バーベキュー。
「ふぅいい天気だな」
「えぇ絶好のバーベキュー日和だわ」
「んじゃ行きますか」
うん今日も良い天気だ。太陽が暑く照らすなか現地集合場所の川辺へと向かい歩くき出す。俺達が川辺に着くと街の子供たちが朝から川ではしゃいで遊んでいる。うんうん今日も暑からな、熱中症には気をつけるんだぞ。そんなことを気にしていると続々と皆が集まりはじめた。
俺は収納から色々と出し設営を始めた。バーベキューコンロにファイアで火を入れ、テーブルやイスを次々だしては食材を置いていく。飲み物は俺の魔法のウォータにロイ君が魔法で氷で出して冷やし、誰でも好きに取って飲めるようにしとく。さぁ皆!あとは好き勝手に焼いて食って飲んで遊んでくれ!!
「やぁハルキ君今日は家族でお邪魔して済まなかったね」
「何言ってるんですか、普段ギルドでお世話になってるんですからこんぐらい何でもないですよ。息子さんも娘さんも楽しそうに遊んでるじゃないですか。ほらほらこんなとこで油売ってないで家族サービスしてきてくださいよ」
「あぁそうだな。偶の機会だ、こんな時ぐらい遊んでやらんとな」
「そうですよ、ほら今日は楽しんでください」
「あぁ今日は羽を伸ばさせてもらうよ」
ギルド長は家族の元へ向かい子供たちを遊び始めた。いつもは難しい顔をしているギルド長だが、今日は子供といるから顔が緩んでるな。奥さんもニコニコしている。っと、見ていたら目が合って会釈されてしまったので俺も軽く会釈を返す。
「ハルキ見て見て!ほら!!」
リザの声がした方に顔を向けるとなんと川の水面の上を走っている。何でもありか!
「すげー! リザさんそれどうやるんすか!?」
「リザちゃん凄い!」
「ふふ、これは強化魔法使って片足が沈む前にもう片方の足を出すのよ。そうすればできるわ」
「なるほど! うっしゃ!!!」
川辺に戻ったリザの説明にロイド君が挑戦するも、ただ川の中を走っている状態になっている。
「あれぇ!? リザさん出来無いっすよ?」
「おかしいわね?私はそれで出来るんだけど? ならバルドさんに見本見せて貰いましょ! バルドさんお願いします!」
「ぅえ!? いやちょっと、えぇ?」
「ほらバルド行って来いよ」
「そうよ後輩に良い所見せてきなさいよ」
「屍は拾ってあげるわ」
「くっそーーーー!!」
既に飲んでるバルドさんはリザの無茶ぶりに戸惑いを隠せない。しかも仲間のウィルさん達に後押しされてはどうすることも出来ずに叫びながら川へ突撃していった。おぉ意外にできている。と思ったのも束の間転んで顔面をモロに水面にぶつけ盛大に水飛沫をあげた。あちゃーあれは痛そうだ。
「リザさんバルドさんも出来て無いっすよ?」
「あれぇおかしいわね?何でかしら?」
「こらーバルド!情けないぞ!!」
「そうよ、後輩に良い所見せて先輩らしい威厳を示すチャンスだったのに何してんのよ!」
「うるせー! ならシンリーお前がやってみろよ!」
「失敗したら私の下着が透けて見えちゃうでしょ!!」
「そうだな、だからここは僕が行こう」
失敗したバルドさんにおかしいと言ってるリザだが、いい加減自分の運動能力がおかしいことに気づけ。野次を飛ばしたシンリーさんにバルドさんは食って掛かるが、今日参加の女性陣は夏で皆薄着だしそれは危険だ。そして代わりにその汚名を晴らすべく、何故か強化魔法を使えないはずのウィルさんが名乗りを上げた。果て何をするつもりだ? おもむろにゆっくりと川に歩いて入るウィルさん。すると何故か沈むことなく水面の上を歩いている。
「ほらウィルさんは出来てるしやっぱできるのよ」
「あれ?ほんとだ、修行が足りないんですかね?」
「そうね、修行あるのみね!」
「ふぅ…これで良いだろう」
ウイルさんがそのまま歩いて戻って来た。リザたちは騙されているが俺は分かってしまった、あれは瞬時に足元を凍らせてその上を歩いていたのだ。氷は透明だし川の中だからぱっと見分からないけど。
「ウィルさんあれずるく無いですか?」
「はは、ハルキ君はあのトリックに気づいたようだね?」
「えぇまぁ」
「あれはもともとは溺れてる人を助ける為に、いち早く駆けつけられる様に編み出したものなんだけど意外な所で役に立ったよ」
「あぁなるほど、泳ぐより走った方が早いですもんね」
「まぁね、でもそれを素でやってしまうリザさんは凄いな」
「いやあれはもう人やめてるでしょ?」
「うわ酷いなハルキは、だがハルキ君の魔法も大概だと思うよ?」
「あれぇ?」
「やぁやぁハルキさん、今日は良いですね。昼前だというのに皆さん飲んでますから飲んでも気兼ねしませんし、お肉は美味しいですし友達も喜んでますよ!」
「それは良かったです」
メアリーさんは言っていた通りに美人さんの友達2人と一緒に来ていて楽しんでいる。
「それにしてもやっぱり夏だし水着で泳ぎたいですよね。此処の川は浅いですし湖は半日かかりますし、海はさらに遠いですし、気軽に泳げて安全な場所は無いですかね?」
「プールとか無いんですか?」
「プールって何ですか?」
「あれ? いやー何でもないです」
どうやらプールというものは無いらしい? グストリーの街で大浴場はあったけどまぁ泳げるほどじゃなかったし、そういや城にも無かったしメアリーさんが聞いてくるという事はそういう施設そのものが無いんだろうな。
「ふむまぁでも泳ぐこと自体ならどうとでもなりますよ?」
「え?何言ってるんですかハルキさん? 暑さで頭やられました?」
「そういう事言うなら教えてあげません、さぁ焼きそばでも作るか」
「嘘です冗談です!待ってください! ちょっと詳しくお話聞かせてください!!」
俺は焼きそばを作る為に鉄板へとむかうが、メアリーさんに肩をがっしりと掴まれてしまう
「痛い痛い! もう痛いですよメアリーさん。いやただ水出すだけですよ、ちょっと見ていてください」
俺は川の中に移動しおもむろに手をかざし魔法を唱えた
『ウォータ!!』
すると川には突如100メートル四方、高さは川底から1メートル程の水のプールが出来上がった。その光景に周りは唖然としている。
「ほい出来ましたよ」
俺は振り返りメアリーさんに声を掛けた。




