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倒した敵は俺の力になる 〜魔物だらけのダンジョンを攻略しながら、ドロップ品を配信で売って一気に億万長者へ〜  作者: 上部乱
巽の塔ー巽為風

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第227話 すれ違い


敵の居場所はあっさり見つかった。問題は、この先どう攻めるかだった。


俺はすぐに炎の竜巻へ向かって突っ込んだりはしなかった。目の前のこの頭目が放つ圧力の噴出は、おおよそ一定の間隔で来ているようだったが、「おおよそ」という言葉では安心できる根拠にならない。動き出す前に、もっと細かいところまで見極めておきたかった。


あの従者――超微小浮遊粒子は、まだどこか近くを漂っているはずだった。その存在は感じ取れるが、見ることも聞くこともできない。この魔像の体のセンサーを全部重ねても、何一つ捉えられなかった。


あいつは自分で動くことができない。俺にできるのは、あいつの周りの空気を乱すことだけで、粒子の大まかな動きに乗せられて、方向もほとんどランダムに弾かれていく――どこかに正確に導く方法はなく、周囲の環境を乱すことしかできない。


俺は装甲の前方二枚の板を局所的に加熱し、その狭い空間の空気を外側へ膨張させて押し出した。それから間を置かず、反対側の装甲を急速に冷却し、周囲の空気から熱を奪って、逆方向に流れる対流を作り出した。

この二つの相反する気流が空中で交差し、押し合いながら、それまで方向性のない混沌とした空間の中に、歪んだ水路のようなものを削り出していった。


同時に、機械の脚の先端を地面に押しつけて、短く鋭い震動を連続して送り出し、その衝撃波が地表を同心円状に広がって、周囲の空気の分子と衝突していった。


これらの動作のどれも、あいつが今どこにいるのかを直接教えてくれるわけではない。


だが、これを何度も繰り返して、どこへ行くとも知れないあいつの漂流を、少しずつ俺が設計した方向へ押し流していけば、最終的にあいつが落ち着く場所、あるいは何かに引っかかって止まる場所が、その場に立っているだけでは見えない何かを教えてくれるはずだった。


加熱、冷却、震動のこの一連の動作を十分近く繰り返しながら、その場にかろうじて感じ取れるかすかな存在感に変化がないか、ずっと注意を向けていた。


炎の竜巻がまた圧力を噴出し、巻き上がった砂埃が装甲にぱちぱちと乾いた音を立てて当たった。


ところが不思議なことに、俺の超微小粒子は、まさにその方向へ飛んでいった。


その存在感は急に炎の竜巻の根元のほうへ寄っていき、そこに落ち着いて、もう動き回らなくなった。


俺は一瞬固まり、それからはっと気づいた――そこは岩肌の凹んだ隙間で、他のどこよりも砂埃の堆積が明らかに少ない、気流が届かない死角のような場所だった。


本当に死角だとすれば、この経路は後で使えるかもしれない――近づくためにも、圧力の噴出を避けるためにも。


俺はこの発見を頭の中に留めて、さらに前へ進んだ。


同時に、携帯の接続を通じてワカナの声が届いた。何かをがさがさと動かす音も混じっている。


「装備届いた!」


ワカナの声には興奮が滲んでいた。


「ピクシーたちが観の門に防護装備一式を全部運んでくれた。かなりの量あるから、みんなで中に入って手伝えると思う」


「よし」


俺は短く答えたが、注意はまだ炎の竜巻に向いたままだった。


「そっちはどう? 進展あった?」


ユウキの声も割り込んできた。


「今、この敵を探ってるところだ」


俺は言った。


「外側の者を追い払おうとする風みたいに、断続的に噴き出してくる。圧力の噴出は、おおよそ一定の間隔で来てるみたいだ」


「気をつけて」


ワカナは俺に対する気持ちを隠そうともしなかった。


「装備はもう揃ったから、いつでも支援に行ける状態にはしてある。一人で突っ込んで無茶なことだけはしないで」


「分かった」


通話がしばらく静まり、俺は意識を目の前で渦巻く炎の柱に戻した。


先ほど見つけた死角の経路をたどって、炎の竜巻の根元へ向かって、一歩ずつじりじりと近づいていった。


ここの風圧は確かに外周よりずっと軽く、装甲に当たる砂埃の勢いも明らかに和らいでいた。


風の柱の中心に向かってさらに近づいていくと――


柱の内側、橙赤色の光の中に、徐々に輪郭が形を成していった。直立した、紛れもなく人の形だった。


その輪郭はちょうど風の柱の核心に立っていて、周囲の灼熱の空気が渦巻きながら噴き上がっているのに、その体にはかすりもしていなかった。姿は少しずつはっきりしていった――背が高く、まっすぐに立ち、全身を流れるような橙赤色の炎に包まれていて、顔立ちまでは見分けられない。


