そこですか? な件について(仮)
「はっ!!」
「かおるさん!」
「かおる!」
「かおるさん!」
「かおる君!」
「かおる!」
「え? 何この状況?」
体を起こしたかおるは、辺りにいる人たちに対して、首をかしげた。
それにより、一瞬の間がその場にできあがる。
「本物なのか?」
「なんだよ、上野。どっからどうみても俺だろ?」
かおるは微笑んだ。
「ってちょちょちょ!」
その瞬間に回りにいた全員がかおるの体に抱きつく。
「痛い痛いって、俺こうみえても結構怪我してるから! っいてててっいて」
「いいじゃないですか!」
「そうだぜ、かおる!」
「そうですわよ!」
「待って待って! 今はそれどころじゃなくて!」
「何よ。元気そうじゃない」
「え・・・・・」
その声にみなが、振り向く。
かおるの隣に眠ったいた人物、抜け殻となったその体・・・。
「な、何よ・・・、そんなびっくりした顔して・・・」
「ハルカ・・・、・・・・・ハルカ!」
かおるが、彼女に近づく。
そして、顔や肩などに執拗に触れた。
「ちょ、ちょっと! 気持ち悪いわよ!」
「ぶはっ!」
ハルカの鉄拳がかおるの顔面にヒットした。
「ハルカさん・・・」
「ハルカ・・・」
「ハルカさん・・・」
「ちょっと待って、その反応の後の行動はさっき見た気が・・・、わああ!」
今度は、ハルカの体に、正子たち3人が抱きついた。
「よかった! 無事で! 本当に良かったです!!」
それから、四人はしばらく涙を流しながら、抱き合っていた。
「その、ごめんなさい。心配かけて・・・」
ひと段落して、ハルカが、四人の様子を見ていた、かおるに言った。
「何いってんだよ」
かおるは、ハルカに近づく。
そして、頭に軽く手を置いた。
「お帰り、ハルカ。やっぱりお前のこぶしが一番利くわ」
「・・・・・うん、ただいま・・・」
ハルカの瞳から一筋のしずくが落ちた。
すると、それがダムの決壊を示すように、彼女はかおるの胸で、大声で泣いた。
「ふざけるなよ・・・」
声が、みなの後ろから聞こえてくる。
かおるはその声のするようを見る。
「お前・・・」
「誰なんだ?」
上野が聞く。
「あれが、天邪鬼の本当の姿だ」
「何!?」
そこには、着物がぼろぼろとなって、地べたにはいつくばっている男がいた。
その男は、膝を折りながら、立ち上がる。
「どうしてかは知らんが、現実世界に出ることができたなら、こっちのものだ。こちらには、あの男がいるのだから・・・」
「江良昌樹なら、俺達が飛ばしたぜ?」
上野が言う。
「ふん、あやつをそれくらいで抑えられたつもりか?」
かおるは、ハルカを正子たちに預けて、立ち上がった。
「どこまで行っても往生際に悪いやつだな」
「貴様には特に絶望を見せてやる。貴様の大切な人間は残らずミンチにしてくれる。それを見ながら自分の無力さを恨め!」
「よくも、そんな言葉をこの状況で吐けるな。逆に感心するよ・・・」
かおるは全身に黒雷炎を纏う。
「これで本当に最後だ」
「ふん、江良昌樹が来るなんてうそなんだぜ。絶対、ただのブラフに決まってる」
上野も力を使う準備に入る。
その横に、努も立ち、臨戦態勢に入る。
「愚か者が、来たぞ?」
「は?」
天邪鬼が上を向いたので、上野も上を向いた。
(何かが、降りてくる・・・? まさか・・・・・・そんな!!)
ドガアアアーアーーーーーーーーーーーン!!
天邪鬼の後ろ数百メートルに、まるで隕石で落ちたのかと思われるほどの衝撃が落ちてくる。
「嘘だろ・・・」
上野は落ちてきた人物を見て、そういわずには居られない。
大きなクレーターの中心から人が一人、こちらに向かってくる。
「結構遠かったで、ほんまに、おかげで時間がようけかかったわ」
江良昌樹・・・。
この世界で英雄としての魂を持ち、絶対に何事にも勝つ運命を持つ人物・・・。
「さてと・・・、こっからはと」
江良さんは、天邪鬼の隣にたった。
「よくぞ戻ってきたぞ。それでこそ、我の僕だ」
「それで、この状況はどないなってんのや?」
江良さんは当たりを見回す。
そして、「ああそういうことか」と何か納得した表情をした。
「かおる、まだ最後とちゃうぞ?」
「みたいですね」
「まあ、最後がわしがきめたるわ」
「そうなるみたいですね」
その瞬間、江良さんがみなの視界から消えた。
ブス・・・・
「キャーーーーー!!」
後ろから、正子たちの悲鳴が聞こえる。
それにより、かおる達は後ろを振り返った。
「なっ・・・・!!」
そこには、江良さんが、ハルカの胸に手刀を差し込んでいる姿があった。
「こ・・・の・・野郎!!」
上野はすぐに、時間停止を使用する。
しかし、江良さんはそれをもろともせずに、その血だらけの手をハルカから引き抜き、上野の攻撃を軽くいなして、天邪鬼の隣に戻った。
「ハルカさん!! ハルカさん!!」
後ろからは、正子たちの彼女を呼ぶ悲鳴が聞こえてくる。
「ふはははははははははははは!!」
天邪鬼の汚い笑い声が響いた。
「せっかく助けたのに残念だったな! もうその娘は用済みだ。我は新しい体を見つけた」
すると、天邪鬼は、一人を指差した。
「まさか・・・、かおる?」
「その通り、そやつは、あの唯一神をその身に下ろしたほどの肉体だ。我がかかるにふさわしい。喜んでよいぞ? 貴様は選ばれたのだ。至極の喜びだろう?」
かおるは答えない。
「じゃあ、それぼち決着つけよか? なあ、かおる」
「そうですね。江良さん」
その瞬間、江良さんが、天邪鬼を殴り飛ばした。
小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。
お読みいただきありがとうございました。




