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エルフの森(襲撃者の撃退)

34「エルフの森(襲撃者の撃退)」


俺たちは声の聞こえた方に走っていた

木々をこえ、デコボコの道を駆け抜けて

少しひらけた場所が見えてくる


「いや!離して!」


そこには少女を拐おうとしていると思われる男と

それに抗う少女がそこにいたのだった


男は少女の腕を乱暴に掴み


「おら!大人しくしろ

こら!抵抗するな!」


少女は男から逃れるためか

男の腕に勢いよく噛み付く


「痛っ! こいつ!!」


男はもう片方の手で持っていたナイフ

で、なんと少女の手首にナイフを突き刺したのだ!


「きゃっ!」


少女はとても痛そうに手首を押さえて

男から後ずさる


「お前が悪いんだ!

無駄な抵抗するから!

さっさとこっちに来い!」


男が再び少女の腕を掴もうとしたとき


「邪魔だ どけ」


俺はショートソードは使わずに、薬草を採る際に使用した手袋をつけて男を殴り飛ばす


ドカ! ズシャア!!


男はすごい勢いで飛んでいき、近くの木に顔から突っ込み動かなくなる


俺は男から目を離し、その場に蹲っている少女の方に目を向ける

なるほど、年は大体15・6歳ほどか?

遠くからは見えなかったが、予想通り彼女はエルフだった

屈んでいて顔は見えづらいが、美人である事が伺える


すると少女はフラフラ立ち上がり

俺のそばから離れようとする


そして足がうまく動かず、倒れそうになる


「おっと、大丈夫か?」


俺は咄嗟に少女の手を取り、彼女を支えると


「っ! 触らないで!」


少女は俺の手を振り払う

しかし、力が入らないのかその場で倒れ込んでしまう


俺は多少強引に少女の体を抱き寄せ、その体を支える


そして、女神の力を行使する


「これでマシになる筈だ」


そう言い、少女の手首の傷にその光を触れさせる

すると、それまで流れていた血がみるみるうちに止まる

そして完全に止まったのを確認すると、少女の体から手を離し


「これで怪我は治った筈だ

でも、傷跡は残ってしまった

すまない」


俺はそう言うと、エイダの方に向き直り立ち去る事を目だけで伝える

そして、それを見ていたエイダもコクリと頷き少女に背を向ける


流石エイダだ

何も言わずに俺の意図に気づいてくれたみたいだ


このまま少女を送り届けることも考えたが、多分俺たちの事を発見した他のエルフは、連れ去ろうしていると思い攻撃されるだろう

少女がもし誤解だと言って、攻撃をやめてくれたとしてもそれだけだ


別に俺たちはエルフの森の奥に行くつもりもないし、ここで別れるのが一番だ

その考えを理解したエイダは何も言わずにいてくれたのだろう


全くいい女だ

などと考えながら俺もエイダに続き少女に背を向けて歩き出す


すると後ろから


「まっ、待ってください!」


振り返ると、少女が立ち上がって


「助けていただいて

ありがとうございます」


と言い、俺の服の袖を掴んでくる


何だ?と思っていると


少女は俺たち2人を見て


「差し出がましいお願いなんですが

私たちの里に来て貰えませんか?

何か御礼をしたいのです!お願いします!」


などと言ってくるのだった・・・



エルフの森編の、エルフの少女との出会いでした

次話、エルフの里です!

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