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倒した敵は俺の力になる 〜魔物だらけのダンジョンを攻略しながら、ドロップ品を配信で売って一気に億万長者へ〜  作者: 上部乱
巽の塔ー風山漸

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第67話 呪われた鉱山

 

地震はひどかった。


体ごと半歩横にずれて、足元の土が重さを失ったように、上下に揺れるたびに地面から放り出されそうになった。

 

遠くで、近くの斜面の土砂が崩れ始めた。

砂埃が斜面から立ち上がって、ゆっくりと溢れ出す川のようだった。

広場の横の一棟の家から屋根瓦が何枚か落ちて、地面で砕けた。

 

ゴブリンたちの顔には明らかな恐怖があったが、動き方を見ると、地震というものにとっくに慣れているようだった。

 

一人も悲鳴を上げなかった。一人も逃げ惑わなかった。

 

何人かは膝をついて地面に手を当て、何かを押さえようとするように。

何人かは傍らの老人や弱い者を支えて、開けた場所へゆっくり移動した。

その場に立ったまま、ただ空を一瞥して、また頭を下げた者もいた。土砂崩れが過ぎ去るのを待っているような顔で。

 

揺れは十数秒続いてから、ゆっくり収まった。

 

いくつかの建物の屋根から土埃が落ちてきて、空気に土がひっくり返されたような匂いが漂っていた。

 

『地震大きかった!』

『このゴブリンたち、落ち着きすぎ』

『完全に慣れてる』

『この呪術師、今日初めて脅しに来たわけじゃないんだな』

 

私はふと彼らに親しみを覚えた。地震という天災に対するあの淡々とした受け止め方が、私の國の人たちに似ていた。

 

「こういうことはよくあるんですか?」

ワカナが体に積もった薄い灰を払いながら、眉をひそめて聞いた。

 

「そうだよ。」

一人のゴブリンが答えた。今日の天気を話すような、落ち着いた口ぶりで。

 

「呪術師がこっちへ歩いてくるとわかってから、地震の強さが日に日に増してる。」

 

「これはどのくらい続いてるんですか?」

ユウキが続けて聞いた。手はまだ剣の柄に添えたまま、目は油断なく周りを見渡していた。お姉さんの本能がなかなか気を緩めさせなかった。

 

「あの呪術師がこっちへ向かって歩いてきて、もう一年以上になる。」

 

一年以上。

私とユウキが目を見合わせた。どちらも何も言わなかった。

あの化け物が、彼らに向かって歩き続けて、一年以上。

 

「でもなんか……数日前に初めて来るって気づいたみたいな感じがして。」

サチが首を傾けて、目いっぱい不思議そうにした。

 

ゴブリンが少し黙ってから、遠くの別の山頂を指さした。顔に何とも言いようのない落胆が浮かんだ。

 

「あいつが突然、向きを変えたから。」

彼は言った。「もともとはあっちを通るはずだったんだけど……」

 

もともとは別の山頂を通るはずだった。

つまり彼らは一年以上前から、ある種の運命を受け入れていたということだ——呪術師は別の場所を踏んでいく、自分たちのここは大丈夫だろうと。

 

ところが今、その足跡が向きを変えて、自分たちの屋根に向かって落ちてくることになった。

 

『これ……死刑判決が一年遅れて届いたようなものじゃないか』

『ゴブリンの不運値が限界まで振り切れてる』

『あの末日みたいな顔、そりゃそうだよ』

 

「もし私たちがあの呪術師を討伐してあげたら、お礼は何をくれますか?」

フェアリーの声が私の肩のそばから飛び出した。抜け目ない商人のような計算高い口ぶりで、その場の全員を一瞬固まらせた。

 

「フェアリー!」

ユウキが目を見開いた。

 

私もほぼ同時に反応した。

「何てことを言うの?」

 

「主様はただ働きしちゃダメです!」

フェアリーが両手を腰に当てて頭を高く上げ、その強気な態度を少しも崩さなかった。

 

「えっと……私たちは……」

ゴブリンたちが顔を見合わせて、ひそひそと寄り集まった。

 

