第238話 人の姿で現れた智慧の神
半蛇の男が言い終わるより先に、地面にとぐろを巻いていた体がすでに前へ弾き出ていた。
緋色の鱗が水面を擦り、長い白い筋を切り裂いた。旋回する余裕はなく、俺はただ銃口を傾けて、その白い筋へ真っ直ぐ一発撃ち込むしかなかった。
水の柱が砂に叩きつけ、大きな灰色の泥しぶきを巻き上げた。蛇の体を持つ男はすでに地面を滑り抜け、体を半ば丸めてから側面へ突っ込んできた。
「話し終わる前に攻撃してくるのか? ずるいやつだな!」
俺は叫んだ。
彼は答えなかった。
尾が高く持ち上がり、俺の前部へ向かって叩き落とされた。回避する時間がなく、俺は前方二節の脚を交差させて受け止めるしかなかった。重く沈んだ音が響き、全身が長く後方へ押し流され、砲身が自分の接続ポートに激しく当たって音を立てた。
ちょうどその時、センサー配列の端に、金色の光がかすかに映った。
ずっと俺に付き添っていた知恵の書が空中に浮かび、表紙の一部が暖かい黄色の光を帯びていた。まるで中に蝋燭を灯したかのようだった。雨粒が一つその上に落ち、しゅっという音を立てて薄い白い蒸気になった。
知恵の書が自分から光っているのか?
それが何を伝えようとしているのか、はっきり見たくて仕方なかったが、半蛇の男の尾はすでに引き戻され、水面の上で輪を描くように丸まって、次の一撃を溜めていた。
俺は前部を泥から引き抜き、彼の蛇の体へもう一発撃ち込んだ。今度は尾の先をかすめ、水の勢いで緋色の鱗を何枚か洗い落とした。彼はしゅっと音を漏らし、体が後方へ跳ねた。
「お前……」
彼は声を低くして右腕を上げ、鋭く振り下ろした。
雨の帳そのものが裂けるように開き、目に見えない圧力の波が水面を薙いで押し寄せ、背面に残った装甲を鋭い音でばたつかせた。全身が横へ押し流され、俺は機械の脚を砂に食い込ませて、かろうじて踏みとどまった。
「俺が殴られるだけだと思うなよ!」
俺は鈍重な体を旋回させた。一寸動くたびに、声に出して罵りたくなった。
そばにある本が、ページをめくり始めた。
最初は一枚、それから二枚、三枚と、紙と紙がはためき合う音が雨の中にはっきりと響いた。風はまったく逆の方向から吹いていたのに、そのページはその風に逆らってめくれ続け、どんどん速くなっていった。金色の光がページの間から漏れ出し、周りの雨粒に降りかかり、空中でそれを細かい金の砂粒に変えていった。
何かを伝えようとしているのか? 意識の半分がそちらへ引かれ、問いたくなったが、敵の攻撃がそれを考える余地すら与えてくれなかった。
ページをめくる音がさらに大きくなった。
彼の視線がその本を一瞬だけ素早く走り、目の端がわずかに細くなったが、動きは止まらなかった。蛇の体が再び跳ね上がり、今度は正面から真っ直ぐ突っ込んできて、尾が池の半分ほどの水をすくい上げ、俺の真上から叩き落とした。
俺の銃口はすでに彼に照準を固定していた。
引き込もうとした瞬間、鋭い鳥の鳴き声が雨の帳を切り裂いた。
本が激しく震え、ページが最後の一枚まで荒々しくめくれ、それから音を立てて閉じた。一面の金色の光が外へ爆発的に広がり、雨の帳全体を、灰白色の池全体を、そしてその男の緋色の蛇の体までも、一瞬で金色に染め上げた。
「シュジョウ!」
その光の中から一つの人影が飛び出し、俺と半蛇の男の間の水の中へ、水音を立てて降り立った。水しぶきが人の半身ほどの高さまで跳ね上がり、俺の前部全体を濡らした。
「やめなさい!」
俺の銃口はすでに満タンだった。力を振り絞って空へ向け、水の柱が轟音を立てて暗い雲へ噴き上がり、高い空で白い霧となって爆発的に広がった。すでに半ばまで振り下ろされていたシュジョウの尾は、その老人の頭上でぴたりと固まり、水が幕のように彼の顔と肩へ流れ落ちた。
俺の全身が固まった。
背が高く痩せた老人だった。白い麻の長衣の裾が水の中でずぶ濡れになり、片腕には厚く重い本をしっかりと抱え、もう片方の手で頭上の頭巾をずっと押さえていた。それは聖なるアイビスの形をした頭巾で、長く曲がった嘴が雨の重さでわずかに垂れ下がっていた。肩が速く上下していて、他の急用を無理に切り上げて駆けつけてきたかのようだった。
彼は濡れた裾を一瞬見下ろし、眉を少ししかめたが、すぐに本を胸元へ抱え直し、袖で表紙の水を手早く丁寧に拭った。それから手を伸ばし、頭巾の長い嘴を元の位置へ直した。その動きは、何度も繰り返してきたかのように慣れていた。
俺の傍はすでに空になっていた。ずっと付き添っていた知恵の書は、消えていた。
あの光は、あの本から出たものだった。本が消えて、老人が現れた。
この二つは繋がっているのか? 思考が、目の前の出来事に追いつかなかった。
半蛇の男の尾が、老人の頭上からゆっくりと引き戻された。緋色の鱗が一枚また一枚と乾いた音を立てて平らに収まっていき、風に押されて傾いた葦の列のようだった。蛇の体が輪を描くようにとぐろを巻いたが、上半身はそれでも真っ直ぐに立ったまま、その目は老人の頭の向こうを素通りして、俺にまっすぐ据えられていた。
その視線は、俺の文様の板の真ん中に打ち込まれた釘のようだった。前部の脚の列全体が強張り、後退することすら考えられなかった。
「ジェフティ」
彼はようやく口を開いた。
「智慧の神が、よりによって邪神が封じられたこの場所に、何をしに来た?」
ジェフティ。
それは知恵の書の中にいる神の名だった。このアイビスの頭巾を被った老人が――本当にあの本そのものなのか?
