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8話 「二人の決闘」

GWゴールデンウィーク始まるよ

「ふ〜、昨日は危なかったー。危うく正体を掴まれるところだったー。」

転入六日目、僕ー新安エンは安心している。

なぜなら今回は、自己紹介の内容が噂になっていなかったからだ。

そしてついでに昨日の自己紹介で正体を掴まりかけたが、幸いなことに完全にはバレていないのである。

でもまぁ、始祖の厄災と深く関係しているってことはバレていると思う。

あんなの自分の口から「僕は始祖と親戚だよ」って言ってるようなもんだもんな。

どうしたものか、この対策は。

いっその事、学園内にいる人の機能の記憶を消してしまおうか。

やっぱりやめよう。

学園全体が混乱するし、なによりバレれたら先生からのヘイトと目立ってヤバイ。


まぁ、そんなことを考えても仕方ない。

「ひとまずミャオさんか、最悪レイアさんに会いに行くか。」

そう思い、適当に闘技場に来た。

するとなんてことでしょう、お二人が戦っているではないですか。

「なぜ?」

訳が分からない、どうして二人が戦っているのだろうか。

まぁ、面白そうだし観戦することにした。

二人の戦いは、割と接戦だった。

ミャオさんの速い攻撃をレイアさんが「氷」の能力で防いでいる。

「いや、押されてんじゃん。仕方ないか、エレントも戦闘センスもミャオさんの方が高いし。でも、一応は能力に関してはレイアさんの方が有利か。」

僕が思うに前に見た氷河期みたいな技なら、多少はミャオさんのスピードを落とせると思った。

特に猫は寒さに弱いというイメージがあるため、もしかしたら猫みたいなミャオさんには効果抜群かもしれない。

「でもまぁ、レイアさんの残念なおつむじゃ思いつかないか。可哀そうな頭なこと、レイアさん。」

僕がそんなことを呟いていると、急に寒気を感じた。

「マジか、ここで発動するのか〜。氷界、温存して最後らへんに使えばいいのに。でも、なんか前より肌寒いような。うぅ、あんまり寒いのは苦手なんだよな~。」

僕はくしゃみをしながら、決闘の様子を見た。

「やっぱり、ミャオさんの動きが遅くなった。そのまま畳み掛ければ勝てると思う、しくじらなかったら。」

僕は唾を飲みながら、観戦を続けた。

するとレイアさんは、自分の力で凍った床で転んだ。

更に、転んだ拍子にレイアさんの剣が「パリンッ」っと甲高い音を立てて折れて、レイアさんがしゃがみこんだ。


「あらら、やっぱりやらかしますよね〜。知ってましたよ、こんな人って。ほら、起き上がってください。」

僕が半ば強引にレイアさんを立ち上がらせると、レイアさんは物音ひとつ立てずに静かに泣いていた。

「あの~、どうかしました。負けたことがそんなにも悔しいんですか。大丈夫ですよ、相手はあなたよりもエレントも戦闘センスも上なので。能力に関してはレイアさんに分がありましたが、気にしないで次頑張りましょう。」

僕がそう説得していると、ミャオさんが肩に手を置いてきた。

「師匠、ちょっとそれは良くニャいんじゃニャイかニャ。すごいオーバーキルニャン、プライドの。そして多分泣いてる理由はこれニャンよ。」

そう言って、ミャオさんは折れた剣を指さした。

「あぁ、なるほど。剣が折れて大号泣と、なるほどなるほど。」

僕がそうからかっても、レイアさんは何の反応もせずに俯いていた。

「なんか、居心地というかこの場の空気が悪い気がしますね。レイアさんが落ち込むだけでこうも変わるものか、有り難みというのは無くして初めて気づきますね。はぁ、居心地悪。」

