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倒した敵は俺の力になる 〜魔物だらけのダンジョンを攻略しながら、ドロップ品を配信で売って一気に億万長者へ〜  作者: 上部乱
巽の塔ー巽為風

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第237話 灰色の雨


栓が砂に当たった瞬間、地面がわずかに沈んだ。


その下から水が勢いよく噴き出した。


【湿度15%】


地面一帯から泉の水が一気に噴き上がり、その水柱は栓を丸ごと呑み込むほどの太さで、砂を大きく掘り返していった。


【湿度25%】


澄んだ水面が輪を描くように広がっていき、瞬く間に俺と風の柱の間に浅い池を作り出した。灼熱の風がその水面を低く吹き抜け、水は一瞬で白い霧となって巻き上がった。


【湿度40%】


ミストキャノンの吸気口が自動的に最大まで開いた。

水の弾薬はすでに満タンまで溜まっていた。


【湿度75%】


センサーの数値は少しずつ上がり続け、極めて低いから、低い、普通、そして一気に上限まで跳ね上がった。


【湿度100%】


俺は体を旋回させ、銃口を風の柱へ向けた。


この体は信じられないほど鈍重だった。ゴーレムが旋回するには、まず後方の脚を固定し、それから前部を少しずつ回していくしかなく、一寸動くたびに処理装置が新たな表示を押し出した。


「速く……」

俺は自分に言った。


銃口がついに風の柱と一直線になった瞬間、俺はもう待たなかった。


銃口から轟音を立てて水の柱が噴き出し、太さは風の柱とほぼ同じで、遠い雷のような低い響きを伴って、橙赤色の炎へ真っ直ぐ叩きつけた。


重く低い音が響いた。


白い霧が外側へ爆発的に広がり、まるで壁の真ん中を突き破ったかのようだった。熱い蒸気が四方へ押し出され、周囲の砂塵を地面へ平らに押しつけた。風の柱の中の炎が鋭く内側へ縮み、根元が二度震え、それまで一面橙赤色だった壁に、暗く空洞のような裂け目が開いた。


「今の音、何!」

ワカナが受話口越しに叫んだ。耳を打つほどの声だった。


「当てた」

俺は言った。

「あいつの炎が薄くなった」


「当てたのか? 本当に?」

アラユの声がざらついてかすれていた。

「やっぱりな、やっぱりな!」


「アラユ、お前の声、爆発よりでかいぞ」

セバスティアンが笑いながら、椰子蟹の甲羅を軽く叩いた。


風の柱の中の人型の輪郭が揺らいだ。


「そういうことか」

その声が中心から届いた。今回は、彼自身のリズムが乱れたのが分かる間があった。

「渙の泉庭とここを繋いだのか。水源を持ち込んできたな」


俺は答えなかった。二発目はもう砲身に装填されていた。


水の柱が再び轟音を立てて噴き出した。今度は炎の竜巻が正面から受けず、風の柱全体が横へ傾いた。水は炎の縁をかすめて通り過ぎ、遠くの岩壁に大きな水の筋を叩きつけて砕けた。


避けたのか。


三発目を装填しようとした瞬間、風の向きが不意に変わった。


それまで四方から風の柱へ向かって引き込まれていた風が、一瞬で完全に逆転し、今度は地面近くを低く吹き渡った。灼熱の風がその浅い池に叩きつけ、水面全体を泡立たせ、大量の水滴を細かい霧に引きちぎって、風の柱へ真っ直ぐ引き寄せていった。


【湿度60%】


あいつのこの一手が、空気中の水分比率を一気に削り落としたのか!


