100ダース。
「んじゃおっちゃん頼むな!」
「あぁ大体1週間位で出来るからそんくらいに来てくれや」
「あいよー」
おっちゃんに手お振りながら鍛冶屋を後にした。
「さて、んじゃ次はリザの誕生日プレゼント買いに行くぞ!」
「え!? オリハルコン買ってくれるの!!?」
「ちげーよ! 魔法の指輪をプレゼントしようと思ってるの!」
「つまりオリハルコン製の魔法の指輪ね!」
「うん。ちょっと頭冷やそうか。いい加減オリハルコンから離れろ」
「えぇー? というかプレゼントって普通本人にわからない様に買うもんでしょ?」
「いや買いに行ったけど色々あってどれが良いかわからんかった」
メアリーさんに聞いた後その足で買いに出かけたんだが、色々種類があって選べなかったのだ。
「そう? ならオリハルコンで良いじゃない?」
「高すぎる!! 俺は王族でも貴族でも無ぇ! そもそも何処に売ってんだ?」
「産出国家に行くしかないんじゃない? そもそもただのハンターに買い付けできるのかしらね?」
「んだなぁー。ならドラゴン狩った方が早くね?」
「いやハルキは知らないから気軽に言ってるけど普通に死ぬからね? ドラゴンって普通複数のパーティーで徒党組んで狩る魔物だからね?」
「え? だってメアリーさんいつも俺に狩ってこい言ってるぞ?」
「いやあれメアリーの冗談だから!」
なんと冗談だったのか。俺は本気だと思っていたよ。っとそんなこと言ってたら目的のお店に着いた。マジッククラフト店、所謂魔法道具屋だ。店内には色んな効果の指輪からネックレスにブローチと様々だ。しかも同じ効果でもデザインが違ったりするし俺にはお手上げだ。
「なんか気になるのあったか?」
「んーこれかな?」
暫らくしてから眺めていたリザに聞くと1つの指輪を指さした。その指輪の説明書きを読んで納得した。
「なるほどな。んじゃこれ買うか。すいませんこれください」
「お買い上げありがとうございます」
会計を済ませお店を出ると俺達は早速指輪をはめた。俺も買ったのにはちゃんと理由がある。元々は魔力回復を早める指輪でそれだけでも十分有能だが、同じ指輪をつけてる者同士だとさらに指輪を介して魔力を共有できるらしい。おまけ機能の様だが素晴らしい!
「これで魔力を気にせず暴れられるわ!」
「いやちょっとは自重しろよ? 俺の魔力も無限じゃ無いんだからな?」
「え? そうなの?」
「そんな意外そうな顔すんな!」
何その、え? 嘘!? みたいな顔。人を人外扱いしないで欲しい。
「え? だってハルキが魔力切れしてるところ見たことないわよ? ロイ君100ダース分は軽くありそう」
「いや何その単位。ロイ君を単位にしないで。逆に分りにくいから。っていうか100ダースって1200人じゃねぇか!」
謎単位に気を取られたが、よくよく考えるとおかしい。すで人外扱いじゃなく人外そのものだろそれ。
「まぁそれほどおかしいって事よ。1日中飛んでるし、ミスリル破壊してもピンピンしてるしね」
おかしいなら俺がついて行けない速度で剣を振り回すリザもだが、言わないでおこう。
「「「「「「ハッピーバースデー!!」」」」」」
俺ん家でリザの誕生日会が始まった。テーブルにはローナさんお手製のご馳走が並び、先程王都で買ってきたイチゴの2段ホールケーキがデデンと鎮座している。
「リザちゃんコレ私達からのプレゼント!」
「わーありがとう!」
リザが早速リリィちゃんから貰ったプレゼントを開けている。
「安物で効果は低いんですけど速度アップの効果がある髪飾りです」
「おいおいロイ。そんな事わざわざ言わなくて良いから!」
ロイ君達のあげた髪飾りは羽をモチーフにした可愛い髪飾りだ。
「皆ありがとー! ふっ、また世界を縮めてしまうのね」
「きゃーすてきー!」
「また一歩リザさんが遠くに行っちまったぜ…」
「僕らは僕らのペースでいこうよロイド」
「そうだな」
特訓でも一向にリザの速度について行けないロイド君が遠くを見ている。まぁ頑張れ。いざとなったら俺がフォローしてあげるさ。
「俺達からはこれな!」
「な!? これはちょっとお高いシャンパン!」
「普段ワインだからちょっと趣向を変えてみたわ」
「お父さん、お母さんありがとう! 早速味見しなくちゃ!」
「味見で無くならないといいな?」
「大丈夫だもん! たぶん…」
俺の言葉にリザは大丈夫言ったものの、小声でたぶんと呟いた。あぁこれは無くなるな。
「んでハルキは何をあげたんだ?」
「ん? 俺はその魔法の指輪だ」
おっちゃんに聞かれ、シャンパン片手にケーキを食べているリザの指にはまった指輪を指さす。
「ハルキとお揃いだな」
「ほんとですね? どんな効果なんです?」
よくぞ聞いてくれたロイ君。
「それハルキさんがつけるとおまけがメインですよね」
「まぁな。そっち目的で買ったしな」
本来おまけ機能だがリザ曰く、ロイ君100ダース分の俺が指輪を装備すれば魔力タンクとして使える。まぁ100ダースは大げさだが、普段から魔力切れを起こす気配もないし大丈夫だろう。
「こらー! ハルキ! ちゃんと飲んでるかー!」
「おう、飲んで食べて楽しんでるぞ」
「うひゃひゃひゃ。うむ。くるしゅうないぞ」
「ん? お、おう?」
いつの間にか出来上がり過ぎだ。取り敢えず面白いからほっといてみよう。
「今日はいつになくご機嫌だなリザ」
「皆に祝って貰えて超ハッピーです!」
「良かったな」
「ハルキと出会ってから幸せいっぱいです!」
「そうか」
あれ? リザが普段より超かわいく見える。俺も酔ったか?
「あれ? シャンパンが無い? ハルキ飲んだでしょ!?」
「飲んでねぇよ! リザが1人で全部飲んだんだろうが!」
「あれれー? おかしいぞー?」
気のせいだった。そこに仕事が終わったメアリーさんが合流した。
「おじゃましまーす」
「あー! メアリーおねえちゃんだー! やふー!」
メアリーさんに気付いたリザだが、まさかのおねえちゃん呼び!
「あら? 懐かしい呼び名ですね。また呼んでもらえる日が来るとは思っていませんでしたよ」
「んー? メアリーおねえちゃんはおねえちゃんだよ?」
「おねえちゃんって呼ばれてたんですかメアリーさん」
「えぇ。リザが小さい頃はおねえちゃん呼びでした。いやー懐かしいですね。何だか若返った気がします」
いやまだ20歳で十分若いはずだが?
「リザはこんなんなってますけど、料理もお酒も沢山あるので楽しんでいってください」
「えぇ。皆さんと楽しく過ごさせてもらいますね。ハルキさん」
「どうぞどうぞ」
メアリーさんもやってきてリザも嬉しそうだ。




