第八話 中庭
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「アーノルド様。先日はご協力いただきましてありがとうございました」
ピレアが起こした騒動から、一週間が過ぎた。俺は王城の中庭で、クラリスとお茶会を開いている。あの騒動の後始末が色々とあった。その所為で、クラリスとちゃんと話を出来るのは今日が初めてだ。
「いや、この国を守ってくれて、助けてくれてありがとう。私の方こそ……ピレアに操られて、クラリスを傷付けた……。申し訳ない」
俺は自分の気持ちを正直に伝える。不覚をとったとはいえ、ピレアに操られた。そしてクラリスに冷たい態度をとっていたのは事実だ。そのことを含め、謝罪をする。
「大丈夫ですよ。アーノルド様のご様子が可笑しいことは私も分かっていました。しかし、原因が分からない以上、神聖魔法では何も対処することが出来ずにいました。それに……アーノルド様が、ピレア様の魔法を破ったのは素晴らしいです」
落ち込む俺を励ますようにクラリスが、ピレアの魔法を打ち破ったことを褒める。だが、それは俺自身の力ではない。
「そのことだが……私を守ってくれたのは、君だよ。クラリス」
「……っ、それは……」
俺はポケットからハンカチに包んだ、ペンダントを取り出す。するとクラリスは目を見開いた。
「君から貰ったペンダントを持っていたから、ピレアの魔法を大事な場面で解いてくれたのだろう」
急にピレアの魔法が解けた理由はこれしかない。このペンダントは、幼い頃にクラリスが俺に贈ってくれた御守りである。ピレアに魔法をかけられてしまったが、大事な場面で効果を発揮してくれた。
「そうでしたか……。アーノルド様を御守りすることが出来て良かったです」
役目を終えた為だろう。ペンダントに嵌められている宝石は砕けてしまっている。クラリスはペンダントを優しく撫でる。
「私は君に守られてばかりだな……」
俺は自傷気味に笑う。
「そ、そんなことはありません! 大聖女のお勤めを頑張れるのも、アーノルド様の存在があってのことです! それに……こ、婚約者としてお守りするのは当然のことです!」
クラリスは立ち上がると、抗議の声を上げた。彼女の銀色の髪が、太陽の光を受けて輝く。まるで神聖魔法の光の様に神々しい。
「君は本当に、私には眩しい存在だよ」
「私も、アーノルド様は大切で特別な存在ですよ……アーノルド様?」
俺は椅子から立ち上がると、クラリスの元に歩く。するとクラリスが首を傾げる。
「クラリス・フリロント公爵令嬢。未熟な私だが、これからも共にこの国を支えて欲しい。……愛しているよ、クラリス」
クラリスの前で傅くと、彼女の手に指輪を嵌めた。俺には神聖魔法は使えない。御守りの効果はないが、俺の気持ちを表しての贈り物だ。
「……っ! はい……勿論です。私も愛しております、アーノルド様」
嬉しそうに笑うクラリスに、俺の心が満たされるのを感じる。彼女が元気で笑っているのが一番だ。クラリスの返事を聞くと、俺は笑顔を浮かべた。
その後。ウサギ人形にされたピレアが再度問題を起こしたり、クラリスとの学園を楽しんだり色々とあるが別のお話しである。
お読みいただきましてありがとうございました!
本当は長鈍行で投稿する予定でしたが、終わらない気がしたので短期で書きました。
おかげさまで、完結できました!ありがとうございました!
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『論破してみたら一石二鳥した~乙女ゲームに入りこんだモブなので、婚約破棄の場面に乱入してみた~』




