プレゼント。
「メアリーさんちょっと良いですか?」
「どうしたんですか? ハルキさん。改まって」
今日も昼には掃除を終わらせメアリーさんを訪ねた。
「来週リザ誕生日らしいんですけど、プレゼント何が良いかなと思いまして、何か良いの知りません?」
「リザは意外とぬいぐるみとか好きですよ」
「それ以外って言われたんですよねー」
「あら? でしたら此処は定番の指輪はどうでしょうかね?」
女の子に指輪とかハードルが高すぎるんだが?
「指輪ですか? それ以外だと何があります?」
「そうですねー? スイーツとか? もしくはお肉? まぁコンビ組んでいる訳ですし、お守りに魔法の指輪をあげるの自然ですよ?」
それはただリザが好きな食べ物だな。しかし魔法の指輪か……。きっと特殊効果があるに違いない。よしそれにしよう!
「そうですか。んじゃ魔法の指輪にしてみます。いやー相談して良かったです」
「でしょう? 対価はスイーツで良いですよ」
「ちゃっかりしてますね。ではチーズスフレを進呈しましょう」
俺は箱に入ったホールケーキを渡すと大喜びだ。まぁメアリーさんならホールでも平気だろう。
「おっちゃんおひさー」
「こんにちはー」
「おぉ。遅かったじゃねぇか? とっくに包丁は出来てるぞ?」
「いやーすんません。大掃除の仕事でちょっと時間なくて」
1週間の大掃除の勤労を終え、約束通りリザと一緒に王都の鍛冶屋にやって来た。
「おぅそうか。そんな時期だったな。まぁほれこれが包丁だ」
「どもっす」
おちゃんから受け取りお礼を言う。
「所でおっちゃん、ミスリルより壊れない武器って何かある?」
「ん? なんだ藪から棒に。どうした?」
「いやー俺、ミスリル包丁に魔力流したら砕けたから、他に何かないかなって。今使ってる武器に魔力流したら壊れそうだし、新しく作って貰おうかなって」
「なるほどな」
「そうなのよ。おじさん何か良いの知らない?」
「ミスリル意外だとやっぱりオリハルコンかドラゴン牙とか角とかが有名所だな」
前に言ってた素材だな。
「んじゃそれで作った短剣かなんか売ってくれ」
「いやすまんがこの辺じゃ扱ってないぞ? ドラゴンはこの辺に居ないし、オリハルコンは国に持ち込まれても装飾品に使われるしな。かわりにだが昔手に入れたベヒモスの角なんかはあるぞ?」
おっちゃんはそう言うと、黒くS字に曲がった物を取り出してきた。これがベヒモスの角らしい。
「ドラゴンには劣るがこれも素材としては一級品だぞ? ちょっとお高いがな。大丈夫か?」
おっちゃんはお高いと言いながら人差し指と親指で隙間を空けるように輪っかを作って見せた。値段を確認したが払える金額だ。
「あぁ大丈夫だ。問題ないからそれでお願いするわ」
「おぉ! あんちゃんお金持ちなんだな? どこぞの王族か貴族なのか?」
「ん? あぁ俺はマジックバッグの発見者だからな。これ秘密ね」
「は? 何でハンターやってんだ? 一生安泰だろ?」
「家の家訓が働かざる者食うべからずなんだ」
「なるほどな。確かに大金手に入れて堕落して破滅する奴もいるし、良い事だな」
おっちゃんは納得してくれたらしい。実はただリザとコンビ組んでいたかっただけなんだが、これは秘密だ。
「んじゃどんな武器にする? 剣か? 槍か? そもそもあんちゃんどんな武器使ってんだ?」
「ん? コレ」
「出たわね、謎武器」
おっちゃんに俺の謎剣を見せる。
「ふむ。これはまた若いのに渋い武器使ってんなあんちゃん」
「知っているのかおっちゃん!!?」
「知ってるのおじさん!!?」
俺とリザは同時に驚く。今まで謎だと思っていた武器だが流石鍛冶屋。武器に精通している。
「なんだあんちゃん、知らないで使ってたのか? これは剣鉈とかマタギ鉈とか言われてる奴だな。まぁ名前通り本来は武器じゃないが、熟練の狩人はこれで熊も手軽に狩るぞ?」
「手軽に狩るのか」
まぁ俺もメテオで手軽に狩れるが、なるほど元々武器じゃないのか。ならリザが知らんでも不思議じゃないな。
「それにしても普通のより偉く厚いな。1センチはあるぞ? これ何処で手に入れたんだ?」
「それ貰い物だから詳しくは知らないんだ」
「なるほどな。だから名前も知らなかったのか。しかもこれ材質オリハルコンだぞ?」
「「は?」」
「いやだからオリハルコン。これならドラゴンも楽々解体出来るぞ?」
俺とリザの間抜けな返事におっちゃんは気にせず続ける。まさかのオリハルコン。しかもドラゴン解体とか、あの神様どんだけ俺にドラゴン狩らせたいんだ?
「え? これがオリハルコンなの!!? 初めて見たわ!」
「これがオリハルコンなのか!? なんかもっと神々しいの想像してたわ!」
「しかしこれあるならベヒモスで剣は要らないな…」
おっちゃんは1度売れただけにちょっと残念そうだ。
「いやおっちゃん作ってくれ! 俺も男だ、二言は無い! 商談成立した後だからな!」
「良いのか!!? 俺としては有難いが安い買い物じゃないぞ? しかもこの武器より劣るぞ?」
「なにこれも珍しいんだろ? ならそれでリザと同じ双剣作ってくれ!」
「そうね! そしてそのオリハルコンは誕生日プレゼントに私に頂戴!!」
「やらんがな!」
「ぶー!!」
リザが不満を言ってるが、オリハルコンじゃなくてもこれは神様から貰った物だからな。やるわけにはいかん。
「って言うか何で私と同じ双剣なの?」
「え? 俺と2人で青と黒の双剣コンビ目指そうぜ!」
「ふむ…。悪くないわね!」
リザも悪くないと、したり顔だ。お揃いっていいよね。
「そうか。いや有難いな。サービスにその剣鉈研ぎ直してやるよ。これ魔力流さず使ってたろ?」
「あぁ。剣に魔力流すのこの間知ったからな。何かまずかったか?」
「ミスリルもそうだがこの手の金属は魔力流して使わないと真価を発揮しないからな。オリハルコンだから欠けてはいないが刃が少し傷んでるな」
「そっか。ならお願いするわ」
魔力刃覚えたし今度から大切に使わねば!
「んじゃおっちゃんよろしく頼むわ」
「おう、任せておけ! スペシャルな武器に仕上げてみせるぜ!!」
「期待してんぜ!!」
「っとそうだ、武器預かるから代わりの武器何か持っていくか? 貸すぞ?」
「いや特に狩りには出かけないし、俺はニューミスリル包丁で料理の修行してるわ。いざとなったらこれでも戦えるしな」
「包丁で戦えるのはハルキ位よ」
俺は蘇ったミスリル包丁を見せながら断った。いざとなったらメテオ使うしな。
それとリザ、包丁で戦えるのは俺だけじゃないぞ? 世の中には包丁で即死攻撃してくるランタン持った緑のモンスターが居るんだぞ?




