ティアラの聞き込み(冒険者に登録しておいてある意味よかった)
59「ティアラの聞き込み(冒険者に登録しておいてある意味よかった)」
私、ティアラは朝から冒険者ギルドに向かっていた
昨日の魔王軍襲撃の被害の復興に少々時間が
かかったが、"英雄さま"の活躍により
魔王軍副将バルカンを退けたためそこまで被害は
大きくならずに済んだのだ
「これも"英雄さま"の活躍があってのことだ」
私は今まで色々な人間を見てきたが
"英雄さま"程、謙虚で自身の行いを誇ろうと
しないそれほどまでにできた人間は見たこと
がなかった
「それに今回の戦いの褒賞も受け取ろうと
していなかった」
あの後、私はそのまま帰るふりして
カルラと名乗った男を監視していたのだが
やはりギルドに報酬を受け取りには行って
いなかった
まあその後、私も後処理に忙しく家まで
追跡することは出来なかったのだが
「しかし、昨日の言動で"英雄さま"とあの時の
フードの男が同一人物である可能性が非常に高い
ことがわかったな」
そう今回の調査はその部分の調査だ
実際あのフードの男は"英雄さま"なのか?ということ
についての
そしてもう一つの案件も調べるつもりだ
「あの時の職員にも話を聞かないといけないな」
私がもう一つ、ギルドに向かう目的は
あの時フードの男をしつこく勧誘していた
女性ギルド職員である
"英雄さま"につながる情報を何か知っている
可能性もあるため、ぜひ直接話を伺いたい
そんなこんな、あれこれ考えてるうちに冒険者ギルド
に到着したのだった・・・
ーーーー冒険者ギルドにてーーーー
私は冒険者ギルドに到着しお目当てのギルド職員を
目で探した
うーん・・・
今日は来ていないのか?
ざっと見た感じ、その人だと思える人は一人もいない
どうしたものかと考えていると
「どうしましたか?ティアラさん
何かお困りごとですか?」
突然の声に驚き振り返るとにこにこした顔の
ギルド職員、前に私を案内してくれたエルザが
話しかけて来たのだった
私は突然のことで驚いてしまったがこれは
好都合だ
そういうわけで、私はエルザからあの女性職員
のことや"英雄さま"について聞きだすことにしたのだった
「ああ、すまない 少し考え事をしていてね
ところで、前に私が冒険者ギルドに来たときに
何やら冒険者の勧誘で問題があったみたいだけれど
何かあったのかな?
私も冒険者になったばかりで同じ初心者の有望な
人とは仲良くしたいからね
あれだけ勧誘したってことは相当有望な初心者
なのだろう?」
よしこれでさりげない質問になったはずだ
あえて初心者仲間と仲良くしたいように見せて
あの件について切り出し、あわよくばその職員のこと
そしてフードの男につながる情報を聞き出そう
という作戦だ
するとエルザはああ、あの件ですかと思い出した
様子で話し始める
「確かにあれには驚きましたね
あの子、メルルと言いますがあのようなことを
したことは一度もなかったので・・・
普段はもっと丁寧な子なんですが
あのフードの男性には申し訳なかったです」
と、自分のことのようにフードの男に謝罪している
なんていい人なのだろうか
まそれはそうとして、あの職員はメルルというのか
それにあちらからフードの男のことについて触れてくれた
「そういえばあのフードの男
あれだけ勧誘されるぐらいなのだからやはり
活躍しているのか?
私も初心者として、同期の活躍は気になる
ものだ」
あくまで初心者が同世代の活躍を聞きたいという風に
世間話感覚で尋ねてみる
するとエルザはうーんと困り顔を浮かべて答える
「いえ・・・
あれから彼、このギルドにあまり顔を出して
いないんですよね
ちょっと前に買い取り業者を紹介して欲しい
と来ただけで・・・」
「ほお・・・
それはどれくらいの間来ていないのだ?」
「確か・・・5~6日程度でしょうか?
その間、あの子が今日も来てない!と言って
いたので」
私はその話を聞いてやはり!と思った
"英雄さま"は昨日王国の外にいたのだ
そして部下の報告にあった「謎の男女」とは"英雄さま"と
その隣に立っていた若い人間の女性のことだろう
その男女が北西の方角から魔物たちを引き連れて
いたと考えると、"英雄さま"は昨日に外から王都に
帰ってきたということになる
それが今回ギルドに顔を出せなかった理由と考えれば
辻褄が合うのだ
やはりフードの男が"英雄さま"なのかもしれない
また一つこの仮定の信ぴょう性がこの件で上がったのだ
そして私は他にも何か聞きだせるかもしれないと思い
時間の許す限りエルザに質問するのだった・・・
ティアラのカルラ調査のお話です!
果たしてティアラはカルラに近づけるのか?
次話もティアラの調査編です!




