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メテオで始まる異世界生活。  作者: るるる。


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マジックバッグ

「んー? それで何を話せばいいんだ?」

「そうね何を話したらいいか分からないわね」


状況を良く分かってない俺達はどうして良いか正直困っている。


「そうだな、まず君は今朝から噂になってるハルキ君本人で間違いないか? なんでも便利な魔法が使えるとギルドで噂になっているのだが」

「あぁまぁたぶんその噂のハルキです」


なんとギルド長まで知っていたらしい。皆暇人か。


「そうか、ではその便利な魔法で扉を開いたという事でいいかね?」

「まぁそうですね、俺の魔法で力業というか無理やりこじ開けたというか」

「それは何という魔法なのかね?」

「異次元収納です」

「異次元収納?」

「異次元収納」


魔法の内容までは知らなかったようだ。オウム返しに聞いてくる。


「聞いたことのない魔法だが、それは収納というからには物をしまう魔法なのかね?」

「そうですね。物を仕舞ったり出したりできます。その収納の魔法で扉を収納したらできました」

「それはなんというか……。言ってた通り無理やりなのだな」

「まぁなんというか……やったら出来ました」


さすがに扉を魔法で収納したら出来ましたに困惑している。


「それで……、すまんが中には何があったのか詳しく教えてほしい」

「鞄です。大量に鞄がありました。それこそ鞄屋かと思うほどに綺麗に陳列されていました」

「……? 鞄が? 大量に? 陳列されていた? 誰が? 何のために?」


ギルド長は更に困惑している。


「いやそれは俺達には分からないですけど、リザは何かわかるか?」

「分かるわけないじゃない。ダンジョンの開かない部屋に鞄が陳列されている理由なんて」

「だよなぁ。自分で言ってて何言ってんだと思うしなぁ」

「その鞄は今どうしてあるのかね? 良ければ見せてもらいたいのだが」

「リザが持ってる鞄がそうだし他にもありますが、見ますか?」

「あらリザの横にある新しい鞄ってダンジョンの物だったのね」


ギルド長に頼まれ俺達に飲み物と菓子を出してくれた後、しっかりと自分の分も用意して聞いていたメアリーさんが話に入ってきた。


「まだ沢山ありますからメアリーさんも1つどうですか?」

「あらよろしんですか?」

「今朝のお詫びも兼ねて」

「よろしくないぞ? それはダンジョンから出たものだからな、何か危険があるかもしれない。そう易々と人に渡されてはこちらとしては困るんだが。それとメアリー先程から色々頼んですまないが、鑑定魔法を使える者を呼んできてくれないか?」

「はい、すぐに呼んでまいります」


よろしく無かったらしい。そしてメアリーさんは忙しい。


「ただの鞄にしか見えませんけど……リザは何か変ったことあったか?」

「まだ使ってもないし何とも無いけど? とりあえず他のも出してあげたらハルキ」

「あぁそうだな。それではちょっと失礼して、ほい」


テーブルの物を寄せてほいと鞄を出す。


「これがその一部です。まだまだありますがとりあえずはこれで」

「ただの鞄にしか見えないな?」

「普通の鞄にみえますよね? 鞄だしとりあえず何か入れてみますか?」

「そうだな、とりあえずこれでも入れてみるか」


「「「!?」」」


ギルド長自らポケットから懐中時計を取り出しバッグに入れようとした瞬間時計が消えた。俺が収納するかのように。


「ハルキ今何かしたの?」

「いや俺は何もして無いが、これもしかして……」

「なにか心当たりがあるのかね!?」

「いや、多分これマジックバッグの類じゃないかと」

「「マジックバッグ?」」

「えっと見た目以上に物が入る魔法の鞄です」


異世界あるあるの1つだな。俺の収納魔法もそうだが普通にあったな。神様再設定したか?


