俺はエイダたちの元へ
小さなお姫さまを連れて戻って来たのだった・・・
「おかえり〜カルラ・・・
って!ん!?何その子?すごい可愛い!
あっ!ごめ、・・・寝てるねその子」
扉を開けてすぐにヒメルが俺のところに来たのだが
腕の中の子ウサギを見つけ騒ぎ出した
しかしその子が眠っていることに気づいて
慌ててその口を塞いだというところだ
コイツは基本的にアホの子だが、小さい子や
動物とかには面倒見がいい
その事もあってメラルの事も起こさないようにと
慎重に見守っている感じだ
「それで・・・、どうしたの?この子?
こんな子さっきまでいなかったよね?」
改めてこちらを見てヒメルが尋ねてきた
そう言ってこちら見ているヒメルだったが
やはりメラルの事が気になるのか、チラチラと
横目で見ている
まあ隠すようなことでもないので、これまでの
顛末をトイレに行ってない事を除いて伝えた
「・・・とまあ、そんなわけで
俺の腕で今は寝てるってわけだ
まあ大方遊び疲れて寝ちゃってるだけなんだろう」
俺はヒメルたちにそう説明すると、薬や病気に
詳しい2人、エイダとマリーダが「その話本当なの?(ですか?)」と聞いてくる
「おかしいわ、本当にその子がウサギ病で
あれば、あなたと共にいるのはあり得ないわ
それにカルラはこの子と初対面でしょう?
それなら尚更ストレスを感じるはずだから
・・・もうわけがわからないわ」
エイダはそう言って頭を悩ませ
「それにですね、獣人の中でも兎人族は特に
警戒心が強いと言われていて、触れることはおろか
近づく事さえ出来ないとまで言われているのですよ?
カルラさまは一体何をされたのですか?」
と、マリーダは本当に不思議そうな顔で
俺に尋ねてくるのだった
何をって言われても、普通に追いかけっこした
だけなんだが・・・
俺が特に何もしてないと2人に答えていると
ガチャ
「ただいま戻りましたカルマさま
無事商談はまとまりまし・・た・よ?」
帰ってきたアイナはこちらに向けて
会談が無事終了した事を報告しにきたのだが
俺の腕の中の存在を見て、言葉に詰まった感じだ
そしてその後ろにいたメリルが驚いた様子で俺に詰め寄る
「えっ?なっ、何でこんな所にメラルが?
ちょっ!ちょっとぉ大丈夫!?
眠ってるみたいだけどぉ・・・」
まあ妹が先程会っただけの男に抱えられる
ようにして眠っていれば、不安にもなるのが
当たり前だろう
俺は安心させるように、妹、メラルの柔らかい頭
を優しく撫でて
「大丈夫、今は遊び疲れて寝ているだけだ
たぶんソロソロ起きるんじゃないか?
まあまあの時間、俺の腕の中で寝てたしな」
俺は事実をありのまま伝え、触ってて気持ちいい
のでメラルを撫で続ける
すると眠っているメラルも少し気持ちよかったのか
「キュウ〜」と鳴き声を上げてスリスリと頭を腕に
擦り寄せている
俺もその姿が可愛らしくて、猫の喉をゴロゴロ
させるようにメラルの喉をさすさすと撫でる
するとメラルは少しだけ目を開けて
「キュウ〜、キュウ
キュッキュッ!」
可愛らしくもっともっとという感じで
俺の手に擦り寄るのだった
するとそれを見たメリルは
「ちょっとぉ!メラル!ホントは起きてるん
だろう?
早くカルマさんから離れてよぉ!」
そう言うと、俺の腕の中のメラルの体を
捕まえようとする
するとメリルの言う通り起きていたメラルは
バッとその手を潜り抜け、俺の脇に潜り込むようにして、スパッと脇に挟まる
その抵抗にメリルは必死にその小さな体を
掴もうと、俺に抱きつくかのように体を寄せてくる
俺はその思わぬ接近に堪らず
「ちょっ!ちょっと待て!」
そう言って俺は後ろに仰け反るのだが
「動かないのぉ!ちょっと!何でボク
から逃げるのぉ!メラル!」
自分の体が、主に胸が俺に当たっている事も
気づいていないのか、さらにグイグイ押し付けて
くる
嬉しいような、苦しいような微妙な気分に
なりながらも、その攻防を見守っていた
しかし他の女性陣はそれが気に入らないようで・・・
「メリルさま!離れてくださいませ!
メラルさまは私が回収致しますから!」
「いえ、ここはトーラス家騎士隊の副隊長
である私が!」
そこにアイナとバローナも加わり、さらに揉みくちゃ状態だ
その様々な圧力(肉体的接触)に為す術のない
俺は、後ろからもヤイヤイ言っている仲間の女性陣
の声を現実逃避気味に聞きながすことしか出来ないのだった・・・
美しき姉妹愛ですね笑
まあ、とりあえず次話 王国の城下町に行く話
にする予定です!




