第240話 見えざるガーディアン
匂いがまた変わった。
知覚の中に、簡潔で直接的な一文が浮かんだ――熱した金属、乾いていて、かすかに硝煙の匂いを帯びている。
間もなく、その一文は別のものに切り替わった――泥と苔、湿っている。
俺は一つずつ記録して、何か規則を見つけようとしたが、記録するほどに混乱していった。ある瞬間は焦げた土、次の瞬間は錆、その次は腐った果物の甘ったるい匂い――順序もなく、同じものが二度と現れなかった。
どれもシステムが俺のために翻訳してくれた文章で、正確で完璧だった。だが、どれだけ読んでも、俺自身は何の匂いも感じなかった。
「自分の体に戻りたいです」俺は老人に言った。
「一度、自分の鼻で匂いを感じてみたいので」
老人は抱えた本に目を落とし、一枚ページをめくり、二行ほどの文字に目を留めてから本を閉じた。その読み方はどこか慌ただしく、同時にいくつもの用事が彼を待っているかのようだった。
「放射線はもう下がった。お前自身の体でも耐えられる」老人は言った。
「行ってくるといい。ただ、余計なことはしないように」
彼はウインクをして、あの目に見えない気体の塊の方へ軽く頭を傾けた。
俺は化身を解いた。
ゴーレムの体は前部から溶け始め、細かな光の粒となって、雨の筋に沿って上へ舞い上がっていった。脚は関節ごとに緩み、砲身が消え、文様の板は霞のような光となって解け、最後には砂に突き立てていた脚の列を支えていた力まで、きれいに散っていった。
次の瞬間、視界が一気に低くなった。
両足が濡れた砂の上に着地し、足裏の下で砂粒が崩れ、膝が一瞬ふらついてから体重を立て直した。栓はまだ右手にあり、記憶より重く、表面はびっしょりと水に濡れていた。
雨が直接顔に当たった。
冷たい雨粒が額に、頬に、首筋に落ち、襟元をすり抜けて肌を伝い流れた。俺は何度も強くまばたきをした。睫毛が水でくっつき、視界がぼやけた。
どうしても、二つを比べてしまった。
ゴーレムの目は全方向を同時に見ることができた――どの雨粒がどこに落ち、何粒に砕けたかまで、はっきり分かっていた。それが今は、目の前のこの小さな地面しか見えず、遠くの岩壁は雨の帳に呑まれて灰色に沈み、老人の輪郭さえぼやけて見えた。聴覚も違っていた。ゴーレムなら雨音を無数の細い筋に分けて、一本ずつ別々に聞き取ることができたが、今のこの耳は、ただ一塊の轟音しか返してこず、老人がページをめくる音さえ半分埋もれてしまった。
俺はゆっくりと息を吸い込んだ。
土、灰、そして錆。三つの匂いが一気に鼻へ押し寄せ、くしゃみが出そうになるほど濃かった。
システムの翻訳した文章は正確だったが、この匂いは生きていた――鼻を刺し、喉を締めつけ、どれが先でどれが後かすら分からず、ただすべてが一緒に顔へ押し寄せてくるだけだった。
ゴーレムの時には、こんな混乱も、こんな生々しさもなかった。
振り向いてみようとしたら、思っていたよりずっと軽い動きだった。ゴーレムなら、後方の脚を固定してから前部を少しずつ回していくしかなかったが、今は腰を一回ひねるだけで全身が向きを変えた。その軽さがあまりに奇妙で、足が滑り、そのまま泥に踏み込みそうになった。
軽すぎる。脆すぎる。
横から風が吹き込み、全身がびくりと竦んだ。濡れた服が背中に張りつき、手のひらは汗で滑り、心臓が速く激しく胸を打ち続け、鼓膜にまでその拍動が伝わってくるようだった。
そうか、俺はずっとこんなに緊張していたのか。
ゴーレムは疲れることも、怖がることもなかった――その緊張はすべて警告の表示の裏に隠されていた。だが今、それがこの自分の体へ一気に押し寄せてきた。足に力が入らず、手が震え、胃の中で何か重く落ち着かないものが渦巻いていた。指は栓を強く握りすぎて、関節が白くなっていた。
「どんな感じだ?」老人が尋ねた。
「うるさいです」俺は素直に答えた。
「それに、生々しい」
老人は頷き、口の端をわずかに上げた。
ちょうどその時、目の前の空気が揺らいだ。
それから二箇所目、三箇所目。
ワカナ、ユウキ、サチ、フェアリーが次々と俺の傍に現れ、砂から細かい灰色の水の輪を跳ね上げた。
「マスミ」ワカナは着地した瞬間、まっすぐ俺の前まで歩み寄り、両手を腰に当てて、俺を上から下まで見た。
「あの命取りの放射線がなければ、もっと早く来てたんだから」
「放射線はもう下がったの」フェアリーが優しく言った。
「私の一族も、もう通れるようになった」
彼女が言い終えると、空気がさらに何度も揺らいだ。
小さなピクシーたちが海民を一人ずつ運んで砂の上へ下ろしていった――セバスティアン、プルトンシャ、アラユ、ニャリク、マファガイスが全員到着した。
「マスミ!」アラユの声はざらついてかすれていた。
「俺たち、来たぞ!」隠しきれない興奮が声に混じっていた。