「ギルド長呼んでまいりました」

「失礼します、ギルド長何か御用ですか?」


俺のマジックバッグという聞きなれない言葉にギルド長とリザは聞き返し、俺が簡単に説明した所でメアリーさんが戻ってきた。


連れてきたのは買い取りのおっちゃんだった。


なるほど、鑑定魔法というのが使えるから買い取りカウンターにいたのか。おっちゃんは俺を見つけるとおぉっさっきのといった感じで挨拶を交わす。


「いきなり呼び出して済まないが早速この鞄を鑑定してくれないか?」

「鞄をですか? ただの鞄に見……ん? 若干魔力を帯びてますね? 何です? この鞄」

「このハルキ君が開かずの扉の先にあった部屋から持ち帰った鞄だ。ハルキ君が言うには見た目以上に物が入るじゃないかという事だが、わかるかね?」

「あそこ開いたんですか!? なんともまぁ、まぁまずは鑑定してみますか」


おっちゃんは開かずの扉が開いたことに驚いたが、頼まれた通り鑑定を始めた。


おっちゃんが鞄に手を添えると手がほんのり明るく光りだした。鑑定魔法は手に触れたものを調べる魔法みたいだ。


「なるほどわかりました。確かにそこのあんちゃんが言う通りの物みたいですね。ワイン樽1個ほど入るみたいです」

「この小さな鞄にワイン樽が入ってしまうというのか? 信じられん!? まさしく魔法の鞄……、いやハルキ君に倣ってマジックバッグというべきか! ハルキ君是非とも売ってくれ!!」


ギルド長は興奮しているがワイン樽ってどんくらいだ?


「ギルド長お言葉ですがこの鞄にいくらの値を付ける御積りですか? こんなものおいそれと買えるものでは無いですよ? それこそおとぎ話に出てくるような魔法の鞄です。普通に王様に献上するレベルの品物ですよ?」


ギルド長とは反対におっちゃんは冷静にその価値を判断していた。しかしギルド長は挫けない。


「いやしかし、そうだハルキ君大量にあったと言っていたね? どのくらいの数があるのか教えてくれないか?」

「んー200個くらい? ですかね? 数えた訳ではないので大体ですが」

「大体そのくらいはあったわね。なんか大事になってきたし私の鞄返すわね。」

「いや、それはもうリザにあげたもんだしリザの物だから。お礼を返されるわけにはいかない」

「でも……」

「でもも何も無いから。嫌ならこの件が終わってから売ってくれてもいいから」

「せっかくハルキから貰ったんだもの売ったりしないわよ」


リザは貰った鞄が実はすごい物と発覚して突如返そうとしてきたが、何とか説得できた。この調子なら大切に使ってくれるだろう。


ギルド長は俺達の話し合いが終わるの見計らって買い取りのおっちゃんに訪ねた。気を使ってもらったようだ。


「話は付いたみたいだね。で実際いくらぐらいになると思う?」

「そうですね、数があるとはいえ今後見つかる可能性もない200個しかない魔法の鞄ですよ? その物珍しさと希少性に余裕で1億、2億出す貴族もいるかと。これが安定供給できるなら別ですが。それでも100万はするでしょう」


1億と100万とは随分差が付くもんだと思ったが世界に200個ともなれば当然か? 庶民の俺には分からん話だな。レアスーパーカーと軽自動車の違いくらいか?


「1億か……まったくもって無理だな。安定供給でも100万か……。この鞄作れたりしないかね?」

「いや理屈とかまったくわかりませんからね。そもそもそんな技術あるならとっくに普通に売ってますよ」

「それもそうか、ハルキ君の便利な魔法で何とかならないかね?」

「物を複製する魔法とかですか? さすがにそんな魔法は使えないですね。できたら世界経済が滅茶苦茶になりますよ?」


というか無茶ぶりがすぎる。


「それはそうだな。とりあえずはこれを見つけた部屋に行けば何かわかるかもしれん。案内してもらえるか?」

「今からですか?」

「いやさすがに夜も遅いし危険な魔物がいた訳でもないんだろう? 明日の朝で構わない。手間だと思うがよろしく頼む。宿はどうしているのかね? こちらでも用意できるがどうする? 明日リザ君にも同行して貰いたいから一緒に居てくれると助かるんだが」

「リザどうする?」


俺はどうせリザの家に世話になるか、どこかに宿を取るしかないのでリザの判断に任せた。


「なんか疲れたし、明日も朝に来ないといけないならお言葉に甘えて此処に泊めて貰おうかしら」

「だそうです。よろしくお願いします」

「任せてくれ給え。リザ君の家の方には使いの者を出しておくから心配しないでくれ」

「ありがとうございます」

「いやこちらの都合だからな」


リザはギルド長の一緒に居てほしいという言葉を汲んだようだ。


そのままギルドの2階が宿泊施設だったこともあり、俺たち2人は泊めてもらうことにした。それぞれ部屋に案内され、おやすみと交わして就寝する。


それにしてもどうしよう? ちゃんと開かずの扉は戻しておいたけど、きちんと稼げるようになったらリザの家に泊めてもらうわけにもいかないし、あそこで寝泊まりしようと思っていた計画がいきなりダメになってきたぞ? 


どこかにログハウス出しても怒られない土地は無いものか?






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