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王国の危機

53「王国の危機」


ーーーーユリヤス王国・ティアラ視点ーーーー


魔王軍対ユリヤス王国の総力での戦いが始まった



私たち王国軍は、冒険者ギルド・Bランク以上をメインに構成されたメンバーと王国が誇る騎士隊を合わせた合同軍で結成されていた


対して魔王軍は魔物の群れ、それが羽の生えた男

魔王幹部によって指揮されており

非常に厄介な連携を行なっていた


どの魔物も一体だけでは行動せず

集団で固まって行動していた



これにはこちらの者たちも


「クソ!奴らが単独で行動しないから

簡単に倒せない

こちらも複数人で攻撃しないと

対抗できないぞ!」


と述べていた


その事もあってか、私たち王国軍はかなりの

苦戦を強いられていた


敵の数は優に5万は超えるもので

こちらの戦力としてもジリジリと削られていく

ため、長期戦はかなり厳しい状況になっていた


「かなりマズイです!ティアラさま!

北口の門が、かなりのダメージ受けており

このままですと、あと5分と持たないかもしれません!」



「その他門以外からも、空を飛べる

魔物が数体、王国に侵入してきたのを

確認しております!」


部下たちが次々に報告しにきてくれる

しかしどれも良くないものばかりだ


クソ!こんな時にSランク以上の冒険者

がいてくれれば・・・



現在この国にはSランク以上の冒険者が7人存在し

そのうちの4人が今はこの国にいないのだ


Sランク以上の冒険者はその人1人だけで

小隊1つ分以上の戦力と言われており

Sランク冒険者の数の多さが、その国の

防御力の高さを指しているとさえ言われるほどだ


「やはりAランクとの差は歴然と言ったところか・・・」


部下の数少ない良い報告を聞いていても、そのどれもSランク以上の冒険者が関わっているものだ


「どうにか・・・間に合ってくれ」


私は隣国などにも呼びかけた増援が

早く来てくれる事を心から願ったのだった


しかし現実とは残酷なものだ

1人の兵士が会議室のドアを蹴破らんほど

の勢いで入ってくる


「失礼します!魔王軍に増援?

と思わしき部隊が西の方角から来ている模様!

その数1万は下らないかと思われます!」


なっ!? 1万?

私は驚きのあまり、その兵士の粗相を

叱ることも忘れて呆然としてしまった


只でさえ、戦況は厳しいものなのに

それに1万も加わるなんて!


部屋にいた騎士たちも


「1万だと!? そんなの相手に出来ない!」


「もうおしまいなのか?この国は!」


と不安な声を口にしている


何とかすることは出来ないのか?

私は言いようのない不安にかつてないほどに陥ったのだった・・・





ーーーー魔王軍・魔王軍副将視点ーーーー


「はっはは!やはり脆弱な生き物だのぉ!

人間とは!」


ワシ、魔王軍副将の1人であるバルカンは魔王さまの

命により、ユリヤス王国に大軍を率いて攻め込んでいた


かつてもこの国に攻め込んだ事があるが

あの時は忌まわしき勇者どもに反撃され撤退を

余儀なくされたのだ


「しかし、今回の勇者はまだ顕現して

まもないとの情報を得たのだ」


そう、魔王軍諜報機関の活躍により

まだ勇者は成長しておらず、実践に出ることは

まずないとの報告を受け

今回の襲撃を行ったというわけだ


そして予想通り勇者は現れず

こちらに有利な戦況で進んでいるというわけだ


「それにこちらにはアントニオに任せた

魔物増殖の方法もあるのだ

あれによってこちらの戦力も

かなり増幅したものだ」


あれからアントニオからの報告は来てないが

奴のことだ

どうせこちらに来てから忘れておりました!

などと言ってくる事だろう


「しかし、問題はSランク冒険者たちの

動向が問題である」


奴らは流石というべきか中々の実力者

揃いで、ワシであっても油断すれば

危ないかもしれない


だが今回の戦いでは複数で少数を潰すという

作戦を伝えている

これがあればたとえSランクであろうと

簡単にはワシの軍たちを突破できまい


「ははは!しかしながら心踊るものだ!戦いとは!」


戦いは実際に行うのも考えるのも

どちらにせよ面白い!

ワシが今後の戦いに期待し心を踊らせていた

そのとき


「失礼します!副将さま!」


ワシの部下が1人報告のため入ってきた

そして部下は現在の経過報告を始める


ふむ、戦況はやはりこちらに有利に動いているのか

このまま押せば魔王さまの望みも叶うというものだ


そして部下が報告を続けていたのだが

部下は困惑した顔をしながら、調査報告書を読み進め少し不思議な事を言い始めたのだ


「何やら我が軍からの失踪者が

チラホラ見られるらしいのです

それも不思議と鼻がいい獣族の魔物

に多いようですが」


む?失踪者だと?

我が軍にいながら敵前逃亡とは情けない


ワシはその者たちを見つけ次第

懲罰せよと命令し、部下を下がらせたのだった


「ははは!いずれにせよ

王都陥落は近いぞ!」


ワシは今からでも王都の住人が泣きながら許しを請う姿を想像して笑いが止まらないのでだった・・・







ユリヤス王国にかつてない危機が!

次からカルラ出てきます

次話、カルラ無双編かも?

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