この男は――気に入らない相手には徹底的に鬱陶しいやつになるが、気に入った相手には、まるで忠実で気立てのいい犬のように振る舞う。
「声を落としてください」セバスティアンが低い声で言った。
「主様のところに、どなたかいらしています」
ニャリクが羽の水滴を振り払い、視線を周囲に走らせてから老人の上で止めた。プルトンシャがゆっくりと体の向きを変え、マファガイスが短く鼻を鳴らして半歩後ろへ下がった。
エンヴェルとラットンが最後に到着した。エンヴェルは紙の束を胸に抱え、ラットンは説明書をしっかりと握っていて、二人とも着地の際に少しつんのめった。
「大将、持てる限りの資料、全部持ってきた」エンヴェルが息を整えながら言った。
「この状況なら、何か役に立つかもしれないと思って」
「このご老人、誰?」ワカナが老人の頭のアイビスの頭巾を見つめ、眉をきつく寄せた。
「マスミ、さっきこの人と話してたの?」
老人は本を反対の腕に持ち直し、軽く頭を下げた。
「失礼した。俺はジェフティだ」
「ずっとマスミの本の中にいた。この姿で皆の前に現れるのは、今日が初めてだ」
セバスティアンの赤い触角が鋭く震えた。彼は前へ進み、右手を胸に当て、腰を深く折って頭を下げた。その動きとともに、背の曲線から水が流れ落ちた。
「ジェフティ様でしたか」
「俺はセバスティアン、海民の使者です。本日、直接ご挨拶できて、光栄に存じます」
「そんなに畏まらなくていい」老人は軽く頷いた。それまでいつも物事を急いで通り過ぎていたその視線が、今はセバスティアンの胸に長い間じっと留まったまま動かなかった。
「セバスティアン。七百年以上前のあの件――俺はずっと、その結果を自分の目で見たいと思っていた」
セバスティアンの赤い触角が固まった。胸に当てた右手に力が入った。
「主様……あなたがそれをご存知だったとは」
俺は思わず自分の胸に触れた。服の下で心臓が手のひらに鈍く響いていて、以前フレイヤが言っていたことを思い出した――セバスティアンは、彼より前に変身させられた者だった、と。
ワカナが目を見開き、セバスティアンと老人を見比べた。
「セバスティアン、この人のことまで知ってるの?」
「ジェフティ様のお名前は、確かに以前から耳にしておりました」セバスティアンは体を起こしながら言った。口調はまだ丁寧だったが、自分の手首を握る指の関節がわずかに白くなっていた。
「ジェフティ様……」サチの声がかすかに震えた。彼女は両手を合わせ、老人に深く頭を下げた。
「いつもマスミを助けてくださって、ありがとうございます」
「そんなにお礼を言わなくていい」老人は彼女を見て、口調がずっと柔らかくなった。
「この若者が自分の足でこの道を歩いてきたんだ。俺はただ付いてきただけだ」
ユウキの視線が周囲を一巡し、最後に俺の上で止まった。
「こんな時に姿を見せるなんて――ここで何か大変なことが起きたの?」
「今、この場所を見張っている見えない守護者がいる」老人は声を落とし、皆に向かって言った。
「どうか、しばらく動かずにいてくれ。何もしないでほしい」
「見えもしないものに、動くなって言われても困る!」ワカナが目を見開いた。
「先に攻撃してきたらどうするの?」
「あれは見張るためだけにいる」老人は淡々と答えた。
ワカナは口を開いたが、言いかけた言葉を呑み込んだ。
ユウキはすでに静かに俺の傍へ移動し、背中を俺に向けて、あらゆる方向へ油断なく目を走らせていた。
サチも寄り添ってきて、シャツの裾をきつく握り、肩を俺の腕に押しつけた。その温かさが伝わってきた。
フェアリーが手を上げると、ピクシーたちが一瞬で翅を畳み、音も立てずに彼女の後ろへ並んだ。
「この匂い……」ニャリクが急に眉を寄せ、声を低くした。
「さっきまで錆の匂いだったのが、今度は焼いた肉の匂いに変わった」
「大将」エンヴェルが目を閉じて深く息を吸った。
「この匂い、俺たちの人数と一緒に変わってるのか? 俺たちが来てから、ずっと入り混じりが増えてる」
俺は固まった。
その通りだった。俺は今、自分の鼻で匂いを感じていて、彼らが現れた瞬間から、匂いはさらに重なり合っていた。焦げた土と青草の匂いが同時に存在し、錆が湿った落ち葉の匂いに混ざり込んでいる。まるで誰かが、まったく違うものを幾つも同じ鍋でかき混ぜたかのようだった。
「主様」セバスティアンが静かに言った。
「この守護者、どうも俺たちに興味を持っているようです」
老人は答えず、ただ一人ひとりの顔を見渡し、まるで人数を数えているかのように、それぞれの上で一瞬視線を留めた。
誰も動こうとしなかった。
雨はそれでも皆の肩に打ちつけ続け、砂の上の濡れた跡がゆっくりと乾いていった。
もうこの匂いは永遠に変わり続けるのかと思い始めた頃、すべての匂いが一気に消えた。
俺は大きく息を吸い込んだが、鼻に届いたのは澄んだ冷たい空気だけで、匂いは何も残っていなかった。




