↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
忍者、異世界に行く  作者: 和尚
忍者、出会う
17/44

忍者、暗躍した

一時間前にも投稿してます。

「お前は、誰だ?」

「前世なら、『どぉーも、死神でぇーす』とか言って誤魔化したんだろうが、そういうのは止めるって決めたんでな。こっち来てからはエイナって名乗っているよ。一応証拠ね」

 そう言って目の前の子どもがステータスを見せてきた。正直、ステータスの方が存在感があると言えるほど、子供の存在は限りなく希薄であった。

「警備の者ど、もは、何を、やっておる」

「うーん、聞きしに勝るくたばりぞこない。お前がちゃんと王の責務を果たしとけば俺がここに来ることもなかったっていうのに。あ、警備の奴らは神明決闘の方へ向かっていることだろうぜ」

 何? 神明決闘だと?

「おい、その、けっ、闘は、なんな、のだ?」

「あーっと。その前にちょいと失礼」

 近づいた少年が、左手を上げて、儂の胸を強く叩いた。


 その瞬間。息が出来なくなった。

 苦しい、苦しい、苦しい。

 空気が体を巡らない。


「今、アンタの心臓を止めた。正確には今は痙攣状態で、そのまま徐々に弱っていき、やがて停止することだろう。心室細動ってやつだな。決闘が始まる前の、この僅かな時間で、この処置を施す。そして決闘の最中、アンタが死ぬことによって、リュークが王となる。その決闘での頑張りによって、周囲の人間はアイツを認めるっていうのが、俺の考えたシナリオだ。それまでの間にリュークが死ぬのならその程度の男だが、俺と出会えるぐらいアイツは悪運が強いからな。まあ生き残るだろう」

 少年が、いや死神が何かを言っているが、何を言っているのかわからない。

 苦しい、嫌だ、死にたくない。

「アンタが今苦しんでいるのは、まあ罰のようなものだとでも思ってくれ。アンタが自分の現状も考えずに、王位に固執してしまったために、二人の兄妹に不幸が起こったんだ。同程度の不幸が起こってもしょうがないだろ?」

 何がいけないのだ? 国王なのだ。自由にして何が悪い。誰がこんな甘美な地位から去るものか。

 それの何がいけない?

「良く分からんが、王っていうのはそういうのじゃダメなんだよ。この問題は来世でたっぷり考えてくれ」

 苦しい。くる……しい。

「おっ。これが神の御髪(ヴェール)ってやつか。ギリギリだったけど、タイミング的にはドンピシャだな。運が良ければ、あと数分もしない間に完全に心停止することだろう。とにかく心臓が止まることを祈っとけ」

 しにがみがさる。

 まって。たすけて。それがだめなら、しなせて。

「最後にもう一回だけ言っとくけど、俺は死神じゃなくてエイナだから。そこんとこよろしく」

 まって。おねがい、まって、えいな。

「そんじゃばいばい」

 とびらが、とじた。


 えいなが、とびらのむこうへと、きえて、なんぷん、たった?

 やっと、いのりが、つうじた。ありがとう、かみさま。

 やっと、しねます。

 でも、えいな、ぜったいに、おまえは、

 許さない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。