16話 「2度目の転入」
書いた、少ないけど。
疲れた、眠い。
「ふぅ、はぁ。よし、入るぞぉ。人生2度目の転入だ。」
僕ー新安エンは、人生2度目の転入をしようとしている。
一応はアミナ学園にも籍を残しつつ、ナウカ学院にも転校する感じだ。
ちゃんと、アミナ学園の理事長とナウカ国防長官の神凪さんの許可を得ているから問題はないだろう。
問題があっても、なんやかんやして茶化せばいいだろうと考えている。
「よし、入るぞ。いいか、いいのか、いいですよね。行くぞ、せーの。」
色々なことを考えている間に僕が転入する事になったクラスの教室に着いたので、僕は自分で自分に気合いを入れて合図をして扉を開けた。
「こんにちは、転入することになった新安エンです。よろしくお願いします。」
第一印象は大切なので、僕は自分のキャラではあり得ない大きな声で明るく挨拶した。
しかし、返ってきたのは沈黙だった。
クラスのみんなは凄い勢いで机の上の本に向かっていて、僕にはこれっぽっちも気づいていない。
「アミナもアミナで人懐っこくて困ったけど、こっちもこっちで面倒な感じだな。まぁ、目的とは関係ないからいいや。」
僕は気を取り直して、自分の席に座った。
「もぉ〜、冷たい感じだなぁ。別にいいけどさ、いいんだけど。なんか寂しいな、ミャオさん元気かな。離れて5日経ったけど。ラヴァーさんはともかくとして、レイアさんは別にどうでもいいや。ひとまず、手っ取り早く犯人殺して「SNEN」の流通を止めなくっちゃね。」
僕は「再構築」で空気中の窒素から適当な金属を作り出し、それを混ぜ合わせて作った合金のキューブを空中で回しながらブツブツと独り言を言っていた。
すると、「そこの君、ちょっといいかな?」と女性の声がした。
僕はハッとして周りを見てみると、隣の机に女性が座っていた。
なんだ、僕は女性にでも好かれるフェロモンでも放出しているのか?
「どうしました、僕に用ですか?」
「いや、用って程じゃないんだけどね。挨拶でもしようかなぁー、て思ったの。で、話しかけたの。私は重羽リカって言います、よろしくね。」
結構気さくな人だった、レイアさんみたいなヤバいやつじゃなくて助かった。
「そうですか。少しの間ですが、これからよろしくお願いしますね。リカさん、でしたよね。僕は新安エンって言います。能力は多種多様ですが、大半がこの国が大好きな科学を否定するような感じなので言いませんが、物質を変化させることができます。」
そうだよ、僕の能力の大半は科学では説明がつかないから使うのはアミナ以上に控えよう。
「へぇ〜、そうなんだ。でも安心して。この学院の全ての生徒が何かしらの能力が使えるから。一応は学力がメインだけど、入学には能力も必要だからさ。私の場合はねぇ、重力を少しだけ操れるの。すごいでしょう。強いのよ、私。」
「そうですか、はい。」
僕は思った。
この人はすごく話が長くて面倒な人だ、と。
そもそもさ、始祖の厄災である僕に「重力が操れるんだ、すごいでしょう」なんてさ、可愛いもんだよ。
例えるなら、ひよこが鷹の前でピヨピヨ言ってるようなもんだって。
僕が始祖の厄災だって知ってないってのはそうなんだけどさ、なんかイラってしたな。
そもそも、僕は間近でお姉ち…始祖の星の厄災の重力操作を見たどころか体感したもん。
それに比べたら、比べ物にならないほどに弱いから。
どれくらい操れるかは知らないけど。
聞いてみるか。
「どれくらいまで、重力を操れるんですか?」
すると、リカさんがニヤッと笑い「やってあげようか」と言った。
僕も負けずと微笑み、「お願いします」と言った。
「えっ、本気。あぁ〜、わかった。やるからには全力でやるけどいい?」
「もちろん、心置きなくやってください。貴方のストレスを僕に能力で八つ当たりする様な感じでお願いします。」
リカさんはすごく困惑しながらも、能力を僕に向けて発動した。
確かに少し重いかも、想像してた1.1倍くらい重いかも。
でも、歩けるんだよなぁ。
僕の真下の床はひび割れて、どんどん下に沈んでいく。
でも僕は、少し重いとしか感じない。
「これで全力ですか、わりと動けるんですが?」
「そうなの?」
リカさんはさらに困惑しているだろうけど、これが事実なんだよ。
僕は重力操作をもろともせずに、席から立ち上がって見せた。
もちろん、真下の地面はひび割れと陥没で酷い有様である。
「えぇ、マジか。エンくんさぁ、本当に人なの。普通の人ならさ、私の能力の限界値の重力を1.8倍した状態で立てないよ。君は厄災じゃないの、エンくん?」
「はい、そうですが。どうかしました?」
この学院、もしかして厄災が入学禁止とかあるのかな?
でもでも、国防機関が運営してるからなぁ。
強い人を育成してるのは間違いない。
だとしたら、人よりも強い厄災を拒むのはなぜか?
僕は悩んだ、すごく悩んだ。
この学院の意図が全く掴めないからだ。
強い人を育てたいのに、強い厄災を拒むのはおかしな話だからだ。
「どうしたの、エンくん。体調でも悪いの?」
リカさんが心配そうに話しかけてきた。
そうだ、リカさんに理由を聞こう。
「いや、そういうことじゃなくて。なんで、この学院には厄災が入ってはダメなのかって考えてました。」
「別にいいんだよ、厄災が転入してきても。ってことは君は厄災なんだね。」
リカさんはそう教えてくれた。
すごく悪い笑みを浮かべながら。
「どうしたんですか、そんなに僕が厄災なのが面白いですか?」
「違う違う。そういう事じゃなくてさ、気をつけた方がいいよって事。あぁ、別に私は何もしないよ。」
どういう事だ。
ここもアミナみたいに戦闘狂がいるのか?
それとも、「SNEN」関係か?
「なんで気をつけた方がいいんですか。普通は厄災が気をつけるのではなく、厄災に気をつけるのでは?」
すると、リカさんは衝撃的な事を言った。
「いやさぁ〜。最近になって分かったんだけど、厄災の血で作った「SNEN」って薬を飲むと簡単に強くなれるらしいんだよね。だから科学庁長官がすごく推奨しているの。で、原料となる厄災の情報や身柄を高く買い取ってるってわけ。だから気を付けてね、エン君。」
「えぇ、マジか。ありがとうございます。」
これからじっくり探ろうとしてしていた「SNEN」の情報は、転入初日に出会った謎の少女である重羽リカによってサラッと知った。
これにより、エンの計画はいい方でも悪い方でも崩れることになった。
文章、下手かもしれないけど許して。




