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みがわり山

作者:じゅラン椿
最新エピソード掲載日:2026/06/17
地方のある小さな町にある代観山。
 その山に入った者は「別人になる」と噂され、いつしか人々から"孤立山"と呼ばれるようになっていた。

 榊原悠真(さかきばら ゆうま)は、幼馴染の蒼汰がその山に入った日を境に姿を消したことに違和感を抱き続けていた。

数週間後、悠真は地方ニュースで一人の看護士を目にする。過疎地で働くその女性は、名前も顔も違うけど、目もとや、口元が、なんとなく、蒼汰に似ていた。

 調べるうちに、悠真はある事実にたどり着く。代観山に入った者たちには、警察・医療・教育・工場など"人手不足の場所"へ、転送されていることだった。

戸籍・経歴も書き換えられ、最初からその人生だったことに・・・。

 でも、犠牲という表現は安易にできない。

 転送された者たちに、やがて町長・市長・企業の再構築・環境リーダー・保全、社会を支える存在へと成長していく。

 悠真は迷う、この仕組みを解くべきか、それとも見えない仕組みを守るべきか。
悠真が選んだのは、解くことではなく、"事実を伝えること"だった。

地方紙の片隅に小さな記事が載る。『みがわり山、消えた人々のその後』波紋は起きない。その記事を目にした人たちには、小さな疑問が残るかもしれない。それだけで世界はわずかに変わる。

悠真は山を見上げる。霧の向こうから誰かに呼ばれているような感覚。恐怖はない。悠真は山の方へ、向かいだす。

それが別れなのか、それとも新しい役目なのか、始まりなのか・・・。

確かなのは今日も誰かの人生をそっと支えていること。



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