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半魔族の少女は料理と共に  作者: 秋雨そのは
6章 貴族と平民と試験
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99話 元奴隷とメイド達

色々、名前に混乱が生じるのですが……(自業自得)

 私はメイド長に連れられ、廊下を歩いていた。


 ホレンダさんが先行して、私は後ろ付いていきながら廊下を見渡していた。

 ふと気づいたことをメイド長、ホレンダさんに聞いてみる。


「あの、ここって……」


「ここは、デオルズド様の別邸でございます。ハルデルト国との境近くにあるため、すぐここに搬送されたんです」


 私が途中まで言うと、淡々とホレンダさんが答えた。後ろ姿からなので表情が分からない、反応もしづらい。

 赤い髪が肩まで伸びていて、歩く度にユラユラ揺れている。

 あの部屋で聞いた名前を思い出す……えっと、ホレンダ・ウォーカス。ウォーカス? でも赤髪は珍しくもないし……。


「ナタルさんやハナさんとかなら、誰か答えられるのかな?」


「……!」


 私が呟いていると、不意にメイド長が止まった。どうしたのかな?

 私は「どうしたんですか?」と、聞くと「ハナを知っているの?」と聞き返してきた。声は若干震えていて、どうしたのか気になるけど。


「はい、仲良く話したりしてますけど……」


「……そう、ならよかったわ」


 そう言って、再び歩き出した。メイド長の後ろ姿はどことなく、先程より嬉しそうに見えた。

 ハナさん……本名って、お泊り会の時言ってたわよね。えっと……ハナレイド・ウォーカス。ウォーカス!?


「えっと……失礼ですが」


「それ以上は、言わないで」


「はい……」


 という事は、彼女はハナさんの家族だと思う。歳知ってる訳じゃないし、両親とは判別出来ないわね。

 ただ、声は少し浮ついた……声になっていた。なので私は深く聞かない事にした。


 その後、無言のまま歩いて数分。ホレンダさんがある扉で止まって……ノックをする。

 ホレンダさんは「入るわよ」と言うと奥で全員立ち上がる音がした。そのまま扉を開けると、4人の女性が立っていた。

 綺麗に扉を前に、並んでいた。種族は全員違うようだった。


「今日から少しの間、働くマリアさんよ。仲良くしてちょうだい」


「「「「は、はい!」」」」


 ホレンダさんは、溜息気味に小声で私に言ってくる「……デオルズド様が話してもみんなこんな感じなんです」と私は「……凄く怯えた感じになってますね」と小声で返した。

 そして、全員にホレンダさんが。


「順番に自己紹介してちょうだい」


 すると、全員がオロオロして順番が決まらない。ホレンダさんが「はぁ……ソゾナからお願い」と言ったら「はい……」と答えて1歩でる。


「私は……ソゾナ・メオランドです」


「よ、よろしくお願いします」


 ソゾナという少女は、エルフだった。緑色の腰まである長い髪にエメラルドの様な瞳だった。一見すると気が強そうな印象だけど……何処と無く怯えている様子だ。

 挨拶をしたら1歩を戻り、横の子が出てきた。


「えっと、ノ、ノコーエン・シノボードといいます……」


「よろしく」


 ノコーエンさんは、狼人? のようだった。あまり知らないのだけど、こういう種族も居るのね。

 灰色の短い髪と共に頭に狼耳がついていた。後ろで少し横に振れて見える尻尾は、狼の尻尾の様だ。印象としては、元気で懐きやすそうだが……今は近づくと逃げて縮こまってしまいそう。

 一歩下がると、次が出て来る。


「ムンア・ムーンライです……」


「え? あ、ごめんなさい……驚かせて」


 つい、声を上げてしまったけど……ムーンライってリンアさんと同じ。何かあったのだろうか……。

 ムンアさんは、リンアさんと同じ白く……長い髪で、紅い瞳。ただ……獣人族の特徴は無かった。人違いかもしれないわね。凄く、弱っていて今すぐにでも崩れそうな感じに見える。

 一歩下がると、次が出る。


「私は、ザエホ・オーナゾン」


「よろしく」


 次は、身長が全員より小さい……ドワーフ族という種族? のようだ。種族は脇でホレンダさんが、小さい声で教えてくれる。

 茶色短い髪と茶色の瞳で。印象としては、気が弱そうなんだけど……今、凄く無理をして強そうな感じを出している風に見える。


 これで全員の自己紹介が終わった。

 ホレンダさんは「少しの間、交流を深めてください」と言って、私に耳打ちで「無理しないでくださいね」と呟いて。部屋から出ていった。


 出ていくと全員はバラバラに散って部屋の隅に移動して……誰とも喋らなかった。

 思ったより深刻そうね、私もあのままだったら同じ感じになるのかしらね。


 最初に扉近くに腰を下ろしている。ソゾナさんに声を掛ける。


「こんにちわ」


「はい、どうしたんです……か?」


 私は「ちょっとお話しない?」というと「構わない……ですけど」呟いた。

 彼女の横に座ると、少し離れて座ってしまった。まぁ流石に最初から近づいて、仲良く成れる訳無いか。


「エルフ族ってどういう種族なの?」


「……高貴で、森の守護者よ」


「そうなの? エルフって初めて見るんだけど……」


 私がそういうと「みんな殺された……何でこんな事になったのかも分からない」と怯えた様子は無くなったようだ。

 ただ、かなり複雑な事情があるようね。


「あんたは、角あるが……魔族か?」


「私は半魔族、人間とのハーフよ」


「そうか、ここに来た経緯は知らないが……大変だったんじゃないか?」


 少し、気を使っている様に喋る……彼女の本当はこんな喋り方なのではないか、と思った。

 男みたいな喋り方ではあるが、少し凛々しい感じの彼女には合っていた。

 私は「えぇ……色々あったわ、本当に」と言うと。


「変わっているな」


「そう? 私、自身そういうのわからないのよ」


「大体、異種族はさげすまれ……奴隷に落とされた時点で、自分の運命を悟るんだ」


 そう、自分にあったことの様に呟いた。私は「周りにいい人達が居たのよ……だから、生きていられる」と言うと。

 彼女は「そうか、私と違うんだな」と言った。

 だけど、その後は喋りかけないでくれという感じに。口を結んでしまった。


 私はそのまま居ると、ノックと共にメイド長が「入るわよ」というと全員急いで持ち場についた。


 この先長そうね……。私は、久しぶりに見る。面倒な予感がしていた。

次は、マリアさん大活躍? と先は長そう?

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