私の大切な人ー確かな絆ー
61「私の大切な人ー確かな絆ー」
ーーーーエイダ・カルラ合同宅/エイダ視点ーーーー
「あれ?さっきまでのお客さん帰ったのか?
久しぶりの客って張り切ってたのに」
家の奥でイリスと遊んでいたカルラがカウンター
の方まで出てきて私の隣に並んで問いかける
あっ!あの人が帰ってからボーっとしてたんだ私
私は誤魔化すように笑顔を浮かべ
「ええ、少し商品を見たら
帰っちゃったわ」
気恥ずかしくなった私は、意味もなく
嘘の出来事を伝えてしまう
私はなんであの人にあんな事を言って
しまったのだろう?
あの人のカルラを"英雄さま"として縛り付け
自由を無くすような押し付けが嫌だったから?
いや、それも言ってしまった要因の一つ
ではあるけれどそれだけではない気がする
多分私は嫉妬していた・・のだと思う
あの人よりも私の方がカルラと一緒にいて
誰よりも彼のことを知っていると思ったから
「それだと・・・
どちらの方が押し付けているのでしょうね?」
カルラはこういう人だ
私が一番知っているカルラだ
私が一番知っていないといけない
いつしか私まで彼を、私の知っている彼
としか見えていなかったのかもしれない
今日、あの人の話を聞いて
あの人が帰ったのち、その事ばかりを考えて
ボーっとしていたのだ
するとそんな私を心配してか
カルラが私の顔色を伺うためか覗き込んでくる
「大丈夫か?エイダ?
なんか辛そう?というか不安そうな顔してるけど」
彼に心配まで掛けてしまった
私は実際何でもないなんて事なかったが
無理して笑顔を取り繕う
「え、ええ大丈夫よ
久しぶりのお客さんでちょっと緊張
しちゃっただけだから」
私はそう言って、カルラの横を通って
居間に戻ろうとすると
ガシッ
彼は私の腕を確かに掴んだ
「いや、全然大丈夫じゃない
さっき何があった?ちゃんと話して欲しい」
彼はあの時、私を救ってくれた時のように
真剣でいて、どこか辛そうな顔をするのだった
私はそんな彼の表情にたまらない気持ちになり
先程の彼女との会話を伝えたのだった・・・
私は彼に先程の話を余す事なく伝えた
自分が彼の1番の理解者だと思い込んでいた
ことも、自分の知っている彼だけしか
見れていなかったかもしれないという事も
すると私の話を聞き終わった彼は
不思議と嬉しそうな顔で話し出す
「そうか、俺に自分の知っている
俺であってほしい、そうでなければならない
と押し付けていたかもしれないって事か・・・
それってすごい嬉しい事だよな俺には」
と本当に嬉しそうにそう言うのだった
私はその表情を見てなぜ?と思った
彼は自由が好きだ
だから縛られるのも嫌いだし
そんな理想を押し付けられるのも
嫌いなはず
じゃあなんで嬉しいの?
私はそれが分からず彼に尋ねてみると
「だって、エイダが俺にそうであってほしい
そうであったら嬉しいって思ってたわけだろ?
なら俺はその想いに応えたいし
その方が俺のためになるって知ってるから
だからその押し付けは嫌じゃない」
「なんで?何でカルラのためになるって
言えるの?」
私は分からず彼に聞き返す
すると彼は微笑んで
「そりゃ、他の誰でもないエイダだから
俺と一番一緒にいて、いつも一緒にいてくれる
エイダの好きな、そうであってほしい俺なんだろ?
それはそんな自分になりたいし、なっていきたい
好きな女に好きなままでいてもらえるように
頑張るのが、男ってもんだろ?」
と言って、ニカッと笑うのだった
そして彼は「それに」と続ける
「好きな女のために頑張っている男
って言うのが一番カッコいいし、成長できる
んだぜ
だから俺は、有象無象の押し付けならともかく
エイダの押し付けなら迷惑じゃない
寧ろそうやって俺のことを考えて
好きでいてくれる努力をしてもらえた
ことの方がありがたい」
私は彼の話を聞いて
改めてこの人を好きになってよかった
そう心から思った
カルラは私にとって大切な人
その確かな絆がこの後もずっと続いていきます
ように
私は強くそう思うのだった・・・
ウガァァ!!!
物語の人たちの心の動きを正確に文章に
するのがこんなに難しいとは!
まあ、それを考えることも楽しいことでも
あるんですが・・・
まあとりあえず、次の話は久しぶりの冒険回かも?




