95話 授業と初めての感情
この章、説明多いような……
私はケルトさんと別れ、教室に戻った。
流石に廊下は走れないため、のんびり歩く事になったけどね……。
教室に着くとオルドさんが「お前ら、何で遅れたんだ?」と言ってきたので「話込んじゃって」と答えた。間違っていないわよ? だって、話込んだのは本当なんだから。
「まぁいい、席に着け」
「は~い」
周りの人は、席に座っていた。こっちをちらちら見てるけど、特に気にせず席に座る。
するとオルドさんは、話を始めた。
「今回は、奴隷についてだ。知ってる奴もいると思うが、勘違いしてる奴もいるかもしれないからな」
奴隷とは
人としての権利や自由を認められない。また、他人による労働を強制される。
魔法による、契約または破棄が行える。契約された場合、上記の事が適用され契約主に対して逆らえなくなる。
もし、奴隷が契約主を殺めた場合。奴隷は契約違反となり、息を引き取られる。契約主が自殺または他に殺された場合、フリーとなるが奴隷に変わりはない。
「ということだ、主としては契約してもいいが。奴隷にはなるなよ」
ということは、あの人達が言ってたのはそういうことね。ゲオールさんが怒るのも分かるわね……。
ゲオールさんが居なければ、私のこのこ付いていくとこだったの? 怖いわ、やっぱり知識くらい知ってた方がいいのかな……。
オルドさんは私に「お前が一番危ないんだがな、人が良すぎるし」と溜息混じりに言ってきた。うっ……確かについていきそうだったわ。
「先生、何でそんな事が広がったんですか?」
「発端は国ごとに理由は違うが……だいたい人は金になるから、罪人を他国に売った事が始まりと言われてるな」
ナタリアさんがそう質問したに対して、オルドさんは淡々と答えた。
割と周りの貴族は知っていたらしく、当たり前でしょ? という言葉が聞こえた。私知らなかったです! 異世界に来て1年も経って無いわね。
この世界って、前世より治安が悪いのかしら。
「最近は異種族差別が、各国で見られるから。気をつけた方がいいぞ」
「何で私を見て言うんですか……」
「お前が! 一番、危ないからだ!」
私を見て言われたので、反抗すると。信用ならないという風に、叫んだ……酷い、私知らない人について行かないわよ。
全員もオルドさんの言葉に、肯定して「マリアさんなら、ありえるわね」と口を揃えていた。
そこまで、子供っぽいかしら……。
「まぁ、身の回りの世話とかさせるのが一般的だな。酷いとこだと……いや、いいか」
「何かあるんですか?」
「気にするな……それでだ。よく異種族が居る……それは、差別する国が増えたからだ」
私って結構危ないじゃないの……。でもマルズダマは種族平等国家らしいし……魔族は嫌ってたけど。
ハルデルト国はどうなんだろうか? 裏で色々あるなんて知らないから、ゲオールさん辺りに聞いてみようかな。
そんな事を思っていると、オルドさんは続けた。
「この国も奴隷商売してる場所はある。しかし、国も認めてるため買うのはいいが。潰すのは捕まるぞ」
「人身売買も国の利益になるから?」
「そうだ、例えば……果実の不作や魔物の侵攻で、金が足りない時。何ですぐに稼げると思う?」
ナタリアさんの問いに答えつつ、例を出して。オルドさんは一呼吸置き、そして……「人だ」と言った。
労働するにも、人が必要……生活するのにも、開発するのにも。人が居なければ、意味がない……と。
「今日の授業はここまでだ、後は各自聞きたい事あったら聞いてくれ」
「「「「はい」」」」
そう言って、オルドさんは教卓に寄り掛かり……何か考える表情をしていた。
私は近くに行こうとすると、ナタリアさんとメルトさんが付いてきた。
何か訳がありそうだけど、少し聞きたい事があったわ……。助ける為じゃないけど、相場ってどのくらいかな? と思ったから。
「オルドさん~」
「ん? お前らどうした、何かあったのか」
「値段とか何も言わなかったから」
オルドさんは「お前、買うつもりか?」と言ってきた。私は「金銭感覚がよく分からなくて」と答えた。
メルトさんは「黒貨5枚くらいですわ」と答えたけど。黒貨1枚いくらだっけ?
ナタリアさんは「黒1枚9000くらいよ」と言った。あれ、そんなに中途半端だったっけ?
私が疑問符で一杯になっていると、オルドさんが。
「最近は、黒4枚くらいで……この国だと1枚9500だな。後、通貨の値段は国によって違うからな」
「「そうだったんだ……」」
ナタリアさんと一緒に、声を上げていた。メルトさんは「私は、父から色々聞いてますから」と言っていた。
メルトさんの家、商業で功績残してたわね、何かそんなイメージ無いから……。
そういえば、前世でも国が変わると通貨も違うし……理解出来るわね。
「奴隷と契約しても、寮にも入れないがな……人権が無いからな」
「そうなんだ……」
「当然じゃない! 奴隷は人権が無い上、主人に何されても構わないって事ですのよ!」
とメルトさんが何時にもなく、真面目だった。もしかして、お金の話とか人権になると性格変わるの?
という事で、授業が終わる時間になったため。放課後になった。
のんびり料理研究部に顔を出そうかと、廊下に出ると……。ケルトさんとリンアさんが話していた。
「2人共どうしたの?」
「あ、マリアさん。何時もなにしてるか聞いていたんですよ」
なんだろう、このモヤッとした感じは……。ただ、話をしていただけなのに。私は「そう?」と返すとケルトさんは「どうしたんですか?」と心配そうに聞いてきた。
初めての感覚だから、分からないわ。ケルトさんが遠くに行ってしまいそうで……。
「な、なんでもないわ……」
「そうですか、僕は今日。別行動取らせてもらってもいいですか?」
「いいけど、どうしたの?」
つい私はそんな事を聞いてしまった。ケルトさんは「リンアさんが今日の事で心配だと言うので」と言われた。そうなのね、まぁあんな事があれば……当然かな。
私は「分かったわ、今日はのんびり過ごすわ」と答えた。
2人は廊下を歩いて行った。私は気分は先程より落ちていた。
私はそのまま、料理研究部に歩いていった。
次は、料理研究部と?




