第207話 無限の落下
「サチ、ユウキ!」
俺は自分にとって大切なその二人の名を、純粋な絶望の中で叫び続けたが、真空の中では音がまったく伝わらなかった。
ワカナの掌が二度目、俺の後頭部に、先ほどより強く叩きつけられた。
「今それに浸ってる場合!?」
空気はすでに真空に近いほど薄くなっていて、ワカナの声はかろうじて聞こえる程度だった。俺は彼女の口の形と、苛立ちで赤くなった目から、その意味を必死に読み取ろうとした。
彼女は俺の手首を強く掴んだ。その関節が白くなるほどの力だった。
俺はその唇を見つめ、届く限りの音を懸命に拾おうとした。
「私たち――転移――あと一回――ちゃんと使って!」
ワカナはわざと一語一語をゆっくりと発音し、同時にもう片方の手で身振りを加えた。俺が理解できないのを恐れているかのようだった。
俺は強く頷き、理解したことを示した。
ワカナは深く、ゆっくりと息を吸い込んだ。まるでこの死んだような静かな真空を、意志の力だけで無理やり自分の肺に取り込もうとしているかのようだった。
俺は親指を立てて彼女に応えた。
「しっかり掴まって!」
彼女の唇がはっきりとその言葉を形作り、その直後、転移を発動させた。
次の瞬間、体の中が激しくかき乱され、耳鳴りがして、目の前の光景が光の中で歪み崩れていった。あの無重力の死んだような静寂が、まったく別の何かへと不意に置き換わる。
湿った土の匂いに、草花の甘く爽やかな香りが混じり、遠くにはかすかな風霊鳥の鳴き声が聞こえた――益の回廊だ。
俺はよろめきながら膝をつき、両手を柔らかい草地に押し当てて喘いだ。遅ればせながら、こめかみがずきずきと脈打ち、胃が激しくかき乱されて、今にも吐きそうなことに気づいた。
「これは……」
俺の声がようやく普通の空気を通してはっきりと届いた。
だが言い終える前に、ワカナはすでに声の限りに叫んでいた。全力を込めて。
「ジェリー! サラダ! 今すぐ出てきて!」
ジェリーが要るのか?
彼女に何の計画がある?
その叫びが静かな森に響き渡り、近くの枝にとまっていた何羽かの風霊鳥が驚いて飛び立ち、鳴き声を上げながら散っていった。
反応がない。
「ジェリー! サラダ!」
ワカナが不安げにまた呼びかけた。
俺がまだワカナの計画を必死に理解しようとしていたその時、遠くの絡み合った根の間から急に騒がしい音が起こり、茂みの奥からがさがさという音が近づいてきた。
その鱗に覆われた四本脚の魚が、何重もの枝や葉を押し分け、絡み合った根を踏み越えて現れた。その普段の鈍重な印象とはまるで違う機敏さで、平たい頭いっぱいに困惑を浮かべながら、まっすぐ俺たちに向かって突進してきた。
そのすぐ後ろから、あの湿った柔らかい体――サラダがゆっくりと這ってきた。目にはいつもの呆けたような色を浮かべ、何が起きているのかまったく分かっていない様子だった。
「ジェリー、サラダ、助かった!」
俺はほとんど飛びつくように前に出て、片手でジェリーの体を掴み、もう片方の手でサラダの湿ってべたつく体をしっかりと抱きしめた。
二人はそれぞれ鳴き声を上げ、一体何が起きているのかと問いかけているようだった。
「もう時間かけてる暇ない、今すぐ転移するよ!」
ワカナが焦った様子で促した。
「せめてどうやってみんなを助けるつもりなのか教えてくれ!」
「ごめん、説明してる時間ない、とにかく今すぐあそこに戻らなきゃ!」
ワカナは二人と俺をしっかりと掴んだ。
俺自身の心臓もどきどきと高鳴っていて、彼女に今説明する時間がおそらくないことは分かっていた。彼女に計画があって俺にないなら、彼女に従うまでだ。
再び転移。
俺たちを包んでいた暖かく湿った森の空気が、即座に冷たく死んだような、息が詰まりそうな真空へと入れ替わった。
俺たちは巽之窗の荒れた地面に降り立った。
はるか高く、遠くに、俺たちの仲間たちの散らばった姿が見えた。まだ恐ろしい速さでこちらへと落下してきている。
「よかった、まだ地面に着いてない、間に合った!」
ワカナが思わず叫んだが、真空の中では彼女自身の声すらほとんど聞こえなかった。
ジェリーはすぐに状況を把握したらしく、平たい目を上から迫ってくるその人影たちにしっかりと向け、喉の奥から低い鳴き声を上げると、仲間たちが落ちてこようとしている方向へと体を向けた。
彼らが着地しようとしている地面を奪い取るつもりだ!
