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夢の世界より  作者: ていきょー
8/31

西暦2020/12/24(木)


カカカカカ・・・カンカンカンカンカン・・・

ジジジ・・・


「俺らの予想は概ね、正しかったんだ」


昔から疑問に思っていたことがあった。

それは地球上の生命について。


説では、古代の地球にタンパク質が含まれている氷隕石が降ってきて、

地球は溶岩で溢れ、同時に巨大な氷隕石は蒸発、大気で覆われた。

大気は大雨と蒸発と凝固を繰り返し、海が出来た。

タンパク質はこの地球のミキサーサイクルによって結合し、遺伝子が形成され、

やがて細胞が形成されそれが生命の起源となったとある。


だがそのタンパク質を含む氷隕石は、いったいどこから?

遺伝子という複雑なバイオ構造が地球という惑星の高々自然現象で形成されるとは到底思えない。


ある学者によると生命が構築される確率は、100mプールに部品をバラバラに捨て

それをかき混ぜて腕時計が出来るようなものだ、とも語られている。


では、氷隕石タンパク質の説が間違いだったとしたらいったいどこからやってきたのか?

それ以上考えることをやめ、思考を止めた者以外は誰もが持っている疑問だと思う。


俺はこう考えていた。


もし人類がこのまま存続し、発展し続けたなら

その過程で必ず「シミュレーション」し、観測することで更に知を深めるだろうことを。


「今も俺たちは観測されている。それは正解だったんだ。」


ガコっ!

ゴゴゴゴ・・・・

ガシャン


ロス平の体は目の前の7色の発光に照らされ、それに呼応するように輝いている。


しかしちょっと認識が違ったのは「そいつら」が一般的に想像されている万能な神ではなくて、

今の俺らのような知的好奇心のある生物だということ。

そして、ロスやこの地球に居る人間よりも不自由な世界での生存を強いられていて、

今も存在し、観測しているということだ。


ロス平の口数は、俺が真実を理解する度にだんだん少なくなっていた。

その理解を悟っているかのように。


「しかし地球の土壌はシリコンが豊富で色々なものを作るのに最適だな。

‥‥ヤハウエさんも目を付けるわけだ。」


そのヤハウエさんというのが、遺伝子の創作をしては宇宙に散りばめては観測しているらしい。

姿は違えど、ほぼ感性は人と一緒。細胞があって分裂しているれっきとした生物であり、

我々のモデルとなった人間だそうだ。


とてもえらい人で、様々な星を統治していたがやがて管理惑星には管理者を設け、

その管理者も管理者を設け、地球にはエロヒムという当時神と呼ばれていた人物が今も管理者らしい。


まるでおとぎ話。

どうにもそんなことは信じられないと告げたら、この通り。

ロス平はそのヤハウエさんが住む惑星オラムと、惑星二ビルに俺を連れて行こうとやる気満々で準備をしているというわけだ。


この2惑星はグレートアトラクターにほど近く、地球とは比にならない程に星自体がバカでかいそうだ。

高密度で気圧も磁場も高い為、それに耐えうる体でなければ意識を維持できない。

それには肉体のままではダメだ。もちろん宇宙服でも無理。耐えうるにはロス平のように機械の体にするしかない。

都会から離れた、近辺は人通りが少ない広くて安い貸工場を数か月借りて、あっという間に何やらすごい重機を配置し、虹色に輝く「何か」を工作している。


ガシャコン!

バババババ


今まで見たことも無いような設備が全自動で稼働している。


なんとも不思議だったのが、今日も無数のまん丸ドローンがひゅんひゅんと、

目にもとまらぬ速さでその謎の設備に出入りしている。もはや物理法則を無視しているかのように

壁という壁をすり抜け、一部は地中に潜り込んでいるようにも見える。そしてなんと、触れないのだ。

ドローンの殆どが地球上のあちこちに、素材を取りに行っていて、一部は鉱脈の座標調査をしているそうだ。


ロス平にこのドローンたちは何故すり抜けることが出来るのか?

一体どうなっているのか?と問うと、ロス平はめんどくさそうにこう返した。


「タイムマシンの応用だってば。今ちょっと忙しいから簡潔に言うとー


行きたい方向の障害物を破壊しては移動して、時間を戻して物理破壊した形跡を元に戻す。

…って処理を障害物が現れる度に繰り返し行ってるから俺達にはすり抜けて見えてるだけだ。

だから破壊音も聞こえないし何も壊れない。わかったか!」


そう言うと、忙しそうにくるっと回って、いろいろ悩んでいた。


「…ブツブツ…ケイ素と鉄とアルミいいけど、地球ってニッケルとコバルトとチタンは無茶苦茶少ないな…めっちゃ必要なんだが…ブツブツ」


「レアメタルってやつか。そんなに必要なの?」


「ああ。あっちは磁場が強く、温度も高い。最低でも惑星二ビルとオラムに耐えうる状態にしとかないとな。」


「そんなヤバイ天体に行ったことがあるのか。」


「もちろん。そこは宇宙航路の港、様々な流通の分岐星になっていたりする。きっと驚くぞ。」


「危険はないのか?」


「そりゃあるよ。だからそのために準備してんだよ。」


「・・・」


質問したいことが山ほどあったのだが何やら忙しそうで、この期間に少しずつ確認していった。

・今作っているのは、肉体をここ(地球)に安置する為のIsorationPodと、タイムマシンG+NXKシリーズの超軽量小型版G+NX-M6k50及び小型原子炉モジュール付きのアバターの二つ

 ※ロス平と同じ感じになる

・1日だけの小旅行を計画している

・アバターに何かあっても肉体に損傷が無ければ意識は肉体の方に戻るようになっている

・惑星二ビルは太陽系はおろか天の川銀河にもなく、なんと約2億光年離れた場所に位置するらしい

・惑星オラムも同様、こちらは更に遠く今は約3.5億光年離れた場所に位置し、グレートアトラクターをまたぎちょうど地球やロスと反対側に位置

・惑星二ビルは今地球人の間ではオカルトの扱いで架空の星とされているが、太陽系にあるなどの誤解から観測できない為に架空とされ続けている

・グレートアトラクターに近く、高速でその周りを公転する銀河に所属する、巨大な氷の惑星

・惑星オラムに「遺伝子」に関するバイオテクノロジーの最高峰施設がある

・「惑星二ビル」「惑星オラム」は地球人だけの呼称

・ロス米は俺の疑いを晴らすついでに、オラムで最新の医療Podの設計図を買い付ける予定


・・・と、別の予定があるので今日の日記はここまで。

近頃忙しい。ゆっくりこれまでのことをつづる時間が欲しい。

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