「水を乾かそうとしてる」

俺は低く言った。機械の脚が地面に二本の深い溝を刻んだ。


「水を乾かす? それはなかなか根本から潰す手だな!」

ニャリクが回線の向こうで感心したように言った。

その声の後ろで、何かを試着しているような布の擦れる音がした。


水源まで距離がありすぎた。もう待てなかった。俺は鈍重な体を旋回させ、池へ向かって一直線に突っ込み、池と風の柱の間に体を割り入れた。背面に残った装甲が、吹きつける灼熱の風を正面から受けた。


【外部風圧負荷、急上昇】

【内部温度、安全上限に接近中】

【修復作業、進行中】


警告が行を重ねて積み上がり、修復システムで生えた新しい金属は、熱によってまた縁を何枚か削られた。俺は前部を再び振り向け、銃口を風の柱へ向けて、撃ち続けた。


水の柱が轟音を立てて噴き出し、風の柱を一息に後退させた。

炎の中の人影は、俺にされたことが心底気に入らない様子だった。今度の攻撃には、手を抜く気配が一切なかった。


炎の柱全体が地面近くを大きく弧を描くように薙ぎ払い、側面から回り込んで俺の背後の池を狙ってきた。体の旋回が追いつかず、俺は体を横へ長く滑らせるしかなかった。途中、後方の節が池の縁をかすめ、大きな水しぶきを上げた。


「大将、本当に水を手に入れたんだな」

エンヴェルの言葉が速かった。


「水はあるけど、この奴が灼熱の風でどんどん蒸発させてる」

ラットンが不安そうに言った。


「そうか……」

エンヴェルが一瞬考え込み、それから自信ありげな口調になった。

「でも……水は蒸発したって、そのまま消えてなくなるわけじゃない」


その通りだった。水が単純に消え去るはずはない。

だが実際、炎の中に隠れているあいつが攻撃を放つたびに、空気中の湿度が明らかに下がっていくのを俺は確かに検知していた。


それでも、消えた水がどこへ行こうと、俺はただ補充し続ければいい――渙の泉庭の栓があるなら、水はいくらでも手に入るはずだ。


俺はミストキャノンを撃ち続けた。水の柱と風の柱はすでに衝突し、白い霧が層を重ねて視界全体を埋め尽くしていった。知覚の中で熱と湿度の数値が交互に入れ替わり続けた。灼熱の風が水を一波連れて去り、池がまた新たな一波を噴き上げる。どちらも一歩も譲らなかった。


ちょうどその時、頭上で低く鈍い雷鳴が響いた。

空気の中に独特の匂いが広がった。

その匂いは――熱帯の国を旅したことがあるなら、ある蒸し暑い午後にふと感じたことがあるかもしれない――午後の雷雨が来る直前の、あの匂いだった。


湿って重苦しい空気が、空が落ちてきそうなほど重くのしかかっていた。


雷鳴は俺の聴覚センサーを通り、送信信号に変換されて仲間たちのスマホへ届いた。


「これは……」

プルトンシャの息遣いに、どこか懐かしむような色が混じった。

「雷?」

セバスティアンがいくらか疑わしげに言った。

「へっ! そうだ、これは午後のどしゃ降りの前に来る雷だ」

マファガイスが珍しく口を開いた。

「ああ……一気にどっと降ってくるあの雨か!」

アラユが嬉しそうに巨大な鋏を打ち合わせた。


「水がそのまま跡形もなく消えるわけないって言っただろ!」

エンヴェルの声は得意満面だった。


蒸発した水分が風の柱に巻き上げられて高く舞い上がり、空に厚く暗い雲を作り上げていった。雲の底で灰色の影がうねり、どんどん低く垂れ下がっていった。


俺は温度と湿度の数値を監視した。どの数値から見ても、本格的な雷雨が本当に近づいていた。

同時に、ついでのように気づいたことがあった。これは単なる雨の問題ではない――この一帯の空気には、まだ放射性の砂塵が濃く残っている。


放射性の砂塵と雨水。これはまったく良い感じがしなかった。


地下の巨大な陥没穴が残した放射性の砂塵は、この大規模な戦闘によってすべて空へ巻き上げられていた。その微細な粒子が水分を凝結させる核となり、一つひとつの周りで水滴が大きくなっていき、やがて支えきれなくなって落下を始めた。


