お酒
夕方には今日の特訓を終えた。
「俺は今からダンジョンに回収しにいってくるわ」
「そう、私は疲れたし先に帰ってるわ。あぁ帰りに家に寄ってご飯食べていきなさいよ、今日はクリームシチューなのよ。お母さんのシチューは美味しいんだから」
「おう、わかったー。でもなんかしょっちゅうご馳走になって悪いな」
「気にしないで良いわよ。なんかお母さんたちハルキの事気に入ってるし、基本人を招くのが好きなのよあの2人。だからハルキも家に来たわけだし」
「そうなんかー、遅くならないように行くわ」
「待ってるからちゃんと来なさいよ? 来ないと私がお母さんに文句言われるんだから」
「ほいよ。じゃ後でな」
「後でね」
という訳で一旦別れてダンジョンへ。そしれサクッと回収。
「さてと、これで今日もノルマは達成だな、リザのとこ行く前に手土産の1つでも買っていくか」
ダンジョンを出て、向かいがてらお店を物色する。
果物は前にやったし、肉もやったし、ケーキは今日食べたし……リザに怒られそうだな。
あれこれ悩んでいると酒屋さんを見つけた。窓から酒瓶が並んでいるのが見えるこじんまりとしたお店だ。ローナさんはワイン飲んでたし、おっちゃんもビール飲んでたし此処で良いか。
あまり時間もないしこれ幸いと思い、店内に入ると見た目通りさほど広くはないが、いろんなお酒が綺麗に棚に並べられている。
「いらっしゃいませー。初めてのお客様ですね? どういったものをお探しですか?」
「あーえっと、今から知り合いの家で食事をご馳走になるんですけど、その手土産に何かあればと思いまして、そこの夫妻が前にワインとビールを飲んでたのでなにかおススメとかありますか?」
酒のことはわからんので店員さんに素直に聞く。
「そうですか、今日何を召し上がられるか聞いてたりしますか? わかってればそれに合わせられますが?」
「クリームシチューって言ってました」
「そうですか、では白ワインの方が良いですね。えーと、こちらの品などお求めやすいお手頃価格で評判も良いですよ?」
店員の女性は近くの棚からおススメの1本を取り出して見せてくれた。
「じゃ、それを2本お願いします、あとはビールもお願いします」
「お? 2本ですか? なら飲み比べられるように別々の物にしますか? こちらもおススメですよ? それとビールは、そうですね、こちらにある商品なんかは取扱が少ない少し変わったビールになりますね、どうですか?」
店内を案内されながら店員さんが色々とおススメしてくれる。目の前の棚には色んな産地や銘柄のビールが並んでいるが、俺はお酒のことは勿論地名すら知らない。
「じゃ店員さんのおススメの白ワイン2本に、ビールもおススメの4本適当にお願いします」
「ありがとうございます。お兄さんバッグ持ってないようですけど、こちらで用意できますが有料で300ガルド掛かっちゃいますけど大丈夫です?」
「大丈夫ですよ、お願いします」
「ありがとうございます。実はこのバッグ特製で店のロゴマークと簡単な地図乗ってるんですよ。なので出来ればこのままお渡しして頂けると嬉しいなって思います」
「はは、わかりました。親切なお姉さんの店員さんがいると宣伝しときますね」
「お兄さんありがとうございます。この辺立地悪くてあんまり人来ないんですよね。その分家賃は安いんですけど。結構他では扱ってないお酒あるので、気にいったら是非またいらしてくださいね。はいこれ重いですけど大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよっと」
「!?」
支払いをすませバッグをお姉さんから受け取ると、そのまま収納した。
「ほえ!? 今何したんです!!? バッグ消えちゃいましたけど手品ですか!!?」
「俺、収納っていう魔法が使えて名前通り物をしまえるんですよ」
「はわ!? 聞いたことない魔法ですけど、すんごい便利そうですね!? 瓶も割れたりしなさそうですし、羨ましいです! 商会で働けばすごい高給取りになれるんじゃないですか!? お兄さん今なんのお仕事なさってるんですか?」
