第158話 炎に飛び込む四人の勇者
「なんであの二人、こんな危険な場所に隠れてるんだ……」俺は泡が燃え盛る石油タンクへまっすぐ突っ込んでいくのを見つめながら、意図せず眉間の皺を深くしていた。
俺は高く飛び上がり、燃える建物の様子を確かめた。泡がただ通り過ぎているだけだという一縷の望みにまだすがっていた。だが明らかにそうではなかった。泡は中に入ったきり出てこず、亀裂から噴き出す渦巻く煙に呑み込まれていった。
「理由はいろいろ考えられる。もしあいつが今、マフィアから逃げてる最中なら、誰も気軽に発砲できないような場所を選びたがるはずよ」ユウキが俺の横まで飛んできて言った。その目は炎に据えられたまま、声には落ち着いた推理の色があった。
俺はユウキに、現代の石油貯蔵施設がこんなにも脆いはずがない、たった一発二発の銃弾で誘爆するようなものではないはずだと指摘しかけたが、タンクから吹き出す轟々たる炎、亀裂から絶え間なく伸び上がるオレンジ色の舌を見て、その言葉を呑み込んだ。
「あいつらがなぜあそこに隠れてるのか考えてる時間はない。今大事なのは、どうやってあの炎の中に入って見つけ出すかよ」ユウキは腕を組みながら続け、あらゆる角度から建物を見渡した。
彼女の言う通りだった。
「問題は、俺の配下に火に強いやつがいないってことだ」俺は地面に降りた。
熱で額に浮いた汗を手で拭いながら、考え込んだ。
「うん、あたしたちのピクシーは火に対しては完全に無力だし」フェアリーが肩の上から、どこか諦めたような声で言った。
「樹妖と虫は燃えやすすぎるし、アンドリアス・サピエンスは乾燥した空気すら苦手だし、風靈鳥たちも何か特別な力を持ってるようには見えないし」ワカナが指を折りながら一つずつ数え上げ、名前を挙げるたびに眉間の皺を深くしていった。
「あの……エインヘリャルは?」サチがおずおずと尋ね、俺の腰にある知恵の書へ視線を向けた。
「ヴァニルの人選なら、消防士の一人や二人くらいはいそうだけど、こんな規模のものに対応できるかどうかは……」ユウキが疑わしげに首を振った。何しろ相手は燃え盛る原油だ。
俺は現場を駆け回る消防士たちを見つめた。放水が炎に叩きつけられて大きな白い水蒸気の雲を巻き上げていたが、それでもあの燃え盛るタンクを制御できる気配はまったくなかった。二百年前の元気な消防士を数人呼んだところで、大した違いは生まれないだろう。
「必要なのは火を消してくれる人じゃない。必要なのは、あの中に突っ込んで人を見つけ出してくれる人よ」フェアリーが羽根をかすかに震わせながら言った。この状況を完璧に見抜いていた。
「炎の中をさっと駆け抜けるだけなら、もしかして……」ふと思いついた。俺の配下の中に、これに対応できそうなやつが本当にいるかもしれない。いくつかの候補が一気に頭に浮かんだ。
「塩昆布じいさんに伝えてくれ。焦げにくい食料部隊を何人か寄越してほしいって」
俺はピクシーの従者を一人呼び出し、手短に指示を伝えた。彼女は頷くと、すぐさま空中に姿を消した。
数分後、皮つきのトウモロコシ、アルミホイルに包まれたサツマイモ、発酵したばかりのパン生地の玉、それに柔らかくふにゃりとした白いチーズの塊が、俺の前に現れた。四人とも背筋を伸ばし、意気軒昂な様子で、驚くほど規律正しく一列に並んでいた。
「新鮮な皮つきトウモロコシ、参上いたします!本来の望みは茹でられることでしたが、ご主人様の任務のためなら、焼かれるのだって構いません!」トウモロコシは体をぴんと伸ばし、きびきびとした敬礼をした。
鮮やかな緑の皮とその下の淡い黄色の粒のせいで、彼はまるで迷彩服を着た東アジアの兵士のように見えた。皮の先端がかすかに震え、覚悟の気配を漂わせていた。
サツマイモはアルミホイルの端を少しめくり、その下の焦げ茶色の皮を覗かせながら、落ち着いた、揺るぎない声で呟いた。
「私の先輩方は、七百度、八百度の土窯でも耐え抜いてきました。この件、心配なくお任せください」彼は自分のふっくらとした体を軽く叩いた。その動きに合わせてアルミホイルがかすかに音を立てた。
パン生地はゆっくりと時間をかけて自分の体を平らに伸ばし、表面にトマトソースを塗りつけると、その上にベーコンの切れ端をいくつか散らした。その動作はまるで丁寧に着飾っているかのように優雅だった。
