西暦2022/2/03(木)
2022年2月24日、ロシアがNATO拡大とネオナチとウクライナ軍によるロシア系ウクライナ住民の虐殺と過去ゴルバチョフ書記長による約束を反故にしてきた西欧諸国によるNATO勢力拡大を理由にウクライナへの侵攻を開始する。
これをきっかけに、このパラレルワールドの人類史としては日本の首相の就任やアメリカ大統領の左派による選定より翌年の2024年のある日、第三次世界大戦が勃発する火種に発展する、というのがロス128bのアーカイブに人類史として残されているわけだが・・・
この日記でその話をすると細かい国の私情の真実、詳細語りだすと永遠に語ってしまうので、その強烈な記憶だけに留めこの辺にしておく。
確かにその戦争で亡くなる方々は少なくない。しかし、そのあとに起こる大惨事に比べたら、我々人類は何と無知で、想像力にかけていたのだろうと、今のこの地球についてかの地では「原始生物の星」と言われているのも納得がゆく。
何年たっただろうと日記を読み返したのだが、経済的に何の不自由もなくなった2016年ぶりにあの夢を見た。そして、今筆を手に取り久々にあの夢の日記をつけようと思った。
そう、月のようなあの場所の夢だ。
体はロス平が来て去年からペリロイドではあるもののどうしても脳だけは機械化が叶わず、肉体との通信を伴わなければならない為に筋肉の衰えは栄養素の補充により不要でも、どうしても睡眠時間が必要だ。
その為睡眠時にはペリロイドを使ってない時と同様に、さまざまな夢を見る。
数年見ていなかったあの夢でまた新たな発見があったのでここに綴る。
あの謎の黒い球のワープホールからロス128bには、以前は体が大きかったので
頭だけ突っ込むのが精いっぱいだったが、今は自分の精神的な自我も
ペリロイドを伴うようになったせいか、体を自由に小型化して好きなように出入り
できるようになっていた。
以前の話をするが、
ロス平に何故こんな大量のペリロイドを作成する必要があるのか、
何故そんなに焦っているのかを問うた時に2040年のタイムマシン墜落になる前に
世界規模の戦争になる可能性や地球環境の危機から脱出する計画があること、
宇宙からの別の生命体による襲来がある可能性について知ったからだ。
その時、俺たちと同じように夢から別の技術を地球に持ち込んだ人間が他にいないか?
という話になって、十分可能性があるという結論に至った。
むしろそんな人、いや、そういう類の人間はこの地球には実は大勢いて、しかし能力が
人並外れた力だったら普通は明るみになるような使用は避けるのではないか?という議論だ。
この世の中、実は分からないことだらけで満ち溢れている。
不可解なことが有っても何の不思議もない。
数年前からとにかく自分が、その境遇なのだから当たり前だ。
もし能力を持っていても決して見つからないような態度をとっているに違いない。
見つかったらどんな実験材料にされるか、どんな兵器として扱われるか、
そんな境遇にあっても不思議ではない。いずれにせよ、見つかれば自由を奪われるのだ。
よくアニメでそういう能力を持っている人同士では徒党を組んで何やら目的に向かって
あれやこれやその時に応じて弾圧だの敵対勢力だのの問題解決をしようとする流れになるが、
そんな馬鹿なことするわけがない。
そもそも徒党を組んだり公にするからさまざまな問題が起こるわけで、
能力をつかうのは最小限、誰かに見られないように、なるべく知られないようにすることこそが
問題を起こさない唯一の方法だ。ヒーロー気取りほど馬鹿なことはない。墓穴を掘るだけだ。
ひとりひとりが核を保有しているようなものだ。
静かに、特殊能力は自分の大切なものが奪われると確証を得るまでは一切、
世の中から隠すことが賢明な判断のはずだ。
やるとしてもマジシャンのようなエンタメとしての利用程度に留めるべき。
彼らは「種がある」前提で不思議な現象を見せているに過ぎないのだ。
見つかったら最後。そのゆく先は技術の奪い合い、高確率で「戦争」、最悪「地球環境崩壊」だ。
何故この話をつづっているかと言うと、もしもそんな未来の技術をもった能力者、
または少なくとも未来の情報を知っている人間がいるとしたら、きっと2040年に起こる
タイムマシン不時着の大事件を知っている人間がその技術の独占を画策する可能性がある。
