遭遇
真っ黒な闇に染まった空の下、草以外何もない、だだっぴろい平原。
そこに、2人の少年は倒れていた。
「うっ……」
最初に気がついたのは、黒髪の少年、ダスクの方だった。
ダスクはあたりを見渡すと、まずここがどこかわからないということに不安を抱いた。
しかし、そばにいた茶髪の少年、ソワールのことを目にとめると途端に目を見張った。
「ソワール、ねぇ、起きて、ソワール」
ダスクはソワールのことをゆすり起こす。
「う、うん……?」
ゆすられてしばらくすると、ソワールも目を覚ました。
「大丈夫?体にどこか痛むところとかはない?」
心配そうな表情でダスクが問いかける。
「ああ、俺は大丈夫だ。お前は平気か?」
「うん。僕も大丈夫だよ。……それにしても、ここはいったいどこだろう」
あたりを見渡しても、暗くてよく見えない。
持ち物を確認してみると、狩りで獲った獲物はなかったが、武器の類はあることが分かった。
「さぁ……とりあえず、村か街かどこか探すしかないな。それまで食事はお預けだ。」
その時だった。
不意にダスクの体が突き飛ばされる。
かなりの勢いで衝突された模様で、ダスクは痛みにうめく。
そちらを見やると、人ほどの大きさもある角が2本生えたウサギが3羽、ダスク達に敵意を向けていた。
「なんだこりゃ!?おい、大丈夫か!」
ソワールがショートソードを構えながら言う。
「うん、なんとか」
ダスクもショートボウを構える。
先ほどダスクに体当たりを食らわせたであろう、一番前にいたウサギが今度はソワールに狙いを定める。
しかしソワールの反応の方が速かった。
ソワールはそのウサギに頭上から斬りかかる。
その刃はウサギの頭を半分まで切り裂いた。
「なんだこのウサギ、いやに頑丈だな」
しかしそれでも十分だったようで、ウサギは倒れた。
その間に、ダスクも矢をつがえ別のウサギに向けて放つ。
その矢はウサギの目玉を貫通し、そのウサギも絶命した。
残った1羽のウサギは、その様子を見てあわてて逃げて行った。
「ふぅ……びっくりしたぁ」
「なんだったんだろうな、これ。見たことない生き物だけど」
「それはホーンラビット。魔物よ。」
突然聞こえたその声の方向を向くと、そこには全身に鎧を着こんでいる女性がいた。
しかも、そのそばには空中に浮かんでいる光があった。




