7話 「過去の厄災」
祝日投稿です。
睡眠をしっかりする事で、前回よりも内容の質と量が上がりがした。
やっぱり、睡眠isパワーですね〜。
「これからよろしくなニャン、師匠。」
僕は今、悶々としている。
前回は呆気に取られて返事をしてしまった結果、僕は弟子を取ることになった。
「僕としたことが、仕出かしたな〜。これはまた目立つぞー、エレント31位を弟子に取ったって。今回に関しては僕にも非がある、仕方から受け入れよう。」
僕はそう呟き、少し首を震わせて気持ちを整えた。
「わかりましたよ、ミャオさん。目立ちたくないので特に何もしませんが、これからよろしくお願いします。」
そう、ミャオさんの方を向いて答えた。
「やったニャン。で、師匠。まずは何を教えてくれるんですか?」
そう言い、期待の目で僕の方を見てきた。
やめてくれ、なんか何もしない事に罪悪感が湧くから期待の目で僕の方を見るのはやめてほしい。
僕は動揺することを隠し、「まずは事後処理から片付けるかよ」と言って作業に取り組んだ。
と言っても「再構築」の能力で、破壊した壁を修理するだけである。
「わぁ〜、その能力凄いニャン。これが師匠の能力なのかニャ?」
「まぁ、僕の日常使いしている能力の一部ですね。」
そう答えた後に、前にレイアさんにも言ったときの反応を思い出した。
「あぁ、そうか。今じゃ能力は一人一つだったな。んっ、じゃあさっきの答え方はまずいんじゃ?」
僕はまたしても動揺した。
今日はよく動揺する日である。
まだ金曜日なのに、今日は動揺日、なんちゃって。
脳内でおやじギャグを言っていると、「その言い方って、もしかして師匠って能力を何個か使えるの。」と言ってきた。
「まぁ、はい。そうです。」と微笑んで答えたが、内心では過去の僕を思いっきり切り刻みたいと思っていた。
別に能力で過去に行って斬ってきてもいいが、それはそれで変な噂が流れる気がしたのでやめた。
一応ミャオさんの方を見ると、顔を真っ青にして戦慄していた。
まぁ、あらかたそんなもんだとは思った。
彼女らは一つの能力で頑張っているのに、急に複数の能力を使える転入生が目の前にいたらこうもなるか。
「まぁ、そんなに怖がらないでください。敵なら怖いでしょうが、味方なら心強いでしょ。だから、少しお話しませんか?」
ひとまず、今の第一目標はミャオさんに安心してもらうこと。
過去の僕の失態とはいえ、弟子になった人に恐怖されていては師匠として終わっている。
論外中の論外だ、そんな終わってる師匠にはなりたくない。
するとミャオさんが、生まれたての小鹿のように震える足で僕の方に必死に向かってきて、少し間を置いたところで座った。
僕もその場に座った。
「まずは自己紹介でもし合いましょうか。どっちからします、僕はどっちでもいいですよ?」
そう問うと、ミャオさんが「じゃ、じゃあ僕から」と痙攣しているのかってレベルで震えた声で答えた。
「すごく震えてますが大丈夫ですか?」
「は、はいですニャン。い、いくニャンよ。」
そう答え、ミャオさんは何回か深呼吸をして口を開いた。
「僕は猫黒ミャオですニャン。第4混血で能力は「猫又の加護」って言って今の状態よりも身体能力と感覚が上がって、「幻煙」っていう煙で幻影を作れる能力が使えるようになるニャン。あと、尻尾が二本増えるニャン。理由はわからないニャン。そして、エレントは31位だニャン。よろしくニャン。」
なるほど、能力の名前に猫又って入ってるんだな。
戦闘中に言った「化け猫みたい」ってのもあながち間違いじゃなかった訳だ、知らなかったから驚き。
昔の厄災は全員純血だったから、動物系の能力がなかったからな〜。
と、独り言もそこそこにしておこう。
ミャオさんを待たせるわけにはいかない。
「次は僕の番ですね、いきますよ?」
そういうと、彼女たちは息を呑んだ。