そして、もしそうならロス128bのオービタルリングにあるアーカイブで見た歴史、約2年後、戦争が起こるという歴史にも頷ける。
唯一その戦争を起こす者に誤算があったとしたら、それは俺たちだ。
夢から未来を覗き見た俺は、その事実をこんな小説サイトに日記を残すことくらいに留めている。
俺の場合「時折、夢から未来の情報を得ることが出来る」という能力からタイムマシンや
場所の瞬間移動が出来るようになるという能力を身に着けたが、例えば
「透明人間」のような能力よりはずっとコソコソ他の能力者の調査をすることも
容易く出来ることだろう。いろんな監視カメラの配置などの調査は必要だろうけど。
また、ロト7を大当てした時にはオレゴン州のスタジアムに不時着するタイムマシンの人間を
その時までに潤沢な資金を準備しつつ、安全な不時着場所を用意して、事前に死亡者無しで無事に迎える画策もした。
しかしそれらは調整の中に起こりうるリスクが多く、見るに堪えない未来になる可能性が高すぎる。
おおよそ人には無い予知能力、犠牲者を出さぬ未知なる技術力。そりゃあ人類に危害を加えようと思えばいつでも加えられる存在がいるとしたら、一部はのどから手が出てくる輩もさることながら、何よりそんな存在に対しては分からないことからくる耐えがた恐怖に苛まれるものだろう。
能力者はどのような能力を持っているか分からない。
その為こちらが先に検知される可能性がある。
オレゴン州スタジアム不時着事件に備えることは、なぜ事前にそれが起こるのかを信じてもらうために多くの人間を巻き込むことになる。
その中に能力者が居たら自分の身が危険にさらされることになるのだ。
ならばなるべく他にバレないような場所で秘密裏に爪を研ぎ澄ますことこそが俺たちの能力の価値を最大限に生かせることであると判断したのだ。
あの時当てたお金はちょっと贅沢な生活をするために、投資なんかには足がつくので手を出さず、そのまま口座に収めたまま目立った使い方はあれからしていない。
普通に働いて、普通に稼いだ額よりもちょっと妻と贅沢するのに使うくらい。
なので、1つ1つペリロイドを組んでは時間を戻して
・・・を繰り返して、実際の時間軸では数分程度の作業で家に帰りこの作業の時間以外
普段の生活をするようにしている。
金なんぞ、もはやこの技術があれば、必要な時に必要な分だけ、必要と思うことがあればそれに支払いをするだけ、ストレスを感じたときにそれを発散するために金を使うだけ、という目立たない使い方だ。羽振りを利かせて遊んだり、豪華な
綴ってなかったかもしれないが、タイムマシンは広範囲には実行できない。
これは広範囲であるほど、そして長時間であるほど寿命に影響してしまう。
なので、作成した1つ1つのペリロイド+肉体安置ポッドのセットと、
俺たち+肉体安置ポッドだけに空間を限定してタイムマシンで戻す作業が必要になってくる。
その際、ロス平の肉体はロス128bにあるので、毎回その座標をタイムマシンで自動指定している。
タイムマシン自体に情報があるわけではなく、具体的にはロス128bにある
大容量データベースに座標が登録されていて、量子テレポーテーションで
瞬時にタイムマシンから情報をひっぱって実行できる仕組みになっている。
前置きが長くなってしまったが、夢の話に戻る。
ロス128bの図書館に訪れて、また歴史の情報を漁りに来た。
気がかりだったのは俺が以前に見た時には2040年に電車型のタイムマシンが
オレゴン州に不時着する歴史だったが、それが変わっていないか、別の事件が起きていないか、
などだ。
俺が夢で未来を見たこととそこから得たことを現代に持ち帰ったことで歴史が大きく
変動していないかが不安で不安で、長い事、もし次にこの夢を見たら
真っ先にアーカイブを確認しようと思っていた。
しかしアーカイブがあった図書館は、以前の場所にはどこにも見当たらない。
というか、建物自体が簡素化されていてさらなる未来に来ているようだった。
ハルマ君が急に背後に現れた。
今思うと不思議なのだが、この時はペリロイドのような体では無かったように感じられる。
以前見た夢ではロボットみたいな姿だったのだが、実に人間らしい形だったのに不思議と
初めて出会った感じはしなかった。
「あなたは誰?何を探しているの?」
「おお!ハルマ君!久しぶり!」
「??僕を知ってるの?
