第201話 土室の限界
「このままじゃ保たない」
俺は歯を食いしばりながらゴーレムの重い一撃をまた受け止めた。関節の痛みがさらに深まっていくのを感じる。
「酸素ボンベで呼吸の問題は解決したけど、この低気圧のダメージはまだ蓄積し続けてる」
「気圧を正常に保つ方法、何かないのか?」
ワカナが喘ぎながら、すでに腫れている手首をさすりながら尋ねた。
俺は手持ちのものすべてを頭の中で洗い出した――知恵の書、雷霊鳥への変身、風纏う爪、触手丸薬――どれも戦闘向けのもので、環境の気圧の問題そのものを解決できるものは何一つなかった。視線が、近くで相変わらず大地を操って海民の戦士たちを気流から守っている樹妖たちへと向いた。
「樹妖は大量の大地を操れる。もし完全に密閉された空間を作れたら……」
俺は考えを巡らせ、頭の中でその案を組み立てた。
「もしかしたら、外の低気圧を遮断できて、少なくとも体に一時的な休息を与えられるかもしれない」
俺はすぐさま樹妖たちに叫んだ。
「お前たち、今の作業を一旦止めて、密閉空間を作るのを手伝ってくれ!」
「樹妖に何ができるんだ?」
ユウキが防御を続けながら食い下がった。
「大量の大地を操って、密閉空間を作れるんだ!」
俺は急いで説明し、樹妖たちに指示を出した。
「これで少なくとも、しばらく息をつけるはずだ!」
「ここは俺たち三人で持ちこたえましょう」
セバスティアンが真っ先に口を開いた。口調は落ち着いている。
「この甲羅ならもう少し耐えられます」
「そうだ、お前たちは隠れて休んでこい。ここは俺たちに任せろ」
アラユが珍しく素直に同意し、紫がかった赤茶色の大きな鋏を再び構え、戦いに臨む姿勢を取った。
プルートゥンシャも頷き、灰白色の甲羅に覆われた体をゴーレムの前にしっかりと据え、退く気配は微塵もなかった。
ニャリクは翅を羽ばたかせながらも残って戦おうとしたが、俺はそれを止めた。
「お前も一緒に入って休んでこい」
俺は言った。
「俺が? でもまだ戦えるぞ!」
ニャリクは頑固に俺を見つめながら言った。彼は酸素をほとんど吸っていなかった――鳥人族は明らかに他の者たちより低気圧に対して何らかの天然の耐性があるようだったが――それでも……
「呼吸は全然問題なさそうだけど、自分の目を見てみろ。今、恐ろしいくらい充血してるぞ」
俺は眉をひそめながら彼を観察して言った。
彼は反射的に瞬きをし、それ以上言い返さなかった。
ニャリクと共に戦っていたフェアリーも、明らかな疲労で翅を震わせ、頬もかすかに腫れていた。彼女は素直について行き、それ以上何も言わなかった。
「三人とも、頼んだぞ」
俺はアラユ、プルートゥンシャ、セバスティアンを見つめた。胸に重い感謝が湧き上がる。
樹妖たちはすぐに巨大な中空の土室を作り上げた。表面は完全に継ぎ目もなく、しっかりと密閉されている。ワカナ、ユウキ、サチ、マファガイス、フェアリー、ニャリク、そして俺は急いで中へと入り、俺たちが通り抜けた瞬間、入口が塞がった。
外からはアラユ、プルートゥンシャ、セバスティアンがゴーレムと戦う音が聞こえてきた。それぞれの衝撃は分厚い土の層に遮られてくぐもっていたが、それでも床と壁を通して振動として伝わってきた。
この小さいながらも密閉された空間で、俺はようやく少し呼吸が楽になった。少なくともゴーレムの陥没穴を穿つような一撃に直接向き合わずに済んでいる。
「やっと一息つけた」
ワカナがその場に崩れ落ち、長い息を吐いた。顔全体に疲労が浮かんでいたが、それでも腫れた手首をさすり続けていた。
サチも土壁にもたれかかるように座り込み、目を閉じて息を整えていたが、思わず自分の赤く乾いた目をこすった。
「目がすごく乾いてる、それに全体的にちょっとぼやける」
マファガイスも肩の力を抜き、壁にもたれて静かに目を閉じた。目の周りに似たような不自然な赤みが浮かんでいる。
フェアリーの翅は相変わらず疲労で震え、小さな体を隅っこに丸めていた。頬の腫れは治まる気配がなく、目は泣いた後のように赤く腫れぼったかった。
「なんでここに来ても、まだこんなに苦しいんだろう……」
ニャリクも不快そうに自分の関節をさすり、思わず愚痴をこぼした。
「これだけしんどいなら、いっそ外で手伝ってたほうがよかったな」
俺は大地に囲まれたこの小さな空間を見渡した。外ではあの容赦ない低気圧の重みが少しも和らいでいなかった。この束の間の安定は、ゴーレムの直接的な脅威から一時的に逃れているに過ぎない。
「なんで……」