「俺は今ハンターやってます」
「え? ハンターって命の危険の割にそんなに儲からないようなきがするんですが?」
「他のハンターさんは分からないですけど俺は月100万位稼げそうですよ? それにこの収納魔法でで結構な額稼げそうなんです今」
「は? 何かヤバイ物でも? いやそれにしてもすんごい優秀なハンターさんなんですね!? お名前伺っても良いですか?」
「俺はハルキって言います。別にやましいことは一切ないですよ。何かあればギルドで言っていただければ連絡つくはずですから、御用がありましたら気兼ねなくお願いします。報酬はもらいますけどそこは応相談で」
俺はお姉さんに営業してみた。それにしても他のハンターはそんなに儲かってないのか? 俺はゴブリン狩るだけでも月100万とかなりそうなんだが、ロイ君たちも生活厳しいみたいなこと言ってたしな。メテオすげぇな。神様ありがとう、地味って思ってすまんせんでした。
「いやー優秀なハンターさんと直に知り合えてうれしいです。そうですね、何かあった時は相談しに行きます。て、あぁ! すいません長々と。お食事に行かれるんでしたよね? 先方をお待たせしてはいけません」
「あぁそうですね、それではお酒色々選んで頂いてありがとうございました」
「いえいえこちらは商売ですから、また御贔屓に」
こうして俺はお酒屋さんを後にした。とりあえず入ったお店だったが、店員のお姉さんは良い人ぽかったし、この辺では見ないお酒があるらしいので、またそのうち来よう。
「これお土産です、お酒が入っているので食事と一緒にどうぞ」
「あらハルキさんありがとう、気を使わせちゃったかしらね?」
「いえそんなことないです。ローナさんのご飯は美味しいのでせめてものお礼です」
俺はお酒屋さんのお姉さんのお願い通り特製バッグごとローナさんに渡す。
「ワインとビールね? 見たことない銘柄だけど早速今晩頂くわ、ありがとうね。あなたハルキさんからお酒貰ったわよ、あなたの分はビールで良いわよね?」
「おーハルキ、なんだビール持ってきてくれたのか? 悪いな。あー母さん早速それ飲むからお願い」
「わかってますよ、それとハルキさんは普段飲まれないようだけど、折角だし今日は一緒に飲見ましょう? ビールとワインどちらが好みかしら?」
「ビールはやらんぞ!?」
「あなた何言ってるの!? 折角もらったけどあなたがそういうなら返すわよ!」
ローナさんの質問に俺が超える前にそれを聞いてたおっちゃんがビールを死守せんが為に拒絶した。だがその態度にローさんが怒りビールを返そうとしてきた。
「いや俺、お酒飲んだことないのでそれは皆さんで是非召し上がってください」
「は? ハルキあんたお酒飲んだことないの!? 飲めないとかじゃなくて!?」
「俺が生まれた国では20歳にならないとお酒飲んじゃ駄目だったんだよ」
「なにそれ何処の国よ? そんな厳しい国私知らないわよ。そんなの暴動が起きるレベルじゃない!」
「起きねぇよ、何物騒なこと言ってんだ。俺の生まれた国では元々毎日お酒飲む方が珍しい方だ!」
「そんな国あるわけないだろ、何言ってんだハルキ?」
「そうですよハルキさんお酒は毎日嗜むものでしょう?」
「ぇえ!!?」
おっちゃんはともかく、ローナさんにも反論されてしまい驚きを隠せない。どうやらローナさんも毎日お酒を嗜んでいるらしい。
「うちの両親は毎晩飲むからね。それにしてもハルキ、そんなとんでもない国の出身だったのね。でもここは飲酒に年齢制限なんてないから、とりあえず飲んでみれば良いじゃない。折角だし私も飲むわ」
「そうよ、一緒に飲みましょう! ビールよりも頂いた白ワインの方が飲みやすいと思うから、今日はこちらを一緒に飲みましょう」
「そうですね、んじゃ折角なので少し飲んでみます」
「おう、ビールはまだおまえにゃ早い」
「あなたまだそんな事言ってるんですか……」
おっちゃんはビールを独り占めしたいらしくまだ言っている。それに対しローナさんは怒るよりすでに呆れていた。




