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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第四部 大戦争を起こす件について(仮)
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終焉な件について(仮)


 天邪鬼が宙を飛び、横にある民家に追突した。


 それをみて、ほとんどの人物が言葉と、心で「え?」という声を漏らす。


「ふうーっと、まあこれでしまいやな」


 江良昌樹は微笑む。

 そして、その笑みをかおるに向けた。


「そうですね」


 かおるもそれに笑みを返した。


「は?」


 上野は急いで、後ろを振り返る。

 先ほど、胸を突かれた井上ハルカ、気が付けば後ろからの悲鳴は消えていた。


 そこには、胸からの出血などなく、すやすやと眠る一人の女の子がいる。

 確かに、胸を突かれたはずだ。

 周りにいる正子たちも、戸惑いを隠せない様子であった。


「い、意味がわからねえ・・・」


 上野はただただ、混乱していた。

 彼だけでなく、江良昌樹とかおる以外の人間は、混乱をぬぐえないだろう。


 江良昌樹は、ゆっくりと、民家に向かっていく。


「勘違いしてたみたいやけどな」


 民家の破片をすべて、なぎ払っていく。


「わしは、別にこいつの見方ってわけじゃないねんで?」


 江良昌樹は民家の中から、ボロ雑巾となった天邪鬼を持ち上げる。


「わしもな。こいつを最終的に倒すために、本当のわしが仕えている唯一神から、こっちに送られたわけや」


 江良昌樹は、天邪鬼をかおる達の前に運んできて、無造作に下ろした。

 すると、そこに八つの枢要罪が、後ろから現れた。


「そういうことだね」


「マジかよ・・・」


 上野は、今までのことを思い出す。


「ってことは、今までの江良昌樹の行いも、全部仕組まれたことだってのか?」


「それは少し違いかもね」


 八つの枢要罪が説明する。


「彼は、私と同じように送られたけど、基本理念は違う。私が最終的に、人のフォローをする立場だったとしても、彼は天邪鬼を試すために、送られたんだよ」


「それはどういうことだ?」


「彼の正体は知っているでしょ?」


「・・・・・サタンだろ?」


 上野が答える。


「そう、彼は大罪悪魔、その中で憤怒の罪を司る大悪魔サタン、すべての大罪悪魔の中で頂点に位置する悪魔、その力はすべての、大罪悪魔を足し合わせても足りない・・・」


 上野たちは、良太郎の調査からそのことを知っていた。

 もちろんかおるもだということだ。


 だが、その内容はこうである。


 神殺しとして、唯一神につかまったサタンは、その後、なんらかのことがあり、その魂が人の魂と融合した。

 それにより生まれたのが、江良昌樹。

 

 天邪鬼は、彼の本当の魂であるサタンの姿までは知ることができなかった。

 だが、強力な力を持つ彼を自分の手中に上手く入れた。


 それが、上野たちが知っていたことだ。


 それが、まったく違うということが今ここで明かされた。


「なら、強大な力を持った天邪鬼がいったい何をするのかを、見るために、江良昌樹を送り込んだのか?」


「そういうことだね。そして、こいつは力を誤った捕らえ方をした。だから、直々に粛清することにしたんだよ」


「おいおいおい・・・・・・」


 上野は、かおるを見た。

 彼は先ほどから、何も言わず黙っている。


「それは・・・」


 努が口を開いた。


「唯一神が、入らぬことをしなければ、こんなことにはならなかったってことかい?」


 それは、今の説明を聞くと誰もが思うことだろう。


 サタンと八つの枢要罪を天邪鬼に送り込むことさえしなければ、天邪鬼は要らぬ知識をつけずに、要らぬ夢などもたなかったかもしれない。


 つまり、唯一神が、要らぬことをしなければ、誰も不幸にならなかったかもしれないということだ。


 努たちは、相手からの返答を待つ。


「それは・・・」


「それは違うと思いますよ」


 八つの枢要罪の言葉をさえぎったのは、かおるだった。

 その反応と、彼の放った言葉の内容に、上野たちだけでなく、江良昌樹と八つの枢要罪も目を見開いた。


「俺が力を得たからかもしれないけど、良太郎の記憶の中にあった、隠された記憶が出現したんだ。そこには、彼らの思惑に気が付いていた良太郎がいる」


「何?! ってことはあいつは、本当の最後までしってたってことなのか?」


 上野が言う。


「ああ、その記憶と、俺が肌で感じることを総合して考えると、おそらく、この土地の元の霊脈がおかしくなっていた。そのためによる自然力とかの磁場の乱れが、将来大惨事を招く恐れがあった。だから、神はその磁場の乱れを正すために、ここまで大掛かりなことをしたんだろ?」


 かおるは冷静に問いかける。


「うん・・・、正直そこまでわかるなんてびっくりだよ。君の言うとおり、唯一神はここの霊脈を正したかった。だけど、この天邪鬼はそれを素直に聞く相手ではなかったし、それを逆手にとってくる恐れがあった。だから、いろいろな策をめぐらし、できるだけ穏便に事を運んだ結果がこれなわけだね」


「おいおい! かおるはそれを信じるのか? もしかしたら、お前がそう考えることも、こいつらの思い通りだってこともあるんだぜ?」


「確かにな」


 かおるは、上野の言葉をあっさりと肯定した。


「でも、俺はこれから先に、ハルカに危険が及ばなければそれでいいんだよ。無責任な発言になるかもしれないけどな」


「お前・・・」


 上野の肩に、手が置かれる。

 その手は、努のものだった。

 彼は上野に微笑む。


 もともと、稲垣かおるのわがままから始まった戦争は、ここで本当の意味で終焉となった。

 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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