○地獄八景亡者戯◉ラウンド7
三途の川を無事渡り終えた清六喜八の一行は大きな道が交差するところへとたどり着いた。
「広い道だな、何本も交差してやがるぜ。清やんどっちへ行けばいいんだよ」喜八は辻に立ちキョロキョロとしていた。
「喜公、あっちを見なよ”案内所”ってとこがあるぜ、行ってみよう」と店屋に入ると康成が
「ちょっとお聞きしますが案内所と看板が出ておりまして私たちは初めてきたものでよくわからないのですがどうすればいいのです?」案内所の緑鬼が
「初めてとおっしゃられても大抵の人は地獄は初めてでおま、ここは六道の辻と申しましてこの世とあの世の境目でおます。それぞれの辻にはいろんな店がありますわ」
「へぇこの道はなんです」「そこは見世物小屋が立ち並ぶ演芸街ですな。散楽や猿楽に田楽などの芸人たちが活動してます。ほらそこの演目は”菅原伝授手習鑑”と申しまして、かの菅原道真様の左遷と、それにまつわる悲劇を描いたええお芝居ですぜ」
「どれも楽しそうだな。あっちの道は」
「念仏屋街ですわ」
「念仏屋?なんだいそれは」
「閻魔様に提出書類を書いてくれるんです。宗派ごとに分かれますよ。天台宗ですか(真言宗?どっちですか」
「どっちも関係ないぜ。ほっとけいてな感じの奴らばっかりですわ。この辻を抜ければやっと地獄に入れるわけだな」
「まあそないなとこです。でも地獄の入り口はまだ開いてませんぜ。一週間、辻々楽しんでお待ちください」
「一週間それはどうしてだ」
「死んで初七日で追善法要の期間ということですよ」
と一行は地獄の門が開くのを楽しむこととなりました。