今の僕は、今凄く居心地が悪い。

悪すぎて、背中の後ろがどうしようもなく痒くなってくるレベルだ。


さて、どう対処しようか。

剣を「再構築」で完全修復するか、またまた「再構築」で新しい剣でも作ってあげるかの二択。

どうするべきだ〜、これ。

えぇい、迷ったら本人に聞く、その方が早くて正確だ。

「レイアさん、いじり散らかしたお詫びに剣を完全修復か新しく作ろうと思っているんです。どっちがいいですか?」

僕はレイアさんに優しく問いかけた。

赤ちゃんに問いかけるくらい優しく言ったつもりだ。

しかし返ってきたのは、心に刺さるくらいの静寂だった。

「あの〜、どっちにするんですか。修復か新品か、出来れば早く答えて欲しいものなんですが?」

しかし、レイアさんは変わらず無言を貫いた。

僕は助けを求める目でミャオさんを見たが、ミャオさんは視線に気づくや否やプイッと目を背けた。

まるで「貴方なんて助けるか」と言わんばかりに目を背けた。

「仕方ない、自分でなんとかするか。」

とは言ったものの、レイアさんは無言を貫ら抜いているし、ミャオさんは助けてくれなさそうだ。

「う〜ん、どうしたものか。どっちが正しい、どっちが正解だ。クソ、わからん。レイアさん本人が言わないからわからない。あぁ、もういいや。どっちもしてやる。」

僕はそっと折れた剣を拾い、完全に修復してみせた。

次に空気中の二酸化炭素の原子を変化させ、特殊な金属アテン鋼を作り出した。

アテン鋼とは、軽くて能力を通しやすい鋼である。

作り方や構造、どこで作られているかはわからない。

けど、一応珍しい鋼だったと思う、多分。

そのアテン鋼を素材に、「再構築」でレイアさん用に合わせて剣を制作した。

前のレイアの剣と比べると、軽量化しながら耐久力と能力の伝導性を上げた感じにした。。

あとは、アテン鋼の色で少し濃い灰色になったくらいだ。

元の形と大差ないように制作しているので、すぐに手に馴染むだろう。

そして、レイアさんに修復した剣と制作したアテン鋼の剣を差し出した。

レイアさんはそっと二つの剣を手に取り、鞘に収めた。

「ありがとう。」

そう呟いて、レイアさんは闘技場を去っていった。


「はぁ〜、なんとかなったー。一時はどうなることやらと思ったけど、割となんとかなったー。疲れたな、休憩しよっと。」

僕はその場にへたり込んだ、

「師匠お疲れ様ニャ。にしても「再構築」って便利だニャ、回復も剣も作れて。」

この事件が終わり、やっとミャオさんも口を開いてくれた。

そこで、なんでさっきは冷たかったのか聞くことにした。

「ミャオさん、どうしてさっきはあんな態度だったんですか?」

自分で思った、めっちゃどストレートな質問だと。

「だって、流石に酷い言い草だニャと思ってニャン。師匠にはいつも驚かされるニャンが、今回は師匠のどストレートさに驚かされたニャン。もうびっくりしすぎて、引いちゃったニャン。師匠はそれを直せニャン、そうしないと嫌われるニャンよ。」

なるほど、だから引かれてたのか。

そうだな、気をつけよう。

ミャオさんに嫌われたらたまったもんじゃない。

それくらいなら、学園で目立ち散らかした方がマシだ。


あぁ、あとこのことも聞こう。

「どうして、ミャオさんはレイアさんと戦ってたんですか。喧嘩ですか?」

「違うニャンよ。これは練習ニャン、明日の。」

僕は首を傾げた。

明日、何があるのかわからないからだ。

「あの、明日は何かあるんですか。僕の記憶には特に何もないのですが。」

すると、衝撃の事実を知った。

「えぇ、明日は全体模擬戦だニャンよ。知らなかったニャンか?」

はい、知りませんでしたよ。

だって興味なかったし、そもそも先生にも言われてないし。

「ちょっと待ってください。って事は、僕も模擬戦に強制参加という事ですよね。」

「そうだニャンよ?」

おいおいおい、待て待て。

つまり、怪我人を大量に出せって事か?

この世界じゃ僕の手加減でも怪物扱いだ、ついでに相手が大人数だと当たり所が悪くて死んでしまう生徒も出るかもしれない。

能力もダメ、武器もチート、おまけに相手は大人数ときた。

どうしたものか、どう手加減するか。

そうだ、能力と武器を使わずに体術だけで戦おう。

よし、久しぶりに体術するぞー。

よし、そう決まったら早く帰ろう、すぐ帰ろう。

「わかりました。それじゃあ、明日の準備をするんで帰ります。それじゃあ。」

そう言って、僕は闘技場を後にした。


こうして、翌日の学園全体で行われる模擬戦の存在を知った僕ー新安エンだったが、模擬戦は彼の予想をはるかに裏切った。


「氷界」の読み方つけるの面倒だったからここに書いておきます「氷界ムンディエロ


そして話が変わるけど、よくよく考えたらGW期間中はずっと投稿ってコト‼

まぁ2~3日は投稿サボるかもしれないけど許してね。

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