「僕は新安エンって言います。ここだけの秘密ですが、僕は純血の厄災です。で、能力は幾多かありますが、今のところは学園では「闇」・「再構築」・あと一つありますがこれは教えられません、僕の正体が浮き彫りになりますので。その代わりに能力の内容を教えますよ。まず「闇」の能力の内容は闇を操ることと五感の遮断です。ただそれだけ、でも結構便利ですよ。逃げるときとかに影とかに潜って別の場所から出られたり、敵の五感を遮断して一方的に攻撃したりなどができます。でも、「闇」の能力単体ではそんな感じですね。次に「再構築」の能力の内容は物体の原子構造や源氏そのものを変えたり、壊れたものを元通りにしたりなどができます。この能力であなたを生き返らせました。最後に僕の教えられない能力の内容を少しだけ。その能力は制限のない異空間を操る力で、物体を取り込んで解析・再現したり、物体を収納したりできます。そして一番の強みは能力の無効化ができます。他にも能力がありますが、それは使ったときに随時説明しますよ。長くなりましたが、僕の自己紹介と能力の説明はこれで終わりです。面白かったですか、ミャオさん。あと、観客席に隠れてたレイアさん。」
「お見通しなのね、あっぱれだわ。エン。にしても、あなたの能力ってすごいのね。それを複数個使えるなんて、私たちとは次元が違うのね。で、何で私との自己紹介ではこんなに詳しく教えてくれなかったのかしらね~?」
レイアさんいつから居たんだろう、そもそも盗み聞きはあまり感じよくないな〜。
仕方ないから質問に答えてあげるか。
「そりゃあ、傲慢でポンコツそうな顔のレイアさんに教えると大変な事になるって思ったからですよ、というかなりましたよね。でも、ミャオさんは違う。言動も相手のことも考えられて、戦闘も無駄口をたたいていたあなたと違って最後まで真剣に戦っていましたよ。そこで僕との信頼の差が生まれたんですよ、残念でしたね。ついでに、弟子に自分を知ってもらうのは当然では?」
そう答えるとレイアさんは頬を膨らませ、遠くの観客席に移動した。
「あっ、すねちゃった。まぁ、いっか。」
自分で思うのは違う気がするが、この理由はもっともな気がする。
だって、前に自己紹介した内容が学園内で噂になってるんだから。
レイアさん、僕はあなたを砂粒一つたりとも信頼はしてませんよ。
行動は一緒にした方が都合がいいので行動は一緒にしますが、秘密等は絶対に伝えない。
また拡散されてはたまったものではない。
そんなことよりも、ミャオさんと話そう。
そう思い、ミャオさんの方を見ると
「なんで堂々と座ってるんですか、レイアさん。」
そこには、居て当然のような態度でミャオさんの隣に座っているレイアさんがいた。
「だって気になるじゃない、あなたの秘密。」
そう言って、ウインクしてきた。
僕はそれを無視して、ミャオさんに問いかけた。
「どうします、この人。このままにするか、追い出すか。」
「お話は人数が多い方が楽しいニャン、たからこのままにするニャン。」
「了解です。よかったですね、レイアさん。今回は特別に許可してあげますよ、ここに居る事を。大人しくしておいてくださいね、あくまで僕とミャオさんの会話なので。」
「はいはい、わかったわよ。大人しくしておきますー。」
一見捻くれている様に聞こえるが、レイアの目の輝きが凄いことになっていて、とても捻くれている様には見えない。
「では、ミャオさん。何か僕に質問はありますか?」
するとレイアさんが手を挙げたが、これは無視する。
「じゃあ、師匠はなんでアミナに来たのかニャ?」
そうと言われても、自分の意思で来てないからなー。
なんて言うんだろう、流されてきたみたいな感じだし。
一応は逃げてもいいけど、なんとなく楽しいからいいかなって思ってる。
「事の流れでアミナに来て、学園に今のところ来ているのはなんとなくです。」
「え〜、なにそれ。そんな理由で来てる人に私負けたの、なんか嫌な気分だわ。」
なんかレイアさんがほざいてるが、これも無視する。
まぁ、質問してきたミャオさんも顔が引き攣っていて若干引いているので別の質問に移ろう。
「他に質問はありますか?」
再度レイアさんが手を挙げたが、これも無視する。
「じゃあ、なんで師匠は能力を複数使えるニャン?」
「それは、さっき説明した教えられない能力の再現出来る力でコピーして使っています。」
僕のこの能力について、これ以上の情報を与えるのは少しまずい気がする。
勘がいい人なら気づくだろうが、一つ矛盾が生じているからだ。
「えっ、ってことはエンの本当の能力はそれで、「闇」の力はコピーってこと。そしたら、エンは闇の始祖様の直系の子孫じゃない。でも、エンは直系の子孫って言ってたから。あぁ〜、もうわからないわ。そこのところをもっと詳しく教えなさいよ。」
