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獣の王女メリル

79「獣の王女メリル」


その後ガロス王国からの使いが現れ、俺たち

はガロス王国の離宮「華の間」という場所に案内

されていた


「なんかここにあんまり人がいないが

どうして誰もいないんだ?」



俺は案内された部屋に歩いていく間、

隣を歩くバローナにふと尋ねてみた


ここに着いてから、五分程度しか歩いてないが

まだ誰にも顔を合わせていないという事に疑問を

覚えた俺は雑談程度に聞いてみた


するとバローナはこちらを向き


「ああ、それは・・・」



少し考えたのち口を開けたその時


「姫さま!お客さまをお連れいたしました

入室の許可して頂けますか?」



まえを歩いていた侍女がある扉の前に立ち止まり

その扉をノックする


すると・・・


「うぅ〜、もう来ちゃったのぉ?

もっと遅いって言ってたのにぃ・・・

うぅん、まあ入ってもいいよぉ」



なんとものんびりした、間延びした声が

聞こえたかと思うと、ガチャっと扉の鍵が

開く音が聞こえた


そして侍女の女性がその扉を開ける

そして扉を開けて見えたのは・・・


「な、なんでこんなピンク色の部屋なんだ?

・・・、なんか変な小物がいっぱい」



そう獣の姫さまの部屋は、全体がピンク色で

大きなベッドには、囲むようにして色んな獣の

ぬいぐるみのようなものが置いてある

そしてそのベッドの真ん中には・・・


「変じゃないよぉ、ボクのお友達だよぉ

でもあれぇ?君だれぇ?アイナちゃんの

新しい従者さん?」



ふわふわの毛皮のパジャマを着た

ウサミミ少女がちょこんと鎮座しながら

俺にそう尋ねてくるのだった


俺はどう返そうかと思ったが、別に隠す

必要もないので簡単に説明する


「いや、俺は別に従者じゃないただの護衛だ

だから、あんたの部屋ならあんま危険もない

だろうし俺は外に出とく」



これから商談だろ?と言ってそう聞くと

ジィーっとウサギちゃんは俺の事を円らな瞳で

見つめてくる


俺は不思議に思い


「なんだ?ウサギちゃん?

俺の顔になんか付いてるか?」



相手は姫さま何だろうが、その見た目もあって

あんまり意識しないから、割とフランクにそう

尋ねると


「いや〜、なんか良い匂いがするっていうかぁ

いい人な気がするのぉ、ボクが姫って知ってても

態度も変わらないしねぇ」



ウサギちゃんは心なしか嬉しそうな顔で

そう答える

そして頭部に付いているウサミミがぴこぴこ

動いているのがなんとも可愛らしい


俺はそれを見て思わず


「なんか可愛い・・・」



そう呟いてしまう

初対面でいきなりは流石に軽い男に見えるか?

と思うと


ウサギちゃんはニヤニヤし出して


「そうだよぉ!ボクは世界で一番可愛いんだよぉ

男の子がドキドキしちゃってもしょうがないん

だよぉ」



そう言って、細身の体型に似合わない大きく膨らんだ胸をムギュッと寄せて、谷間を見せつけるように

蠱惑的な視線を送ってくる


その歳に似合わぬ色気にドキッとしそうになる

所なんだろうが・・・


「いや、正直可愛いけど別にドキッとはしない

それにエイダの方が俺的には一番可愛い」



俺はそう言って、後ろに控えていたエイダ

の腰を抱き寄せる

エイダは少し恥ずかしそうな顔をするが抵抗

はしない


するとウサギちゃんは「えっ!?」っと驚いた

顔をすると


ぴょんぴょん!


といった音声が聞こえてくるような動きで

俺に飛びついてくる


「ど、どうしてぇ?

ボクのこと可愛くない?ボクのこと嫌い?」



なんで?なんで?といった顔で

俺に尋ねてくる

ウサギちゃんはよく分からないが心なしか

悲しそうな顔をして詰め寄る


俺はそんな彼女を見て、たぶん可愛い可愛い

って言われてきたんだろうなぁと思いながらも

ちゃんと答えてあげる


「いや、別に嫌いではないが好きとかでもない

お前も可愛いが、可愛いのベクトルが違う

やっぱり俺が可愛いと思うのは身内の奴ら

の方だ」


俺はそう言って、後ろのマリーダ、ヒメルも

こちらに寄せる

2人も少し躊躇いはしたがこちらに寄ってくる

俺がだよな?と言った感じでみんなを見ると

みんなは照れたような笑顔を浮かべる


ああ、みんな可愛いな

俺がそんな風に思っていると


「・・・た・・・と!」



俺がみんなの方を見ていると、ウサギちゃんが

何かを呟いている

ん?どうした?と振り向いた瞬間!


「やっと会えた!初めて会えた!

ボクの望み通りにならない人!ボクの望みの人!

ねぇねぇ!ボクのおにいちゃんになってよ!」



プルプル震えていたウサギちゃんは

歓喜の表情を浮かべて、そう俺に頼んできたのだった・・・


ウサギちゃんといえば可愛い、可愛いといえば

ボクっ娘?

というわけで次話、王女との楽しいお話編です!

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