ワカナが不意に眉をひそめ、深く息を吸い込んだ。
「まだここ、息苦しい感じがする?」
俺は自分の状態に丁寧に意識を集中させた。あの苛立たしい関節の痛みは少しも和らいでいなかった。
「何かおかしい」
ユウキも同じことに気づき、困惑気味に言った。
「外の空気を完全に遮断したのに、なんでここの気圧、まだ同じくらい薄い感じがするんだ?」
胃の底がすっと冷えた。一気に思い当たる。
「樹妖がこの部屋を密閉した時、中に閉じ込められた空気はもう外と同じあの薄い空気だったからだ!」
俺は苛立ちながら額を叩いた。
「密閉したところで、その同じ空気を中に閉じ込めただけで、実際には正常な気圧なんて全然回復してなかったんだ!」
「じゃあどうすればいいの?」
サチが不安そうに尋ねた。声に落胆が滲んでいる。
「ここにもっと空気を送り込む方法が要る」
俺は眉をひそめながら、頭を絞って解決策を探した。
ワカナは一瞬たりとも躊躇せず、何かを思いついた。
「エアバッグ!」
「どういうことだ?」
俺は困惑しながら彼女を見た。
「車のエアバッグだよ! 圧縮ガスがぎっしり詰まってて、作動すると一気に大量のガスを放出するの!」
ワカナが興奮気味に説明しながら、すでに真理の鏡に手を伸ばしていた。
「それにエアバッグってそんなに大きくないから、鏡を通るし、しかも鏡で何個も複製できる!」
彼女は折りたたまれたコンパクトなエアバッグを鏡から取り出した。鏡の表面がいつものように波打ち、同じエアバッグが次々と複製されて、足元に積み上がっていく。
「これで足りるはず!」
ワカナは手際よく部屋のあちこちの隅にエアバッグを配置し、起動装置を引いた。
「みんな耳塞いで、結構うるさいかも!」
くぐもった破裂音が次々と響き、エアバッグが一つまた一つと展開し、瞬時に膨らんで、密閉された空間に大量のガスを放出していった。
「これ……本当に効いてる気がする!」
サチが嬉しそうに叫んだ。それまで重かった体から重しが取れたような感覚があり、関節の痛みも目に見えて和らいでいく。
「気圧、確かに上がってる」
ユウキが深く息を吸い込んだ。声に興奮が滲んでいる。
だが俺は別の問題に気づき、急いでみんなに警告した。
「忘れるな、エアバッグの中身は窒素で、酸素じゃない! 気圧は確かに上がったけど、ちゃんと呼吸するにはまだ酸素ボンベが要る!」
「あ、そうだ、忘れるとこだった」
ワカナはすぐに自分のマスクがしっかりしているか確認し直し、他のみんなも自分の酸素供給を確認した。
イヤピースの中の視聴者たちも少し安堵していた。
『エアバッグとか、発想が独創的すぎる』
『密閉しても自動的に正常気圧になるわけじゃないのか、勉強になる』
『窒素と酸素分けて考えたの、いい判断、大事な指摘』
『ワカナの複製能力、本当に壊れてる』
『みんなやっとちゃんと息できるようになったね』
俺たちはしばらくその土室の中で静かに休んだ。着実に蓄積していた疲労と痛みが、ようやく少し息をつく余裕を得た。
「そういえば」
ユウキが不意に口を開いた。声に心配が滲んでいる。
「ここにいつまでも隠れてるわけにはいかない。外のあの三人はまだ自分たちだけで戦い続けてる」
そこでようやく俺は、外で続いている戦いのことを思い出した。胸の中に罪悪感が湧き上がる。アラユ、プルートゥンシャ、セバスティアンは今まさに外で、あの陥没穴を穿つような一撃を一人で受け続けているのに、俺たちはここで束の間の安らぎを味わっているのだ。
「たとえここに永遠にいられたとしても、これはあくまで一時的な避難場所であって、本当の解決策じゃない」
「ここに風霊鳥を十分な数入れられたらいいのにな」
俺はこの狭い土の内部を見渡し、苦笑しながら首を振った。
「何にしても」
サチが再び気を引き締め、翠甲羅を握り直した。
「そろそろ外に戻って、みんなを支援する時だね」
そのとき、外からずっと重い衝撃音が響き、部屋全体が揺れ、壁にはっきりとしたひびが走った。
「この土の殻、そう長くは保たないな」
俺はそのひびを見つめた。声に重々しさが滲む。
「ゴーレムのこの威力じゃ、こんな即席の空間、あと何回も耐えられないはずだ」
イヤピースの中のコメントも緊張の色を帯びていった。
『外のあの三人、まだ一人で耐えてるのか、これ本当に大丈夫なのか』
『土室にひびが入った、そろそろ出る時だな』
『結局この方法も応急処置だったか、また戦いに戻らないと』
『みんな早く助けに行ってあげて』
「みんな、準備はいいか?」
俺は仲間たちを見渡した。