最初の雨粒が、前部の文様の板に鋭い音を立てて当たった。


続いて二粒目、三粒目。


やがて荒野全体が雨に包まれた。豆粒ほどの太い雨粒が、灰色の水しぶきを砂の上に次々と散らしていった。


雨はますます強くなり、池の水面に無数の小さな窪みを刻み続け、灰色がかった水の輪が次々と重なり合い、池の縁へ向かって広がっていった。澄んでいたはずの泉の水に、薄い灰色の膜がかすかに差し始めた。


栓は絶え間なく水を噴き出し続けた。灰色の雨が降り込み、澄んだ泉の水が下から押し上げてくる。二つが混ざり合い、白く濁った池になっていったが、ミストキャノンはそれでも同じように、残らずきれいに吸い込んでいった。


俺は前部を向け直し、また撃った。


水の柱が風の柱に叩きつけられ、白い霧が爆発的に広がった。気流の破裂が雨粒を粉々に引きちぎり、四方へ撒き散らした。風の柱の中の橙赤色が、さらに一段暗くなった。


あの炎の男は、俺とのこの対決が簡単には済まないと気づいたらしかった。


風の柱全体がさらに速く旋回し、空から降り続ける雨粒を一つずつ振り払おうとした。だが、この雨はあまりに重かった。水が四方から炎へ叩きつけ、一粒ごとに鋭い音を立てて蒸発し、白い煙が細く立ち上り、炎はどんどん低く押さえ込まれていった。


さっき使った池を乾かす手も、もう何の役にも立たなかった。蒸発させた分だけ、空がそのまま同じ量を降らせてくる。


「音が……変わった」

プルトンシャがゆっくりと言った。その口調には、珍しく急いた色があった。

「炎が……小さく、静かに」


「雨の中に、何かが鳴る音が混じってる」

ユウキが即座に割り込んできた。速く、落ち着いた言葉だった。

「あいつの炎の柱が消されかけてる。マスミ、撃ち続けて!」


「ほう!」

マファガイスはその一声だけを漏らした。深く頷いているような声だった。


「雨よ続け! 撃ち続けて!」

ラットンが興奮したまま繰り返した。声が裏返っていた。


俺は前部を向け直し、一発また一発と撃ち続けた。水の柱が風の柱へ叩きつけ、雨が水の柱へ叩きつけ、荒野全体が渦巻く白い霧の塊になっていった。銃口からの水音と、風の音と、雨の音が絡み合っていた。


風の柱の中の炎は、もう持ちこたえられなかった。


最後の橙赤色の層が雨の中で一点まで縮み、かすかな音を立てて消えた。


炎を失い、轟いていた風の柱は声を失い、灰白色の渦巻く風の輪だけが残った。蒸気と雨が混ざり込み、回転はどんどん遅くなり、低く沈み、ほどけていった。


それから、その旋風が真ん中から裂け開いた。


中から人間の姿が歩み出てきた。


上半身は裸で、肩幅が広く、背中には引き締まった筋肉が刻まれていた。顔と肩には暗い赤色の模様が描かれ、長い髪は頭頂で紐に束ねられ、首には獣の牙と翡翠を連ねた飾りが掛けられていた。


そして腰から下は、太く長い蛇の体だった。


下半身は一面に緋色の鱗で覆われ、一枚一枚が雨の下で光りながら、地面にとぐろを巻き、ゆっくりと俺へ向かって進んできた。


雨が彼の肩を伝い落ち、地面で細い流れとなり、あの波立つ池へ合流していった。


彼は池の向こう側で足を止め、空から降り続ける雨を一度見上げ、それから自分の足元の白く濁った水を見下ろし、口の端をわずかに上げた。


雨は彼の蛇の体を伝い流れ、腰の鱗がかすかに逆立っていた。


「この雨は……お前の力じゃない。濁世の者に、こんなことができるはずはない」

彼は言った。


雨は降り続けていた。

俺の銃口は、彼に狙いを固定していた。


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