ハンター
「ハルキさんって何をしたんすか?」
「私も気になります」
ロイド君とリリィちゃんの質問に、メアリーさんを見ると首を横に振っている。いずれ公になることだがまだ早いらしい。まだ国から許可出てないしな。
「ごめんな、守秘義務とかそんなんで今は言えないだ。軟禁ってのは言葉のあやで、別に悪い事したわけじゃないから大丈夫だぞ」
「えぇ、その点は大丈夫です。ですがまだごく一部の方しか知らない事なので、あまりお教えできないんです。ごめんなさいね」
メアリーさんも一応フォローしてくれる。
「いえ、それは僕達もハンターですし大丈夫です。ハンターをやってれば色々ありますよね。ところでハルキさんはいきなりリザさんとコンビ組めるほどの実力者ですが、何か特別な訓練とかしてたんですか?」
「いんやまったく」
俺の場合は只のチートだしな。それにそんな強くもない。
「俺はロイ君たちが思ってるほど実はそんなに強くないぞ? 攻撃魔法なんてメテオしかないからな。単純な戦闘なら俺はリザにまったく歯が立たないし、リザとのコンビもなんか本当に成り行きだったし。でも成り行きとはいえ俺はコンビを組めて良かったと思っているし、頑張ろうとおもってる。むしろ強くなりたいならリザに聞いた方が早いぞ?」
「リザさんは戦闘スタイルが……」
あぁ、だから俺に聞いたのか。確かにリザより俺のほうが近いか?
「でもロイドは剣士だし参考になるかも?」
「おねがいしゃっす!」
「いや私だって教えられないわよ? ハルキに『メテオ』があるように私にも『自己強化』の魔法があってね、そのおかげよ。私今のところファイアーボールとこれしか使えないんだけどね」
「え? 何それ初耳。俺が単純にリザの動きについていけないのってその魔法のせいなのか?」
「違うわよ? 別にさっきの訓練では使ってないわよ? ついてけないのは単純に力量不足なだけ。そもそも私が強化使った状態なら武器持ったハルキを素手でボコれるわ」
「わぁお!? 聞いたかロイ君たち、俺は弱い。あと参考になったか?」
「参考にならないことが分かっただけでした」
「まったく参考になんねぇー」
「参考にできるところが何もなかったですよね?」
「なんか言われてんぞリザ?」
「私じゃないわよ、ハルキでしょ?」
「お2人ともですよ」
「「そんな馬鹿な!」」
ロイ君の突っ込みに2人で思わず突っ込む。
「はぁ、僕たちは地道に努力することにします」
「そうだな、とりあえずはゴブリンキング倒せるようになろうぜ」
「そうですね、私たちは私たちで頑張りましょう」
「というわけで僕たちはこれからダンジョンに行ってこようと思います。ハルキさん今日は本当にごちそうさまでした」
「ハルキさんごちです!」
「ハルキさんごちそうさまでした。リザちゃんまたねー」
「リリィちゃん、またねー」
いつの間にかリリィちゃんがリザさんからリザちゃん呼びになっとる!?
そしてロイ君たちは個々にお礼を言いながらダンジョンに向かっていった。
「いやーリザにも同年代の女の子の友達が出来たかー」
「何しれっと失礼なこと言ってんの? 私は普通に友達いるわよ。むしろ友達いないのはこの街にやってきたばかりのハルキでしょ?」
「そのうち出来るだろ? むしろ俺はすでにロイ君たちとは友達になったと思っている」
キリッ!
「向こうはきっと年上の気の良い人位よ。まぁハルキはなんか親しみやすいし、それで良いんじゃないかしら」
「あれー? まぁそうかー。ロイ君たちゴブリンキング倒せるようにって言ってたけど、俺は初日に倒させに連れていかれたんだけど、実際どうなの?」
「普通はハンターになってパーティー組んで1,2カ月位で倒すし、まぁ普通ね。倒して晴れて1人前扱いかしらね。でも別に倒さなくても普通にギルドで仕事はあるし問題はないんだけど、まぁ一種の目安みたいなものよ? 街の外にも魔物は居るしその依頼を受けるのに、ゴブリンキングを倒せるくらいじゃないと街の外で何かあってもすぐ戻ってこれるわけじゃないから。それに仕事がない時はゴブリン狩ればお金にもなるし、この街はハンター初心者には優しい街よ」
「俺が聞きたかったのは初日にいきなり連れて行かれた事だったんだが、まぁそうか。ロイ君たちも早く倒せるといいな」
「あーそっち? それで実力がメアリーに認められてコンビ組まされたのよね、その件は謝るわ」
「いや感謝はしても謝られる事は無いから、卑下すんなよ」
「あー……、そう……。ハルキが良いなら良いわ。……今度リリィちゃんたちと何処か狩りにでも行きましょうか。私たちと一緒ならギルドも安心でしょうし今度誘ってみようかしら?」
「おーいいな! 俺も色々見てみたいし接待と言う名の軟禁終わったら行こうぜ!」
「ハルキ、メアリーが睨んでるから軟禁言うのやめてあげなさいよ。さてそろそろ特訓の続きするわよ」
「リザそう言って笑ってんぞ?」
「そういうハルキだって笑ってるわよ」
「いやメアリーさん可笑しくてな」
「あんまりそんなことしてると後で痛い目見るわよ? さぁ行きましょ」
「うし、いくか」
軟禁と言う言葉に耳ざとくメアリーさんは顔を顰めてこちらを見ていた。耳が良いなメアリーさん。その様子が可笑しく笑っていた俺たちだが、後が怖いのでさっさと訓練場に移動した。
訓練を再会してから約2時間程打ち合っていたが流石に疲れたので休憩を申し出しでる。
「おーいそろそろ休もうぜ……」
「だらしないわねー。まぁ良いけどね」
リザはまだまだ余裕らしい。流石に日頃からソロでダンジョン行ってるだけはある。
「ロイ君たち大丈夫かなぁ?」
「大丈夫でしょ? ロイ君だって魔力切れしなければゴブリン1人で狩れるんだし、今日はロイド君とリリィちゃんが一緒だし、普段通りに3人でちゃんとパーティーしてるわよ」
「リリィちゃんってやっぱり魔法が得意なのか? あの武器ってロッドとかいうやつだろ? なんか色々話してたじゃん」
「お? ハルキにしては良く知ってたわね。そうよリリィちゃんは魔法が得意って言ってた。攻撃魔法より補助が得意みたい。ロイド君は両手剣もってたし剣士言ってたし前衛よね。ロイ君は一応剣と魔法だし中衛になるのかしらね? 剣あんまり使えないらしいけど、それは今後の課題よね」
「そうだな、俺も特訓頑張らないと」
「そうね頑張らないとね。でもあんまり強くなると私の立場がないわね……、特訓やめようかしら?」
「おいおい強化魔法使えるリザに敵うわけないだろ」
「冗談よ。強いことに越したことはないし、さぁやるわよ!」
「よろしくたのむ」
休憩中の雑談を終え、俺たちはまた特訓を再開した。
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