・・・ってことはあなたはもしかして、鉄平さん?」
「うん。そうだよ。そうか、歴史は変わっているのか・・・」
ここはオービタルリングではあるようだが以前に見たような風景に近いものの
もっと作りは単純、複雑な建設の一切が排除されているように見える。
メイプルは点在していて宇宙エレベーターベルトもあるので、ロス128bの周りを
回っているように見えるは見えるのだが。
「図書館を探しているんだけどこの辺になかったっけ?見当たらないんだ。」
「ダメだよ!歴史を模索するようなアクセスは!」
「・・・!?どうしたの急に。」
「だってこの世が消されちゃう!」
「え、え、いったい誰に?」
「vw0にきまってるじゃないですか!
鉄平さんが歴史を探ることに依って無限にパラレルワールドが作られて膨大なエネルギーを使うことになってしまうんですよ!これは貴方と惑星二ビルとの協定です!」
「???」
・・・はっ!とした。
辻褄が合った。おそらくこのオービタルリングを創ったのは俺とロス平だ。
そして惑星二ビルにいる住人が恐れていたvw0の存在。
vw0は全てのパラレルワールド、この世という仮想世界をつかさどっている存在だ。
惑星二ビルではvw0と意思疎通をしていると聞いている。
つまり、この俺自らが図書館の歴史アーカイブへのアクセスを制限したのだ。
「学校でも歴史を確認しようとしていたら止めるように強く警告されています。
ただ、鉄平さんの場合はアクセスしないように止めるだけで理解して、
それ以上歴史を探そうとはしないと聞いてるけど・・・本当に見ちゃいけない理由は理解した?」
なるほど、流石に俺でも、俺自身が夢をみることだけは制限できないことを分かっていたんだろう。
「止めてくれてありがとう。大変なことになってしまうところだった。
ここを創ったのは、俺なんだろ?」
「そうです!よかった。。。」
ここは以前みた未来の夢とは別の未来だ。
そして、以前見た未来の夢はもう見れない。歴史は俺の夢一つで変わってしまったのだ。
「過去に惑星二ビルでは大変な議論になったようです。鉄平さんが現れたことによって
タイムマシンの制限が作られたり。でも鉄平さんが見る夢だけは惑星二ビルでも制限できないので、
貴方を過去から存在自体を消す話も出ていたとか。」
「・・・」
まっとうな話だ。
俺が夢から未来の情報を持ち帰ることができる、という奇妙な能力は何にも勝る恐怖に違いない。
「じゃあなぜ、俺を消さなかったんだろう・・・?」
「それは鉄平さんが、『その能力を乱用しなかったから』とか
『安寧を望む者』として認められたからだそうです。学校の教科書にも書かれていました。
これって、鉄平さんは惑星二ビルでも、逆に必要とされているってことなんです。」
「俺が必要・・・?」
「はい。唯一惑星二ビル以外でvw0との交渉が出来る存在だからです。
今も鉄平さんは様々な星々を走り回ってますよ。いろんな問題を解決する為に。」
「へ、へえ。。。」
(これから面倒なことが起こるんじゃないかとっても不安だなぁ。。
もしかしてロス平が地球の俺に情報を提供したのにはそういう理由があったのかな?)