一人の年配らしいゴブリンが、磨き込まれた木の杖をついてゆっくりと出てきた。手を上げて、谷の中の一か所の坑道を指さした。

 

「あそこに鉱山がある。中に熱を持って光る緑の呪われた方晶があって、かなり値打ちがある。」

 

村のゴブリンたちがまたひそひそ話し始めた。

 

「えっ、それは困るよ……」

「あの石を掘ったら命が縮むんだよ……」

「でもこの人たちなら何とかできるよ!」

「これを差し出せなかったら他に何がある?」

 

ゴブリンたちはひそひそ話をしているつもりだった。


でも私たちの体にはまだ風霊鳥の強化効果が残っていて、霊感と反応の数値がまだ高かった。ひそひそ話を聞き取るのは難しくなかった。

 

「あの……そんなに大きな声で話してたら全部聞こえますよ。」

私は額をこすりながら、少し呆れた声で言った。

 

本当に責める気はなかった。話しぶりからして、私たちを困らせようという気は欠片もなく、ただ自分たちには必要のないものを報酬として差し出そうとしているだけだった。

 

「あはは!全部聞こえてましたか?」

杖をついた老ゴブリンが照れ笑いして、しわくちゃな顔の皺がさらに寄り集まった。

 

「呪われた鉱山、どうかな?」

振り返って、みんなの意見を聞いた。

「興味ある?」

 

「光るって言ってたし、熱も持ってるって言うし、」

ユウキが顎に手を当てて真剣に考えた。

 

「呪いじゃなくて、放射性の強い鉱物じゃないですかね。だから掘ったら命が縮むって言ってるんだと思います。」

 

「ねえ、放射性?」

ワカナの目がすぐに輝いた。

「危険そうだし、値打ちもありそうだよね。」

 

「でも放射性の鉱物は、気軽に売り買いできないでしょう。」

私は眉をひそめた。

 

「そうですね、」

ユウキが頷いた。

 

「NPTという核不拡散条約もあるし、勝手に掘り出したら、またマスミが妙な国際組織に目をつけられかねないですよ。」

 

「表立って売らなければいいじゃない。」

ワカナがエコバッグを背中に回しながら、何か良からぬことを企んでいるような笑みを口の端に浮かべた。

「淳一はいろいろ裏の手を知ってるし、ボカ・デ・クペのあの麻薬組織の連中だって、買い手を見つけてくれるはずよ。」

 

ユウキとサチが私の左耳で語りかける天使なら、ワカナはきっと右耳でそっと囁く小悪魔だった。

 

『ワカナ、マスミに闇市取引をすすめてるwwww』

『ワカナ本当に悪いことしか頭にない』

『ボカ・デ・クペの麻薬組織、さっき倒したばかりじゃない?』

『ちょっとこの会話、配信していいやつ?』

 

私は数秒黙って、考えを巡らせた。

 

「決まり!」

最後に私が決断した。

「あの大きなやつを追い払う代わりに、その呪われた鉱物が出る鉱山を私たちのものにする。」

 

「やった!」

「決まりだ!」

「よかった!」

「お祝い!お祝い!」

 

ゴブリンたちが特赦を受けたように喜びの声を上げた。まともに立てない老ゴブリンまで杖を振り上げて一緒に揺れていた。

 

「それだけじゃダメです!」

フェアリーの声が突然鋭くなり、その祝いの空気を断ち切った。

 

あの子がゴブリンたちの前に漂い出て、両手を腰に当て、騙された商人のような厳しい顔をした。

 

「あんなに厄介な鉱山を私たちに押しつけるだけで済むと思わないで!」

 

その口ぶりが、一つのことを示していた——あの子はこれらの鉱物について、かなり具体的に詳しいようだった。

 

「そんな……」

「じゃあどうすればいいの?」

 

このゴブリンたちは、気持ちのサウナを一往復させられているみたいだった。

最初は恐怖で、私が希望を与えて、フェアリーがその希望を半分ぶつりと引っこ抜いた。

 

何人かのゴブリンの顔がたちまち曇り、老ゴブリンの指が杖の上で緊張したままこすり続けた。

 

