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倒した敵は俺の力になる 〜魔物だらけのダンジョンを攻略しながら、ドロップ品を配信で売って一気に億万長者へ〜  作者: 上部乱
濁世の一

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第57話 最高の特別プレゼント


そのチンピラの名前は取り上げるに値しない。

でも私の質問に何でも答えようとするその態度が、周りの仲間たちを目を丸くさせた。


「マルコの住処はここじゃない。

上流を船で半日ほど行ったところだ。ここは武器工場だ。」


周りの人間が二種類の目でその男を見ていた——死人を見るような目と、自分も同じ目に遭うのではと心配する目だ。


それから一人が動いた。

真っすぐ突進してきた。


目標ははっきりしていた、しゃべった男だ。

口を塞ぐつもりだ。


さりげなく一投げして、切風翎でその男の足の甲を地面に釘付けにした。


前のめりに倒れて、顔が地面に叩きつかさり、鈍い音がした。


歩み寄って、しゃがんで、切風翎を地面から引き抜き、その男の服で拭いてから仕舞った。


「マルコが連座制を好むなら——」立ち上がった。


「今あなたたちに唯一残っている生き道は、私に寝返ることですよ。」

微笑みながら言い終えた。


誰も動かなかった。

誰も喋らなかった。


静寂の中に残っているのは、足を釘付けにされた男の押し殺したうめき声と、遠くのジャングルから聞こえる虫の鳴き声だけだった。


この場の顔を一通り見渡した——恐怖の浸透具合は、思っていたより深かった。


マルコへの畏れは、数言で覆せるものではない。


仕方ない。

正直なところ、今すぐ寝返りたいという者が何人か出てきても、私は信用しない。


こういう人間は、節操なく風向きに従う分、いっそ敵のほうがまだ扱いやすい。


「フェアリー!」振り返った。

「特製のオレンジジュース、たっぷり飲んでもらって。」


フェアリーの目が一瞬輝いて、翅をひと振りして、手のひらの薬水を前に差し出した。

後ろについていたピクシーたちがすぐに散らばって、手際よく一人ずつ処理し始めた。


『オレンジジュースまた出てきたwwwwww』

『特製オレンジジュース』

『フェアリーのあの表情、ちょっと楽しそうじゃない?』

『ピクシー族の隠れたS属性が発覚した』

『配信者の手下のピクシー、どんどん秘密警察みたいになってきてる』


ワカナの声が電話口から聞こえてきた。

「マスミ、飲ませたらどれくらいで効く?」

「すぐ。」

「じゃあ今からボスを探しに行くの?」

「うん。」

「……気をつけてよ。」


その言葉に心配が滲んでいた。

まったく、そんなに気を遣わなくていいのに。


スマホを持ち直して、別の番号を呼び出した。


二コール鳴って、ユウキが出た。

「マスミ?」


「剣持警官、コロンビアとパナマの当局に伝えてもらえますか、大きなプレゼントが待ってると。」


スマホをスクロールしながら言った。

「ボカ・デ・クペ、マルコの武器工場を片付けました。」


電話口がしばらく静まった。

「わかった。向こうには何人いる?」

「私の側は私一人。マルコの部下は二百人くらい、全員縛ってあって、今は抵抗できない。」


また沈黙。


「……さっきパナマとコロンビアの警察に連絡する。私からの連絡を待って。」

電話が切れた。


ピクシーたちに現地調達をさせた。

村から縄、電線、それにジャングルの縁から引っこ抜いた太い蔓を集めさせて、ぼうっとし始めた二百人あまりをしっかりと縛り上げた。


縄の技術はかなり確かで、何人かのピクシーが分担して作業すると、速度が速くてつい見入ってしまった。


『ピクシーの縛る効率が高すぎる』

『目が虚ろになってるやつかわいそうwwwwww』

『配信者ここに置いてくの?』

『コロンビア警察早く来てね!プレゼントあるよ!』


長居せずに彼らを残して、さっきの男が教えた方向に向かって上流へ飛んでいった。


船で半日の距離を、飛べば二十分もかからない。


ジャングルが下で少しずつ流れていき、川が夜の中でかすかに光って、星を映していた。


熱帯の夜の空気は湿っていて、草と泥の臭いを帯びていた。

