釣り。
「お疲れ様でした。こちらが皆さんの報酬になります」
「「「「「ありがとうございまーす」」」」」
メアリーさんから報酬を受け取り皆笑顔でお礼を言う。ギルドの手伝いも今日で終わりだ。
「はぁ…。これで見納めなのね…」
「勿体無いわね…」
残念がってるのはイリーナさんとシンリーさんの2人だ。あれから毎日ギルドに通っていた。ウィルさんとバルドさんはこの2人をほっといて湖に釣りに行ってるらしい。
「ほら、お2人もこう言ってますしリザとリリィさん、うちの職員になりません? 評判良かったんですよ」
「嫌よ! ハンターの方が儲かるし気楽だもの!」
「私もお金持ちの人と結婚予定なので、どうせなら貴族の屋敷かお城のメイドが良いです」
「まぁ仕方が無いですね。それとお2人は特別ボーナスが支給されます。評判が良くギルドの売り上げに多大に貢献されましたので、良かったですね」
「え? ほんと? やったわ!」
「わーありがとうございます!」
「あれ? 俺らは?」
「何言ってるんですハルキさん。ありませんよ? 貢献したのはリザとリリィさんの可愛い猫耳メイド姿ですからね。男は引っ込んでてください」
2人だけなのに口を挟んだら酷い言われようだ。確かに2人は可愛いが、ぐぬぬ。
「えー!? 俺らも頑張りましたよ? 自前のミスリルナイフでパフェ用の果物しこたま仕込みましたよ? 美味しさに貢献しましたよ!」
「そっすよ! 俺も窮屈なあの服で頑張りましたよ! ロイもなんか言ってやれ!」
「えー? いや報酬も良かったし賄いも美味しかったし僕は別に」
「そんなんじゃダメだぞロイ君! 将来悪い受付嬢に騙されるぞ!」
「ちょっとハルキさん! 私を見ながら言うのやめてください!!」
メアリーさんを見ながらロイ君に注意する。
「いや、でも売り上げの貢献は2人目当てのお客さんだったのは明らかですし」
「そうですよ! この可愛い2人の貢献があってこそですよ! 知らないんですか? 可愛いは正義なんですよ。正義とは絶対なんですよ! そして私を貶めるハルキさんは悪です!」
正義の名のもとに結局俺とロイド君の異議は却下されてしまった。しかも俺を悪人呼ばわりだ。
「それじゃハルキ君、リザちゃん借りていくわね」
「今日は寝かせないわよリザちゃん。リリィちゃんもね!」
「さーてプレゼントは何が良いかしらね」
「いや、あの祝ってくれるだけで嬉しいので、プレゼントとかは大丈夫ですから」
「遠慮しないでリザちゃん。お姉さんからのささやかな物だから気楽に受け取って頂戴ね」
「そうよ。私達に任せなさい。素敵なプレゼントを見つけ出してあげるから!」
やたら張り切ってる2人にリザは困惑気味に答えた。孫や姪を可愛がるあれである。何を貰ったか戻ったら聞こう。今日はこれからリザの誕生日会という名の女子会をするそうだ。そのため俺はハブられた。女子会…何とも甘美な響きだろうか、正直混ざりたい。
「はいはい! イリーナさん俺も混ざりたいです!」
ロイド君、勇者だな。
「ん? じゃあ女装して街をねり歩いたら考えても良いわよ」
「あはははは! 女装!! ロイドの女装! あはははは!!」
勇者は笑われている。どうやらリリィちゃんのツボにはまったらしい。
「ハードルたけぇ!」
「うふふ。さぁどうする? 私達の女子会に参加するにはそのくらいの覚悟が必要よ」
「その必要はないぞロイド君! 俺達は紳士会を開くぞ!」
「バルドさん!!」
颯爽とバルドさんが現れた。
「別に良いだろイリーナ?」
「そうね。今日は女子会で家に入れないからね。構わないわよ」
「よし。なら俺達5人で今日は飲み明かすぞ」
5人? バルドさんとウィルさんと、ロイ君ロイド君。と俺? らしい。
「5人か。僕の家じゃ狭いな。何処かお店でやるか?」
「そうだな。今日はイリーナ達も居ないし綺麗なコンパニオンのいるお店―」
「ちょっとバルド。あっちでお話しましょう?」
「え? ちょ!?」
バルドさんは般若に連れていかれた。南無。
「馬鹿だなロイドは。思っていてもそういうのはこの場で―は!?」
「ウィルもちょっと向こうへ行きましょうか?」
「いや待て! 僕は違うぞ! 断じてそういう考えがあったわけじゃ―」
問答無用で夜叉に連れていかれた。南無。
(((ジー)))
そして残った俺達3人は怪しむ3つの目線に晒されている。
「いやいやいや! 俺達は行かないから! 場所は俺ん家でやるから! な!?」
俺は慌ててリザ、リリィちゃん、メアリーさんに無実務根を訴え、ロイ君、ロイド君に同意を求める。2人は激しく首を縦に振っている。
「いやーバルドのせいで酷い目にあったよ」
「いや俺のせいじゃないだろ?」
2人が戻ってきた。特に怪我がないようなので本当にお話だけだったらしい。いやでもバルドさんのせいだと思う。
「そう言えば湖に釣りに言ってたけど釣果どうだったのよ?」
「淡水魚なんて飾りだ」
「あぁ。刺身で食えないし問題ない」
「つまり今日もダメだったのね」
「「今日もと言うな!」」
どうやら連日釣りに行っていたようだが駄目だったらしい。
「なぁ良かったら今度このメンバーで釣りに行かないか?」
色々あったが今は紳士会だ。男だけで飲んでる。華が無いがこれはこれで良いものだ。そんな中ウィルさんの突然の提案だ。
「俺らは良いすよ。なロイ」
「僕らは田舎育ちですからね。釣りはお手の物ですよ」
「ふはは。頼もしいなロイ君。なら我々と勝負するかね?」
「負けませんよ!」
なんと珍しくロイ君が頼もしい。きっと本当に得意なんだろう。
「ハルキ君も良いかい?」
「良いですけど、俺釣りした事無いですよ?」
「大丈夫さ。誰にでも初めてはあるし経験者が4人もいるからね。問題ないよ」
「そうですか? じゃあいつにしますか?」
「そうだな。明日はシンリー達に伝えてその後準備するから明後日かな?」
「わかりました。俺も明日はちょっと用事があったので明後日ですね」
「あぁ、準備は僕達がしとくからハルキ君は気にせず用事を済ませると良いさ。それと当日は済まないが荷物を頼むよ」
「準備手伝えないのでその位お安いですよ」