そう言って、レイアさんは僕をゆすってきた。
この人の大人しくしているのどこが大人しくしているのか、僕はわからない。
仕方ないから、ヒントを教えてあげよう。
「確かに僕は「闇」の始祖とは血縁ですが、子孫では無いですよ。貴方が勝手に「闇」の始祖の直系って思ってただけです。そんな厄災が「闇」の力を仕組みも分からずに適当に運用しているわけが無いじゃないですか。」
少し詳しく説明し過ぎたかなと思った。
まぁ、レイアさんの足りない頭じゃ正体を知る事は出来ないと思うけど。
「も、もしかして師匠って「五始祖」か「三厄」の1人なのかニャ。いや、多分そうニャ。あんな戦い方が出来る厄災で、尚且つ純血となるとそのどれかだニャ。どうなんですかニャ?」
レイアさんがうるさいから忘れてたけど、ミャオさん居たわ。
やっべ、正体バレかけてる。
どうしよう、言うべきか。
もし広まったら、今度こそ学園生活終わるぞ。
こうなったら、こうだ。
「なんですか、その「五始祖」と「三厄」って?」
そう、とぼける事である。
もしかしたら、「あれ、知らないの。なら、違うか」って考えるかもしれない。
ミャオさんといえど、これは教えられない。
僕の学校生活を守るために。
「そうなのニャ。わかりましたニャン、説明させていただきますニャン。まず「五始祖」とは、全ての厄災の原点で創造・色彩・闇・星・深淵の5人に分けられるニャン。「五始祖」は圧倒的な能力と専用の武器を用いて、人に甚大なる被害を幾度となく出してきたニャン。
で、次に「三厄」について説明するニャン。「三厄」は光・刻・破壊の三人で、この人たちは始祖と始祖との子ニャン。光の厄災は色彩と星の始祖の子、刻は創造と闇の始祖の子、破壊は創造と色彩の始祖の子。だから、この「三厄」も始祖に引けを足らない能力を持っていたとされているニャン。でも、それ以上のことは僕が知ってる限りの文献にはなかったニャン。わかったかニャン?」
とても分かりやすい説明だ、なので一応補足。
光の厄災の能力は、そのままで「光」。
対「闇」の能力で、五感遮断や暗闇での視界の確保。
あとは高速で動けたり、体を光の粒子にしたりできる能力である。
刻と厄災の能力も、そのまま「刻」。
能力を発動したときに時間が止まり、そこから巻き戻し・早送り・繰り返しの三つのことができる。
シンプルだが強い。
破壊の厄災の能力も、そのまま「破壊」。
物体の硬度・密度を無視して壊すことができる。
前に金峰ガンが使っているのかと思った能力である、でも正体は「衝撃」だったけど。
それもそうか、だって一般人が扱える力じゃない。
補足終了、大体こんな感じ。
よし、とぼけるの再開。
「そうなんですか、初めて知りました。どうしてミャオさんはこんなことを知っているんですか?」
「それは、厄災の歴史が好きだからニャン。」
「そうですか」
うん、よくわからん。
どうして厄災の歴史のどこが面白いんだろうか、僕にはよくわからない。
でもまぁ、人の趣味を否定するのはよくない、これ以上の深掘りはやめよう。
それよりも、早くこの質問時間を終わらせよう。
僕の正体が知られるのは嫌だし、隣に口が水素よりも軽い人がいるからね。
「質問はこれくらいでいいですか?」
「はい、もう充分ですニャン。色々教えてくれてありがとうございますニャン。」
「いえいえ、僕も厄災の始祖について知れてよかったです。教えてくれてありがとうございました。」
よしよし、質問タイム終了。
ほっとしたのもつかの間、レイアさんが立ち上がり口を開いた。
「最後に聞かせて、あなたの正体は何なの。「闇」の厄災じゃない「闇」の始祖の血縁って、それってつまり「刻」の厄災か始祖ってことになるじゃない。答えなさい、あなたは何者なの。」
僕は無言で立ち上がり、そっとレイアさんの五感を遮断して決闘場を後にした。
「ふ~、ひやひやした。正体が絞られたのはまずいけど、あのポンコツレイアさんはすぐに忘れるでしょう。よし、帰ろ。」
こうして、いつも通りの波乱万丈な日だったが楽しくてすごく動揺した五日目は、五感を遮断されたレイアさんと呆然としているミャオさんをよそに僕が闘技場を出ることで終わりを告げた。
思ったより長くなったな。
5000文字、自己最高記録更新。
ご鑑賞ありがとうございました。