「シュジョウ、手を引いてもらおう」
老人は本をより強く抱え直した。口調は丁寧だったが、交渉の余地は一切残っていなかった。
「清濁両界の間には、処理すべきことがすでに山ほどある。私にも抱えている仕事がたくさんあるのだから、どうかこれ以上一つ増やさないでくれ」
シュジョウ……
あの半蛇の男には、名があったのか。
シュジョウは答えず、ただ彼を見つめ続けていた。
老人は静かにため息をつき、俺の方へ向き直った。彼の足元の水が輪を描いて広がり、白い長衣の裾が水の中でかすかに揺れた。その視線は俺の損傷した装甲から前部の文様の板へと移り、灼熱の風に削り取られた縁の上でしばらく留まった。
「大変だったな」
彼は言った。声は先ほど叫んでいた時よりもずっと低く、ずっとゆっくりだった。
「渙の泉庭の排水の栓、よく使ったものだ。こんな状況でその手を思いつくとは、お前はなかなか頭が回る」
俺は固まった。
前部の脚が砂の上で落ち着かなげに動き、俺は慌てて答えた。
「いえ……それは仲間たちみんなで考え出したことです。俺はただそれに従っただけで」
「それに俺もあまり持ちこたえられなくて、装甲はかなり削られて……」
老人がかすかに笑い、目の端の皺が寄り合った。
「周りの者に手柄を分け与えられる、それは多くの者より、お前の方が得意なことだ」
「装甲については、すでに修復を進めているではないか。気にすることはない」
そんな年長者にそう褒められて、俺は機械の脚をどこに置けばいいか分からないほど、嬉しかった。
「お聞きしてもいいですか」
俺は思わず口を開いた。
「あなたは……ずっと俺たちを助けてくれていた知恵の書、なんですか?」
「そうだ」
老人は頷いた。声にはわずかな申し訳なさが混じっていた。
「事態が急を要したので、先にこの姿で現れるしかなかった。驚かせてしまっただろう、すまない」
そう言って、彼はシュジョウの方へ軽く顎を傾けた。
「これはシュジョウ、伏羲の輔臣だ」
「輔臣……」
俺は半ば無意識にそれを繰り返した。
シュジョウの視線が俺の文様の板から外れ、背後で絶え間なく泉の水を噴き出し続けているあの栓へ移り、しばらくそこに留まった。
「ジェフティ、なぜ巽の塔に姿を現した?」
彼は問いかけた。
「ここで起きていることは、お前の関わることではない」
老人が顔を戻した。口調はまだ丁寧だったが、目つきは真剣なものに変わっていた。
「私の関わることではない? この若者は私が自分で選んだ代行者だ。彼が行く先には、私もついていく。お前がそれを私に関わりのないことだと言うのは、少々同意しかねる」
「彼についていくというのか? 彼が何をしているか、分かっているのか? 巽の窓が破られたら、どれほど深刻なことになるか理解しているのか?」
シュジョウの声が低く沈んだ。水面の下で尾が緊張し、細かい波紋の輪を広げた。
「それについては、お前よりよく分かっている」
老人は言った。
彼はもうシュジョウを見ず、ゆっくりと俺の方へ向き直った。嘴の曲線を雨が一滴また一滴と流れ落ちていった。
「マスミ、これから彼とちゃんと話をする。少しの間、口を挟まないでくれ」