地元の空気とはまるで別世界だった。

十分ほど飛んだところで、明かりが見えてきた。


あのばらばらの小さな黄色い点じゃなく、はっきりした配置の照明が、

ジャングルの切れ目から溢れ出していた。

意図的に、丁寧に配置された光の感じがした。


もう少し近づいて、はっきりわかった。

下流の武器工場はスラムのように見えた。

でも上流のこちらは、テクノロジー長者がパーティに使うような別荘の作りをしていた。


プールが庭の中央にあって、水面が照明を反射していた。

周りにいくつか建物があり、メインの建物の外観はガラスカーテンウォールで、周囲には刈り込まれた熱帯植物が植えられていた。


四方が有刺鉄線で囲まれていて、重装備の警備員が外周を巡回していなければ、旅行雑誌のリゾート別荘とほとんど変わらなかった。


高空で止まって、フェアリーと一緒に場内を一通り見渡した。


見張り台が三つ、高いところにそれぞれ傭兵がいて、装備は下流の連中よりずっと専門的に見えた。


外周を巡回している者たちも、かなり専門的な訓練を受けているのが見えた。


川岸にも船が何艘か停まっていて、何人かが積み荷の装備を確認していた。


遠目からでも、警備員たちが緊張した空気を帯びているのがわかった——下流での出来事は、もうここへ伝わっているはずだ。


『この別荘、豪華すぎる』

『下流と扱いが全然違う!』

『ボスと手下の差がすごいwwwwww』

『配信者が来たってもう知ってるの?』

『あの警備員めちゃくちゃ緊張してる』

『マルコ本人は?メインの建物の中?』


「ワカナ、次どうすると思う?」

「なんで私に聞くの!」向こうで声が上がった。

「自分が一番わかってるじゃない!」

私に相談もせずに勝手に国際的な麻薬王の本拠地に乗り込んだことに、怒っているのだろう。


この友情にそう簡単にひびを入れてはいけない。


「意見を聞きたかったんだよ。」

彼女に大事にされていると感じさせなければならない。


意見を採用するかどうかは別として、聞かないわけにはいかない。


「……」二秒黙ってから。

「こっそり入り込んで、一人ずつ片付けて、そのまま直接マルコを見つける?」


「それもできる。」

残念ながら今回は意見が少し違った。


でも答えてくれたということは、怒りは収まったはずだ。


「でも、そうはしない。」

「なんで?」

「マルコを片付けても、まだ私に手を出そうとする者がたくさんいる。

観の門であの日、過激な宗教組織、企業傭兵、少なくとも四カ国の諜報機関を見た。」


ワカナが少し黙って、何も言わなかった。


「マルコを一瞬で仕留めても、彼らには謎しか残らない。でも、マルコがどうやって負けたか目の前で見られたら——」


少し間を置いた。


「こういう人間は恐怖で他者を支配するのが好きだ。だから、恐怖で自分自身を縛らせてやる。」


『おおおおお配信者これちょっとかっこいいこと言った』

『もう大学生バイターの思考回路じゃないだろ』

『もう先のことまで計算してる!!』


「だから……」

下で煌々と明かりの灯る別荘を見回した。


「マルコを、最大限に派手なやり方で叩き潰す。」


深く息を吸った。

「風霊鳥、全員来て。」


観の門の向こうの転送口が次々と開いて、

風霊鳥たちが光の中から溢れ出し、私の周りに隊形を広げた。


翅を打つ音が夜風の中でどんどん密になっていき、歌声が四方から集まってきて、重なり始めた。


一層、二層、三層——

あの懐かしい共鳴が体の中で少しずつ積み重なっていくのを感じた。


反応、筋力、霊感、どれもゆっくりと上がっていった。


下の警備員たちはすでに異常に気づいていた。

望遠鏡を上に向けている者、通話装置に向かって叫んでいる者がいた。


灯りのついたメインの建物を見つめながら、心の中でどこから先に手をつけるか計算した。


最初の一撃でマルコを倒してはいけない。

泣きながら命乞いをさせて初めて、この仕事は終わりだ。


でもよく考えると……それは殺すより難しかった。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


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