第213話 人機漸化
その赤い輝きに後押しされ、ユウキの声は安定を取り戻し、一グループまた一グループと読み続けた。
「イチ、ゼロ、ゼロ、イチ、ゼロ、ゼロ……」
この死んだような灰色の静止の中に閉じ込められたまま、俺はあの自動的な並び替えの力がまだ働き続けているのを感じていた。それぞれの数字が落ちる瞬間にその場所へと収まっていき、まるで見えない手に導かれているかのように、俺の内側の機械的な部分の奥深くへ埋め込まれていく。一つも取りこぼされない。
コメントは静かに流れ続け、そのうちのいくつかがぽつぽつと俺の意識に届いた。もう誰もふざけていなかった。良太でさえ珍しくいつもの軽口を控え、ただ応援の記号を何度も連投していた。サチの息遣いも何か言葉にしがたい経路を通して俺のもとに届いていた。速く、浅く、まるで強く息をするのすら憚られるかのように、何かを中断させてしまうことを恐れているようだった。
どれほどの時間が過ぎたか分からないうちに、ユウキの声が不意に止まった。
「七……」
彼女は呟いた。
「ここにもう一つ、七本のグループがある」
「それが終わりの合図だ」
ワカナの声に緊張が滲んだ。
「本当? 七本で合ってる?」
「心配なら自分で数えてもいいよ」
ユウキが深く息を吸い込んだ。
「これが最後の区切り」
彼女は速度を落とし、その最後の七本のグループを一文字ずつ、いつも以上に丁寧に読み上げていった。
「ゼロ、イチ、イチ、ゼロ、ゼロ、イチ、ゼロ」
読み終えた瞬間、辺りには死んだような静けさが降りた。
俺は頭の中のあの見えない容器が、残りすべての数字で満たされたことを感じ取った。完全で途切れることのない信号が、俺の意識の奥深くに静かに横たわり、何かを待っている。
俺は持てるすべての意志を集中させ、その記録された信号全体を、その方向へ強く押し出そうとした。
何も起こらなかった。
一秒、二秒、三秒……時間が張り詰めていき、あまりに長く続いたせいで、これがすべて無駄だったのではないかとほとんど思い始めた。
「どうなってる?」
サチの声が震えていた。
「何か反応ある?」
誰も彼女に答えられなかった。俺自身にも分からなかったからだ。
「読み間違えたかな?」
ワカナの声も震え始めた。
「それともどこかで一グループ数え損ねたとか?」
「パニックになるな」
セバスティアンの触角はぴくりとも動かず、俺のほうへ向けられたままだった。
「もう少し待ちましょう」
コメントもそこで完全に静まり返り、一つも流れてこなくなった。まるですべての視聴者が俺たちと一緒に息を止めているかのようだった。
そのとき、俺の内側から――いや、この石碑の奥深くから――かすかな震動が立ち上ってきた。まるで長らく眠っていた歯車が、ようやく噛み合って再び回り始めたかのようだった。
その震動は少しずつ広がっていき、次第にはっきりとしていった。俺は自分が無数の小さな粒子へと分解され、それから何らかの秩序によって再び組み立て直されていくような感覚を覚えた。それぞれの粒子が定位置に収まるたびに、鋭く一瞬だけ痛みが走ったが、それを痛みだと認識する前に消えていった。
「動いた!」
ユウキの声が鋭く跳ね上がった。
「気をつけろ!」
セバスティアンの触角がぴんと立った。
「みんな下がれ!」
みんなが急いで後ずさる音が聞こえ、続いて、内側から何かが押し出してくるような、硬化した殻を割るような、広がりながら砕ける音が響いた。砂埃がまた宙に舞い上がり、それまで落ち着いていた空気が再び濁っていった。
石碑の表面にひびが次々と広がっていった。俺は自分の体が広がり、外側へと伸びていくのを感じた。節ごとに、石碑本来の大きさをはるかに超えて成長していき、その拡張のたびに関節が重くくぐもった音を立て、まるで歯車がまったく新しい規模へと噛み合っていくかのようだった。
「これって……」
ワカナの声に信じられない思いが滲んでいた。