「対象を引きずり出したら、皆さんでどうぞ私を一緒に召し上がってください!」彼は俺に、地中海風の温かい笑みを見せた。声には気負いのない自信があり、まるで燃え盛る炎ではなく宴に向かおうとしているかのようだった。
最初の三人の食料部隊は自信に満ちた様子だった。だが四人目、あの柔らかく白いチーズの塊を見た時、俺は思わず疑わしさを覚えずにはいられなかった。
「熱、大丈夫なのか?」俺は疑わしげに彼を見つめた。その柔らかくふにゃふにゃとした見た目からは、炎の中で生き延びる姿がまったく想像できなかった。
彼は何の心配もない様子で答えた。声は落ち着いていて、まるですでに結末を見届けたかのようだった。
「私はハルーミです。火に耐えられるかどうかは、行ってみれば分かりますよ」
ワカナは我慢できずにハルーミの柔らかい体をつついてみて、小さな驚きの声を上げた。「うわ、これ本当に弾力ある!」
ハルーミはまったく反応を見せず、ただ体を軽く揺らすだけだった。まるで無言で自分の弾力を証明しているかのようだった。
ユウキはそれぞれ独自の強みを持つ四人の食料部隊を見渡し、思わず小さく笑った。「なかなかの布陣ね。でも案外いけるかもしれない」
サチは両手を合わせ、まだ燃え続けるタンクを心配そうに見つめた。「みんな、無事に戻ってきてね」
四人の食料部隊は声を揃えて答えると、燃え盛る炎に向かって行進を始め、その姿は徐々に渦巻く煙に呑み込まれていった。
俺はその場に立ち尽くし、彼らの背中が煙の中に消えていくのを見つめていた。どうしても胸のつかえを振り払うことができなかった。
タンクの亀裂からは絶え間なく明るいオレンジ色の炎が噴き出し続け、幾度も熱波が押し寄せてきた。数十メートル離れていても肌が焼けるような熱を感じるほどだった。額には汗が浮かび続け、足元の砂利にぽたぽたと滴り落ちていた。
「本当に見つけられるかな?」サチが不安げに俺の袖を掴み、指先をかすかに震わせながら尋ねた。
「塩昆布じいさんが選んだ人選なら、俺を裏切るとは思えない」俺は自分が実際に感じているよりも自信ありげな口調を装ったが、腹の底にはずっと冷たい不安の塊が居座っていた。
ワカナのカメラは炎に向けたまま動かず、その声には珍しく重みがあった。「みんな、今、火の中に何人かの仲間を探しに送り込んだところ。よかったら、無事を祈ってあげて」
コメント欄は一瞬静まり返ってから、ゆっくりと再び埋まっていった。
『待って、本当に食料部隊を送り込んだの、焼けちゃうんじゃ』
『上の人、それどころか、そのために送り込んでるんだよ』
『この設定、変だけどなんか妙に理にかなってる』
『無事に帰ってきて、あのハルーミの子、本当に実力ありそう』
『ワカナも気をつけて、火に近づきすぎないでね』
俺は建物を見上げた。裂けた頂部から絶え間なく黒煙が噴き出し、澄み渡っていたはずの青空を覆い隠し、地平線全体をくすんだ灰色に染め上げていた。崩れた鉄骨が基部の周りに散らばり、亀裂からは歪んだ配管が瀕死の触手のように伸び出て、溶けた残滓を滴らせていた。
消防士たちは絶え間なく放水を続け、水流が焼け焦げた金属の外殻に叩きつけられるたびに白い水蒸気が噴き上がり、上空の黒煙と混ざり合って、不気味に渦巻く雲を形成していた。
俺は知恵の書を強く握りしめたまま、炎の方向から一瞬たりとも目を離さなかった。
正直、ここまで心配する必要はなかった。あの四人にはまだ次の機会が残されていることを知っていたから――いつでもエインヘリャルに変えて、新しい命を与えることができる。
だが心の奥底では、彼らが本当に望んでいるのは、美味しさを本当に理解できる誰かに、きちんと食べてもらうことだと分かっていた。
「真っ黒に焦げて戻ってこないといいけど……」
ユウキも俺と同じことを心配していた。彼女は俺の隣に立ち、剣の柄を握る手は白くなるほど力が入っていて、いつでも何かに反応できるよう身構えていた。
フェアリーは頭上を行ったり来たりしながら旋回していて、その羽ばたきの慌ただしいリズムが、彼女の不安の深さを物語っていた。
時間は秒単位で過ぎていった。煙は渦を巻き続けていたが、炎は少しだけ勢いを弱めたように見えた。先ほどまでのように荒々しく暴れることはなくなり、代わりに低く安定したくすぶりへと落ち着いていった。
俺たち四人はその場に立ち尽くし、誰も口を開かないまま、煙に包まれた廃墟をじっと見つめ続けた。四人の食料部隊からの知らせを待ちながら。




