2話 「屋上土下座事件」
今日は「絶好調」‼
今日だけ特別、2本投稿。すごいでしょう~、どうぞ楽しんで
「あぁ、疲れた。なんでさ~、転入初日にさ~、決闘申し込まれるのかね~」
僕ー新安エンは屋上で悩んでいる。
理由は単純、決闘でなんか偉い人?との決闘に舐めた態度で勝ってしまったからだ。
「やらかした〜、あんなの超目立つやん。目立つなって言われたのに、超目立っちゃってよ。どうしよう、明日から学校行きづらいな~。」
「そう、それは自業自得ね。そりゃあ、エレント41位の私をさんざん侮辱した後に勝利を収めたからね。当然の報いだわ。」
背後から少し哀愁がただとっているが、言葉の端々にプライドを感じる聞き馴染みのある声がした。
僕はゆっくりと後ろに向き返すと、そこには僕が目立つ要因になった張本人のレイアさんが立っていた。
「どうしたんですか、また決闘を申し込みに来たんですか。それならお断りですよ、もう目立ちたくないので」
すると彼女は皮肉交じりに「にしては楽しそうだったわね?」と言ってきた。
確かに楽しかった。
そこは否定しない、というか事実だから否定できない。
「そうですね、はい。その〜、否定できないことは言わないで欲しいですね。回答に困るので。」
気まずい沈黙が、一瞬だけ屋上を包んだ。
「で、用件は何ですか?」
ひとまず、用件だけは聞いてあげようと思った。
また決闘なら断ればいいし、多分あり得ないが別の要件の可能性もあるかもしれないからね。
「そうね、さっきの言葉を訂正しに来たの。あなたと馴れ合いに来たの。」
「すいません、言ってる意味が分かりません。馴れ合いに来たって聞こえたんですが、気のせいですよね?」
きっと疲れてるんだ、体は疲れてないが精神が疲れているんだ。
冷徹で傲慢なレイアさんが、人と馴れ合いに行くなんてありえない。
だが、返ってきたのは「そうよ、悪い?」と、少し赤面して言い放ったレイアさんの姿だっ
た。
「マジ、マジなやつ。どうしてですか?」
正直混乱している。
冷徹悪魔鬼教官風な雰囲気だったレイアさんが、今や恋する乙女のような雰囲気をまとっている。
「理由、そうね〜。あなたについて知りたくなったからかしら?」
「えっ、どうして?」
「あなたと戦って、貴方に興味を持ったの。だから、ひとまず自己紹介をお互いにし合いましょう。」
正直、この人は何を考えてるのかわからない。
脳の半分が戦闘のことしか頭にないのかなと感じたが、まぁ良しとした。
「いいですよ。でも、最初はあなたから自己紹介してくださいね。」
「いいわよ、心して聞きなさい。私は神凪レイア、偉大なる5次混血よ。能力は氷、空気中に含まれる水分を用いて氷や冷気を生成できるわ。エレント41位にして、二つ名は冷徹な氷姫よ。すごいでしょう。」
「そうですか、すごいですね~」
なんか、レイアさんってすごくおしゃべりな人だった。
最初の高潔で冷徹なレイアさんはどこに行ったのやら。
まぁ、そこはいいとしよう、なんか情報が処理しきれてないが。
「すごい棒読みなお褒めの言葉なこと。なら、あなたの自己紹介をしてみなさいよ。鼻で笑ってあげるから」
やっぱり、撤回。
この人、すごいうざい。
今のレイアさんの印象は、すごく傲慢でおしゃべりなうざい人って感じかな。。
仕方ないから僕もするか〜、自己紹介。
「僕は深安エン、厄災です。能力は幾多かありますが、さっき見せたのは「闇」の力です。仕組みはよくわかりません、適当に運用してるので。」
「えっ、厄災。しかも「闇」の厄災、ってことは始祖様の直系ってこと?」
なんか、レイアさんの顔がすごい勢いで青くなっていってる。
何かまずいことでも言ったか、僕は?
「あの〜、どうかしました。すごい顔色が悪いですよ?」
軽くレイアさんに話しかけると、意外な反応をした。
「い…いえ、滅相もございません。下劣な私奴がわざわざエン様の御身を煩わせるなど許されていいはずがありません。」
「えぇ、急にどうしたんですか。なんで敬語なんですかね?」
すると、レイアさんが急にきれいな土下座をし始めた
「おこがましいのは承知ですが、今さっきまでの無礼をどうかお許しください。その代わりに私奴はエン様の下僕になりますので。」
「ん、えっ。どういうこと、。レイアさん、どうしてそうなってるんですか。急に敬語になって、しかも土下座して。自己紹介前のレイアさんとはまるで別人ですよ。僕、なんかまずいこと言いました?」
一切の心当たりがない。本当に、マジで。
「いえいえ、そんなことはありません。ただ、エン様が始祖の直系の子孫だからです。なので、わざわざ私奴が敬意を払って丁重に扱わせてもらってます。」
「レイアさん、敬語を使っても傲慢な言葉は隠せませんね。まぁ、心底どうでもいいですが。そしてさっきの無礼を許してほしいという願いは叶えますよ、でも下僕にならないでください。目立ちたくないんです、僕は。こんなところを人に見られたら目立ちますし、何よりすごく恥ずかしいです。それでも、貴方のプライドが納得いかないなら、さっきみたいに軽く接してください。その方が目立ちませんし、なにより僕の気が楽なので。」
「えぇ、そんな、そんなことでいいんですか。まぁ、はい、わかりました。では、これからよろしく頼むわよ。深安エン、あなたには期待してるわよ。それじゃあ、機会があったら会いましょうね。」
そう言い残して、レイアさんは屋上を後にした。
やっぱり、レイアさんは少し鼻につくようなうざい言葉が似合う気がする。
僕は空に向かって「ごめん、理事長。約束、転入初日に破っちゃった。」そう告げて、自身の影から徐々に広がる「闇」に音もなく消えて屋上を後にした。
暗闇一つない屋上は、橙色の夕日に静かに染まっていった。
いや~、レイアは書いてて楽しいな~。
あの急な変化が書いててワクワクしたぜ。
楽しんでくれたらうれしいです。