これがワカナの、みんなを救う方法だったのか。
俺は近づいてくる仲間たちを見上げた。抑えきれない興奮が湧き上がってくる――ほんの少し前、俺はあまりにも簡単に諦めてしまっていたのだ。
そのとき、セバスティアンの姿が、他のみんなよりもずっと先を切って、恐ろしい速さでまっすぐ俺たちのほうへ落ちてくるのが見えた。左の鋏には医療用テープがまだ巻かれたままで、その目にはっきりとした驚きの色が浮かんでいる。
俺は考えるより先に両腕を広げ、彼が着地しようとしているその場所へまっすぐ向かって突進した。地面に叩きつけられる前に受け止めようとして。
「マスミ様、おやめを――!」
その唇が焦ったようにその言葉を形作るのが見えた。その目には恐怖が満ちていた。
もう遅かった。
俺の両手が彼の体をしっかりと掴んだ瞬間、どれほどの時間をかけて蓄積されてきたのか分からないあの恐ろしい勢いが、その一点の接触を通して俺の体へとまっすぐ流れ込んできた。
俺にはその力にまったく抗う術がなかった。風霊鳥の強化なしでは、俺自身の力ではセバスティアンの落下を正面から受け止めるには到底足りなかった。
そしてそのとき、俺を守ろうとしたジェリーが、俺自身の足元の地面も奪い取ってしまった。
俺はセバスティアンと一緒に、何もない虚空の中へと落ちていき、さらに深く沈んでいった。
「こ、これは……」
俺は自分の体がまた何にも支えられなくなるのを感じ、呆然としながら、そこでようやく自分がどれほど愚かな過ちを犯したかに気づいた――セバスティアンに蓄積された勢いはあまりにも巨大で、ほとんど強化されていない俺自身の体では到底耐えられるものではなかった。もしジェリーが接触した瞬間に俺の足元の地面を奪い取っていなければ、セバスティアンの勢いは俺の体を真っ二つにしていたかもしれない。
だが今、俺たちは一緒にこの深淵へと落ちていた。
セバスティアンの顔には諦めの色が浮かんでいたが、無事な右の鋏で俺の腕をしっかりと掴んでいた。まるで落下の引力の中で俺が離れてしまわないよう確かめているかのように。
「この落下、いつ底に着くのでしょうな」
セバスティアンが尋ねた。声にはどこか興味深そうな響きがあった。
「いつになるにせよ、それより先に俺がもう一度転移できなかったら、着地の瞬間にジェリーがまた地面を奪ってくれるはずだから、衝撃で死ぬことはないと思う」
俺は安心させるように言った。
「その後は? どんな計画がおありで?」
「時が来たら、転移で戻る」
「またあのほぼ無敵のゴーレムと向き合うと?」
セバスティアンにはもう何か考えがあるようだった。
「また向き合うことを考えただけで頭が痛くなる……」
「マスミ様、一つ、考えを申し上げてもよろしいでしょうか」
「何か案があるのか?」
「ございます」
「何だ?」
「この落下を止めないことです。それどころか――この落ちている時間を使って、体にさらに勢いを蓄え続けるのです」
「そして……風霊鳥の強化に匹敵するような、常軌を逸した破壊力を得るってことか!」
俺は興奮しながらその考えを引き継いだ。
セバスティアンは、生徒がようやく理解した瞬間を見守る家庭教師のような笑みを浮かべた。
俺はまだ集中したままのその目を見つめた。まるで何か大胆な計画を練り上げているかのようだった。複雑な期待が湧き上がってくる――もしかしたら、この終わりの見えない絶望的な落下の中にこそ、俺たちがこれまで気づかなかった転機が本当に隠れているのかもしれない。
「もし……」
セバスティアンにはさらに考えがあるようだった。
「もし……?」
「もし、ここに仲間たち全員を集めることができれば、質量が増える分、力もさらに大きくなりましょう」
セバスティアンがニュートンの運動の第二法則を理解しているとは知らなかった。
より大きな力に、それを蓄えるより長い時間が加われば、俺たちが生み出せる破壊力は、間違いなくあのゴーレムを真っ向から貫くのに十分なはずだ!
「ですが……」
セバスティアンは不意に言葉を止め、躊躇いを見せた。




