第214話 なんでこんなにうるさいんだ
俺は自分の奇妙な四肢を見下ろし、深く息を吸い込んで、最前列の節を前へと動かしてみようとした。
その最初の一歩はひどくぎこちなく出た。関節から鈍い軋み音が響き、全身が揺れて、危うくバランスを崩しかけた。この体の重さで地面がわずかに沈み、小さな砂埃を巻き上げる。
ガシャン!
その一歩はあまりにも大きな音だった。
「焦らなくていいよ」
サチが下から見上げながら、励ますように言った。
「急がなくていいから」
俺は二歩目を試してみた。少しは滑らかになったが、それでも自然な動きにはほど遠い。それぞれの節の動きを、意志の力だけで個別にタイミングを合わせなければならず、以前の肉体を操るのとはまるで違っていた。
かつては四肢だけで、両腕と両脚で、その協調はすでに本能に組み込まれていた。だがこの体は百足のように長く連なった形で、節から節へと続き、それぞれの節の下から何本もの細い脚が生えていた。数えきれないほどの数で、その一つ一つの節と脚に個別の命令を送らなければならない――俺の思考のあり方にとってはまったく未知の領域だった。
また鈍い衝突音が響いた。耳をつんざくほどの大きさで、俺は思わず内心で愚痴をこぼした――なんでこの体で歩くと、こんなにうるさいんだ?
ユウキが俺の周りを小さく回りながら歩き、観察しつつ独り言のように呟いた。
「この歩き方、さっき倒したやつとほとんど同じだね」
彼女は小声で言ったつもりだったが、それが俺の耳には驚くほどはっきりと届いた。まるで耳元で直接話されているかのように、一語一語がしっかりと聞こえてくる。
「いつか急に暴走したりしないといいけどな」
アラユがからかうように口を挟んだが、誰も笑わなかった。その発言も同じようにはっきりと届いた。俺が覚えている彼の普段の声量よりもずっと大きく聞こえた。
俺はさらに前方の脚を持ち上げてみた。今度は少し反応がよくなり、大まかには意志に従ってくれたが、それでも苦しいほど遅く、まるで分厚い遅延の層を通して動いているかのようだった。足が地面に触れた瞬間、また鈍い音が響き、俺自身もびくりとした。
なんでみんなの声がこんなに大きく聞こえるんだ? 足音までも――みんな明らかに静かに動こうとしているのに、俺にはまったく静かに聞こえない。
俺はさらに後ろのほうの節を持ち上げてみた。その足の着地音も同じようにばかばかしいほどはっきりと届き、衝撃で跳ねた小石がいくつか転がる音まで聞こえてきた。
そこでようやく、遅ればせながら理解した――問題は仲間たちの話し声が大きすぎることでも、俺の歩き方が重すぎることでもなかった。俺の「聴覚」そのものが、以前とはまったく違うものに変わっていたのだ。
その考えに至った瞬間、俺は再び固まった。
俺は今、耳で聞いているのか?
俺が聞いていると自覚しているその何か、聞こえた情報を分析しているその何か――それは脳なのか?
俺は今、脳で考えているのか?
この体は石と金属でできていて、生物学的な脳を内部に持つ理由などまったくない。それなのに俺は確かにまだ考え続けていて、判断を下し続けていて、自分が「俺」だと感じ続けている――もし脳がないなら、この「俺」は一体どこで機能しているのだろう。
その考えは、これ以上深く掘り下げたくないと思うほど落ち着かなかった。俺は急いで意識を目の前の動きに引き戻した。
「何ぼーっとしてるの?」
ワカナの声が横から聞こえてきて、俺は反射的にそちらへ頭を向けた――その動きは想定していたよりも滑らかで、ほとんど考えることなく動いてくれた。
「お前が歩く音を聞いてたんだ」
俺は正直に答えた。
「え?」
ワカナが瞬きをし、歩調を緩めた。
俺は意識を集中させ、彼女の靴底が地面に触れる一つ一つの接触音を拾い上げた。その震動はこの体を通してはっきりと伝わってきて、人間だった頃に覚えていた聴覚よりもずっと鋭かった。
俺はさらに意識を広げてみた――アラユがサラダをゆっくりと引きずる音、フェアリーの羽ばたきからかすかに伝わる空気の揺れ、セバスティアンの触角が空を掃く摩擦音、一つ一つがすべて、俺が本来聞こえるはずの範囲をはるかに超えた驚くべき鮮明さで届いてきた。
「この体……」
俺はゆっくりと言った。
「普段なら聞こえないはずの音が、たくさん聞こえるみたいだ」
「マジで?」
ユウキが身を寄せ、頭を上げて俺の巨体を観察した。
「どれくらい遠くまで聞こえるの?」
「自分でも限界がどこにあるのか分からない」
俺は正直に答え、さらに知覚を遠くまで伸ばしてみようとしたが、音がますます混沌としてきて、個別に聞き分けるのが難しくなっていった。
サチも興味深そうに身を寄せ、俺から数歩離れた場所でわざと軽く地面を叩いてみせた。
「今の聞こえた?」
「聞こえた」
俺はほぼ即座に答えた。その叩いた震動は地面を伝ってはっきりと体に届いてきた。彼女の声よりもさらに直接的だった。
「これはおかしいでしょ」
ワカナが舌打ちし、さらに後ろに下がって、また地面を叩いて試した。
「これは?」
「まだ聞こえる、ちょっと弱いけど」
ワカナは顎に手を当て、俺の周りをさらに半周歩いた。まるで展示品でも調べているかのようだった。
「これ、盗聴器としても結構優秀なんじゃない」
彼女はそう言った後、自分でくすりと笑った。明らかにただの軽口だった。
だが俺は固まった。
盗聴器。
まさにそれこそが盗聴器に必要なもの――かすかな震動に対する極端な感度――ではないか? もしこの体が本当にそういう性質を持っているなら――同じ方法を使って、俺たちがずっと気配だけで推測することしかできず、実際には一度も特定できなかったあの上昇気流の発生源を、実際に突き止められるんじゃないか?