「あのゴーレムとまったく同じ形じゃない!」
俺はようやく「視覚」のようなものを取り戻した――目の前の光景が少しずつ形を成していき、最初はぼやけた光と影だったものが、次第に焦点を結んでいった。俺は自分の見慣れた両手ではなく、暗い灰色の石と金属に覆われた、節々の連なる巨大な体を見下ろした。下にいる仲間たちを遥か下に見下ろすと、誰もが顔を上げ、その顔いっぱいに衝撃を浮かべていた。
サチは口を開けたまま、一言も言葉を紡げずにいた。ワカナはその場に固まり、手引書が手から今にも滑り落ちそうになっていた。ユウキは剣を握っていたが、構える動きは一切見せず、ただ呆然と俺を――この巨大な体を見つめていた。
「マスミ?」
アラユの声に不確かさが滲んでいた。
「その巨大なやつ、お前なのか?」
俺は口を開いてみたが、この体にそもそも音を出す構造があるのかどうかも分からなかった。
「……俺だ」
低く、硬く、金属のような音色の声が体の奥から響いた。元の俺の声とはまるで違っていたが、それでも紛れもなく俺自身が話していた。
みんなが一斉に息を呑んだ。
俺は自分の巨大な、節で繋がった四肢を見下ろし、一瞬、どう動かせばいいのか、そもそも今の自分が「人間」の範疇に入るのかどうかすら、完全に分からなくなった。
コメントがまた狂ったように盛り上がり、感嘆符と疑問符が画面いっぱいに溢れた。
『どんな展開だよ、主人公がラスボスになったって?』
『あの声、正直かっこよすぎる』
『待って、これ味方なの敵なの』
良太のコメントには明らかな興奮が滲んでいた。
『これ自分の仲間と戦う羽目になるってこと???』
俺は自分に一番近い節に意識を集中させ、慎重に動かそうとした。
その構造が鈍く機械的な軋み音を立て、ゆっくりと、硬い動きで角度を曲げていった――想定していたよりもずっと遅く、ぎこちなかった。まるでまったく馴染みのない義肢を操作しているかのようだった。
「動――動けるようになった!」
サチが息を呑み、反射的にさらに後ずさったが、すぐに我に返ったらしく、無理やり足を止め、代わりに慎重に俺のほうへと近づいてきた。
「大丈夫?」
彼女は顔を上げた。声に心配が滲んでいる。
「どこか痛いところは?」
「痛くはない」
俺はこの体の発声の仕方を必死に模索した。その機械的な声はまだ硬かったが、少なくとも今は一文の言葉をまとめることができた。
「ただ……操るのが難しい」
ワカナは俺の巨体の周りを半円を描くように慎重に歩き、一つ一つの節を観察していった。手引書はまだ胸にしっかりと抱えたままだった。
「本当にさっき倒したやつと完全に同じだ」
「文様の板の頭の位置まで一致してる」
ユウキも身を寄せて観察した。剣先は一度も俺に向けられることなく、警戒を保った距離を維持したままだった。
「マスミ、あの起動コードの痕跡、まだ何か感じる? まだ体の中にある?」
俺はかつて信号があった、意識の奥深くのその場所に手を伸ばそうとした。あの数列はとうに消え去っていて、代わりに馴染みのない、それでいて奇妙に馴染んだ重みに置き換わっていた。まるでこの体が最初からずっと俺のものだったかのように。
アラユが自分の甲羅を巨大な鋏で軽く叩いた。声には隠しきれない驚嘆が滲んでいた。
「つまりお前、これで実質的に予備の巨体を手に入れたってことか?」
「俺にも分からない」
俺は正直に答えた。声には自分でも分かるほどの戸惑いが滲んでいた。
「どうやって元に戻ればいいのかすら分からない」
セバスティアンが触角を俺の体に沿って上下に走らせた。声には慎重な思案が滲んでいる。
「マスミ様、まずは一歩踏み出してみてはいかがでしょうか」
俺は自分の元の大きさをはるかに超えたこの四肢を見下ろし、深く息を吸い込んだ――もっともこの体に肺があるのかどうか、呼吸自体が必要なのかどうかも定かではなかったが――そして最前列の節を前へと動かしてみようとした。
この体には一体何ができるのだろうか。




