17話 「選別と決別」
さっき、間違えて過去編の原案を投稿した時はビビった。
「これからどうしようか、今からでも科学庁局に殴り込みに行くか?」
僕ー新安エンは放課後の教室で壊れた計画を立て直している。
きっかけは転入直後に話しかけてきた重羽リカが言った「「SNEN」を科学庁長官が推して、厄災の情報や身柄に報奨金をかけている。」と言う情報だ。
そもそもとして、僕がこのナウカ科学国にきた理由が「SNEN」の生産者と生産ラインの破壊である。
で、本当はこの学園に結構な時間滞在して少しずつ怪しまれない範囲で情報を集める予定だった。が、科学庁長官さんが自ら情報を拡散してくれたおかげで、僕は何もしなくても「SNEN」について少しは知ることができた。
「科学庁長官が馬鹿なのか。それとも愚昧なのか?」
まぁ、どちらでも僕からしたら幸運以外の何ものでもないが。
翌日、僕は学校に来ていた。
なぜ、科学庁局ではないのかと思うかもしれない。
理由は簡単、僕が怪しまれずに科学庁局に潜り込む為である。
一見、なんの関係性もない2つの場所。
でも、関係がある。
今からそれを証明する。
僕は大声で「僕、新安エンは純血の厄災でーす。科学庁に身柄を渡したい人を決めるので、参加したい人は校門付近の広場に集まってくださーい。」
そう、自分の身を売って、あえて科学庁に連れて行かれる。
これが一番目立たず、簡単な方法だ。
そんな事を考えている間に、校門付近にはざっと130名ほどの生徒と大半の教師が集まっていた。
人に関心のない科学の申し子達も、金の欲望には負けるようだ。
「さぁーて、集まってもらった皆様方。今から人を絞り込みたいので、僕が知っている一番手っ取り早い方法で絞り込みたいと思いまーす。」
全員が息を呑んだのが見てわかる。
だが、全員の目は真剣に僕の方を見ている。
「よぉ〜し、じゃあ、この場で戦ってください。別に棄権しても結構、殺しても結構。始祖の厄災である僕が死んでも治しますし、どんな事実でも許しましょう。思う存分、戦ってください。制限時間は下校時間である6時59分まで。今日の授業は決闘、なかなか体験することのない死亡体験。そそるでしょう。」
僕は意地悪に微笑んで見せた。
その瞬間、生徒の半分は狂乱状態で攻撃し始めた。
この決闘の理由は2つある。
1つ目はさっき言った通り、僕の身柄を渡す人を手っ取り早く決めるため。
2つ目は、この学院の生徒の上位層がどんな能力なのか知るため。
もちろん、参加していない可能性だってある。
「ははは、愉快愉快。あんなにも科学を勉強しているのに、あんなにも医学や哲学、法律や人としてのあり方を必死になって学んでいる生徒やそれを教え、導くはずの教師までもが自身の欲望の為に動く。今まで学んだ全ての知識やルールを捨ててまでしても、金が欲しいという自身の欲の為に動いている。いや〜、愉快なもんだ。」
最高に趣味が悪いのは、理解している。
が、こんな光景は面白いじゃないか。
この学院自体が、能力の存在を否定や解析をする場なのだから。
そこで、あえて能力での決闘という名の殺し合いをさせる。
皮肉な光景だ。
彼らの今までの全てが無駄だったということの証明になる。
でも、もうすぐ終わりそうだ。
それも顔見知りの手によって。
生徒や先生達は地面にひれ伏している。
と、いうかめり込んでいる。
「やっぱりあなたですよね、残るのは。重羽リカさん。」
やっぱり、この人が残るのか。
という事は、上位層は参加していない可能性が高い。
「勝った感想は?」
「嬉しい。けど、それよりも安心したな。他の人に友達を渡されるのは嫌だし。」
友達と思うなら引き渡さないで欲しいな。
まぁ、今回の場合はこっちの方が好都合だが。
「さて、行きましょうか。科学庁局に。」
僕が自ら科学庁局の方へと歩み出そうとすると、リカさんが腕を強く掴んで、僕を止めた。
「なんですか、早く行きましょうよ?」
「そうなんだけどさ、その前にみんなを回復させてあげてよ。最初に言ってたでしょ、死んでも生き返らすって。」
なるほど、そういう事か。
確かに、周りは真紅の地面に無数の亡骸がある状態だ。
僕から見たら大したことはないが、リカさんから見れば地獄絵図なのかもしれない。
「まぁ、別にいいですけど。大半の人は無理ですね、魂まで死んじゃってるので。14〜16名くらいは魂が生きているので生き返らしますね。」
そう言いながら、リカさんの腕を振り払って16名を生き返らせた。
他の生徒や先生の亡骸については、指1本たりとも触れなかった。
僕は無情に亡骸を足で退け、科学庁局に直行した。
「さて、行きましょうか。リカさん。」
僕は微笑み、手を差し出した。
けれどリカさんは、差し出した手を叩いて振り払った。
「どうかしました?」
「あなたって本当に厄災だね、歴史書に載ってた厄災の性格とそっくり。最初、あなたを見た時は優しい印象を受けた。けど、今はただただ怖いよ。人の亡骸を足で退かすような、心のない人だって知ったからね。」
そう言って軽蔑の目で見てきた。
「そんなに科学庁局に行きたいなら、好きに行けばいいよ。私はあなたに、もう近づきたくないから。それじゃあ。」
リカさんは、足早に帰って行った。
「何がダメだったんだろうか。」
僕の独り言が、血に汚れた校門に響いた。
そこには、静寂に僕の独り言が虚しく響いていた。
やっぱり、ナウカ編はやる気が出ない。
文字数少なめで書いていきます




