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question episode 004 成功者たち
調べるほど、驚くべき事実が浮かんできた。転送された者たちは、確かに成功していた。
与えられた場所で、働いているだけではなかった。廃れかけた漁村の港長になっていた男性がいた。機能不全に陥っていた市役所を立て直した女性が存在していた。山奥の診療所から始め、今は県の医療政策に携わる医師。名も知られず表彰されるわけでもなく、でも、確実にその場所を救っていた。
悠真は一人の男性の話に惹かれた。十年前に失踪届が出されていた中年男性。壊滅的だった農業地域に現れ、放棄されていた、畑、棚田などを復活させ、今は地域の農業組合の中心人物になっていた。
地元紙のインタビューでその男性が言っていた、「以前の自分の事はよく覚えていない、この土地に来てから、自然と行動していた」悠真は、その言葉を何度も読み返した。
以前の事はよく覚えていない、記憶が書き換えられているのだろうか?
彼らは少なくとも表面上は生き生きとしている。
これは罪なのか?
悠真には答えが出なかった。本人たちが幸せで、社会が救われているとしたら、立派な社会貢献なのだろう。
夜、悠真は天井をみつめながら、そう思っていた。