その考えに至った瞬間、俺自身、うまくいくかどうかまったく確信が持てなかった。
だが少なくとも、探索のための新しい手段がもう一つ増えたことにはなる。
「ワカナ、さっき言ってたそれ」
俺は口を開いた。自分の声にすらはっきりと分かるほどの躊躇いがあった。
「これを使って、ずっと見つけられなかったあの敵を探せるかもしれないと思って」
ワカナの笑みがその顔で凍りついた。
「え、マジで?」
「うまくいくかどうか、俺にも分からない」
俺は正直に認めた。
「でも今、これより良い選択肢はない」
セバスティアンの触角が俺のほうを向き、数秒沈黙してから口を開いた。
「試してみる価値はございます。マスミ様、私どもに何かお手伝いできることはございますか」
「静かにしていてくれ」
俺は言った。
「静かであればあるほどいい。少しの物音でも方向感覚が狂うかもしれない」
みんなが顔を見合わせ、それぞれ自分の場所を見つけて立ち、できるだけ息を潜めた。サチは風纏う爪すら以前よりさらに引き寄せて、余計な音を立てないよう気をつけていた。
俺は目を閉じ――もっともこの体に瞼があるかどうかも定かではなかったが――とにかく意識を完全に落ち着かせようとし、一層また一層とふるいにかけていった。仲間たちの呼吸、遠くでゴーレムの残骸から時折聞こえる崩れる音。
最初は何もまとまりがつかず、ただの音の寄せ集めで、どの方向に本当の標的があるのか見当もつかなかった。
俺は知覚の角度を何度も調整してみた。何度か何かを捉えたと思ったが、よく調べてみると、それは仲間の誰かが立てたかすかな、無意識の物音にすぎなかった。無駄に緊張しただけだった。
一度目、俺は何かを捉えたと思い、西のほうへ向いたが、次の瞬間それがワカナの体勢を変えた際、踵が地面を擦った音だと気づいた。
二度目、安定した震動が意識を引いたが、その源をたどってみると、それはアラユが不安げに鋏を開閉させている音にすぎなかった。
ワカナが横で我慢できずに小声で尋ねた。
「何か手がかりあった?」
「まだだ」
俺は首を振った――その動きがいくつもの節に波及し、かすかな機械の擦れ音を立てた。
「もう一度試させてくれ」
サチが小声でみんなに念を押した。
「みんな、もっと静かにしたほうがいいかも、それで見つけやすくなるかもしれない」
ユウキとアラユは顔を見合わせ、体勢を直すことすらせず、完全にその場で固まった。セバスティアンも触角を完全に引っ込め、余計な動きを最小限にした。
俺は再び心を落ち着け、さらに集中しようとしたが、すべての音が一気に押し寄せてきた――仲間たちの心拍、遠くでかすかに動く瓦礫の音、それに自分自身の体の表面を擦る風の音まで、すべてが一つの絡まったものへと混ざり合い、以前よりもさらに聞き分けにくくなっていた。
集中しようとすればするほど、その騒音はより鮮明になっていき、鮮明になればなるほど、より混沌としていった――この体は聞こえすぎるほどよく聞こえてしまい、意志の力だけで「もっと集中しよう」としても、俺が本当に探しているそのひとつだけをふるい分けることができないようだった。
俺は動きを止めた。一瞬、どう進めればいいのか分からなくなった。
「どう?」
サチが不安そうに尋ねた。
「まだ駄目だ」
俺は正直に答えた。自分の声にすらはっきりと分かるほどの苛立ちがあった。
「雑音が多すぎる。どれが本物の標的なのか分からない」