その時にふと疑問がわいた。俺がここに再び現れたということは、
過去から順を追って生きた鉄平とロス平はまだこの未来に存在していて、
そして今俺がここにいるという事は、ロス平のようにまた残留する俺が作られるという事、
つまり夢を見る度にここに来れば俺が未来に残るわけで・・・
未来は夢を見る度に沢山の鉄平でいずれいっぱいになるのでは?という疑問だ。
「変な質問をするようだけど、俺はあれから何回ここに現れた?」
「そう質問してくることも分かっていました。
心配しないでください。この世界では今色んな星をめぐっている鉄平さんとロス平さんと、
今ここにいる鉄平さんで最後です。
だってここは、そういう歴史の線でたどられたパラレルワールドですから。」
そうだ。
この世界ではこのロスを創った俺とロス平と、今ここにいる俺以外には存在し得ない未来だ。
もうこの先夢を見てもここに来なければそれ以上はパラレルワールドは作られないし、もし
この先またこの夢を見て、ロスに来たとしてもそれはまた違うパラレルワールドの未来になるってことだ。
「よくわかった。それも今世界を回っている鉄平とロス平からの伝言なの?」
「はい。未来が作られる度にエネルギーが膨張することを理解すれば
未来に来ることそのものが得策ではないことを本人が理解できると。」
未来を覗き見て情報を夢から覚めて現代に持ってゆく度に、技術進歩は計り知れないが、
新しいパラレルワールドが作られ繰り返すことにはリスクがあるってことだ。それがよく分かった。
「・・・俺の他にも、過去から来た、って人居ないの?」
「それが・・・実はたくさんいるんです。。。だから鉄平さんはこのエネルギー膨張による弊害を
警告をするために多くの有人星の星々を回っているんです。。。」
あー、やっぱり。しかしその返答は聞きたくなかった。
ってことは、夢から覚めたら現代にはやっぱり未来の情報を掴んでいる人間が大勢いるってことだ。
「わかった。この未来にこの体は残るけど、馬車馬のように使ってくれと鉄平に
伝えておいて(笑)夢から覚めたら、俺は俺でその時間軸を懸命に生きるとするよ。」
「承知しました(笑)。きっとそれは今この世界で奔走する鉄平さんも助かると思います。
vw0の住人はきっと、大変そうな鉄平さんの運命も一つの物語のように楽しんでいると思います。」
そうしてハルマ君は俺を抱きしめてきた。小学校6年生くらいだろうか。
「うううーおごうあーん」とお腹のあたりに体をうずめて、泣いているように見えた。
今そのひと時をかみしめる様に。
お父さん?ハルマは俺の子なのか?
それを思った瞬間に、不思議と涙がでてきた。
自分がもし子供を授かっていたら、こんな気持ちになるのかなと思った。
いっしょに訳の分からぬ涙を流している中で、夢から覚めた。
もっと夢の中で色んなことが有ったのだと思うけどトイレに行く間に細かいことは忘れてしまった。
今思うと、父である俺はずっと宇宙を旅していて殆ど我が子にも会えない状況なのかもしれない。
そして過去から来た俺に、ハルマの父であることを悟られないように「お父さん」ではなく
「鉄平さん」と言うように言われていたのではないだろうか。
もし子供を授かることになったなら、きっと同じ名前をつけるよ。ハルマ。
そして、この世界には能力者がいる可能性が高まった。
そして明るみにならないようにひっそりと、俺たちと同じようにひっそりと
爪を研いでいるかもしれない。
誰にも悟られないように準備しなければならない。
お父さん、がんばるよ。未来の子、ハルマよ。




