駆け抜ける!風のように!
54「駆け抜ける!風のように!」
「な、なんか追ってくる数増えてない!?」
エイダの言葉に一瞬振り返りそうになったが
今俺は全力で敵地に向かっているのだ
振り返っている余裕があるなら足を動かす
俺たちは王都に到着してはいるが
魔物を引き連れてしまっているため
中には入らず王都の外周に沿って走っていると
いう訳だ
このまま走り続ければ城の門、即ち今回の
戦いの主戦場に辿り着くと踏んで走り回っている
「クッソー、こんな事なら
さっきの大魔法で後ろのやつら
一気に消しとばして、ゆっくり戦場に
向かいたいぜ」
俺は未だお姫様抱っこを続けるエイダに
愚痴るように呟くと
「そうしたいのは山々だけれど
あなたの場合王都の城壁まで破壊しそうじゃない
敵の総戦力を潰せそうなとき以外は
やめたほうがいいわ」
と、いたって現実的なアドバイスをくれる
まあ、俺の場合城壁どころか町とか
家まで壊してしまいそうだからな
敵の総大将が来るまで置いておくことにしよう
そんな事を話し合っているうちに
何やら2人の人間を相手に4人がかりで戦っている魔物の姿が見えてきた
「なんか人間みたいな戦い方してるな
魔物たち
少数を多数で叩くのが確実ってことに
ようやく気づいたのか?」
俺が冷静に分析してエイダに尋ねると
「そうね、相手には中々のブレイン
が存在するのかもしれないわね
この動きも統率されていて厄介な
戦いになりそうだわ」
俺たちはとりあえず敵の本丸を狙うため
そのままその戦いの横を通り過ぎようと
したのだが・・・
「「「「ブヒィィィ!!!」」」」
なぜかその戦っていた4体のオークのような
魔物は一直線に俺たちの方に向かってきた
これには腕の中のエイダも
「きゃあ!な、なんでこっちに来るの!?
しかも後ろから追ってきている魔物たち
もとんでもない数になってるし!
一体どういうことなの!?」
もうエイダは訳が分からないといった
様子で後ろを振り返っている
だけど彼らは知らなかった
彼らが走れば走るほど魔物と遭遇し
その魔物たちは後ろの魔物の群れ(王都帰還道中に引き連れてきた魔物)を仲間と思い込み
その仲間が複数で少数
を攻撃しようとしているのだと
勘違いして加戦しているということに
そしてそれは、魔王軍副将が考えた「複数で少数を攻撃する」という作戦が思わぬ形で発動してしまっている状況だということを
そうしてカルラたちは思わぬ形で
敵の囮役になっており
そしてこの行動がこの後の戦況を大きく
ひっくり返すという事は
夢にも思っていないのだった・・・
すいません、無双編とか言っといて
ただ走ってるだけでした
もしかしたら展開によっては無双しない
かもしれません
まあとりあえず次話、魔王軍翻弄編かな?