「ふん!」

フェアリーが顎を上げた。

「私の主君に臣従すると約束してください。主君があなたたちを守ります!」

 

「ちょっと!」私は思わず隣で小声で言った。「これじゃ火事場泥棒みたいじゃないの。」

 

こんな場面で忠誠を要求するのは、少し卑劣な気がした。

 

でも意外なことに、ゴブリンたちはぽかんとして聞いた——

「シンジュウって、どういう意味?」

 

そのゴブリンが機械的にその見慣れない言葉を繰り返した。

 

私とユウキが同時に固まり、笑いそうになった。

 

フェアリーが真剣に説明した。

「私の主君の言うことを聞いて、礼儀正しく接して、時々いいものを差し入れして、そうしたら主君があなたたちを守ります。」

 

「それだけやれば——」

杖をついた老ゴブリンが丁寧に確認した。

「あの呪術師を追い払ってくれるんですか?」

 

「もちろん!」

フェアリーがさらに顎を上げた。

 

『フェアリー、これは本当にうまい手だ』

『臣従契約ワンストップサービス』

『ゴブリン、自分が何に同意してるか全然わかってなさそう』

『ちょろいでかわいいな』

『マスミ、また勢力を一つ手に入れたwww』

 

「マスミ、」


サチが私の袖をそっと引いて、ひそひそと囁いた。

「この鉱山を受け取って。きっと何とかなるから。」

 

「どうして?」頭を下げて聞いた。

「予言が見えた?」

 

サチが頷いて、いつも持ち歩いているちょっと端が折れたノートを小さなバッグから取り出した。

 

一枚一枚めくって、あるページで止まった。

そこには、彼女らしいわらべ歌のような口調でこう書いてあった——

 

『ぬれたみずさかなが鉱石を掘る、手が鉱石に触れるとどんどん崩れるけど、おかあさんがすぐに手を生やしてあげる』

 

「ぬれたみずさかな?」

その一文を見つめながら、首をひねった。

 

「アンドリアス・サピエンスのことです。」

サチが顔を上げた。目が澄んで輝いていた。

「渙の泉庭に入る前に覗いた未来で、あのとき私にはまだあの子たちが何なのかわからなかった。」

 

その言葉を聞きながら、あの子が意味のわからないことを一つ一つ丁寧に書き留めてきたことを思い、胸の中に言葉にしにくい感嘆が湧いた。

 

こんなわけのわからなそうなことを、ちゃんと全部保存しておいてくれたことが本当によかった。

サラダの再生能力を、こういう高放射性の採掘作業に使うというのは、確かに完璧な解決策だった。

 

アンドリアス・サピエンスの回復能力はサラダほど強くないかもしれないが、サチの予言から見ると、同種同士に何か別の繋がりがあって、互いの再生能力を高め合える可能性がある。

 

「わかった。」

振り返って、まだ不安そうに待っているゴブリンたちに笑いかけた。


「あなたたちの忠誠を受け取ります。そして私があなたたちを守ります。」

 

「やったー!村を移らなくていい。」

「主君万歳!」

「何を差し入れすればいい?」

「焼き猪でもいい?」

 

ゴブリンたちがまた一斉に歓声を上げた。

感情の切り替わりの速さに、私は少しついていけなかった。

 

「それは嬉しいね!」

笑いながら頷いた。

 

焼き猪。

この報酬は、どんな放射性鉱物よりも温かみがあった。

それにピクシーのところでは毎日蜜のケーキを食べていてとっくに飽きていたし。

 

動物性のたんぱくと脂肪が恋しかったんだよ!

 

懐から承風鈴を取り出して、軽く手に握ったまま、上を見上げた。

 

空中のあの曖昧な顎が、まだそこにあった。

ただ今は、さっきより少し近くなった気がした。

 

あれだけ大きなものを相手にするには、風霊鳥を全員呼び出さないと無理だろう。

 

『猪かわいいな』

『このゴブリンたち、ちょろいで可愛い路線で来てる!』

『マスミ、もう始めるの!?』

『風霊鳥全軍出動!!』

『大きな戦いが見たい!!』



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


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