その顔が俺のほうを向いた。目があったとしたら、おそらく真っ直ぐこちらを見据えているはずだった。


全身を包む炎の層が、何らかの感情に揺さぶられたかのように不意に外側へ膨らみ、それに応じて周囲の圧力が締まり、渦巻く砂埃が地面近くを低く回転した。


俺の全身が止まった。機械の脚が空中で止まり、それ以上は進まなかった。


「下がれ」


その声は風の柱の中心から発せられ、周囲で唸る風を切り裂いて、俺のセンサー配列へまっすぐ突き刺さってきた。交渉の余地を一切残さない声だった。


「ここはお前が近づくことを許された場所じゃない。二度目の警告はしない」


喋れるのか!

だとすれば……話し合う余地が残っているということか?


「俺は戦いに来たわけじゃない」


俺はできるだけ敵意を感じさせないように声を出した。機械の脚はそれ以上半歩も進めなかった。


「巽の窓の第六の頭目だな。できるなら、力に頼らずにここを通りたいんだ」


「通りたい」


彼はその言葉を一度繰り返した。その意味を一つ一つ測るように。全身を包む炎が突然外側へ爆ぜるように広がり、圧力もそれに合わせて噴き上がった。


「何百年、何千年という時間の中で、俺はありとあらゆる理由を聞いてきた。だが、お前ほど無遠慮なやつは初めてだ――言い訳一つ用意する気もなく、ただ通りたいとだけ言ってのけるとはな」


「言い訳じゃない」


俺は言った。


「本当に、ただ通りたいだけなんだ」


「通った後は、どうするつもりだ」


彼は半歩分、距離を詰めた。炎が長く伸び、その灼熱の中に俺を呑み込んでしまいそうだった。


「この先に何があるか、お前はよく知っているはずだ。誰かが俺を打ち破ってこの道を押し開けば、別西卜がまっさらな身で自由になる。お前らが望んでいるのは、まさにそれだろう? 俺に見抜けないとでも思っているのか」


胸の奥がすっと沈んだ。


彼は知らないのだ。


「別西卜はすでに上にいる」


俺はその渦巻く炎に視線を固定したまま、一語一語はっきりと伝えた。


「俺たちはあいつを外に出そうとしてるわけじゃない。あいつはもう自分の力で先に進んでしまってる――俺はそれを止めるために、上に向かおうとしてるんだ」


風の柱が激しく震えた。続いて噴き出した風は先ほどよりもさらに凄まじく、地面に這うように叩きつけられた砂埃が勢いよく四方へ散り、装甲に鋭くぱちぱちと当たり続けた。


「何を馬鹿なことを言っている」


彼の声が高くなり、隠しきれない警戒がそこに滲んでいた。


「伏羲が設計したこの仕組みに、欠陥など一つもあったことがない。俺が通行を許すと言わない限り、誰もここを通ることはできない――別西卜を外に出せる方法など、絶対にあり得ない」


俺は言葉を失った。


その問いは、そのまま俺自身にも突き返されてきた。


この仕組みが本当に完璧で、六人の頭目が順番にこの場所を守り続けているのだとしたら、一体どうやって別西卜は上まで辿り着いたんだ?


正直なところ、俺にも、あいつがどうやってやり遂げたのか分からなかった。


「それで、お前はどうするつもりなんだ」


俺は尋ねた。


「真相を突き止めることもなく、ただこの場所を永遠に守り続けるのか?」


「俺がどうすべきかを、お前に言われる筋はない」


彼の輪郭がさらに半歩詰め寄り、それに合わせて周囲の炎も伸び、渦巻きながら、圧力が地面を低く這って俺のほうへ向かってきた。


「お前を通すつもりはない」


彼の声が一段低くなり、揺るぎない決意が滲んでいて、議論の余地を残さなかった。


「お前の言っていることが本当だと証明できない限りはな」


「それをどうやって証明すればいいんだ」


俺は言い返した。


彼はすぐには答えなかった。風の柱の中の炎が一瞬止まり、それからさらに激しく渦巻き始めた。まるで彼自身にも答えがないかのようだった。


「お前が嘘をついていないことを証明するのは、俺の仕事じゃない」


ようやく彼が口を開いた。声の中の警戒は少しも緩んでいなかった。


「だが、それが証明されるまでは、お前は一歩も前に進ませない」


俺はその場に立ち止まり、渦巻く炎の壁の向こうで一歩も引かないその人影を見つめ続けた。


どちらも、それ以上は一歩も動かなかった。


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