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月下亭での晩ご飯

17「月下亭での晩ご飯」


あの後、エイダが素材を買い取ってくれたおかげで決して少なくないほどのお金が手に入った

エイダに素材を見てもらったところ、やはり素材の傷み具合の少なさに驚いている様子だった


そして俺はエイダと別れて、再び"月下亭"に晩ご飯を食べに来たのだった

実際はどこかの露店で夜食を買うつもりだったが、思いのほかエイダと話し込んでいたため露店の閉店時間に間に合わなかったのだ


「正直騒がれてしまったから、あんまり行きたくはなかったんだが・・・」



あの時間帯にいたのが、一人の冒険者だけだったので助かったが、次も大丈夫とは限らない


俺は少し警戒しながらも、月下亭に入っていく


するとこの前騒いだ女の子と思われる子が俺に対応するためにこちらへ走ってくる


「こんばんは!いらっしゃいませ!

お一人様ですね!お席はこち・・ら・・・

って!えいゆ!?ううぅ!!むぅ!!!」



案の定彼女が叫びだしそうになったので、申し訳ないが口を抑えさせてもらう

10秒ほどバタバタしていたが、その後もう騒がないとジェスチャーで伝えてきたので、俺は彼女の口から手を離す


「落ち着いたか? 俺はこんな所で目立つわけに

いかないからな・・・、もう騒がないでくれよ?」



俺が顔を覗き込んでそう言うと、コクコクと顔を少し赤らめて頷いてくれる


「は、はい 申し訳ありませんでした

"英雄さま"と対面すると興奮しちゃって・・・

ご迷惑をおかけして申し訳ありません」



少しシュンとして謝罪してくる


「まあ、気をつけてくれたらいいさ

とりあえず、食事をいただけないか?

今回も・・・、いや今回は君のオススメで頼むよ」



俺が少し彼女に気を使って注文すると

はい!と元気よく頷き、たったったぁと厨房に嬉しそうに戻っていくのだった・・・





「ふう、やっぱりここの飯は美味い・・・

特にキラーラビットの肉が美味しいな」



俺は彼女のオススメである、キラーラビットの照り焼きを頼み、それを完食したわけだが・・・


なぜだろう、俺の目の前には彼女がニコニコしながら、俺が食べ終える姿を見ている

どうかしたのか?と俺が尋ねると


「"英雄さま"がうちの料理を、食べてくれてることが嬉しんだよ!」



と言って、言葉通りにニコニコしている


ていうかその"英雄さま"って何だろう?

なんか柄にもなく恥ずかしくなるんだが

そもそも言われる覚えがないし・・・


「その"英雄さま"ってのはやめてくれ

俺のことはカルラって呼んでくれ」



すると彼女はわかりましたカルラ様!と言って嬉しそうである

なんかこの子なんでもわかりましたって言うから犬っぽいな

心の中では犬子ちゃんとでも呼んでおこう


「それで君に頼みがあるんだけど

俺のことはみんなに内緒にいてくれないか?

君の親とかにはバレてるからもういいんだけど」



こういう小さい所から情報を止めておけば、この国の王の耳に届くまでかなりの時間が稼げるはずだ

そのうちにこの世界に馴染み、経済力を身に付けておきたい


そんな風に様々な思惑もありながら、犬子ちゃんに頼んでみる


すると、俺の言ったことを聞いて犬子ちゃんは、あまり大きくない胸をドンと胸を叩き


「任せてください! カルラ様の事は誰にも話さないと誓います!

大船に乗ったつもりで安心して下さい!」



と言った感じで、大袈裟に了承してくれるのだった



なんていうか、思い込みの激しそうな子だな・・・

俺は少しの不安もあったが、犬子ちゃんの忠誠心を、ハチ公並みの忠誠心だと信じる事にするのだった・・・



次話、ティアラの冒険(カルラ探しの旅)が始まる?

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